しみやそばかすの見た目は茶褐色でよく似ていますが、特徴がそれぞれ異なります。
今回はしみとそばかすの違いを知りたい方に向けて、原因や見分け方を医師が詳しく解説。
さらに「セルフケアや市販薬で消せるの?」といった疑問にもお答えします。
しみ・そばかすの具体的なケア方法もまとめているので、ご自身の症状が気になる方はぜひ参考にしてください。
この記事を監修した医師
上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任
Contents
しみとそばかすの違いは?それぞれの特徴を解説
しみとそばかすにはできる時期、形、大きさに違いがあります。
原因や症状が異なるため、予防やケアする際にまずはどちらか見分けることが大切です。
またご自身で判断が難しい場合は、皮膚科の受診や専門の医師に見てもらうことを推奨します。
しみとは
しみは茶褐色で年配の方に起こりやすく、濃さや大きさに個人差があります。
年齢とともに増え目立ちやすくなることから「老人性色素斑」(ろうじんせいしきそはん)とも呼ばれる症状です。
ただし年配の方に限らず、10代や20代でもできるケースもあります。
一度できたしみが自然に消えることは難しく、シミ専用の治療や対策が必要です。
肝斑とは?シミとの違い
しみの一種に顔の左右対称に現れる「肝斑」があります。
肝斑は30代から40代に現れるケースが多く、原因は女性ホルモンの乱れによるものです。
女性ホルモンの乱れを完全に予防することは困難ですが、規則正しい生活習慣を取り入れることが有効です。
※参考:ポーラオルビスグループのポーラ化成工業株式会社「シミはなぜそこにできるのか」
近畿大学 医学部堺病院 皮膚科「シミそばかすの治療戦略」
そばかすとは
そばかすは茶褐色をした小さな点状の見た目が雀の卵の柄に似ていることから、「雀卵斑(じゃくらんはん)」とも呼ばれます。
肌の乾燥で症状が悪化しやすく、色白な人にみられやすい特徴があります。
また症状は幼少期から現れやすいですが、年齢とともにほとんど気にならなくなるケースも。
年齢とともにそばかすの症状は穏やかになる一方、普段のスキンケアでは保湿ケアを意識することが大切です。
大人になっても症状が治らない場合は、専用の治療を取り入れてみることも良いでしょう。
※参考:近畿大学 医学部堺病院 皮膚科「シミそばかすの治療戦略」
そばかすはしみの1種として扱われやすい
そばかすとしみは茶色っぽい特徴から、しみの1種とされるケースが多いでしょう。
そばかすの他、「シミ」と呼ばれていても、症状や原因に違いがあります。
シミのような症状ができてしまった場合は、自分の症状の見極めが大切です。
※参考:吉木伸子 岡部美代治 小田真規子「素肌美人になれる正しいスキンケア辞典 P153」
しみとそばかすの見分け方
しみとそばかすの見た目は、以下の違いがあります。
しみ | そばかす | |
形 |
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部位 |
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特徴 |
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そばかすは夏場に色が濃くなる特徴があり、季節や生じる時期で見分ける方法もあります。
顔に茶褐色の症状がでた際は、できた場所や形などの特徴から症状を判別していきましょう。
しみとそばかすができる原因
しみとそばかすは以下の原因で起こると言われています。
原因 | |
しみ | メラニンの色素沈着 |
そばかす | 遺伝の可能性が高い |
しみは年齢を重ねるうちに肌のターンオーバーが乱れ、溜まったメラニンが色素沈着した状態です。
さらに日々の生活で紫外線の刺激を受けることで、メラニンの量は増え、排出が難しくなります。
一方でそばかすは遺伝の場合が多く、紫外線を感じにくい手や腕にも生じるケースも。
しみとそばかすは原因も異なるため、症状に応じた治療や対処法が必要です。
しみやそばかすを消すことはできる?
しみやそばかす自体のケアは可能ですが、症状そのものをセルフケアで完全に消すことは難しいといえます。
誤った治療法はしみやそばかすを濃くする、大きくする原因になる可能性もあるので、自己判断は控えたほうがいいでしょう。
しみとそばかすには専用の美容医療や治療法もあるため、専門のクリニック受診を推奨します。
ドクターズコスメ「ゼオスキン」のシミへの効果はこちらをご覧ください。
>>ゼオスキンの効果は?使い方や皮むけしないコースについて医師が詳しく解説
しみやそばかすの改善方法4つ
しみが気になる場合に取り入れるセルフケアのポイントは以下。
- 普段から紫外線を予防
- 保湿性の高いスキンケアを使用
- 睡眠時間の確保
- シミやそばかす対策の継続
セルフケアで症状を緩やかにし、新しくしみやそばかすを作らない生活習慣を取り入れていきましょう。
普段から紫外線を予防
普段から紫外線対策を取り入れ、光老化によるしみやそばかすを予防することが大切です。具体的な対策方法は以下。
- 長袖で肌の露出を減らす
- 日傘の使用
- サングラスや帽子の使用
紫外線はしみの原因とされ、そばかすも紫外線で濃くなる可能性があります。
1年を通して紫外線対策をすれば、しみやそばかすを作りにくい肌状態に整えることが可能です。
普段の生活では日焼け止めを活用し、しみやそばかすの原因である紫外線を予防しましょう。
保湿性の高いスキンケアを使用
肌の乾燥はそばかすやしみを濃くする恐れもあり、保湿性の高いスキンケアすることが大切です。
肌の乾燥は紫外線ダメージを直に受けやすくなるので、保湿することで肌への刺激を抑える効果が期待できます。
毎日のスキンケアに保湿アイテムを取り入れ、特に乾燥肌の方は顔を中心とした肌全体の保湿を取り入れていきましょう。
乾燥しやすい冬や季節の変わり目は、普段以上に保湿を重点的に行うことが大切です。
良質な睡眠時間を確保
毎日同じ時間に就寝・起床時間を設定し良質な睡眠時間を確保することで、肌は多くのメリットを受けます。
睡眠ホルモンは質の良い睡眠をもたらし、成長ホルモンを分泌させて活性酵素(※)を除去する役割があります。※1
また睡眠時に分泌される成長ホルモンには、肌のターンオーバーを促す作用があり、肌質の改善効果も報告されています。※2
女性ホルモンもバランスが安定し、肌を健やかに保ちやすい状態にしてくれるでしょう。
肌トラブルは、スキンケアや紫外線対策と同じようにインナーケアとして良質な睡眠時間の確保しましょう。
※1参考:田之谷造邦「睡眠関連ホルモンの計測」
※2参考:Midori Ando, Masayuki Yagi, Wakako Takabe, Takuto Nonomura, Yoji Shimura, Yoshikazu Yonei「Effects of mats with “A Distinctive 4-Layer 3-Dimensional Structure” on sleep quality, skin function, and fatigue: A non-controlled open-label study.」
沖縄県うるま市 健康支援課「保健だより 女性の健康週間」
(※)活性酵素…呼吸で取り込まれた酸素の一部が活性化すること。過剰に増えると細胞を酸化させる可能性がある。(参考:厚生労働省 eヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」)
しみやそばかす対策やセルフケアを継続する
しみやそばかすを目立ちにくくしたい場合、セルフケアの継続が重要になります。
時間をかけてできてしまったしみやそばかすは、短期間で肌の改善を目指すのが難しいでしょう。
セルフケア方法は上記で説明した通り、紫外線対策や規則正しい生活習慣、スキンケアの見直しなどがあります。
短期的な結果を求めず、根気よく継続していくことが大切です。
しみとそばかすは違いを理解し正しいケアを取り入れる
しみとそばかすはどちらも茶褐色で症状が似ているため、見分け方が難しいですが、形やできる時期、原因などが異なります。
そのまま放置しても問題ありませんが濃さや大きさが悪化し、目立ちやすくなる恐れもあります。
しみやそばかすができたときは、生活習慣の見直しや紫外線対策などでケアしましょう。
またより一層ケアをしたい場合は、皮膚科の受診や美容医療による治療を取り入れてみても良いでしょう。
この記事を監修した医師
上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任