40代〜50代になり、痛風を気にしはじめる男性も多いのではないでしょうか。
痛風患者の9割は男性で、40代〜50代にかけて痛風発症数はグッと高まります※。
※参考:(旧版)高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版
今回は、痛風の発症を気にする方に向けて痛風を発症する原因・原因となる食べ物 について解説。
痛風を発症しにくい女性が痛風になる理由や痛風で痛みが生じる仕組みにも触れていきます。
痛風の発症を気にしている方は痛風になる原因を知って、きちんと対策していきましょう。
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Contents
痛風を発症する原因とは?
痛風は、尿酸値が高まり体内の尿酸が結晶化して関節に蓄積することが原因。
結晶化した尿酸を処理するために白血球が炎症物質を出すことにより、突然激痛が生じる“痛風発作”が起こります。
尿酸値7.0mg/dL以上は「高尿酸血症」という状態。高尿酸血症になると痛風発症リスクが高くなるため注意してください。
痛風発症の原因となる尿酸値が高くなる生活習慣・食習慣が以下の通りです。
尿酸は、プリン体が分解される際に生成される物質。
本来、プリン体の70%以上は体内でつくられ、尿や便といっしょに排泄されます。
しかしプリン体が多い食品を摂りすぎると尿酸の排泄が間に合わずに体内に尿酸が蓄積。
その結果、尿酸値が高まり痛風の原因になるというわけです。
また、〈アルコール類の摂りすぎ・肥満体型・女性ホルモンの低下・ストレス〉は尿酸の排泄を妨げます。
痛風は尿酸値の上昇が原因なので、痛風を予防するためには尿酸値を高めない対策が重要 です。
プリン体は体を動かすために必要なエネルギー源。
プリン体は自然と体内で生成されますが、激しい運動(強度の高い筋トレなど)を行うと消費したエネルギーを補うためにプリン体生成が促されます。
〈体内のプリン体が増える=尿酸値が高くなる〉ため、尿酸値が気になる方は激しい運動ではなくウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。
痛風のリスクを高める食べ物一覧
痛風発症のリスクを高める食べ物がこちら。
- えび
- 干物類
- レバー(牛、豚、鶏)
- いわし
- かつお
- マグロ
- さけ
- ひらめ
- するめいか
- 牡蠣
- たらこ
- うに
- 納豆
- そば
- たまご
- 豚肉
- さば
- 牛肉
- かつお
- ホタテ
- ぶり
- マグロ
- さんま
- あじ
- エビ
- スイーツなどの甘い食べ物
肉類・魚類・甲殻類・干物類はプリン体を多く含むため、尿酸値が高くなり痛風のリスクを高めます。
また、上記の食べ物には尿を酸化させて尿酸の排泄を阻害するはたらきもあるため注意が必要です。
砂糖はプリン体の分解を促すため、甘いスイーツの食べ過ぎも痛風の原因につながる食べ物。
肉類・魚類が中心の食生活の方や、お酒のおつまみで干物類を食べている方は痛風発症に気をつけてください。
プリン体が多い飲み物といえば「ビール」を連想する方も多いでしょう。
実際、ビールはプリンの含有量が多いため痛風の原因になりやすいです。
ビールだけでなく、アルコールには尿酸の排泄を阻害するはたらきがあるため注意が必要。
痛風発症を気にしている方は、ビールを含めアルコール全般を控えることをおすすめします。
痛風で膝や足の指に痛みが生じる理由
痛風になると足や指の関節に激痛が生じます。
その痛みは「2〜3日は歩けない」ほどと言われており、“風が吹くだけで痛む”ことから痛風と呼ばれるようになりました。
痛風で歩けないほど痛みが生じる理由は、白血球が結晶化した尿酸を分解しようと炎症を起こす物質を出すため。
関節に尿酸結晶が残っている限り、痛風再発の恐れがあります。
※参考:株式会社 三和化学研究所「激痛!痛風を予防する」
痛風が1ヶ月以上も長引くのは別の病気かも
痛風は通常1週間〜2週間ほどで自然に痛みが和らぎます。
しかし、1ヶ月以上など長期間痛みが長引く場合は、痛風に似た別の病気の可能性も考えられるでしょう。
- 外反母趾
- 変形性関節症
- 蜂窩織炎
- 変形性腰椎症による足の痛みやしびれ
- 偽痛風
⇒尿酸ではなく、ピロリン酸カルシウムという結晶が関節炎を起こす病気 - 関節リウマチ
- 回帰性リウマチ
- 溶血性連鎖球菌感染による壊死性筋膜炎
- ※参考:公益財団法人 痛風・尿酸財団「痛風と似た病気」
1ヶ月以上も痛風のような手足の痛みが続く場合は、上記のような別の病気の可能性もあるため病院で診てもらってください。
痛風末期になると死につながる合併症を引き起こす
痛風は自然に症状が緩和しますが、治療をせずに放置していると以下のような合併症のリスクが高まります。
痛風末期になると様々な部位の関節が痛むだけではなく、尿酸結晶による尿路結石や腎臓機能の低下を引き起こします。
また、結晶化した尿酸が血管に負担を与えることで動脈硬化を引き起こし、最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことも。
命に関わる合併症のリスクもあるため、放置せずにきちんと治療を受けてください。
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痛風予防に効果的な対策方法
痛風の原因は尿酸値の上昇なので、痛風を予防するには尿酸値を高めない対策 が必要。
尿酸値を高めないための予防方法がこちらです。
痛風を予防するためには、プリン体の多い食品を控えたり、尿酸の排泄を妨げるアルコール類を控えることが重要。
あわせて、有酸素運動で生活習慣病を防ぐとともに、ストレスを解消して尿酸がスムーズに排泄できるようにしましょう。
https://emishia-clinic.jp/media/uricacid-level-lower/
痛風に関するよくある質問4つ
Q1:女性が痛風になる原因は?
女性ホルモンには尿酸の排出を促す作用 があります。
そのため、男性にくらべて女性は痛風を発症しにくく、痛風患者の9割が男性です。
しかし、閉経によって女性ホルモンの分泌が低下する50代以降からは痛風発症のリスクが高くなることがわかっています。
※参考:一般社団法人日本生活習慣病予防協会「コロナ禍の長期化で「痛風」「高尿酸血症」患者が約5割増加傾向に! 医師8割が注視する、第4のリスクマーカー“尿酸値”ー医師362名のアンケートの報告」
また、肉中心の食生活やアルコール類をよく飲むといった食生活の乱れも、女性が痛風を発症する原因。
20代〜40代の女性も、健康診断で尿酸値が高かった方は食生活・生活習慣に気をつけてください。
Q2:痛風は何日で治る?治療は必要?
上述したように、痛風は2〜3日ほどで自然に痛みが和らいで治ります。
しかし、一度痛風を発症すると再発を繰り返すため、きちんと病院で治療を受けてください。
病院での治療期間が以下の通り。
- 尿酸値を下げる高尿酸血症の治療:3ヶ月〜6ヶ月
- 関節に溜まった尿酸結晶を取り除く治療:最大33ヶ月
薬で一気に尿酸値を下げると、突然激痛に襲われる「痛風発作」を起こしやすくなります。
痛風発作を防ぐためにも少しずつ薬で尿酸値を下げる必要があるため、治療には長い期間を要するというわけです。
関節に蓄積した尿酸結晶を完全に取り除くためには、さらに最大33ヶ月もの期間が必要。
治療には長い時間がかかるため、痛風を発症したら放置せずに早めに治療を受けてください 。
Q3:痛風の初期症状は?
痛風は、ある日当然激痛が起こる「痛風発作」で発症するケースがほとんど。
前日までなんともなかったのに、次の日に関節が激しく痛むことが多いと言われています。
とはいえ場合によっては以下のような痛風の初期症状・前兆が起こるケースもあるようです。
特に多いのが、足の指の付け根のビリビリ感。
痛風は足に症状が出やすいため、足の甲や指の関節に違和感を感じたら痛風発作の前兆かもしれません。
上記に心当たりがある方は、一度病院で検査してもらってください。
Q4:痛風の痛みを和らげる対策はある?
患部の冷却には「炎症を抑える効果 」「感覚の麻酔効果 」があるため、痛風による痛みがひどい時は腫れている患部を氷や保冷剤で冷やすことで痛みが和らぐでしょう。
「冷却」には、炎症を抑える効果があります。患部に外的な刺激を与えるわけではないので、痛風の患部にも有効です。また、冷却には「知覚の麻痺」という効果もありますので、双方の相乗効果で大きな痛みの緩和効果が期待できるでしょう。
筋肉痛などはマッサージが効果的と言われますが、痛風の場合はマッサージは逆効果。
血流が促されることで白血球による炎症物質の分泌が増えて痛みが強くなる可能性があります。
痛風の痛みがひどい時は患部を冷やして安静にしてください。
まとめ:痛風の原因である尿酸値を対策
痛風は、尿酸値が高まり関節に尿酸の結晶が蓄積することが原因。
痛風発症を予防するなら、尿酸値が高くなる原因を知り対策していくことがポイントとなります。
- プリン体の多い食べ物・飲み物の摂りすぎ
- お酒(アルコール)の過剰摂取
- 運動不足による肥満体型
- 激しい運動(無酸素運動)のやりすぎ
- 水分をあまり摂らない
- 女性ホルモンの分泌低下
- ストレス
痛風は一度発症すると再発を繰り返す病気。
心筋梗塞や脳梗塞といった合併症につながるリスクもあるため、「痛風かも?」と感じたら病院で診てもらいましょう。
尿酸値が気になりはじめた方は、痛風を発症する前に食習慣・生活習慣を見直してください。
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