低用量ピルは避妊薬として使用されているものの、服用を続けることで「不妊」や「妊娠しにくくなる」イメージも強いです。
結論から申し上げますと、低用量ピルを服用しても将来の妊娠に影響はありません。
今回は低用量ピルと不妊への影響や、服用を中止した後の生理と妊娠について解説。
また不妊の予防は期待できるのかも言及しています。
不妊に関する疑問がある方はぜひご覧ください。
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この記事を監修した医師

西澤 雄介
NISHIZAWA YUSUKE
1996年 国立弘前大学 医学部 卒業
1996年 医師医師免許取得
2000年 医学博士号取得
2007年 国立がん研究センター東病院勤務
2022年 EMISHIA CLINIC 院長就任
Contents
ピルの服用で不妊に繋がることはある?
結論から申し上げるとピルの服用や服用歴によって、不妊に繋がることは証明されていません。※1
反対に不妊の原因である子宮内膜症の予防が可能なことから、ピルの服用は不妊の予防が期待できるとされます。※2
ピルによる避妊は、体内のホルモンが「妊娠している状態」と同じにすることで妊娠を防ぐ仕組みです。
長い間服用していた場合も、ピルの中止で身体は少しずつピルを飲んでいない状態に戻るでしょう。
ピルは身体の作りを上手く活用した方法のため、妊娠のしやすさに影響を与えることはないといえます。
※1引用:京都府立医科大学産科婦人科学教室「経口避妊薬服用後妊娠による心身障害児発生の防止対策に関する研究」
※2引用:公益社団法人 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)」
子宮内膜症とは?低用量ピルで予防できる理由
子宮内膜症とは子宮の内側を覆う「子宮内膜」に似た組織が、子宮の内腔以外の場所(腹膜、卵巣、卵管など)にできる症状です。
子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患が子宮内膜症です。
月経時に外に出ることができずにたまった血液は、炎症や周囲の組織との癒着を引き起こします。
「子宮内膜」に似た組織は、女性ホルモンの影響を受けて増殖し痛みや不妊に繋がる可能性もあります。
ピルの服用で排卵が停止すれば、内膜が膨らまずに子宮内膜が剥がれ落ちる際の出血量を抑制。
出血量を減らすと、子宮内膜症のリスク軽減につながるでしょう。
妊活に取り組む際も、事前に子宮内膜症の検査は必要なため、将来に子供を生みたい方にもピルの服用は有効といえるでしょう。
ピルの効果についてこちらで解説しています。
ピルのPMSへの効果
>>ピルはPMSに効果がある?症状や対策を解説!保険適用についてもお話します
低用量ピルは不妊治療に効果がある?
低用量ピルはホルモンのバランスを整えますが、不妊症の改善効果は証明されていません。
そもそも低用量ピルの服用の有無は妊娠確率へ影響せず、妊娠の確立を上げることは難しいです。
ただ低用量ピルの継続的な内服で、子宮内膜症の病状の進行を抑える効果は期待できます。
子宮内膜症は不妊の原因となるため、低用量ピルの服用は不妊の予防策として推奨できるといえるでしょう。
妊娠するのはピルをやめてから何日後?
個人差がありますが低用量ピルの服用を中止後の3ヶ月以内に排卵は確認され、妊娠が可能となります。
服用終了後、3 ヵ月以内に約 90%で排卵が再開する
引用: 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)」
低用量ピルの服用を中止した後に月経(消退出血)を確認すれば、通常通り妊娠できる身体になっているでしょう。
ただ低用量ピルの服用を中止した後に生理が来ない場合は、すでに妊娠している可能性もあるため妊娠検査をしてください。
ピルの中止後に体は少しずつピルを服用していない状態へと戻っていきます。
ただし1度目の生理(消退出血)の後にしばらく経っても次の生理がこない、基礎体温の計測などで排卵の再開が確認できないという場合、婦人科の受診を検討しましょう。
ピルをやめたあとの妊娠確率
ピルをやめた後は半年以内に半数以上の妊娠、1年以内に約8割の人が妊娠しています。
OC を中止して最初の 1 周期目で 21.1% (19.4〜23.0%)、3 周期目で 45.7% (43.6〜47.9%)、1 年後で 79.4% (77.6〜81.1%), 2 年後で 88.3% (86.8〜89.6%)に妊娠が認められている また、 比較的大規模な検討においても、1 年以内に妊娠できた率は 84〜88%と報告されている。8497 例の OC 使用者による前向き研究による と、 OC 中止後の妊娠率は通常の集団と変わらず、6 ヵ月で 74%、 12 ヵ月で 88%の 妊娠率が報告されている
引用: 公益社団法人 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)」
また低用量ピルの服用期間でみると、2年未満と2年以上の服用した場合の妊娠確率はほとんど同じとのデータもあります。
OC を 24 ヵ月未満使用していた女性では, OC 中止後 1 週目の妊娠率は 25.0%, 1 年 後は 81.0%であったのに対して, 24 ヵ月以上使用していた女性では, OC 中止後 1 週目 で 20.7%, 1 年後は 79.3%の妊娠率であり, 両群間に有意差はないことから, OC の使用期間と中止後の妊娠率との間には関係がないことが報告されている
引用: 公益社団法人 日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)」
ピルの服用有無や期間が妊娠確率に影響を与える可能性は少なく、これらのデータをみても、ピルが妊娠に影響を与える可能性は低いと考えられます。
妊娠中や出産後もピルを服用できる?
妊娠した際は低用量ピルの服用はできず、服用を中止しなければいけません。
ピルを服用中に妊娠が発覚した場合、胎児への影響はありませんが、安全性を確保するために、服用の中止が必要です。
出産後は以下に該当すれば、ピルの服用が可能になります。
- 産後6ヶ月以上経過している
- 医師から服用可能と判断された
上記に当てはまれば、授乳中であってもピルの服用を始めることが可能です。
ピルの飲み始めで不明点がある場合は、医師に相談しましょう。
ピル服用中に妊娠希望になったら?
生理不順の改善目的でピルを服用していて妊娠したい場合は、1年前からピルの服用を休み、排卵の経過や生理不順の改善を確認します。
排卵の状況や生理不順の確認を行った後に、妊活するかピルによる治療の継続かを判断。
生理不順の場合、排卵が上手くできるようになるまで、個人差はありますが治療に約3ヶ月~1年は必要になります。
妊娠を希望される場合、排卵は不可欠なため治療に専念することが大切です。
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低用量ピルの服用で不妊予防の効果が期待できる
不妊治療の効果は証明されていませんが、不妊予防への効果は期待できます。
低用量ピルの服用で、子宮内膜症の予防や進行を遅くして、不妊予防の効果が期待できるでしょう。
ピルは避妊薬としての役割以外にも、将来的な不妊を予防する意味でも活用が可能です。
安心して妊娠に取り組めるよう、低用量ピルを検討してみてもいいでしょう。
この記事を監修した医師

西澤 雄介
NISHIZAWA YUSUKE
1996年 国立弘前大学 医学部 卒業
1996年 医師医師免許取得
2000年 医学博士号取得
2007年 国立がん研究センター東病院勤務
2022年 EMISHIA CLINIC 院長就任