痛風の初期症状は足のピリピリ?前兆や原因・対処法をわかりやすく解説

痛風の初期症状は足のピリピリ?前兆や原因・対処法をわかりやすく解説

痛風の初期症状は足のピリピリ?前兆や原因・対処法をわかりやすく解説

痛風は生活習慣病の一つであり、特に中高年男性に多く見られる病気です。
※参照:日本生活習慣病予防協会

初期症状として足の親指や足首に痛みに違和感が現れることが多く、ピリピリとした感覚が前兆となることもあります。

そもそも痛風の原因は血中の尿酸値が高くなることです。

体内で尿酸が過剰に生成される・尿酸の排出がうまく行われないと、結晶化した尿酸が関節に溜まり炎症を引き起こします。
※参照:厚生労働省

本記事では、痛風の初期症状や原因・対処法について、分かりやすくまとめました。

一度発症すると再発を繰り返しやすいため、初期段階で適切な対策を講じることが重要です。

痛風の予防や対策をしたい方や生活習慣を改善したい中高年男性は、ぜひ参考にしてください。

また痛風は放置すると痛みが急激に悪化し、日常生活に支障をきたすため、早期発見と適切な対処が重要です。

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上野 一樹先生

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生

2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任

そもそも痛風とは?発症するメカニズムを解説

痛風は血液中の尿酸が高くなり関節に尿酸塩結晶が蓄積することで、炎症や強い痛みを引き起こす病気です。

①痛風が起こる仕組み

尿酸とは体内でプリン体を分解する際に生成され、通常は腎臓を通じて体外へ排出される物質です。
※参照:厚生労働省

プリン体とは?

プリン体とは、プリン骨格を持つ物質の総称です。

肉類や魚・アルコールなどに含まれており、代謝の際に尿酸を生成する働きを持ちます。

プリン体を多く含む食事を継続的に摂取すると、尿酸値が上昇しやすくなる仕組みです。

※参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団

しかし十分に排出できなかったり尿酸の生成が過剰になったりすると、尿酸濃度が高まり結晶化して関節に沈着します。

この結晶が免疫反応を引き起こし、痛風発作として激しい痛みが現れる仕組みです。

痛風は主に下記のような理由で引き起こされます。
※参照:全国健康保険協会

  • 肥満
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 食生活の欧米化
  • 運動不足
  • ストレスの蓄積
  • 遺伝

近年は痛風患者の増加が報告されており、日本では男性を中心に痛風のリスクが高まっています。
※参照:厚生労働省

生活習慣病を中心に、食生活の欧米化や運動不足が原因として挙げられるでしょう。

また遺伝的要因も関与しているため、家族に痛風患者がいる場合は特に注意が必要です。
※参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団

なお女性ホルモンに尿酸の排泄を促す働きがあるので、比較的女性は発症しにくい傾向にあります。
※参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団

痛風で痛くなりやすい部位

痛風の症状は関節に突然激しい痛みを伴うことですが、発症しやすいのは下記の部位です。

  • 足の親指の付け根
  • 足首
  • 手首

典型的な症状として赤く腫れ上がり、熱を帯びた激痛が数日から1週間程度続くことがあります。

痛風の症状が関節に発症する理由は下記です。

  • 尿路結晶は低温な場所で形成されるため
  • 関節には負荷がかかりやすいため

※参照:東邦大学

痛風発作が起こると患部を触るだけでも強い痛みを感じるため、日常生活に大きな支障をきたします。

また発作を繰り返すことで慢性的な関節炎に発展し、関節の変形や機能障害を引き起こす恐れもあるので、早期の治療と予防が重要です。

痛風の初期症状をチェック!足がピリピリしたら要注意

痛風の初期症状として、足の親指や関節部にピリピリとした違和感や軽い痛みを感じることがあります。

この段階で症状を見逃してしまうと強烈な痛みを伴うことになるため、早期発見と対応が重要です。

初期症状に気づいたら、できるだけ早く医師への相談を推奨します。

痛風発作が起こる前兆として見られる症状を参考にしてください。

②痛風の初期症状をチェック! (2)
  • 関節部にむくみや軽い腫れを感じる
  • 関節部にピリピリとした違和感を感じる
  • 発熱
  • 倦怠感
  • 赤く腫れている
  • 患部が熱を持っている

これらの症状を感じた場合は、過度な運動やアルコール摂取を控えて身体を安静に保ちましょう。

痛風になりやすい人の特徴

痛風になりやすい人には、いくつか共通する特徴があります。

  • プリン体を多く含む食べ物を摂取している
  • 肥満(メタボ)
  • 血圧が高い
  • 糖尿病を患っている

プリン体を多く含む食事を頻繁に摂取したり、体重が増加したりすると尿酸値が上昇します。

例えばビールやレバー・魚卵などの食品はプリン体が豊富であり、過剰に摂取すると尿酸値の急上昇を招く可能性があるので注意しましょう。

またアルコールは尿酸の排泄を抑制してしまい、痛風のリスクを高める要因となります。
※参照:公益財団法人 痛風・尿酸

さらに高血圧や糖尿病は尿酸の排泄を阻害するため、日常的に予防策を講じるのがおすすめです。

痛風が発症した時の応急処置

痛風発作が起こった場合は、下記のような処置をしましょう。

  • 患部を冷やす
  • 体重をかけない
  • 痛み止めを服用する

氷嚢や冷湿布で発作が起こった関節を冷やすと痛みが和らぎやすいです。

また患部を心臓より高く上げることで血液の流れが緩やかになり、腫れの原因となる余分な体液の滞留を防ぐ効果に期待できます。

体重をかけないように安静に保つことも痛みを軽減するために有効です。
※参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団

ただ痛みがひどい場合は、痛み止めの薬を服用することを推奨します。

ただし自己判断で薬を使用するのではなく、医師の指示に従って適切な治療を行うことが大切です。

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痛風の初期症状を放置するのはNG!治療を受けよう

③痛風の治療

痛風の初期症状を見逃すと、症状が悪化し慢性的な関節痛や関節の変形に発展する恐れがあります。

初期段階での適切な対応が痛風の進行を防ぐカギです。

痛みや違和感を感じたら、早急に医療機関で尿酸値を測定し治療を受けましょう。

尿酸値が高い状態を放置すると、結晶が関節に蓄積し続けるため、腎臓にも影響が及び尿酸腎症や腎不全のリスクもあります。

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痛風発作に対する治療

痛風発作時は、まずは痛みや炎症を緩和する治療を行います。

痛風の症状緩和には、基本的に下記の薬を服用するケースが多いです。

作用副作用
コルヒチン錠白血球の作用を抑える・倦怠感
・発熱
・鼻血
・手足のしびれ
など
プレドニゾロン錠・炎症やアレルギーを改善する
・免疫を抑制する
・倦怠感
・発熱
・吐き気
・腹痛
など
※参照:医薬品医療機器情報提供ホームページ「コルヒチン錠」「プレドニゾロン錠

これらの薬を服用すると、症状を早期に抑える効果が期待できます。

ただし副作用があるため、医師の指示に従い適切な用量を守ることが重要です。

また痛風発作が頻繁に起こる・症状が重い場合は、医師と相談の上、長期的な治療計画を立てましょう。

尿酸値に対する治療

痛風発作が治まった後は、根本的な原因である尿酸値を管理しましょう。

尿酸値を下げる治療は下記を組み合わせることが多いです。

  • 食事療法
  • 薬物療法

プリン体を多く含む食品(レバーや魚卵など)の摂取を控えたり、水分摂取を増やして排出を促したりします。

また尿酸の生成を抑える薬や尿酸の排泄を促進する薬が用いられることも。

これらは医師の指示のもと定期的に服用し、尿酸値を正常範囲内に保つのが目的です。

尿酸値が安定すれば痛風発作の再発リスクも低下するため、関節の健康を維持できるでしょう。

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痛風予防につながる生活習慣の改善

④痛風の予防につながる生活習慣の改善

痛風の予防には、日常生活の中で尿酸値を下げるための工夫が重要です。

痛風は生活習慣病の一種とも言われています。

食生活や運動習慣・アルコール摂取量に気を付けることで、発症リスクを低減しましょう。

【関連記事】
尿酸値についてはこちら
>>尿酸値を下げる方法|効果に期待できる食べ物や飲み物・運動法を解説

食事量を抑える

食事量の調整は、尿酸値をコントロールするうえで効果的です。

特にプリン体を多く含む食品の摂取を控えることで、尿酸の過剰生成を防ぐことができます。

プリン体が多い食品で代表的なものは下記の通りです。

  • レバー
  • 魚卵
  • イワシ
  • カツオ

これらは頻繁に摂取するのではなく、時折の嗜好品として楽しむ程度に控えるのが理想的です。

また食事の際にはバランスを意識しましょう。

野菜や穀物・乳製品を積極的に摂取することで、体内での尿酸生成を抑える効果に期待できます。
※参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団

肥満は尿酸値の上昇に直結するため、カロリーを抑えた食事を心掛けることも重要です。

水分の摂取量を増やす

尿酸値を下げるには、水分の摂取を増やして尿酸の排泄を促すことも効果的です。

1日あたり少なくとも2リットルの水を摂取することを目標にしましょう。

水分不足は尿酸が濃縮されやすくなるため、痛風発作を引き起こす原因となります。
※参照:全国健康保険協会

十分に摂取することで腎臓を通じて尿酸を排出し、尿酸値を低下する仕組みです。

アルコールや甘味料を含む飲料は控え、水やお茶を中心とした飲料を摂取しましょう。

アルコールは適量に抑える

アルコールの過剰摂取は尿酸値の上昇に繋がるため適量に抑えましょう。

アルコールには尿酸の排泄を抑制したり、尿酸の生成を促進したりする作用があります。
※参照:国立保健医療科学院

過度に摂取すると痛風発作を引き起こすリスクがあるので注意が必要です。

特にビールはプリン体を多く含むため、プリン体が少ない蒸留酒を選び、量も控えめにしましょう。

尿酸値を上げずに飲める1日の目安は下記の通りです。

ビール500ml
日本酒1合
ウイスキー60ml
※参照:厚生労働省

また飲酒後は脱水状態になりやすく、血液濃縮による尿酸の上昇を緩和する必要があります。

お茶や水などでの水分補給を忘れずに行いましょう。 
※参照:全国健康保険協会

有酸素運動を行う

尿酸値を下げるには、代謝が活発になり尿酸の排泄を促進する有酸素運動も有効です。

ジョギングやウォーキングなど日常生活に取り入れやすい運動を継続することで、尿酸値をコントロールしましょう。

ただし、有酸素運動を行う際の注意点もあるので参考にしてください。

  • 激しすぎる運動はしない
  • 急激な体重減少を目指さない
  • 脱水症状に気を付ける

激しい運動は逆効果になる可能性があるため、無理のない範囲で行うことが重要です。

また急激な体重減少や脱水症状は尿酸値の上昇を招くため、適度な運動量と水分補給を心掛けましょう。

運動を行う場合は事前に体調を確認し、痛風の発作が発生しないように注意してください。

ストレスを溜めない

ストレスを適切に管理し、心身の健康を維持することも、尿酸値のコントロールに欠かせません。

ストレスが蓄積すると体内のホルモンバランスが崩れ、尿酸の生成や排泄に悪影響を及ぼすことがあります。
※参照:高尿酸血症.jp

ストレス解消には、日常生活でできる工夫が効果的です。

  • 趣味の時間を持つ
  • リラクゼーションを取り入れる
  • 十分な睡眠を確保する

また過度なプレッシャーを避けるため、仕事や家庭でのストレスを発散する方法も見つけましょう。

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痛風の初期症状が心配な場合は、早期に適切な診断を受けることが重要です。

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