生理前に感じる吐き気やむかつき。
仕事中や電車の中、寝起きなどに突然起こると、不安になりますよね。
「妊娠?」「食べ過ぎ?」といった心配も重なりがちです。
実はこの不快な症状、多くの場合は「PMS(月経前症候群)」が原因です。
この記事ではなぜ吐き気が起こるのか、症状の原因から具体的な改善方法まで、よくある疑問を網羅的に解説します。
最後まで読めば、自分の体の変化を理解し、適切なタイミングで効果的なケアを行えるようになるでしょう。
毎月の生理前を快適に過ごすために役立つ情報もまとめているので、ぜひチェックしてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
生理前の吐き気の原因「PMS(月経前症候群)」とは?
PMSとは、生理前に一週間前後ほど続く、身体的・精神的な不調のことです。
日本人女性の70~80%が不調を感じており、そのうち5%の人は日常生活に支障をきたすほどの重い症状に悩まされています。
原因は完全には解明されていないものの、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の急激な変動によるものと考えられています。
ホルモンの変化が自律神経や脳内物質(セロトニン)に影響を与えることで、消化機能が乱れ、胃の不快感や吐き気が引き起こされるのです。
特に胃もたれや胸焼け、空腹時の吐き気は、自律神経の乱れによる胃腸機能の低下が原因と考えられます。
PMSの症状は個人差が大きく、同じ人でも月によって症状の程度が異なるケースもあります。
症状が重く日常生活に支障をきたす場合は、低用量ピルを服用するなどの対策を取るのがおすすめです。
※参照:日本産婦人科学会、National Library Medicine、長野県医師会
生理前に気持ち悪くなるのは何日前?
生理前の吐き気がいつから起こるかには、個人差がありますが、一般的に生理の7〜10日前から始まることが多いです。

特に朝起きたときや空腹時、夜寝る前などにムカムカしやすく、食べ物の匂いや満腹時にも吐き気を感じることがあります。
これはプロゲステロンの影響で胃腸の動きが鈍くなり、消化に時間がかかるためです。
朝に強い吐き気を感じる場合は、夕食の時間や内容を調整するなど工夫してみることをおすすめします。
※参照:日本産科婦人科学会
吐き気以外に起こり得るPMSの症状
生理前は吐き気以外にも、さまざまなPMSの症状に悩む人が多いことが独自のアンケート調査で明らかになりました。

調査結果によると、PMSによる症状は以下の通り多岐にわたります。
- イライラ感
- 下腹部痛・お腹の張り・腹痛
- 頭痛
- 憂鬱感・落ち込み
- 眠気
- 肌荒れ・ニキビ
- むくみ
- のぼせ・ほてり・熱
特徴的なのは、身体症状と精神症状が複合的に現れる点です。
日常生活に支障をきたすほどである場合は、月経前不快気分障害(PMDD)の可能性も。
また、40代以上ではこれらに加えて更年期によるホルモン分泌の乱れが影響し、冷えや悪寒の症状が出ることもあります。
PMSの症状は個人差が大きく、複数の症状が組み合わさって現れることが特徴です。
自分の症状をしっかりと把握し適切な対処法を見つけることが、快適な生活を送るためのカギとなるでしょう。
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生理前に吐き気や頭痛がするときの治し方
生理前に起こる吐き気の対処法は、以下の通りです。

辛い吐き気の症状を和らげるためには、薬の服用やホルモンバランスの調整など、いくつかの対処法があります。
症状の程度や生活スタイルに合わせて、自分に合った対処法を見つけていきましょう。
市販薬を使用する
吐き気止めを使用すると、胃の運動を助け、気持ち悪さを軽減できる可能性があります。
食後もしくは食間に服用することで効果を発揮しやすいため、症状の出始めに服用するのがおすすめです。
ただし市販薬には副作用がある場合もあるので、添付文書をよく確認し、用法・用量を必ず守る必要があります。
特に、眠気を引き起こす成分が含まれている薬剤の場合、自動車の運転や機械の操作は避けるなど十分注意してください。
また薬を選ぶ際は、薬剤師に症状を説明し、自分の症状に合った薬を選択しましょう。
普段服用している薬がある場合は、飲み合わせにも注意を払い、不安な点があれば薬剤師に相談することをおすすめします。
ただし、症状が重い場合や市販薬を使用しても改善が見られない場合は、病院へ行きましょう。
漢方薬を使用する
PMSによる吐き気や精神的不調を感じたときは、漢方薬の服用もおすすめです。
漢方薬は根本から体質を改善することを目的としており、特に以下の2種は女性の体質に合わせた処方として知られています。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
漢方薬は継続服用で効果に期待できるため、生理前に毎月吐き気がある・症状の波が大きい人に向いています。
ただし体質によって合う・合わないがあるので、まずは漢方薬局や婦人科で相談してみましょう。
低用量ピルを使用する
生理前の吐き気やPMS症状の緩和に対して、低用量ピルは医学的に効果が認められています。
低用量ピルには、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが含まれているためです。
服用すると生理前に急激に変動するホルモンの変化を抑制でき、以下のようなPMSの症状を緩和する効果が期待できます。
- 毎月繰り返す吐き気やムカムカ
- イライラ・気分の落ち込み
- 生理痛・下腹部の張り
- 肌荒れ・ニキビ
継続的に服用することで、生理前に起こる不快な症状の改善を目指せるでしょう。
ただし、低用量ピルは医師の処方が必要なため、必ず医師の判断のもと服用してください。
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生理前の吐き気を予防するなら低用量ピルがおすすめ
生理前の吐き気を予防するには、女性ホルモンバランスを安定させる低用量ピルの服用がおすすめです。
女性ホルモンの急激な変動で起きる、吐き気やめまいといった不快な症状も、コントロールしやすくなります。
ただ「PMS症状の緩和目的で低用量ピルを服用しているか」について、アンケート調査を実施したところ、以下のような結果となりました。

PMSで悩んでいても、低用量ピルを服用していない人が約50%と大半を占めています。
なかには「低用量ピルは避妊のイメージがあるし、服用しにくい」と感じる人もいるのではないでしょうか?
しかし低用量ピルは避妊効果だけではなく、PMS症状や月経痛の緩和にも用いられる薬です。
ホルモンバランスが整うことで生理周期が規則正しくなり、子宮内膜の成長と剥離が適切なタイミングで行われるようになります。
これによりプロスタグランジンの過剰な分泌が抑えられ、子宮の過度な収縮が防がれるため、生理痛の緩和も目指せるのです。
周囲の目が気になり服用を躊躇う人は、オンラインで診療できるケースもあるため、ぜひ一度試してみてください。
※参照:日本女性心身医学会
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匂いに敏感で吐き気があったら妊娠?PMSの症状と見分ける方法
「においに敏感になる」「特定の食べ物が受け付けない」など、PMSと妊娠初期症状は似ている部分も多いため、見極めには注意が必要です。
生理前の吐き気はPMSの症状である一方、妊娠初期の吐き気はつわりの症状として発生します。
適切な対処法を選ぶため、以下のどちらに当てはまるかを確認してみてください。
特徴 | 生理前の 吐き気 | 妊娠初期の 吐き気 |
---|---|---|
発現時期 | 生理7~10日前から | 妊娠4~6週目から |
持続期間 | 生理開始まで | 約3カ月間 |
随伴症状 | ・イライラ ・頭痛 ・浮腫み | ・疲労感 ・食欲変化 ・においに敏感 |
特に注目すべき点は、症状の持続期間と随伴症状の違いです。
生理前の吐き気は短期間で月経の開始とともに治まりますが、妊娠による吐き気は約3カ月という長期にわたって続くことがあります。
吐き気が長期に渡って続く場合は、妊娠検査薬を使用し、婦人科を受診しましょう。
生理前の吐き気がひどい人はクリニックに相談しよう
つらい症状は我慢せず、早めに専門医やクリニックで相談しましょう。
中学生や20代の若年層でも、PMSによる吐き気や不快症状に悩むケースは少なくありません。
さらに、産後・出産後はホルモンバランスが崩れやすく、PMSの症状が強まることもあります。
生理前の吐き気が辛くて悩む場合は、低用量ピルによる予防的な対策もおすすめです。
女性ホルモンのバランスを整えられるため、生理前の不快な症状軽減が期待できます。
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生理前の吐き気に悩む人は、早めの対策として低用量ピルの使用を検討してみてください。