「中に残ったゴムは、自分で取れるの?」
「ゴムが外れて中に残ってると、妊娠する?」
性行為の際に使用したコンドームが膣内に残ったままになってしまうと、焦ってしまうのも無理はありません。
コンドームが腟内に残ったままの状態は、感染症のリスクや妊娠の可能性など、さまざまな健康上の問題を引き起こす恐れがあります。
ただこれはよくあることですが、適切に対処することで上記のリスクを防ぐことが可能です。
本記事では、性行為の際に使用したゴムが中に残ったときの取り方や妊娠・感染症のリスクについても丁寧に解説します。
また、産婦人科を受診すべき目安やタイミングについてもお伝えするので、情報を確認し、落ち着いて適切な行動をとってください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
【自分でする対処法】ゴムが中に残った時の取り方
性行為の後にゴムが中に残ることは珍しいことではないため、まずは落ち着いてください。
自分で対処してみる場合は、以下の取り方を試してみましょう。
- 手を洗って消毒する
- 膣口付近を探る
- コンドームの端がつかめたら、ゆっくりと引き出す
上記の作業を行う際、爪が長いと膣内を傷つけてしまう可能性があるため、手を洗って消毒すると同時に、爪を切ったりヤスリなどで整えましょう。
もし自分で対処するのが不安な場合は、オンラインで医師に相談することも検討してみてください。
エミシアクリニックではLINEを利用したオンライン診療が受けられるので、自宅にいながら医師に相談できます。
ゴムが中に残った場合のNG行動とそのリスク
ゴムが中に残った場合のNG行動には、以下の通りです。

上記のNG行動を行った場合、膣内を傷つけてしまったり、膣炎になるなどのリスクがあります。
NG行動とリスクの詳細について解説するので、まずは確認しておきましょう。
指以外の道具で取り出そうとする
中に残ったゴムを指以外の道具で取り出すのはNGなので、必ず清潔な状態の指で行うようにしてください。
たとえばピンセットや毛抜きなど、指以外の道具で取り出そうとした場合、膣内を傷つけてしまう可能性があります。
女性の膣周辺の粘膜はデリケートなため、傷つくと炎症などが起こる可能性も。
まずは指で取り出す方法を試し、どうしても取れない場合は医療機関を受診するようにしてください。
そのまま放置する
ゴムが中に残った場合、そのまま放置すると、膣炎になったり異臭が起こったりするリスクがあります。
ゴムが中にあると、異物に反応して膣内で雑菌が繁殖し、炎症が起こる可能性があり危険です。
また、雑菌の繁殖によって異臭が起こる可能性もあるため、早めに取り除く必要があります。
すでに痛みや違和感を感じている場合は早急に医療機関を受診し、専用の器具でゴムを取り出してもらうなど、適切な処置を受けましょう。
無理にいきんで出そうとする
膣内に残ったゴムを無理にいきんで出そうとすると、さらに奥に入ってしまうリスクがあるのでやめましょう。
指で取り出せなかった場合は、産婦人科などの医療機関の受診を検討してください。
医療機関を受診するのが恥ずかしいという気持ちもあるかもしれませんが、ゴムが中に残るというのは珍しいことではありません。
放置することのリスクのほうが大きいので、自分で取り出せない場合は速やかに医療機関に相談しましょう。
コンドームが膣内に残る原因とは?
コンドームが膣内に残ってしまう原因は、以下の通りです。
- コンドームの装着方法が間違っている
- 射精後の男性器の抜き方が不適切だった
- コンドームのサイズが合っていなかった
根元まで装着していなかったり表裏を間違えて装着するなど装着方法が間違っていた場合、性行為の途中でゴムが外れてしまう可能性があります。
また射精後にコンドームを押さえながら外さなかったなど、抜き方が不適切だった場合も、膣内に残ってしまう可能性があるので注意が必要です。
さらにコンドームにはサイズがあり、サイズが男性器と合っていないことも、膣内に残ってしまう原因になります。
コンドームを使用する際には、事前に使用方法やサイズの確認をしっかり行うようにしましょう。
ゴムが中に残った場合の妊娠や性感染症の可能性
ゴムが中に残った場合、精液が漏れていれば、妊娠やクラミジア・淋菌などの感染症の確率が高まります。
コンドームの使用方法や状態によっても異なりますが、リスクがあることは覚えておきましょう。
妊娠が心配な場合は速やかにアフターピルを服用し、感染症の心配がある場合は産婦人科を受診してください。
エミシアクリニックなら、LINEで自宅にいながらオンライン診察が受けられるので、速やかなアフターピルの処方が可能です。
処方されたアフターピルは、関東圏なら最短で当日中に受け取ることができるため、妊娠の不安がある場合は利用してください。
ゴムが中に残った場合に産婦人科を受診すべき目安とタイミング
ゴムが中に残った場合に産婦人科を受診すべき目安とタイミングは、以下の通りです。
上記の状態の時は、様子を見るなどせずに、速やかに産婦人科を受診しましょう。
それぞれの状況や産婦人科を受診するべき理由について詳しく解説するので、適切な行動につなげてください。
中に残ったゴムを自力で取り出せない場合
中に残ったゴムが自力では取り出せそうにない場合は、速やかに産婦人科を受診しましょう。
産婦人科では専用の器具を使って処置を行ってくれるので、確実に中に残ったゴムを取り出してもらえます。
コンドームは異物なので、そのまま放置すると雑菌が繁殖したり炎症を起こす原因になり危険です。
また中に残ったゴムから精液が漏れ出すと妊娠や感染症のリスクもあるので、早めに処置してもらいましょう。
異物感や痛み・出血がある場合
ゴムが中に残った状態で異物感や痛み・出血を感じる場合は、膣内に炎症が起こっている可能性もあるため、産婦人科を受診する必要があります。

膣内は病原菌などの侵入や感染・増殖を防ぐことができますが、異物があるとこの力が弱まり、炎症が起きやすくなってしまうことも。
医療機関ではゴムを確実に取り出してくれるとともに、炎症やかゆみを抑える薬なども処方してもらえます。
炎症がひどくなると排尿障害などが起こる可能性もあるため、早めに受診しましょう。
妊娠や感染症のリスクが心配な場合
妊娠や感染症のリスクが心配な場合も、速やかに産婦人科を受診するようにしましょう。
妊娠が心配な場合はアフターピルを速やかに服用すれば、以下のように高い確率で妊娠の阻害が可能です。
- 24時間以内:約95%
- 25〜48時間以内:約85%
- 49〜72時間以内:約58%
アフターピルは早く服用するほど避妊効果が高まるため、服用するタイミングが大切です。
産婦人科を受診するか迷っているなら、オンラインでの無料相談が可能なエミシアクリニックの利用も検討してみてください。
コンドームが膣内に残るのを防ぐための対策
コンドームが膣内に残るのを防ぐための対策は、以下の通りです。
コンドームの装着や使用の際の注意点やポイントを理解すれば、ゴムが膣内に残る事故を防げます。
次からは同じ失敗をしないように、以下で対策を確認しておきましょう。
コンドームを根元までしっかりと装着する
性行為で使用する際には、コンドームを根元までしっかり装着しましょう。
装着が正しくできていないと、行為の最中に外れてしまい、膣内にコンドームが残る原因になります。
また装着前には裏表の確認も行い、裏表を逆に装着してしまわないように気をつけてください。
正しくコンドームが装着されていれば、行為中に外れるリスクを減らすことができます。
行為中も外れそうにないか確認する
性行為前にコンドームをしっかり装着するとともに、行為中も外れそうにないか確認するようにしましょう。
正しく装着されていても、摩擦などによって外れやすい状態になっていることがあります。
行為中も定期的にコンドームの状態を確認し、最後まで外れないように気をつけてください。
また、ベビーオイル・ハンドクリームなどがコンドームに付着すると劣化して破れやすくなるため、油性の製品の使用は避けましょう。
射精後は速やかに男性器を抜き、コンドームを押さえながら外す
射精後は速やかに男性器を抜き、コンドームを押さえながら外すことも大切です。
射精後は男性器が小さくなってコンドームとの間に隙間ができており、外れて膣内に残ってしまう可能性があります。
そのため、できるだけ速やかに、コンドームの根元をしっかり抑えながら外しましょう。
外す際には、精液が漏れないように気をつけてください。
ゴムが中に残った場合によくある質問
ゴムが中に残った場合によくある質問は、以下の通りです。
ゴムが膣内に残ってしまうと、焦りや不安を感じることも多いでしょう。
同じ状況になった人のよくある質問とその回答を紹介するので、確認してみてください。
ゴムが中に残った場合の妊娠確率は?
ゴムが中に残った場合の妊娠確率は、以下のように最大で18%となっています。
ゴムをの装着状態 | 妊娠確率 |
---|---|
一般的な使用 | 18% |
正しく使用 | 2% |
ゴムを使用しても100%妊娠を防げるわけではありませんが、膣内に残ったり途中で外れてしまったりした場合は妊娠確率が上がります。
ゴムは正しく装着して使用し、途中で外れたり中に残らないように気をつけましょう。
ゴムが中で取れた場合、洗うと妊娠は防げる?
ゴムが中で外れて精液が膣内に入り込んでしまっていた場合は、洗うだけでは妊娠は防げません。
この場合は、アフターピルによる避妊をできるだけ速やかに行う必要があります。
アフターピルの避妊確率は時間がたつにつれ下がっていくため、性行為後、できるだけ速やかに服用しましょう。
アフターピルは産婦人科などの医療機関に出向いて処方してもらうだけではなく、オンライン診療でも処方が可能です。
産婦人科が近くにない場合などには、オンライン診療を利用しましょう。
ゴムが中に残った後、違和感を感じるのは危険?
ゴムが中に残った後に違和感を感じる場合は、腟炎や異物性の炎症を起こしている可能性があります。
すでに炎症が起こっている場合は、医療機関での処置が必要になるため、早めに産婦人科などを受診しましょう。
中に残ったゴムをそのまま放置すると、さらに炎症がひどくなったり、膣内に雑菌が繁殖して異臭が発生するリスクもあります。
また炎症が酷くなると排尿障害になる可能性もあるので、医療機関で適切な処置をしてもらってください。
ゴムが中に残った場合は、落ち着いて対処することが大事
性行為後にゴムが中に残ってしまった場合は、焦らず落ち着いて対処することが大事です。
まずは清潔な指で取り出せるかを試し、無理なら速やかに医療機関を受診して専用の器具で取り除いてもらいましょう。
また、中に残ったゴムから精液が漏れていた場合は妊娠のリスクが高まるため、早めのアフターピル服用がおすすめです。
エミシアクリニックでは、LINE診療でアフターピルの処方が可能で、最短当日に手元に届きます。
アフターピルは早く服用するほど避妊確率が上がるので、まずはエミシアクリニックの無料相談をご利用ください。