膣外射精(外出し)は正しい避妊法とは言えず、実際に約25%の人が妊娠しているという報告もあります。
※参照:日本産婦人科医会
妊娠を望まない人にとっては、失敗リスクの高い方法であることを理解しておく必要があります。
また、膣外射精は妊娠の可能性があるだけでなく、性感染症を防ぐ効果もありません。
射精前であっても精液や分泌液を介して感染する場合があるため、健康面のリスクにも注意が必要です。
本記事では、膣外射精で妊娠する確率や原因、避妊に失敗した場合の緊急対処法について解説します。
「外出しだから大丈夫」と思っていた人や、予期せぬ妊娠のリスクを避けたい人はぜひ最後まで参考にしてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
膣外射精の妊娠確率 | 外出しは避妊方法として不十分

膣外射精(外出し)における避妊の失敗率は約22%と報告されています。
4~5人に1人が妊娠している計算となり、決して低いとは言えません。
日本産婦人科学会の調査においても、10代で人工妊娠中絶を受けた女性の24.4%が膣外射精による妊娠であったことが報告されています。
また、膣外射精(外出し)の妊娠率は他の避妊方法と比べた場合も高い傾向にあります。
| 避妊無し | 85% |
| 膣外射精 | 20% |
| コンドーム | 13% |
| 避妊リング | 7% |
※参照:世界保健機関(WHO)
これらのデータからも、膣外射精に避妊を頼るのはリスクが高いと言えます。
妊娠を望んでいない場合は、低用量ピルやコンドームといった避妊法の正しい実践が重要です。
膣外射精後に生理が来ないなどの不安がある場合は、早めに医師へ相談しましょう。
※参考:Better than nothing or savvy risk-reduction practice? The importance of withdrawal
年代別にみる妊娠率の傾向(10代・20代・30代以降)
膣外射精(外出し)による妊娠確率は、年齢によっても差があります。
- 15-19歳(10代): 25.1%
- 20-24歳(20代前半): 21.9%
- 25-29歳(20代後半): 17.9%
- 30-34歳(30代前半): 12.9%
- 35-39歳(30代後半): 11.6%
- 40歳以上: 4.1%
※参照:NIH
これは、アメリカの生殖健康研究機関などのデータを基にした数値で、10代の失敗率は40歳以上の約6倍とされています。
年齢が上がるにつれて妊娠率は低下する傾向がありますが、ゼロになるわけではありません。
年齢に関係なく、避妊したい場合は正しい避妊具や避妊方法を選択しましょう。
膣外射精(外出し)で妊娠するのはなぜ?避妊にならない理由
性行為は「外に出せば大丈夫」というわけではありません。
以下では、膣外射精で妊娠する原因をまとめました。

これらの要因により、膣外射精は避妊方法として信頼性が低いと言えるでしょう。
我慢汁(カウパー腺液)にも精子が含まれている
男性器から分泌される「我慢汁(カウパー腺液)」に精子が含まれている可能性があります。
カウパー腺液とは、男性が性的興奮を覚えた際に尿道から分泌される液体のことです。
精子は本来含まれていませんが、精巣から漏れ出した微量の精液が混ざる場合があります。
27人のうち11人(41%)が精子を含む射精前サンプルを出し、そのうち10人(37%)では、かなりの割合の精子が運動精子だった。
引用:pubmed
射精していなくても、無意識に分泌された精子が膣内に入り込むことが考えられるのです。
なおカウパー腺液に含まれる精子の量には個人差があるため、事前に予測することは困難を極めます。
カウパー腺液による妊娠のリスクを完全に排除するのは難しいでしょう。
我慢汁と妊娠の関係性について詳しくはこちら!
我慢汁で妊娠するのは嘘?妊娠する確率や可能性が高まるケースを医師が解説
膣に近い部分(陰部やお腹)についた精液が子宮に届く
膣外照射(外出し)でも、膣に近い部分についた精液が子宮に届く可能性があります。
射精のタイミングをコントロールするのは難しいため、意図せず付着してしまうリスクは捨てきれません。
精子は小さい上に動きが活発なため、自力で膣内を移動し、子宮に到達する場合があります。
また性行為後の体位や動きにより、外部についた精液が膣内に流れ込む可能性も。
たった1個の精子でも受精は成立するため、妊娠のリスクは排除しきれないでしょう。
膣外射精による妊娠リスクが心配なときに確認するポイント
妊娠の可能性は射精の仕方や性行為のタイミング、その後の対応によって左右されます。
膣外照射(外出し)後に妊娠リスクを判断するうえで、確認しておきたいポイントは以下の通りです。
- 射精のタイミングや状況
- 我慢汁が膣内に入っていないか
- 性行為の時期が排卵日前後ではなかったか
- 他の避妊方法を併用していたか
- 性行為からどのくらい時間が経過しているか
- 生理予定日を過ぎても出血がない、または体調に変化がないか
これらの項目のうち、一つでも当てはまる場合は妊娠の可能性があります。
特に、排卵日前後の性行為や挿入時に避妊をしていなかったケースでは、リスクが高くなりがちです。
性行為からあまり時間が経っていない場合は、アフターピルなどの緊急避妊を検討できる可能性もあります。
予期せぬ妊娠を防ぐためにも、状況に応じた適切な確認と対処を早めに行いましょう。
膣外射精後、妊娠を避けるために取れる対処法
以下では避妊に失敗したときの緊急避妊法をまとめました。

避妊失敗後、シャワーやウォシュレットで膣内を洗浄する人もいますが、対策にはなりません。
前述した通り、射精された精子は膣内に侵入し、子宮に向かって移動します。
性行為後に洗浄しても精子を取り除くことは難しいです。
また膣内の洗浄は、細菌の侵入を許すリスクもあり、膣炎などに繋がるリスクもあります。
膣炎とは、膣の粘膜に炎症が起こる症状のことで様々な種類があります。
- 細菌性膣炎:かゆみ・おりものが灰色・量が多い
- カンジダ膣炎:激しいかゆみ・発赤
- トリコモナス膣炎:かゆみ・おりものの悪臭
基本的には膣錠による膣洗浄出の治療が必要となります。
自然治癒するケースもありますが、子宮内膜炎など他の感染症を引き起こす恐れもあるため治療するのがおすすめです。
もし避妊失敗後に上記のような症状がある人は、早めに産婦人科を受診しましょう。
失敗したときは速やかに緊急避妊を行いましょう。
アフターピル(緊急避妊薬)の服用
アフターピルは妊娠を希望していないにもかかわらず、妊娠の可能性がある性行為があった場合に服用を検討する緊急避妊薬です。
主に排卵抑制や排卵を遅らせる作用があり、受精や着床を防ぐことで妊娠の成立を防ぐとされています。
性行為後72時間以内と120時間以内に服用するタイプがあり、性行為から時間が短いほど避妊効果が期待できます。

時間が経過するとともに避妊効果も低下するため、早めの対処が重要です。
吐き気・嘔吐・頭痛などの副作用が起こる場合もありますが、症状の出方や強さには個人差があります。
副作用が心配な場合は、吐き気止めなどの対処薬を併せて処方している医療機関を選ぶと安心でしょう。
エミシアクリニックでは、アフターピルのオンライン診療に対応しています。
LINE友だち追加から予約不要で受診できるほか、状況によっては最短1時間で自宅へお届け可能です。
安心して服用いただくために、万が一に備えた吐き気止めも無料でご用意しています。
銅付加IUD(子宮内避妊用具)の装着
銅付加IUDとは、銅イオンを放出するプラスチック製の子宮内避妊器具です。
行為後5日以内に子宮内に挿入することで、緊急避妊の効果に期待できます。
子宮内に入れることで、精子と卵子の遭遇や受精卵が着床するのを防ぐ仕組みです。
1回装着すれば2~5年ほど効果が続くため、毎日服用する必要はありません。
しかし数日間は下腹部に違和感や軽い痛みを感じる他、子宮の入口が狭いと入りにくい欠点もあります。
銅付加IUDを使用した緊急避妊は、一度出産を経験した人に向いている方法でしょう。
排卵日を避ける「オギノ式」でも避妊はできない

生理予定日から排卵日を予測して危険日の性行為を避ける「オギノ式」も、避妊方法とは言えません。
そもそも避妊せずとも妊娠しない「安全日」は存在しないと思うべきです。
生理周期は体調やストレスにより変動しやすく、周期が不規則な人だとなおさら予測するのは困難なもの。
さらに精子は女性の体内で1週間以上生き残ることもあります。
排卵が起こりにくい時期は一定ありますが、確実に避妊はできません。
また生理中は排卵が起きないため、妊娠しないと勘違いしている人もいますが間違いです。
妊娠しない確証はなく、免疫力が低下している状況のため、ウイルスや細菌感染するリスクもあります。
危険日の性行為を避けたオギノ式では、避妊はできないことを覚えておきましょう。
さらに詳しく知りたい人はこちら!
排卵日前後の避妊の確率は?安全日や危険日、サイクルの調べ方も解説
安全日とは?妊娠しにくい時期と危険日との違いをわかりやすく解説
避妊効果を高めたい人向けの正しい避妊方法
以下では、日常的に取り入れやすく、避妊効果が期待できる代表的な方法を紹介します。
膣外射精は妊娠リスクが高いため、確実性のある避妊方法を正しく実践しましょう。
コンドームの正しい使用
コンドームは、正しく使用すれば避妊効果が期待できる避妊具です。
妊娠予防だけでなく、性感染症(STD)の予防にも役立ちます。
ただし、以下のようなケースでは妊娠につながる可能性もあります。
- サイズが合っていない
- 装着のタイミングが遅い
- 破損やズレが起こる
性行為の最初から正しく装着し、使用後は速やかに処分するなど、基本的な使い方を守ることが大切です。
コンドームの避妊効果について詳しくはこちら!
コンドームの避妊効果はどのくらい?正しい使用方法や選び方のポイント、ほかの避妊方法も解説
コンドームの避妊率とは?避妊失敗を防ぐ正しい使い方を詳しく解説
低用量ピルの服用
妊娠を望まない人には、低用量ピルの服用による避妊も選択肢の一つです。
卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類を含む薬であり、毎日1回服用することで避妊効果が期待できます。
低用量ピルの主な作用は以下の通りです。
- 排卵の抑制
- 子宮内膜の増殖抑制
- 女性ホルモンバランスの一定化
正しく服用した場合の避妊率は99.7%とされており、避妊効果が比較的高い点が特徴です。
また、避妊以外にも以下のような副次的なメリットが報告されています。

- 腹痛・腰痛・倦怠感の緩和
- イライラや気分の落ち込みの軽減
- 卵巣がんや子宮体がんのリスク低減
服用初期には吐き気や胃のムカつきなどの副作用が現れることもありますが、体が慣れるまでの一時的な反応です。
多くの場合、数日~1週間ほどで落ち着くとされているため、大きく不安視する必要はないでしょう。
「周囲に知られずに避妊したい」「生理痛やPMSを少しでも軽くしたい」人は、医師に相談したうえで服用を検討してみてください。
低用量ピルが気になる人は以下の記事もご覧ください。
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膣外射精(外出し)と妊娠の関係性についてよくある質問
以下では、膣外射精に関してよくある疑問について解説します。
下着についた精液でも妊娠することはある?
基本的に、下着に付着した精液がそのまま妊娠につながる可能性は低いとされています。
精子は乾燥や温度変化に弱く、空気に触れると生存しにくいためです。
ただし、精液やカウパー液が直接膣の入口付近に付着した場合は、完全に否定はできません。
性行為に近い状況で付着した場合は、妊娠の可能性をゼロと考えず注意が必要です。
1回だけなら大丈夫?
「1回だけ」「たまたまだから大丈夫」と思われがちですが、1回の性行為でも妊娠する可能性はあります。
膣外射精の失敗率は約22%とされており、回数に関係なくリスクは存在します。
1回だから安心とは言い切れない点に注意しましょう。
生理直後なら妊娠しない?
生理直後は比較的妊娠しにくい時期とされますが、妊娠しないとは断言できません。
排卵日は体調やストレスなどによって前後することがあり、生理周期が不安定な場合は特に注意が必要です。
また、精子は体内で数日間生存することがあるため、生理直後の性行為でも妊娠につながる可能性は残ります。
膣外射精で避妊できるとは言えない | 正しい知識で自分を守ろう
繰り返しになりますが、膣外射精(外出し)は避妊法とは言えません。
膣内で射精していなくても、妊娠する可能性は十分にあるためです。
なお避妊に失敗した可能性がある場合は、速やかに緊急避妊法で対処しましょう。
エミシアクリニックでは、最短1時間で即日発送が可能です。
オンライン診療で全国どこでも対応しているため、不安な人はぜひご相談ください。





