膣外射精(外だし)は、正しい避妊法とは言えません。
膣外射精(外だし)により、約25%の人が妊娠をしていることが分かっています。
※参照:日本産婦人科医会
妊娠を望まない人にとってはリスクが高い方法です。
さらに妊娠をする以外に、感染症に繋がる可能性もあります。
本記事では膣外射精で妊娠する確率や原因について解説しました。
また避妊に失敗したときの緊急対処法についても紹介しています。
予期せぬ妊娠のリスクを避けたい人はぜひ参考にしてください。
膣外射精(外出し)の避妊率は低い
膣外射精(外だし)の避妊率は低く、妊娠する可能性があるでしょう。
日本産婦人科学会の調査では、10代で人工妊娠中絶を受けた女性の24.4%が膣外射精による妊娠でした。
※参照:日本産婦人科医会
これは5回に1回以上の頻度で妊娠する可能性があることを意味します。
また膣外射精の妊娠率は、他の避妊方法と比べた場合も高めです。
避妊無し | 85% |
膣外射精 | 20% |
コンドーム | 13% |
避妊リング | 7% |
これらのデータからも、膣外射精に避妊を頼るのはリスクが高いと言えます。
妊娠を望んでいない場合は、低用量ピルなどの避妊法がおすすめです。
効果的な避妊方法を正しく実践することで、少しでも成功率を高めましょう。
膣外射精で妊娠する原因は?
性行為は「外に出せば大丈夫」というわけではありません。
下記では、膣外射精で妊娠する原因をまとめました。
これらの要因により、膣内射精は避妊方法として信頼性が低いと言えるでしょう。
カウパー腺液(ガマン汁)にも精子が含まれている
男性器から分泌される「カウパー腺液(ガマン汁)」に精子が含まれている可能性があります。
カウパー腺液とは、男性が性的興奮を覚えた際に尿道から分泌される液体のことです。
カウパー腺液の役割
- 弱酸性の膣内をアルカリ性に中和し、精子が活動できる環境を整える
- 男性器の膣挿入をスムーズにする
精子は本来含まれていませんが、精巣から漏れ出した微量の精液が混ざる場合があります。
27人のうち11人(41%)が精子を含む射精前サンプルを出し、そのうち10人(37%)では、かなりの割合の精子が運動精子だった。
引用:pubmed
射精していなくても、無意識に分泌された精子が膣内に入り込むことが考えられるのです。
なおカウパー腺液に含まれる精子の量には個人差があるため、事前に予測することは困難を極めます。
カウパー腺液による妊娠のリスクを完全に排除するのは難しいでしょう。
膣に近い部分についた精液が子宮に届く
膣に近い部分についた精液が子宮に届く可能性があります。
射精のタイミングをコントロールするのは難しいため、意図せず付着してしまうリスクは捨てきれません。
精子は小さい上に動きが活発なため、自力で膣内を移動し、子宮に到達する場合があります。
また性行為後の体位や動きにより、外部についた精液が膣内に流れ込む可能性も。
たった1個の精子でも受精は成立するため、妊娠のリスクは排除しきれないでしょう。
避妊に失敗したときの緊急避妊法
下記では避妊に失敗したときの緊急避妊法をまとめました。
避妊失敗後、シャワーやウォシュレットで膣内を洗浄する人もいますが、対策にはなりません。
前述した通り、射精された精子は膣内に侵入し、子宮に向かって移動します。
性行為後に洗浄しても精子を取り除くことは難しいです。
また膣内の洗浄は、細菌の侵入を許すリスクもあり、膣炎などに繋がるリスクもあります。
膣炎とは
膣炎とは、膣の粘膜に炎症が起こる症状のことで様々な種類があります。
- 細菌性膣炎:かゆみ・おりものが灰色・量が多い
- カンジダ膣炎:激しいかゆみ・発赤
- トリコモナス膣炎:かゆみ・おりものの悪臭
基本的には膣錠による膣洗浄出の治療が必要となります。
自然治癒するケースもありますが、子宮内膜炎など他の感染症を引き起こす恐れもあるため治療するのがおすすめです。
もし避妊失敗後に上記のような症状がある人は、早めに産婦人科を受診しましょう。
失敗したときは速やかに緊急避妊を行いましょう。
アフターピル
アフターピルは妊娠を希望していないにも関わらず、可能性がある性行為をした場合に服用するピルです。
アフターピルには、排卵抑制や排卵を遅らせる作用があります。
72時間以内用と120時間以内用があり、直後であれば99.5%の避妊効果に期待できるでしょう。
時間が経過するとともに避妊効果も下がるため、早めの対処が重要になります。
吐き気・嘔吐・頭痛などの副作用が起こる場合もありますが、感じ方は人それぞれです。
不安な場合は、副作用向けの薬を処方している産婦人科を選択しましょう。
エミシアクリニックでは、アフターピルのオンライン診療を受け付けております。
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また安心して服用いただくために、万が一のための吐き気止めも無料でご用意しています。
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銅付加IUD(子宮内避妊用具)
銅付加IUDとは、銅イオンを放出するプラスチック製の子宮内避妊器具です。
行為後5日以内に子宮内に挿入することで、緊急避妊の効果に期待できます。
子宮内に入れることで、精子と卵子の遭遇や受精卵が着床するのを防ぐ仕組みです。
1回装着すれば2~5年ほど効果が続くため、毎日服用する必要はありません。
しかし数日間は下腹部に違和感や軽い痛みを感じる他、子宮の入口が狭いと入りにくい欠点もあります。
銅付加IUDを使用した緊急避妊は、一度出産を経験した人に向いている方法でしょう。
膣外射精以外に排卵日を避けるオギノ式でも避妊はできない
生理予定日から排卵日を予測して危険日の性行為を避ける「オギノ式」も、避妊方法とは言えません。
そもそも避妊せずとも妊娠しない「安全日」は存在しないと思うべきです。
生理周期は体調やストレスにより変動しやすく、周期が不規則な人だとなおさら予測するのは困難なもの。
さらに精子は女性の体内で1週間以上生き残ることもあります。
排卵が起こりにくい時期は一定ありますが、確実に避妊はできません。
また生理中は排卵が起きないため、妊娠しないと勘違いしている人もいますが間違いです。
妊娠しない確証はなく、免疫力が低下している状況のため、ウイルスや細菌感染するリスクもあります。
危険日の性行為を避けたオギノ式では、避妊はできないことを覚えておきましょう。
避妊効果を高めるには低用量ピルもおすすめ
妊娠を望まない人には、低用量ピルの服用による避妊がおすすめです。
低用量ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類で作られた薬のこと。
毎日1回服用することで、避妊に繋がる下記の効果に期待できます。
- 排卵の抑制
- 子宮内膜の増殖抑制
- 女性ホルモンバランスの一定化
避妊率は99.7%と高めで、避妊効果以外に下記のような作用があるのもポイントです。
- 腹痛・腰痛・倦怠感の緩和
- イライラや気分の落ち込みの軽減
- 卵巣がんや子宮体がんのリスク低減
約20%の服用者に吐き気や胃のムカつき等の副作用が見られますが、体が慣れるまでの一時的な反応です。
多くの場合は5日ほどで改善するため、大きく不安視する必要はないでしょう。
密かに避妊したい・生理痛やPMSを軽くしたい人は、ぜひ服用を検討してください。
膣外射精で確実に避妊できるとは言えない!避妊方法を正しく理解しよう
繰り返しになりますが、膣外射精(外出し)は避妊法とは言えません。
膣内で射精していなくても、妊娠する可能性は十分にあるためです。
なお避妊に失敗した可能性がある場合は、速やかに緊急避妊法で対処しましょう。
エミシアクリニックでは、最短1時間で即日発送が可能です。
オンライン診療で全国どこでも対応しているため、不安な人はぜひご相談ください。