ノルレボは、避妊に失敗した際に使用する緊急避妊薬(アフターピル)の一種です。
性行為後72時間以内に服用することで、高い確率で望まない妊娠を防ぐことができます。
しかし使用するにあたって副作用の不安がある方や、他のアフターピルとの違いを知った上で利用したい方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、ノルレボの特徴や効果・正しい服用方法・副作用などについて詳しく解説します。
他の種類との比較もするので、緊急避妊に関する正確な知識を身につけておき、万が一の時に適切な対応ができるようになりましょう。
この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
ノルレボとはアフターピル(緊急避妊薬)の代表格
ノルレボは、世界中で広く使用されている代表的な緊急避妊薬(アフターピル)です。
避妊に失敗した場合や望まない性行為があった場合など、緊急時に使用することで妊娠を回避できます。
ここではノルレボの特徴や避妊率など、詳しく見ていきましょう。
よく疑問を抱きやすい「レボノルゲストレル」についても解説します。
特徴と避妊できる確率
ノルレボは、世界保健機関(WHO)の必須医薬品リストにも含まれている、国内純正規品のアフターピルです。
レボノルゲストレルが有効成分で、主に排卵を抑制することにより避妊効果を示します。
性行為後72時間以内に1回1錠を服用することで、90%以上の避妊効果が期待できるのが特徴です。
医療機関などでよく聞く「72時間以内用アフターピル」は、ノルレボを指していることが多いです。
最も効果が高いのは性行為後から24時間以内なので、避妊に失敗したと気づいた場合は、できるだけ早く服用しましょう。
避妊ができる仕組み・原理
ノルレボの主成分であるレボノルゲストレルは、女性ホルモンの一種である黄体ホルモン(プロゲステロン)に似た働きをするものです。
レボノルゲストレルによる以下2つの作用が、高い避妊効果を発揮します。
作用 | 詳細 |
---|---|
排卵抑制 | 黄体形成ホルモン(LH)の急激な上昇を抑え、排卵を抑制 |
着床阻害 | 子宮内膜の状態を変化させ、子宮への着床を阻害 |
排卵を遅らせたり完全に抑制したりするほか、万が一受精卵ができても子宮への着床を阻害します。
ただしすでに排卵が起こっている場合や、着床が完了している場合は効果が期待できません。
そのため性行為後72時間以内に、できるだけ早く服用することが重要です。
レボノルゲストレルはジェネリック薬品
レボノルゲストレルはノルレボの有効成分名であり、同時にジェネリック医薬品(後発医薬品)の名称でもあります。
ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を含み、同等の効果が認められた医薬品です。
開発・費用がかからないため、先発医薬品より価格が安いという特徴があります。
違い | ノルレボ | レボノルゲストレル |
---|---|---|
有効成分 | レボノルゲストレル | レボノルゲストレル |
効果 | ・排卵抑制 ・着床阻害 | ・排卵抑制 ・着床阻害 |
価格 (薬代のみ) | 8,000〜15,000円 | 6,000〜10,000円 |
製造元 | 先発メーカー | 後発メーカー |
アフターピルの処方は自由診療になるため、クリニックによって料金は異なりますが、概ねノルレボの6〜7割程度の価格で購入できることが多いです。
ノルレボまたはジェネリック医薬品のレボノルゲストレルを選択する際は、医師や薬剤師に相談し、自身の状況や予算に合わせて適切に購入しましょう。
ノルレボ(アフターピル)はいつまでに飲む?正しい服用方法
ノルレボは、性行為後72時間以内に服用することが重要です。
早く服用するほど避妊効果が高くなるので、性行為後できるだけ早く服用しましょう。
同時に正しい方法で服用しないと効果も薄れてしまうので、しっかりと飲み方を理解しておくことが大切です。
ここではノルレボの正しい服用方法とタイミング、そして72時間を過ぎてしまった場合の対応について詳しく解説します。
飲み方とタイミング|72時間過ぎた場合の対応
ノルレボの正しい服用方法は以下のとおりです。
- 性行為後、できるだけ早く1錠を服用します。
- 1回の服用で完了です。追加で服用する必要はありません。
- 服用後2時間以内に嘔吐した場合は、再度1錠を服用してください。
性行為時間が経過するほど効果は低下するので、服用のタイミングについては72時間ルールが重要です。
万が一72時間を過ぎてしまっても、120時間(5日間)以内であれば別の緊急避妊薬(エラワンなど)が利用できます。
医療機関で処方してもらえることが多いので、72時間を過ぎても諦めずにすぐ受診しましょう。
一方で避妊に失敗している可能性も否めません。
不安がある場合は次の月経まで待つか、産婦人科を受診して超音波検査や血液検査で、妊娠の可能性を確認することをおすすめします。
アフターピルの服用タイミングをさらに詳しく知りたい方はこちら
>>アフターピルはいつまでに飲むべき?副作用の期間・服用の注意点も詳しく解説!
ノルレボ(アフターピル)の副作用と対処法
ノルレボは比較的安全性の高い薬剤ですが、以下のような副作用が生じる可能性があります。
- 不正出血:服用後3日~7日程度
- 吐き気:服用後数時間以内
- 頭痛:軽度から中程度の頭痛
- 下腹部痛:軽度の腹痛
- 疲労感:一時的に疲れを感じやすい
- めまい:軽度のめまい
特に多いのは不正出血で「消退出血」と言われており、服用後3日~7日で起こることが多いです。
他の症状も一時的なものが多く、ほとんどが数日以内に自然に改善しますが、副作用の症状が出たら以下のように対処しましょう。
副作用 | 対処法 |
---|---|
不正出血 | ・生理用ナプキンを使用し、様子を見る ・2週間以上続く場合は医師に相談 |
吐き気 | ・水分をこまめに取り、横になって休む ・服用後2時間以内に嘔吐した場合は、再度服用 |
頭痛 | ・市販の鎮痛剤を使用する ・症状が重い場合は医師に相談 |
下腹部痛 | ・温かいタオルを当てて休む ・軽い運動をすることで症状が和らぐこともある |
疲労感 めまい | ・十分な休養を取り、無理をしない |
ノルレボの副作用は個人差が大きいため、すべての人に同じ症状が現れるわけではありません。
副作用がない、もしくは軽微である場合もあります。
重要なのはこれらの副作用が一時的なものであり、長期的な健康への影響はないということです。
しかし重度の副作用や気になる症状がある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
またアレルギー反応(発疹、かゆみ、息苦しさなど)が現れた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
ノルレボ(アフターピル)使用後の注意事項
ノルレボを使用した後は、以下の点に注意することが大切です。
より安全に効果的にノルレボを利用できるよう、しっかり確認しておきましょう。
使用後すぐの性行為は控える
ノルレボを服用した後は、すぐに性行為を行うことは避けるべきです。
ノルレボの効果が十分に発揮されるまでに時間がかかるため、服用後すぐに性行為を行うと避妊効果が低下する可能性があります。
ノルレボ服用後は、少なくとも7日間は性行為を控えましょう。
その後の性行為の際は、必ず適切な避妊方法(コンドームなど)を使用してください。
アフターピル服用後の性行為についてさらに詳しく知りたい方はこちら
>>アフターピル服用後の性行為はいつから?避妊成功のサインと失敗する理由も解説
生理への影響と体調変化に気を付ける
ノルレボの服用は、以下のように通常の月経周期に影響を与える可能性があります。
- 次の生理の時期が早まる、または遅れる
- 経血量が増加または減少する
- 不正出血が起こる
これらの変化は一時的なものであり、通常1〜2周期で元に戻るため心配いりません。
しかし、以下のような場合は医療機関への受診をおすすめします。
- 予定日から1週間以上生理が遅れる
- 強い下腹部痛が続く
- 大量の出血が続く
また服用後は副作用や体調不良が現れる可能性があるため、しばらくは休養を取ることが望ましいです。
特にノルレボはホルモンバランスに作用するものなので、心理的なストレスを軽減するためにも落ち着いた環境で過ごしましょう。
避妊が失敗する可能性もある
ノルレボは高い避妊効果を持つ薬剤ですが、100%の避妊を保証するものではありません。
以下のような場合、避妊が失敗する可能性があります。
- 服用のタイミングが遅れた場合(72時間を超えた場合)
- 服用後2時間以内に嘔吐し、再服用しなかった場合
- 既に排卵が起こっていた場合
- 体重が75kg以上、またはBMIが26以上の場合(効果が低下する可能性)
避妊の失敗を防ぐためにはノルレボを適切に使用することはもちろん、普段から確実な避妊方法を実践することが大切です。
ノルレボは緊急避妊薬ですが、日常的に低用量ピルを服用することで避妊効果を高めることができます。
低用量ピルについて知りたい方はこちら
性感染症の予防・治療はできないので注意
ノルレボは避妊薬であり、性感染症(STI)の予防や治療の効果はありません。
コンドームを使用しない性行為をした場合は性感染症のリスクがあるので、ノルレボを使用する場合でもコンドームを併用することが望ましいです。
万が一以下のような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- おりものの変化
- 不正出血
- 陰部の痛み・かゆみ
特に新しいパートナーとの関係の場合は性感染症のリスクが高まるので、不安な点や疑問がある場合は、必ず医療機関に相談するようにしましょう。
ノルレボ(アフターピル)の入手方法と値段
ノルレボを入手するには医療機関での診察と処方が必要なため、以下のどちらかを選びましょう。
それぞれの利点や価格帯を紹介するので、自分に合った方法を選んでください。
医療機関受診後に薬局に処方箋を持っていく
ノルレボは産婦人科や婦人科などで処方せんを発行してもらい、薬局に持っていくことで購入できます。
医療機関で対面受診するメリットは以下のとおりです。
- 直接的な対面診療が可能
- 詳細な説明や質問への回答をその場で得られる
病院を受診する場合は待ち時間など発生しますが、対面で医師へ直接相談できるのが最大の利点でしょう。
保険適用外のため価格はクリニックによって異なりますが、診察料と薬代を合わせて10,000円から20,000円程度になることが多いです。
なお、マツモトキヨシやツルハドラッグなどの大手ドラッグストアチェーンでは、現在のところアフターピルの一般販売は行われていません。
処方箋があれば、大手ドラックストアを含む調剤薬局での受け取りが可能です。
一般市販を含む避妊薬を買える場所を知りたい方はこちら
>>避妊薬はどこで買える?薬局・ドラッグストアの市販状況や緊急時におすすめの購入方法を紹介
オンライン診療ならすぐに処方してもらえる
近年オンライン診療でのノルレボの処方が可能になり、より迅速かつ便利に入手できるようになりました。
オンライン診療の主なメリットは以下のとおりです。
- いつでもどこでも予約可能
- 自宅にいながら医師の診察を受けられる
- 診察から薬の受け取りまで待ち時間を気にしない
- 対面診療と比べて低コストで済むことが多い
オンライン診療なら時間や場所を気にせず、好きな時に予約・受診ができます。
また周囲の目を気にせずプライバシーが守られるため、安心して受診できるでしょう。
エミシアクリニックでも、72時間用のレボノルゲストレル(ノルレボのジェネリック)と120時間用のエラワンを取り扱っています。
それぞれ対面受診よりも低価格で提供しているので、高額になりやすい自由診療でも利用しやすいです。
- レボノルゲストレル(72時間用):9,350円(税込)
- エラワン(120時間用):15,950円(税込)
さらに吐き気止めの無料処方サービスで作用への対策も万全なほか、服用後も不安な点があればLINEで相談できます。
商品は最短当日に発送でき、プライバシーに配慮してアフターピルと分からない梱包でお届けするので、初めての方でも安心してご活用ください。
アフターピルのオンライン処方についてさらに詳しく知りたい方はこちら
>>アフターピルのオンライン診療は即日届く!いつでも自宅から簡単にスマホで診察
ノルレボと他のピルとの違いを比較
ノルレボは緊急避妊薬の一種ですが、他のアフターピルや低用量ピルとは異なる特徴があります。
それぞれの特徴や使用目的の違いを詳しく見ていきましょう。
エラワン・マドンナなど他のアフターピルとの違い
ノルレボ以外のアフターピルとして、エラワンやマドンナなどがあります。
主な違いは以下の通りです。
特徴 | ノルレボ | エラワン | マドンナ |
---|---|---|---|
成分 | レボノルゲストレル | ウリプリスタル酢酸エステル | レボノルゲストレル |
承認 | 国内承認済 | 国内未承認 | 国内未承認 |
服用 | 72時間以内 | 120時間以内 | 72時間以内 |
避妊率 | 約97% | 約99% | 約97% |
副作用 | 吐き気・頭痛・腹痛など | ノルレボと比較して 副作用が少ない | ノルレボとほぼ同等 |
ノルレボだけが国内で認められた純正品で、エラワンやマドンナは国内で未認証の海外製品になります。
マドンナはレボノルゲストレルと同様にノルレボのジェネリック医薬品ですが、純正品ではありません。
またエラワンは72時間以内にアフターピルを服用できなかった場合に処方されることが多く、120時間以内に服用して避妊を促します。
どれも高い避妊効果がありますが、性行為後すぐに服用できる方や国内正規品の方が安心な方は、ノルレボやレボノルゲストレルを選びましょう。
低用量ピルとの違い
低用量ピルは、毎日服用することで避妊を促す経口避妊薬になります。
ノルレボとの主な違いは以下のとおりです。
特徴 | ノルレボ | 低用量ピル |
---|---|---|
使用目的 | 緊急避妊 (性交後の一時的な使用) | 日常的な避妊 |
服用方法 | 1回1錠を単回服用 | 毎日1錠を21日間連続服用+7日間休薬 |
ホルモン量 | 高用量の黄体ホルモン | 低用量の卵胞ホルモンと 黄体ホルモンの組み合わせ |
避妊効果 | 単回使用で約98% (72時間以内) | 正しく服用すれば99%以上 |
副作用 | 一時的な副作用 (吐き気・頭痛など) | 長期使用による副作用 (血栓症リスクなど) |
その他の効果 | 緊急避妊のみ | ・月経痛の軽減 ・ニキビの改善 など |
低用量ピルは日常的な避妊方法として使用され、正しく服用すれば高い避妊効果が得られます。
また避妊だけではなく、生理痛の緩和など通常の月経の悩みも解決できるのが特徴です。
一方ノルレボは緊急時のみに使用する薬剤であり、通常の避妊方法の代替にはなりません。
性行為前には低用量ピルを、性行為後はノルレボなどのアフターピルを服用しましょう。
低用量ピルについて知りたい方はこちら
ノルレボ(アフターピル)に関するよくある質問
ノルレボ(アフターピル)に関するよくある質問に回答します。
最後に疑問や不安を解消しましょう。
ノルレボ(アフターピル)を排卵日当日に飲むとどうなる?
ノルレボを排卵日当日に服用した場合は、その効果が限定的になる可能性があります。
- 排卵がまだ起こっていない場合
↳排卵を遅らせる可能性がある - 排卵が既に起こっている場合
↳排卵抑制の効果は期待できない - 排卵後の服用
↳受精卵の着床を阻害する効果が期待できる
ノルレボは排卵抑制効果と着床阻害効果があるので、排卵後は受精卵の着床を阻止する効果のみになります。
排卵をしない・着床をさせないことで高い避妊効果となるので、排卵日に関わらず、性交後できるだけ早くノルレボを服用することが重要です。
排卵日の避妊についてさらに詳しく知りたい方はこちら
>>排卵日をもとにした避妊の対処法は?安全日や危険日についても詳しく解説
ノルレボ(アフターピル)は不妊に繋がる?
ノルレボの使用が不妊につながるという科学的根拠はありません。
ノルレボは一時的にホルモンバランスを変化させますが、その効果は短期的です。
次の排卵周期に若干の影響を与える可能性がありますが、長期的な影響はなく、服用を中止すれば通常の生理周期に戻ります。
そのためノルレボの使用が将来の妊娠能力に影響を与えることはないので、安心して利用ください。
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当院の受診が初めての方でもオンライン診療を受けられます。
72時間以内用と120時間以内から選べるので、万が一性行為後に時間が経ってしまっても安心です。
また副作用防止のために吐き気止め薬の無料サービスがあるほか、受診後にも不安な点があれば医師にLINEで相談できます。
アフターピルは1秒でも早い服用が大切なので、ぜひ予約不要のエミシアクリニックを受診してください。