生理中に血の塊が出てしまい、「病気なのかな…?」と不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に生理中に血の塊が出ることは多くの女性が経験していることですが、症状によっては早めに適切な処置を受けることが大切です。
そこで本記事では、生理中の血の塊の正常な範囲や過多月経の可能性、受診の目安について詳しく解説します。
生理に関する悩みは多くの女性が抱えているものの、なかなか人には相談しづらいものです。
ぜひ本記事で生理中の血の塊について正しい理解を深め、ご自身の体調管理に役立ててください。
不安な症状がある場合は、ためらわずに婦人科を受診しましょう。
生理の仕組みと正常な月経周期・出血量
生理(月経)は、女性の体が妊娠に備えて行う周期的な現象です。
正常な月経周期は個人差がありますが、一般的に25〜38日間起きに生理がくるとされています。
生理後、妊娠に備えて子宮内膜が徐々に厚くなりますが、排卵後に妊娠が成立しなかった場合、その内膜が剥がれ落ちて出血として排出されるのが生理です。
また正常な経血量は1回の月経で20〜140mlとされており、「正常」の範囲は広いと言えるでしょう。
※参照:日本産科婦人科学会
ただし年齢・体質などの個人差が大きいため、正常範囲の数値かどうかよりも、自分の通常の月経量・月経周期を把握しておくことが大切です。
生理中に血の塊が出る・いつもより経血の量が多い原因とは?
経血の性状も人によって異なるため、サラサラとした液体のような経血もあれば、ドロドロとした粘性の高い経血や小さな血の塊が混じることもあります。
経血量増加や状態の変化の原因は以下に起因することが多いです。
- ストレス
- 疲労
- ホルモンバランスの変化 など
上記のように生活習慣が乱れてストレスが溜まると、子宮収縮と血液凝固が促されるため、塊が出たり経血量が多くなってしまいます。
多くの場合は正常の範囲内で出ることが多いですが、中には症状が重い場合もあるので、心配すべきラインなのか判断ができるよう以下について解説していきます。
ぜひご自身の症状と照らし合わせて確認してみてください。
サラサラ・小さな塊の場合は心配ないことが多い
生理中に小さな血の塊が出ることは、多くの場合正常な現象と言えるでしょう。
これは子宮内膜が剥がれ落ちる際に、血液が固まってしまうことが原因です。
通常、体内の酵素の働きによって血液はサラサラの状態に保たれるので、生理中もサラサラな血が排出されます。
しかし経血量が多い場合や子宮の収縮が強い場合には、この酵素が十分に作用する前に血液が排出されることも。
そのため小さな血の塊が時々混じる程度や、10円玉程のサイズが1回出た程度であれば、特に心配する必要はありません。
むしろ、子宮内膜がきちんと剥がれて排出されている証拠と言えるでしょう。
レバーみたいな大きい塊・異常に経血量が多い場合は「過多月経」
レバーのような大きな血の塊が頻繁に出たり、経血量が著しく多かったりする場合は「過多月経」の可能性があります。
過多月経とは1回の月経で経血量が140ml以上、または本人が「多い」と感じる状態のことです。
ほかにも過多月経の症状には以下のようなものがあります。
- 多い日用のナプキンを使用しても1時間程度で交換が必要
- 夜用ナプキンが一晩以内に足りなくなり、翌朝に経血が漏れている
- 血の塊がナプキンの交換のたびに見られる
- ゴルフボール大の黒い血の塊が出る
過多月経が続くと疲れやすかったり貧血が続いたりと、日常生活へ支障が出てしまいます。
上記の症状が続く場合は婦人科を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。
生理中の血の塊が不安な方へ|過多月経のセルフチェック
過多月経かどうか心配な方は、以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- ナプキンやタンポンを1〜2時間おきに交換する必要がある
- 夜間に何度もナプキンを交換するために起きる
- 昼間でも夜用ナプキンを使用しなければならない日がある
- 1回の生理で、レバーのような血の塊が何度も出る
- 握りこぶし程の巨大な黒い血の塊が出る
- 生理期間が7日以上続く
- 生理痛がひどい
- 以前よりも経血量が増えてきた
- 貧血の症状(めまい・動悸・疲労感など)がある
上記の項目に3つ以上当てはまる場合は、過多月経の可能性があります。
ただ、個人差も大きいため、一概に判断することはできません。
生理痛の重さも含めて気になる症状がある場合は婦人科を受診し、専門医の診断を受けましょう。
もちろん血の塊以外でも、気になることがあれば自身の生理の状態を把握するために医師に相談することも大切なので、ぜひ受診を検討してみてください。
生理痛の重さレベルを知りたい方はこちら
>>生理痛の重さレベル診断!対処法や受診すべき目安も解説
生理中に血の塊が出る病気|3ヶ月以上続くなら病院を受診
生理中の血の塊や過多月経が3ヶ月以上続く場合は、以下のような何らかの病気が原因である可能性があります。
主な原因疾患について解説するので、気になる症状がないかチェックしてみましょう。
万が一生理ではないのに子宮が痛い・生理痛のような痛みがある場合は以下の記事もチェックしてください。
>>生理じゃないのに子宮が痛いのはなぜ?理由と和らげるセルフケアを紹介
子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、30歳以上の女性の約20〜30%に見られる比較的一般的な疾患です。
※参照:日本産科婦人科学会より
がんではありませんが、以下のような様々な症状を引き起こす可能性があります。
- 過多月経
- 月経痛の悪化
- 月経以外の不正出血
- 腰痛
- 頻尿(トイレが近くなる)
- 不妊(妊娠しにくくなる)
- 習慣流産(流産しやすくなる)
子宮筋腫があると子宮内膜の面積が増えるため、経血量が増加して血の塊が出やすくなるでしょう。
一般的に複数個できることが多く、大きさや場所によって症状が異なりますが、主にできる場所は以下の3つに分かれます。
- 粘膜下筋腫:子宮の内側にできる
- 筋層内筋腫:子宮の筋肉の中にできる
- 漿膜下筋腫:子宮の外側を覆う漿膜の下にできる
約0.5%の確率で悪性の可能性があり、MRI検査や摘出手術・薬物療法が必要になるので、気になる症状が続く場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮筋層内に侵入して増殖する疾患です。
30代後半から40代の出産経験のある女性に多く見られる疾患で、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 激しい月経痛
- 過多月経
- 月経期間の延長
- 月経時以外の下腹部痛
- 貧血
- 不妊
子宮全体に広がって子宮そのものが大きくなるほか、月経痛の悪化や過多月経が特徴で生理を重ねるごとに悪化する傾向があります。
また子宮筋腫と併発することもあるので、症状がひどくなる場合は早めに受診するといいでしょう。
子宮腺筋症の治療は、症状の程度や患者さんの年齢・妊娠希望の有無によって変わるので、しっかり医師と相談の上で進めてください。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜ポリープは子宮内膜から発生する良性の腫瘍で、きのこ状の形をしており大きさは数ミリから数センチまで様々です。
若い女性から閉経前後の女性まで幅広い年齢層で発生するほか、複数個できることが多く、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 不正出血(月経期間以外の出血)
- 月経期間の延長
- 過多月経
- 月経痛の悪化
- 不妊
しかし多くの場合、子宮内膜ポリープは無症状であることも多く、検診や他の検査で偶然発見されることがあります。
特に小さなポリープの場合は症状が現れにくいため、定期的な婦人科検診が重要です。
また子宮内膜ポリープは月経周期によって子宮内膜の厚さが変化するため、月経直後の子宮内膜が薄い時期に検査をするといいでしょう。
子宮内膜症
子宮内膜症は子宮内膜やそれに似た組織が、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患です。
20~30代の女性に多く30~34歳がピークとされており、以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 月経痛(患者さんの約90%に見られる)
- 月経時以外の腰痛や下腹部痛
- 排便痛
- 性交痛
- 不妊(妊娠希望のある患者さんの約30%に見られる)
女性ホルモンの影響を受けて月経周期に合わせて増殖するほか、月経時の血液が排出されずに周囲の組織と癒着することも。
また子宮内膜症ができやすい場所には、卵巣以外にも以下のような場所があるので注意が必要です。
- 卵巣
- ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)
- 仙骨子宮靭帯
- 卵管
- 膀胱子宮窩
- 肺や腸(ごくまれ)
多くは加齢による女性ホルモン分泌の減少を境におさまることが多いですが、妊娠希望の場合には不妊治療につながることもあるので、早めの受診がおすすめです。
子宮頸がん・子宮体がん
子宮頸がんは子宮の入り口(頸部)に、子宮体がんは子宮の上部(体部)に発生するがんのことです。
どちらも女性ホルモンの影響が強いですが、子宮体がんの方がエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けやすく、それぞれ以下のような特徴・症状があります。
特徴 | 子宮頸がん | 子宮体がん |
---|---|---|
発症 | 30歳代後半がピーク | 閉経前後から高齢の女性に多い |
場所 | 子宮の入り口(頸部) | 子宮の上部(体部) |
症状 | ・異常なおりもの ・不正出血 ・性行為後の出血 ・進行すると下腹部痛 | ・不正出血(特に閉経後の出血) ・月経不順 ・進行すると下腹部痛や腰痛 |
子宮系のがんは遺伝的要因や家族歴(乳がん・大腸がん)も関連があるので、家族の疾患歴も調べた上で受診するといいでしょう。
どちらのがんも早期には症状が乏しいですが、進行すると下腹部の痛みが出ることもあるので、気になる場合は早めに医師に相談してください。
生理以外でも下腹部に痛みを感じる方はこちらの記事もチェックしてください。
>>左下腹部の痛みの原因は?考えられる病気と応急処置の方法を解説
女性ホルモン分泌の異常
女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)でバランスが保たれており、それぞれ以下の役割を担っています。
エストロゲン(卵胞ホルモン) | プロゲステロン(黄体ホルモン) |
---|---|
・月経終了後から排卵日にかけて多く分泌 ・卵胞を成熟させる ・子宮内膜を厚くする ・血管をしなやかに保つ ・骨密度を維持する | ・排卵後から月経開始前に多く分泌 ・子宮内膜を整える ・体温を上げる ・乳腺を発達させる |
このホルモンバランスが保たれることで健康な月経周期が維持されますが、異常が発生しバランスが乱れると以下のような症状を引き起こしてしまいます。
- 月経不順
- 過多月経
- 過少月経
- 無月経
- 不妊
ホルモンバランスの乱れは無理なダイエットなどのストレスや、不規則な生活・睡眠不足が原因であることが多いです。
まずは十分な睡眠時間を確保して心身ともに休息し、バランスのいい食事や適度な運動を心掛けましょう。
血液凝固の異常(フォン・ヴィレブランド病)
フォン・ヴィレブランド病とは、血液中にあるたんぱく質「フォン・ヴィレブランド因子」の異常で血が止まりにくくなる症状です。
通常、出血が起きた場合はなるべく早く止血するために様々なたんぱく質が働きますが、その量が少ない・はたらきに異常があると出血が止まらなくなります。
この症状は性別に関係なく発症しますが、女性の7割は月経によってみられる(※)と言われており、過多月経となってしまうのです。
※参照:「Medical, reproductive and psychosocial experiences of women diagnosed with von Willebrand’s disease receiving care in haemophilia treatment centres: a case-control study」
放置すると貧血やめまいといった日常生活に支障が出るほか、分娩時の大量出血につながることもあります。
ホルモン治療として低用量ピルなどを服用することで改善できるので、早めに医師に相談しましょう。
生理中の血の塊を少なくする方法|低用量ピルで改善しよう
生理中の血の塊を少なくする方法として、以下のような対策があります。
- 鉄分摂取
- ストレス管理
- 十分な睡眠
- 適度な運動 など
ストレスや生活習慣の乱れから起こることが多いので、まずはご自身の生活を見直すことが大切です。
また生理中の血の塊や過多月経に悩む方には、低用量ピルの服用が効果的な場合があります。
低用量ピルとは女性ホルモンを含む経口避妊薬で、以下のように避妊効果だけでなく月経困難症や過多月経の改善も可能です。
- 経血量の減少
- 生理痛の軽減
- 月経周期の安定化
- ニキビの改善
- 月経前症候群(PMS)の軽減
ただし、低用量ピルの服用には医師の処方が必要です。
また副作用のリスクがあるほか、定期的な服用が必要なため、自分に適しているかどうかを医師と相談の上で判断しましょう。
低用量ピルの副作用について詳しく知りたい方はこちら
>>低用量ピルの副作用は怖い?デメリットと各対策を徹底解説
人の目が気になる場合はオンライン診療がおすすめ
生理の悩みは人に相談しづらいこともあるため、婦人科の受診をためらう方や通院の時間が確保できない方はオンライン診療がおすすめです。
自宅にいながら医師の診察を受けられるため、プライバシーを守りつつ、適切な治療を好きな時に受けることができます。
低用量ピルなどの薬は中身が見えない状態で自宅に届くので、家族にも気づかれることなく安心して利用できるでしょう。
当院(エミシアクリニック)では予約から受診までLINEで完結するほか、診察前にも無料カウンセリングを行っているので、ぜひご活用ください。
\ 最短1時間で手元に届く! /
エミシアクリニックでは、診察前にLINEで「ピルに関する疑問・悩み」について医師へ無料相談することが可能です。
アフターフォローも無料で行っているため、オンライン診療でも安心して受診いただけます。
診察料・送料0円の定期購入もできるためお財布にも優しく、無理せず服用を習慣化できるでしょう。
副作用・服用方法について、プライバシーが確保された状態で医師へじっくりご相談いただけるので、まずはお気軽にLINEの友達追加をして詳細を確認してみてください。
生理中の血の塊に関するよくある質問
生理中の血の塊に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
- 更年期にレバーのような血の塊が大量に出ますが病気ですか?
- 生理2日目〜6日目まで血の塊が出るのは病気ですか?
- 着床出血で血の塊が出て「妊娠してた」ということはありますか?
- 生理中に立つと血が大量に出るのですが、なぜですか?
最後に疑問点を解消しましょう。
更年期にレバーのような血の塊が大量に出ますが病気ですか?
更年期にはホルモンバランスの変化により経血量が増加したり、血の塊が出やすくなったりすることがあります。
ただし大量の血の塊が継続的に出る場合は、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの可能性もあるため、気になる場合は婦人科で検査を受けましょう。
生理2日目〜6日目まで血の塊が出るのは病気ですか?
生理2〜3日目に血の塊が出ることは珍しくありません。
しかし生理期間全体を通じて大量の血の塊が出続ける場合は、過多月経の可能性があります。
3ヶ月以上続く場合は、婦人科を受診し相談してみましょう。
着床出血で血の塊が出て「妊娠してた」ということはありますか?
着床出血は通常ごく少量のピンク色や茶色の出血で、血の塊を伴うことは稀です。
大きな血の塊を伴う出血がある場合は、妊娠初期のトラブルや流産の可能性もあるため、気になる場合は産婦人科を受診し相談してください。
生理中に立つと血が大量に出るのですが、なぜですか?
横になっている時は、重力の影響で子宮内に経血がたまりやすくなります。
立ち上がるとその経血が一度に排出されるため、大量に出たように感じることがあるでしょう。
ただし著しく多い場合は過多月経の可能性もあるため、婦人科での相談をおすすめします。
生理中の血の塊が不安な場合はエミシアクリニックのオンライン診療で安心!
生理中の血の塊や経血量の増加に不安を感じている方は、エミシアクリニックのオンライン診療をご利用ください。
予約から受診までLINEで完結し、自宅にいながら専門医の診察を受けることができます。
- 24時間365日、いつでも予約可能
- プライバシーに配慮した診療システム
- 送料無料の低用量ピル定額処方も可能
- 受診前の無料カウンセリングも可能
- 安心のアフターサポートもあり
生理に関する悩みは早めの対処が大切なので、少しでも不安を感じたらためらわずにご相談ください。
受診した方がいいのか不安な方も予約前に無料相談ができるので、まずはLINEの友達追加をしてみてくださいね。