「ED治療をしたいけれど、保険は適用される?」「自費診療だと治療費が高額になりそうで不安」
このようにED治療における保険適用の可否や費用面について、疑問や不安を抱える方は少なくありません。
ED治療は原則として自由診療ですが、不妊治療を目的とする場合に限り、一定の条件を満たせば保険適用となるケースがあります。
ただし、適用条件は厳しく、実際には多くの方が自費診療で治療を受けているのが現状です。
本記事では、ED治療が保険適用になる条件や、自費診療の場合の費用目安について、わかりやすく解説します。
費用に関する不安を解消し、自分に合った治療法を選ぶための参考にしてください。
ED治療は保険適用される?
ED治療は原則として自由診療ですが、2022年4月の診療報酬改定により、一定の条件を満たす場合に限って保険適用となりました。
具体的には、男性不妊治療の一環として処方する場合に限り、健康保険の適用対象とされています。
これは、国が少子化対策として不妊治療への保険適用範囲を拡大し、経済的負担を軽減する目的で制度を見直したことによるものです。
日本生殖医学会のガイドラインにおいても、バイアグラやシアリスなどのED治療薬は、男性不妊の有効な治療法として「推奨レベルA(行うよう強く勧められる)」と評価されています。
参照:厚生労働省 2022年2月2日 中央社会保険医療協議会 総会 第515回議事録
ED治療薬については、次の記事でも詳しく解説しています。
ED治療薬とは?効果や安全に使用するためのポイント、購入する際の注意点についても解説
なぜ不妊治療以外のED治療は保険適用外なのか
ED(勃起不全)も治療が必要な状態であるにもかかわらず、「なぜ健康保険が使えないのか」と疑問に感じる方も多いでしょう。
実際、EDによって精神的な負担や人間関係への影響を受けている方もいます。
しかし日本の公的医療保険制度は、限られた財源の中で以下の治療を優先的に保障する考え方を基本としています。
- 命に関わる病気
- 日常生活に著しい支障をきたす症状
一般的なED治療の多くは「性生活の満足度向上」や「生活の質の改善」が主な目的とみなされます。
これらは医療的な緊急性が低いと判断されるため、原則として全額自己負担の自費診療となります。
ED治療が保険適用になる条件と制限
ED治療薬を保険診療で処方してもらうためには、厚生労働省が定める必須条件をすべて満たす必要があります。
保険適用となる条件は次の通りです。

| 項目 | 条件の詳細 |
| 対象者 | 過去6か月以内に、本人またはパートナーが不妊治療を受けていること |
| 連携 | パートナーが他院に通院している場合、医療機関同士で情報共有ができること |
| 医師 | 泌尿器科で5年以上の診療経験がある医師による診断・処方であること |
| 診断 | 「ED診療ガイドライン」に準じた、正式な手順での診断を受けていること |
過去6か月以内の不妊治療歴に加え、医療機関同士の連携体制や、EDを診断する医師の経歴など、細かな規定がある点に注意が必要です。
保険診療でED治療を受ける際のルール
厳しい条件を満たして保険適用が認められたとしても、自由診療のように希望した量や期間で処方してもらえるわけではありません。
保険診療には、以下のようなルールが設けられています。

| 項目 | 具体的なルール |
| 薬の数量 | 1か月に合計4錠まで |
| 保険適用期間 | 最長6か月間(継続には再評価が必要) |
| 書類 | 医師が発行する処方箋の備考欄に「保険診療である」旨の記載があること |
「失敗したくないから予備の薬を持っておきたい」「タイミングを増やすために多めに欲しい」といった要望は、保険診療のルール上認められていません。
処方量や期間の制限を気にせず、必要な分だけ処方してもらいたい場合は、自費診療を選択する必要があります。
参考:厚生労働省 不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて
保険適用の対象となるED治療薬
現在、不妊治療を目的とする場合に限り、保険適用が認められているのは次の治療薬です。
| 薬剤名 | 主な特徴 | 持続時間 | 食事の影響 | 保険薬価(10割) |
| バイアグラ錠 | 安全性が高い | 4〜5時間 | 受けやすい | 50mg:1150.2円 |
| バイアグラOD | 水なしで服用できるフィルムタイプ | 4〜5時間 | 受けやすい | 50mg:1404.1円 |
| シアリス錠 | 持続時間が長い | 30〜36時間 | 受けにくい | 20mg:1,300.6円 |
※効果の感じ方には個人差があります
特に「バイアグラ錠」は、ED治療薬として長く使用されており、安全性が確立されている薬剤です。
勃起を妨げる酵素(PDE5)の働きを抑えることで、性的刺激があった際の勃起をサポートします。
一方で、食事の影響を受けやすいため、効果を期待するには空腹時の服用が推奨されます。
なお、これらと同じ成分のジェネリック医薬品(後発品)も存在しますが、現時点では保険適用の対象外です。
ED治療薬について詳しく知りたい方はこちら!
▼バイアグラの効果と特徴
バイアグラ(シルデナフィル)の効果は?特徴や飲み方・副作用を解説
▼シアリスの効果と特徴
シアリス(タダラフィル)の効果とは?持続時間や飲むタイミングを解説
保険診療と自費診療(自由診療)の費用を比較
ED治療における費用は、「保険診療」と「自費診療」で大きく異なります。
以下に、それぞれの費用を比較しました。
| 薬剤の種類 | 保険診療(3割負担) | 自費:先発品※ | 自費:ジェネリック※ |
| バイアグラ 50mg | 約345円 | 1150.2円 | 数百円~1,200円程 |
| シアリス 20mg | 約390円 | 1300.6円 | 数百円〜1,600円程 |
| バイアグラOD 50mg | 約421円 | 1404.1円 | - |
参考:日経メディカル 処方薬辞典
※自費診療の場合、薬代は医療機関により異なります
1錠あたりの単価は、3割負担である保険診療の方が安いです。
ただし、保険診療では薬の種類や量、適用期間の制限がある上、初診料・再診料・処方箋料などが別途加算されます。
費用負担や利便性をトータルで考えると、自費診療(特にジェネリック)の方が有利になるケースも少なくありません。
ED治療の目的が、「妊娠を目指した不妊治療」なのか「性生活や生活の質の改善」なのかによって、適切な受診方法を選びましょう。
自費診療(自由診療)が向いているケース
ED治療において保険が適用されるのは不妊治療に限られるため、実際には多くの男性が自費診療を選択しています。
具体的には、以下の場合に自費診療が推奨されます。
これらはいずれも保険適用の条件に該当しないケースであり、個人の事情やライフスタイルを優先しやすい治療方法として選ばれています。
「性生活の充実」や「自信の回復」を目的とする場合
「パートナーとの関係を深めたい」「中折れせず最後まで楽しみたい」といった、生活の質向上を目的とする場合は、自費診療の対象となります。
性機能の維持・改善や、精神的な自信の回復を目的とする治療は、病気や怪我の治療とは異なるとみなされ、原則として保険適用対象外です。
自費診療であれば、「週に数回使用したい」「念のため予備を持っておきたい」など、利用頻度や生活スタイルに合わせて処方内容を相談できます。
EDの原因について詳しくはこちら!
ED(勃起不全)の4つの原因を徹底解説!具体的な治療法も紹介
トラウマが原因の心因性EDは治せる?勃たない原因や克服方法を解説
プライバシーを重視して治療したい場合
家族や会社に知られることなく、内密に治療を進めたい場合も自費診療が適しています。
保険証を使用して治療を受けると、後日、健康保険組合や自治体から自宅へ「医療費のお知らせ(医療費通知)」が届きます。
医療機関名や受診日が記載されるため、家族に開封された場合に通院の事実を知られるリスクがあります。
自費診療であれば保険組合を経由しないため、こうした通知が届くことはありません。
また、保険診療では以下の条件が必要となるため、パートナーに内緒で保険診療を受けるのは現実的に難しいです。
- パートナーも不妊治療を受けていること
- 医療機関同士の情報共有
自分一人の判断で受診・治療したい方には、自費診療が選ばれています。
EDのオンライン診療については、次の記事でも詳しく解説しています。
ED(勃起不全)のオンライン診療!治療の流れや処方薬を医師が紹介
治療内容・薬の選択肢を柔軟に検討したい場合
ジェネリック医薬品の利用や、通院の手間を減らしたりと、自分に合った治療法を自由に選びたい場合にも自費診療が向いています。
特に大きなメリットはジェネリック医薬品(後発品)を利用できる点です。
保険診療では、現状指定の先発医薬品しか使用できません。
自費診療であれば、同等の効果を持ちながら比較的安価なジェネリック医薬品(シルデナフィル・タダラフィル等)を選択できます。
また、近年普及している「オンライン診療」も、自費診療なら利用しやすくなります。
エミシアクリニックのオンライン診療では、自宅にいながらLINEで診察・処方を受け、薬の匿名配送が可能です。
費用は薬代のみ、診察と薬の送料が無料な点も魅力です。
治療が必要かわからない方も、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。
ED治療の保険適用に関するよくある質問(FAQ)
ここからは、ED治療の保険適用や費用に関して、よくある質問に回答します。
ED治療の費用は、目的が「不妊治療」か「それ以外」かによって大きく異なります。
正しい知識を得て、自分に合った治療スタイルを把握しましょう。
Q.ED治療の保険適用はいつから始まった?
不妊治療を目的としたED治療薬の保険適用は、2022年4月から開始されました。
これは国の少子化対策の一環として、日本生殖医学会のガイドラインに基づき決定されたものです。
ただし、保険が適用されるのはあくまで「不妊治療」の一環であるケースに限られます。
性生活の充実を目的とする場合は、2026年1月現在も原則として保険適用外(自由診療)となっており、全額自己負担が必要です。
参照:厚生労働省 2022年2月2日 中央社会保険医療協議会 総会 第515回議事録
Q.ED治療の平均費用はいくら?
自費診療のED治療の場合、料金は医療機関側が自由に設定できるため、実際の費用は利用する病院によって異なります。
治療に使用する薬の相場費用は次の通りです。
- 先発医薬品:1錠あたり 1,000円~1,400円程度
- ジェネリック医薬品(後発品):1錠あたり 数百円〜1,600円程度
これに加え、クリニックによっては3,000円〜5,000円程度の「診察料」がかかる場合があります。
ED治療は保険適用の可否より納得して選べるかが重要
本記事では、ED治療の保険適用条件や、自費診療との違いなどについて解説しました。
保険適用が認められるのは「不妊治療」を目的とする限定的なケースのみであり、一般的な性機能の改善を目的とする場合は、原則として自費診療となります。
自費診療は高額だと思われがちですが、メリットもあります。
ジェネリック医薬品を活用して費用を抑えたり、オンライン診療の利用など自分に合った受診方法を選べたりと、自由度の高さは魅力です。
保険適用外だからとEDを放置して悩み続けていると、それ自体がストレスとなり、症状を悪化させることもあります。
一人で抱え込まず、まずは専門医に相談し、自分に適した解決策を見つけましょう。
EDの原因とセルフケアについては、次の記事でも詳しく解説しています。
EDが治るきっかけとは?EDの主な原因とセルフケア方法3選を紹介



