性交渉に不安があり、治療ではなく食事で勃起力を高めたいと考えている方もいるでしょう。
実際、亜鉛は男性ホルモンの維持や精子の質との関連性が指摘されており、食事が男性機能の維持に役立つこともあるとされています。
この記事では、亜鉛と勃起力の関係性を科学的な根拠にもとづいて解説し、亜鉛を多く含む食材やサプリ、1日の摂取量の目安などを紹介します。
サプリを使用する際の注意点や、効果的に使用する方法についても解説しますので、気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
亜鉛で勃起力は改善する?性機能との関係を解説
亜鉛は5大栄養素であるミネラルの1つです。
ミネラルには亜鉛のほかにカルシウムやリンなどがあり、身体の組織の成分になったり、機能を助けたりする作用があります。
亜鉛の摂取によって期待できる代表的な効果は、以下のとおりです。

- 男性ホルモンの低下予防
- 肌の正常なターンオーバーの促進
- 免疫機能のサポート
- うつ症状の予防
※参照:神戸労災病院 健康コラム
なかでも、亜鉛は男性ホルモンや精子の質との関連性が報告されており、継続的な摂取は男性ホルモンの低下予防が見込めます。
あくまでも男性機能が向上するわけではありませんが、軽度の機能低下であれば栄養素の補給によって改善が期待できることもあります。
ただし、亜鉛は人間の体内で作ることができないため、食事やサプリを活用して積極的に取り入れましょう。
亜鉛の欠乏は男性ホルモン(テストステロン)の低下を招く
亜鉛は、テストステロンという性欲や勃起機能に関わる男性ホルモンの合成や分泌に関与します。
亜鉛の不足は男性ホルモンの低下を招き、勃起力の低下につながるおそれがあります。
意識的に取り入れると欠乏状態の予防につながり、男性機能の維持に役立つでしょう。
テストステロンについて詳しくはこちら!
テストステロンが少ない男性の特徴とは?原因と改善策をわかりやすく解説
テストステロンを増やすサプリはある?効果や副作用、飲むタイミングも解説
精液中の亜鉛濃度は精子の質に影響を与える
亜鉛は精子の質との関連性が指摘されています。
研究によると、精液中の亜鉛濃度が低下するほど精子の運動率が低下したという報告があります。
※参照:男性不妊と亜鉛に関する基礎的研究
男性機能の維持のためにも、亜鉛が不足しないように摂取しましょう。
亜鉛で改善しやすい勃起力の悩みと改善しにくいケース
亜鉛は、性欲や勃起力など男性機能に深く関わる栄養素です。
勃起力が低下している原因によっては、亜鉛を取り入れることで改善が期待できるケースもあります。
たとえば、軽度のEDやストレスによって性欲が減退している場合には、亜鉛によって勃起力のサポートが見込める場合があります。
一方で、血管や神経がダメージを受けている場合や生活習慣病があるケースでは、自力での改善は難しく、専門の治療が必要となる場合が多いです。
まずは、自分がどちらに当てはまるかチェックしてみてください。
改善が期待できる|軽度のEDやストレス・疲労による性欲低下
亜鉛の摂取によって改善が期待できる例としては、次のような状態が当てはまります。
- 強いストレスが続いている
- 睡眠不足が慢性化している
- 肉体的・精神的な疲労が蓄積している
- 食事の栄養バランスが偏っている
上記に当てはまる場合は、一時的な勃起力低下に陥っている可能性があります。
生活習慣の見直しと合わせて栄養を補給することで、男性ホルモンの維持や勃起のサポートにつながり、回復が見込める場合が少なくありません。
亜鉛を含む食材を意識的に取り入れることが大切です。
さらに詳しく知りたい方はこちら!
トラウマが原因の心因性EDは治せる?勃たない原因や克服方法を解説
亜鉛だけでは難しい|血管・神経・生活習慣病が原因のED
血流や神経の問題が背景にある状態では、亜鉛の摂取だけでは改善が難しいと言われています。
また、以下の病気は血管や神経にダメージを与えることで、EDを引き起こすケースも少なくありません。
- 糖尿病
- 高血圧
- 慢性腎臓病
※参照:ED診療ガイドライン
これらの疾患は、血管の損傷による陰茎への血流低下や、神経の障害による勃起シグナルの伝達不全を引き起こす可能性があります。
そのため、亜鉛の補給だけでは根本的な改善が難しく、専門の治療が必要となることも少なくありません。
持病が疑われる場合や、生活習慣を整えても改善しない場合は、できるだけ早い段階で専門の医師に相談しましょう。
早期の受診は、男性機能の悪化を防ぐだけでなく、EDの原因となる全身の病気の早期発見にもつながります。
亜鉛の1日の摂取量目安と注意点

成人男性における亜鉛の摂取量の目安は、1日当たり11mgです。
亜鉛の摂取によって期待できる効果は多いですが、過剰摂取は以下のような体調不良を招く可能性もあります。
- 吐き気
- めまい
- 頭痛
- 食欲不振
成人男性では、1日当たり40mgを超えた摂取は避けましょう。
※参照:厚生労働省 亜鉛
通常の食事で過剰摂取を招くリスクは低いですが、サプリを使用する際には、食事と合わせて40mgを超えないように気をつけましょう。
亜鉛を多く含む食材と吸収効率を高める栄養素
亜鉛を効率的に取り入れるには、亜鉛を多く含む食材を意識して食べることが重要です。
亜鉛の摂取に役立つ食材を以下にまとめました。
| 食材 | 100gあたりの亜鉛含有量(mg) |
|---|---|
| 牡蠣 | 13.2 |
| 牛もも肉(赤身) | 4.4 |
| 生たらこ | 3.1 |
| かに缶 | 4.7 |
| 鶏レバー | 3.3 |
| 鶏卵 | 1.3 |
上記の食材を積極的に取り入れると、亜鉛の不足予防につながります。
また、亜鉛の作用を活かすには、ビタミンやミネラルなどの栄養素も重要です。
※参照:東京科学大学病院 食彩たより
偏った食材だけを食べるのではなく、さまざまな食材を取り入れ、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
亜鉛サプリは効果ない?活用する際の注意点
サプリは、不足しがちな栄養素を補う手段として活用されています。
ただし、亜鉛サプリを活用する際は、効果があらわれるまでの期間や、他の治療薬との相互作用について理解しておくことが大切です。
使用する際は、事前に添付文書やパッケージをよく読み、用法用量を守って使用しましょう。
即効性は期待できない(効果が出るまで時間がかかる)
サプリは医薬品ではないため、使用してもすぐに効果があらわれるとは限りません。
個人差はありますが、効果を実感するまでには数週間〜数カ月程度かかるとされ、長期的な使用が望ましいです。
使用してもすぐに効果を実感できるとは限らないため、焦らずに継続しましょう。
勃起力への即効性を希望する場合は、医師と相談のうえED治療薬の使用が検討されることもあります。
持病の治療薬やサプリと相互作用がある
亜鉛を含むサプリを使用する際には、持病の治療薬や他のサプリとの併用に注意が必要です。
なかでも以下の治療薬やサプリは、併用によるリスクが高いとされています。
- 抗菌薬
- 利尿薬
- 鉄を含むサプリ
※参照:厚生労働省 亜鉛
亜鉛サプリと併用することで、亜鉛の吸収が低下したり、使用している治療薬の効力が低下したりする可能性があります。
すべての治療薬やサプリがリスクとなるわけではありません。
ただし、上記の治療薬やサプリなどを使用している場合は、あらかじめ医師や薬剤師に確認しておきましょう。
勃起力の改善には生活習慣の見直しも重要
勃起力の低下には、亜鉛の不足以外にもさまざまな要因が関与すると考えられています。
なかでも生活習慣の乱れは、男性機能に悪影響をもたらすおそれがあります。
主な要因は以下のとおりです。
- 運動不足
- 喫煙習慣
- 過度な飲酒
- ストレス過多
※参照:ED診療ガイドライン
上記の生活習慣の乱れを見直し、規則正しい生活に取り組むことが重要です。
適度な運動を心がけ、禁煙や節度をもった飲酒に取り組みましょう。
趣味やスポーツに打ち込み、ストレス解消に取り組むことも効果的です。
クリニックで受けられるED治療がおすすめ
自力でのED治療が難しい場合は、専門のクリニックでの治療が必要です。
クリニックの問診や診察では、主に以下の内容を確認します。
- 過去の病歴
- 現在治療中の病気
- 服用中の治療薬
- 副作用歴の確認
一般的には、患部を確認したり、触ったりすることはありません。
ただし、問診や診察の結果によっては、血液検査や心電図検査などの追加の検査が必要となる場合もあります。
医師が治療を必要と判断した場合には、ED治療薬が処方されます。
クリニックでは「PDE5阻害薬」と呼ばれる治療薬が一般的です。
PDE5阻害薬の使用は、血管を拡張させ陰茎への血流を促し、勃起状態を助ける効果が見込めます。
使用目的に応じて、バイアグラやシアリスなどの適切な治療薬の処方が検討されます。
受診に抵抗がある方はオンライン診療という選択肢も
ED治療に抵抗があり、「治療していることを知られたくない」、「病院に行くのが恥ずかしい」などの理由でためらう方もいるでしょう。
オンライン診療の活用は、悩みの解消につながるかもしれません。
エミシアクリニックはオンライン診療に対応しており、予約から診察、処方まですべてスマホ上で完結するため通院は不要です。
誰にも知られずに治療に取り組めるのは、オンライン診療を活用するメリットです。
ED治療を受けるか迷っている方は、オンライン診療が可能なクリニックの受診も検討してみるとよいでしょう。
ED治療のオンライン診療について詳しく知りたい方はこちら!
ED(勃起不全)のオンライン診療!治療の流れや処方薬を医師が紹介
亜鉛と勃起力に関するよくある質問
ここでは、亜鉛に関して寄せられたよくある質問に回答していきます。
1つずつ確認していきましょう。
射精すると体内の亜鉛は減る?
射精によって体内の亜鉛は一定量失われますが、通常の食事をしていれば不足につながるほどではないとされています。
精液には亜鉛が多く含まれており、1回の射精で失われる亜鉛量は約0.5~1.0mgと言われます。
これは、成人男性の1日の摂取目安量である約11mgと比べると多くはありません。
そのため、普段から亜鉛を意識した食事を心がけていれば、射精による亜鉛の減少を過度に心配する必要はないでしょう。
ただし、次のような場合には亜鉛不足のリスクが高まる可能性もあります。
- 性交渉やオナニーの頻度が極端に多い
- 食生活が乱れている
- 魚介・肉類をあまり食べない
亜鉛は体内で生成できないため、牡蠣や赤身肉などの食品を意識して取り入れることが大切です。
食事だけで必要量を満たせない場合はサプリの活用も一つの方法ですが、過剰摂取にならないように注意しましょう。
亜鉛サプリは飲み続けても問題ない?
亜鉛サプリを飲み続けること自体に問題はありませんが、長期的な使用では、過剰摂取に注意が必要です。
牡蠣や牛もも肉などの亜鉛を多く含む食べ物を大量に摂取すると、過剰摂取のリスクが高まります。
食事の内容によってはサプリの服用を休むことも、過剰摂取の予防に重要です。
また、亜鉛の過剰摂取が続くと、銅の不足による貧血のリスクが高まります。
サプリの使用後は、吐き気やめまいなどの体調変化がないか十分に確認してください。
亜鉛で精液の量は増える?
亜鉛は、直接的に精液量を増やす効果はありません。
ただし、男性ホルモンの生成や分泌につながることで、間接的に精液量の増加をもたらす可能性があります。
亜鉛の摂取は、精子の質の低下予防にも役立つため、年齢に関係なく、積極的に亜鉛を含む食べ物を取り入れましょう。
亜鉛サプリは髪の毛に影響を与えるって本当?
亜鉛は髪の毛の成長に必要な成分であり、髪の毛の健康維持に役立つとされています。
ただし、過度な亜鉛の摂取は、抜け毛の増加につながるとも言われているため、サプリの使用には注意が必要です。
添付文書やパッケージをよく読み、適切な使用方法を守りましょう。
亜鉛の摂取や生活習慣の見直しで勃起力の向上を目指そう
亜鉛は男性機能の維持に重要な栄養素の1つです。
不足すると男性ホルモンや精子の質の低下につながるため、食事やサプリを活用し、積極的に取り入れましょう。
ただし、過度な亜鉛の摂取は体調不良を招くおそれがあります。
一般的な食事で過剰摂取になるケースは少ないですが、サプリを使用する際には注意しましょう。
生活習慣の見直しは、健康状態の改善により、亜鉛による効果アップにつながる可能性もあります。
食生活の見直しに加えて、規則正しい生活習慣に取り組むことも重要です。
長期的に亜鉛を摂取しても効果が得られない場合は、機能低下の原因となる病気が隠れているケースも考えられます。
症状の悪化を避けるためにも、できるだけ早めに専門のクリニックに相談してみてください。



