トレチノインやレチノールをご存じでしょうか?
トレチノインとレチノールは、ビタミンAに由来した物質で、スキンケア効果が期待されています。
今回はトレチノインやレチノールについて知りたい方に向けて、トレチノインの効果やレチノールとの違いを解説。
両者の違いを理解し、肌に適したスキンケアを選んでいきましょう。
またエミシアクリニックでは、レチノールを配合したゼオスキンを取り扱っています。
この記事を監修した医師

上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任
Contents
トレチノインとは?
トレチノインとはビタミンA(レチノール酸)誘導体で、生理活性※でも主役となる物質です。
※:生理活性とは:生体の生命活動や生理機能を保ち、調節する化学物質の総称。
レチノイン酸の全トランス型であることからオールトランスレチノイン酸(All-Trans-Retinoic Acid)とも呼ばれます。
トレチノインにはシミやしわ、ニキビのケア効果が期待できます。
またビタミンAの約50-100倍の生理活性を持ちますが、血液中に微量流れているためアレルギー反応を起こす恐れは低いことも特徴です。
このトレチノイン(レチノイン酸)は、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことはありません。
引用:美容医学への扉「トレチノイン療法 トレチノインとは」
アメリカではFDAに認可され、皮膚の治療薬として取り入れられています。
参考:生理活性物質:論理と展開「生方 信 北海道大学大学院農学研究院」
トレチノインの効果
トレチノインの使用で、以下の効果が期待できます。
- しみや細かいしわの改善
- 毛穴開き黒ずみの改善
- ニキビやニキビ跡の改善
トレチノインは世界的にも肌の治療薬として認められ、国内でも皮膚の治療に導入されています。
しみや細かいしわの改善
真皮に対してコラーゲン産生を促進し、光や紫外線によるしみやちりめんじわなどの細かいしわを改善する効果が期待できます。※
肌のターンオーバーが活発化して、肌の生まれ変わる事で肌環境を整えていくのです。
皮膚細胞の分裂や増殖も同時に促されるため、真皮からしみの原因であるメラニン色素が外へと排出されます。
※参考:佐藤克二郎、吉村浩太郎(2004年7月)「トレチノインによる、しわたるみの治療」
毛穴開き黒ずみの改善
トレチノインは真皮に作用し、古い角質を剥がれやすくして、毛穴開きや黒ずみの改善効果が期待できます。
肌のターンオーバーを促進させるため、古い角質のケアにも効果的です。
レチノイン酸の皮膚に対する作用としては、in vivoにおいて、表皮においては表皮角化細胞の強い増殖促進作用がみられ表皮は肥厚し角質はコンパクトになる。
引用:東京大学医学部形成外科 吉村浩太郎(1999年2月)「レチノイン酸を用いた色素沈着の治療」
古い角質を外へと排出し、毛穴の黒ずみの原因となる毛穴詰まりを改善します。
ニキビやニキビ跡の改善
トレチノインは、以下の効果でニキビやニキビ跡の改善が期待できます。※
- 皮脂腺の機能を低下させる
- 皮脂の分泌量を抑える
- 角質を剥がれやすくする
ニキビは皮脂の分泌量が増加し角質が増えることで、毛穴の出口が塞がれてできるものです。
トレチノインは皮脂腺の機能抑制により、ニキビの原因となる皮脂の分泌量を減らします。
また角質を剥がれやすくするため、毛穴の出口が塞がれずニキビの改善効果が期待できるのです。
角質を剥がすトレチノインは、ニキビの赤みにも効果的です。
トレチノインは海外でニキビの治療薬として注目されています。
※参考:吉村浩太郎(1999年8月)「レチノイン酸を用いたニキビの治療」
トレチノインの効果はいつから?
トレチノインを使用して、1ヶ月目からスキンケア効果があらわれたとの報告もあります。
Four weeks of retinoic acid and retinol treatments both increased epidermal thickness, and upregulated genes for collagen type 1 (COL1A1), and collagen type 3 (COL3A1) with corresponding increases in procollagen I and procollagen III protein expression. Facial image analysis showed a significant reduction in facial wrinkles following 12 weeks of retinol application.
また治療中は肌が敏感になり外部からの刺激を受けやすく、肌にダメージを与えないことが重要です。
具体的には、念入りな紫外線対策や保湿対策を取り入れることがポイント。
トレチノインは、数ヶ月単位で使用することで少しずつ効果を実感できるでしょう。
※参考:東京大学形成外科 佐藤克二郎 吉村浩太郎「トレチノイン療法 」
吉村浩太郎 (2003年12月;皮膚科診療プラクティス)「皮膚のrejuvenation:レチノイドの作用機序」
レチノールとは?ニキビへの効果
レチノールはトレチノインの前の段階物質であり、ビタミンAの一種です。※
レチノールは体内でトレチノインへ変換され効果を発揮します。
トレチノインに比べると効果は緩やかですが、レチノールの使用でもニキビの改善につながるでしょう。
レチノールはニキビの原因となる皮脂の分泌量を減らし角質を剥がれやすくする効果が期待できます。
AtRAは表皮角化細胞の増殖を促進するとともに、分化を制御して角質を薄く剥がれやすくする作用が認められている。ニキビにおいてはatRAは角栓を剥がし(毛孔周囲の落屑を正常化)、毛孔からの面疱内容物の排出を促すし、微小面疱の形成を妨げる。角栓を剥がすことにより、抗生剤など他の外用剤の浸透を促す。皮脂の分泌も抑制すると言われている。
※参考:吉村浩太郎 「レチノイン酸を用いたニキビの治療」
毛穴の周りを清潔に保ち角質の汚れを排出することから、黒ニキビや白ニキビ(白い角栓)をができにくくなるでしょう。
レチノールとトレチノインとの違い
トレチノインとレチノールには、以下の違いがあります。
レチノール | トレチノイン | |
成分 | ビタミンAの誘導体(レチノイン酸) | ビタミンA |
分類 | 医薬部外品化粧品医 | 医薬品 |
生理活性の強さ | ー | 10〜100倍の強さ |
肌への効果 | マイルド | 強い |
どちらもビタミンAですが、分類や肌への効果に違いが生じます。
レチノールはトレチノインの前の段階物質であるため、トレチノインに比べてマイルドなスキンケアが可能です。
※参考:吉村浩太郎 (2003年12月;皮膚科診療プラクティス)「皮膚のrejuvenation:レチノイドの作用機序」
東京大学形成外科 吉村浩太郎「レチノイド」
レチノール反応(A反応)とは?
レチノール反応とは、ビタミンAが不足している肌にビタミンAを補充した際に起こり「A反応」「レチノイド反応」とも呼ばれます。
トレチノインやレチノールも一時的に「A反応」が現れる可能性があります。
具体的な症状は以下。
- 肌の赤みやほてり
- 肌の腫れ
- 古い角質の剥離
- 肌のヒリヒリ感
- 乾燥
- 一時的なニキビの悪化
肌はビタミンAを馴染ませようと働きかけ、一時的にA反応を起こすのです。
特にトレチノインは効果が出やすい分肌への刺激も強く、レチノールに比べると副反応は出やすいとされます。
また肌が火傷したようになる、レチノールバーン(retinol burn)と呼ばれるケースも。
個人差がありますが、肌がビタミンAに慣れていき時間の経過とともにA反応は次第に治るとされています。
そもそも、ビタミンAは肌の新陳代謝を促進し、肌のターンオーバーを促す役割があります。
肌の改善の予兆とも言えますが、少しずつ症状は治まるため、しばらくの間は様子を見守りましょう。
赤みはいつまで続く?
個人差がありますが、A反応は使用後2、3日目から起こりやすく、3〜6週間後から徐々に治まるでしょう。※
肌のターンオーバー(生まれ変わり)や肌周期は、14日周期の2回にわたって行われ、約28日間で肌の生まれ変わります。
A反応から3週間前後は症状を感じやすいですが、肌がビタミンAに慣れると同時に症状は緩やかになります。
赤みやほてりをはじめとした反応は、肌に不足していたビタミンAが徐々に馴染んできたサインです。
A反応は、時間とともにおさまるためしばらくは様子を見ましょう。
※参考:吉村浩太郎 (2003年12月;皮膚科診療プラクティス)「皮膚のrejuvenation:レチノイドの作用機序」
レチノール反応の対処法
赤みなどの症状が続く場合は、一時的に使用を控えるか皮膚科に受診しましょう。
トレチノインやレチノールによって肌は刺激を感じやすい状態となるため、放置すると症状が悪化する恐れも。
A反応が続く場合は、専門の医師へ相談することが大切です。
また他のレチノール商品への変更で改善する可能性もあるので、医師と相談しながら肌悩みや肌質に応じたスキンケアを取り入れましょう。
エミシアクリニックのゼオスキン
エミシアクリニックのゼオスキンは4つのコースからご用意しており、肌状態やお客様の希望に沿ったプログラムを提供しています。
コース | 特徴 | 価格(税込) |
基本コース(GSR) | 他のコースに耐えられるように肌を整える基本プログラム | 37,785円※1 |
セラピューティックコース | 皮むけありで肌質改善を目指す12~18週間の集中プログラム | 53,975円※2 |
透明感ケアコース | マイルドな皮むけで肌の透明感アップを目指すプログラム | 51,865円※3 |
エイジングケアコース | マイルドな皮むけで肌のエイジングケアに特化したプログラム | 58,685円※4 |
※診察費用込みの価格です
※1.RCクリーム・サンスクリーンプラスプライマーSPF30を選択した際の価格となります
※2.サンスクリーンプラスプライマーSPF30を選択した際の価格となります(診察に応じて価格変動あり)
※3.RCクリーム・ミラミン・サンスクリーンプラスプライマーSPF30を選択した際の価格となります
※4.RCクリーム・ARナイトリペア・サンスクリーンプラスプライマーSPF30を選択した際の価格となります
エミシアクリニックでは単品購入にも対応しています。
またコースだけでなく単品購入のご案内もしており、肌状態や肌悩みに応じたスキンケアが可能です。
単品を希望する場合もオンラインで医師の診療した後、ご購入していただき配送します。
ゼオスキンについてこちらで解説しています。
エミシアクリニックではオンライン診療に対応
エミシアクリニックではオンライン診療でゼオスキンを扱っています。
エミシアクリニックのオンライン診療の特徴は以下。
- LINEで24時間いつでも受付
- 製品は最短翌日に到着
- 医師による診察あり
- クレジットカード・代引きなどお好みの決済方法を選択可能
- 4つのコースから選択可能
※オンライン診療は18歳以上の方が対象
オンライン診療後、ご自宅に薬剤をお届けする流れです。
エミシアクリニックはオンライン診療でも、安心して治療できる取り組みをしています。
オンライン診療の流れ
エミシアクリニックのオンライン診療の流れは以下。
- LINEのお友達追加
- メッセージ機能を使用したオンライン診療
- 電話で診察
- 購入
LINEメッセージでのやりとりか電話診断で、カウンセラーまたは看護師が肌の状態をカウンセリングします。
購入後は最短翌日の到着も可能です。※クレジットカード決済の場合は決済確認後に発送、代引き決済は即時発送いたします。
ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
肌に応じたスキンケアを取り入れましょう
トレチノインとレチノールは、反応や効果が異なります。
またA反応(レチノイド反応)とは、ビタミンAが不足している肌に多くのビタミンAを補った際に起きる反応のことです。
一時的に赤みやほてりなどの症状を起こしますが時間が経過し、ビタミンAが肌に馴染むことで症状は緩やかになります。
トレチノインとレチノールは違いや特徴を理解し、肌悩みに合わせて取り入れましょう。
エミシアクリニックではレチノールを配合した「ゼオスキン」を取り扱っています。
肌の悩みに合わせてコースをご提案していくので、お気軽にご相談ください。
この記事を監修した医師

上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任