妊娠を望まない場合、どのような避妊方法を選べば確実なのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
実際、日本ではコンドームのみで避妊している方が85%以上を占める一方で、避妊失敗による人工妊娠中絶は年間約13万件にのぼると報告されています。
※出典:厚生労働省「5 母体保護関係(こども家庭庁所管)」
結論から言うと、避妊にはコンドーム以外にも低用量ピルや子宮内避妊具など複数の選択肢があり、それぞれ避妊成功率や使い方が異なります。
自分の体質・ライフスタイル・将来の妊娠希望に合わせて、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
本記事を最後までお読みいただけば、各避妊方法のメリット・デメリットを一覧で比較でき、自分やパートナーにとって適した手段が見つかるでしょう。
特に「選択肢が多くて迷ってしまう」「何を基準に選べばいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
避妊方法一覧|各方法の避妊率と特徴を比較
避妊方法にはさまざまな種類があり、それぞれ妊娠を防げる確率や使い方が異なります。
代表的な避妊方法は以下の6つです。

どの方法も100%確実に妊娠を防げるわけではありませんが、正しく使うことで失敗のリスクを大幅に減らせます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、自分とパートナーにとって一番安心できる方法を選びましょう。
低用量ピル(OC)
低用量ピル(OC)は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを含む経口避妊薬で、正しく服用すれば99%以上という非常に高い確率で妊娠を防げる飲み薬です。
| 理想的な使用での避妊率 | 99.7% |
| 一般的な使用での避妊率 | 93% |
| 主なメリット | ・女性自身で避妊をコントロールできる ・正しく服用すれば避妊率が非常に高い |
| 主なデメリット | ・毎日同じ時間に服用しなければならない ・飲み忘れると避妊効果が低下する |
※参照:WHO
排卵を抑制するだけでなく、精子の侵入を防ぎ、受精卵が着床しにくい状態を作って避妊効果を発揮します。
女性自身が主体となって避妊できる方法ですが、1日でも飲み忘れると効果が下がってしまうため、毎日の習慣にすることが大切です。
オンライン診療でも処方が可能なため、忙しい方や病院へ行きづらい方でも利用しやすい避妊方法といえます。
子宮内避妊具(IUD/IUS)
子宮内避妊具(IUD/IUS)は、一度装着すれば数年間にわたり高い避妊効果が続く方法です。
IUDはプラスチック製の器具により受精を妨げ、IUSはホルモンの作用で子宮内膜を薄くして妊娠しにくい状態を維持します。
いずれも子宮の中に器具を入れるため、使用中は継続的な避妊効果が得られる点が大きな特徴です。
| 理想的な使用での避妊率 | IUD:99.4% IUS:99.5% |
| 一般的な使用での避妊率 | IUD:99.2% IUS:99.3% |
| 主なメリット | ・一度の装着で3~5年間と長期間の効果が続く ・毎日の服薬や性交時の準備がいらず、手間がかからない |
| 主なデメリット | ・医師による装着・抜去の施術が必要になる ・装着時や直後に痛みや出血を伴うことがある |
※参照:WHO
毎日薬を飲んだり、性行為のたびに避妊準備をしたりする手間がないため、長期的に避妊をしたい方に適した方法です。
ただし、装着時に痛みを伴う場合があるほか、性感染症を防ぐことはできません。
将来妊娠を希望する場合は、医療機関で取り外せば妊娠可能な状態に戻るため、将来の選択肢を残しつつ避妊を続けたい方に利用されています。
コンドーム
コンドームは、性行為の際に男性器へゴム製の袋を被せることで、精液が膣内に入るのを物理的に遮断する避妊方法です。
| 理想的な使用での避妊率 | 97% |
| 一般的な使用での避妊率 | 86% |
| 主なメリット | ・HIVや梅毒などの性感染症を予防できる ・処方箋が不要で、安価かつ簡単に入手できる ・副作用がなく、女性の体への負担が少ない |
| 主なデメリット | ・男性の協力がなければ使用できない ・破れ・外れがあると避妊効果が低下する ・装着のタイミングや手順を誤ると失敗につながる |
※参照:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ」
性感染症を予防できる唯一の避妊方法であり、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどで手軽に購入できます。
医師の処方が不要で体への副作用もありませんが、装着のタイミングが遅れたり、使用中に破れたりして避妊に失敗するケースも少なくありません。
より高い確率で妊娠を防ぐためには、正しい付け方を守るだけでなく、低用量ピルなど避妊効果の高い方法と併用するのがよいでしょう。
緊急避妊薬(アフターピル)
緊急避妊薬(アフターピル)は、避妊に失敗してしまった性行為のあとに緊急で服用し、望まない妊娠を防ぐための薬です。
| 理想的な使用での避妊率 | 95% |
| 一般的な使用での避妊率 | 84% |
| 主なメリット | ・性行為の後からでも妊娠の可能性を下げられる ・病院だけでなくオンライン診療でも処方できる |
| 主なデメリット | ・時間が経つほど避妊効果が低下する ・吐き気・頭痛・不正出血などの副作用が出ることがある |
※参照:日本産婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針(平成 28 年度改訂版)」
コンドームが破れたときや避妊なしで性行為してしまった場合でも、72時間~120時間以内に薬を飲めば、高い確率で妊娠を回避できます。
服用が早ければ早いほど避妊効果が高まるため、トラブルが起きたらできるだけ速やかに産婦人科を受診することが大切です。
ただし、あくまで緊急時の最後手段であり、体への負担も考慮して普段から使える避妊方法ではない点には注意しましょう。
リズム法
リズム法は、生理周期や基礎体温の変化から排卵日を予測し、妊娠しやすい時期の性行為を避ける方法です。
「オギノ式」とも呼ばれ、自分の体のリズムを把握することで、妊娠の可能性が低い日を判断しようとします。
| 理想的な使用での避妊率 | 91%~99% |
| 一般的な使用での避妊率 | 75% |
| 主なメリット | ・費用がかからず、経済的である ・薬や器具を使わないため、副作用がない |
| 主なデメリット | ・生理周期は変動しやすく、正確な予測が難しいため失敗率が高い ・妊娠のリスクが高く、単独では避妊法として不十分 ・基礎体温測定など継続的な管理が必要 |
※参照:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ」
薬や器具を使わないため費用がかからず、副作用の心配もありませんが、体調やストレスで生理周期が少しでもズレると計算が狂ってしまいます。
避妊の失敗率が非常に高く、確実性に欠けるため、望まない妊娠を防ぐためのメインの方法としては推奨されません。
避妊手術
避妊手術は、手術によって精子や卵子の通り道をふさいで妊娠を阻止する方法です。
男性は精管、女性は卵管を縛ったり切断したりする処置を行い、物理的に受精ができない状態にします。
| 理想的な使用での避妊率 | 女性:99.5% 男性:99.90% |
| 一般的な使用での避妊率 | 女性:99.5% 男性:99.85% |
| 主なメリット | ・一度手術をすれば、半永久的に避妊効果が続く ・避妊具や薬を用意する手間が一切なくなる ・避妊の失敗率が極めて低く、確実性が高い |
| 主なデメリット | ・一度手術をすると、もとに戻すのが非常に難しい ・手術費用がかかり、体への負担もある ・心理的な負担や将来の選択肢が狭まる可能性がある |
※参照:厚生労働省「経口避妊薬(OC)の有効性についてのとりまとめ」
一度手術を受けると、その後は避妊具や薬を使わずに過ごせるようになりますが、元の状態に戻すことは極めて困難です。
そのため、「将来絶対に子供を産む予定がない」とはっきり決めている場合にのみ選択肢として検討しましょう。
避妊方法で見落としがちな“誤解によるリスクと注意点”
世の中には「避妊できている」と誤解されている方法がいくつか存在し、知らず知らずのうちに高いリスクを冒しているケースが少なくありません。
代表的な誤解によるリスクと注意点は、以下の3つです。

誤った方法に頼ると、予期せぬ妊娠などのトラブルにつながる可能性があります。
不確かな情報や思い込みに流されず、何が本当に正しいのかをしっかり理解しておきましょう。
膣外射精(外出し)は避妊方法ではない
膣外射精(外出し)は、射精の直前にペニスを膣から抜く行為ですが、医学的には避妊方法として認められていません。
多くの人が「中に出さなければ妊娠しない」と誤解していますが、実は射精前に分泌される我慢汁(尿道球腺液)にも精子が含まれている可能性があります。
また、高ぶった状態で確実にコントロールすることは難しく、抜くタイミングが遅れて膣内に精液が漏れてしまうケースも珍しくありません。
実際にこの方法での避妊失敗率は約22%(※)と非常に高く、5回に1回は妊娠につながる危険性があります。
※出典:Better than nothing or savvy risk-reduction practice? The importance of withdrawal
妊娠を避けたい場合は、コンドームや低用量ピルなど、信頼性の高い避妊方法を選びましょう。
「安全日=安全」ではない
「安全日」だからといって避妊をしなくてもいいわけではなく、生理中や生理直後であっても妊娠する可能性はゼロではありません。
排卵日はストレスや睡眠不足、体調の変化などで簡単にズレてしまうため、生理周期が規則正しい人でも完璧に予測することは困難です。

また、精子は女性の体内で最長5日間ほど生き続けるといわれており、排卵日より前の性行為であっても受精のタイミングが重なるケースがあります。
排卵のタイミングが一定でない以上、「安全日=妊娠しない日」とは言い切れません。
「今日は安全日だから大丈夫」という思い込みは捨て、予期せぬ妊娠を防ぐためにも常に確実性の高い避妊を行いましょう。
膣洗浄は避妊効果がほとんど期待できない
性行為のあとにビデなどで膣の中を洗っても、避妊効果はほとんど期待できません。
射精された精子は数分以内に子宮のほうへ向かうため、後から膣を洗っても手遅れになることが大半です。
どんなに丁寧に洗ったとしても洗浄できる膣の表面だけで、子宮口付近に達した精子は洗浄の影響をほぼ受けません。
「洗えば妊娠しない」というのは間違いですので、妊娠を望まない場合は、必ず性行為の前に正しい避妊対策を行いましょう。
自分に合った避妊方法の選び方
避妊方法はそれぞれ特徴が異なるため、自分の悩みや目的に合わせて選ぶことが大切です。
具体的には、以下のようなポイントを基準にして検討してみましょう。

- 確実に避妊したい:低用量ピル+コンドーム併用やIUD/IUS
- 生理痛も一緒に改善したい:低用量ピルやIUS
- 性感染症も予防したい:コンドーム+ピルの併用
- 飲み忘れが心配:IUD/IUS
- 将来妊娠するかまだ決めていない:低用量ピルやIUD/IUS
どの方法にもメリットとデメリットがあるため、自分ひとりで決めずに医師と相談するのがおすすめです。
パートナーともしっかり話し合い、お互いが納得できる方法を選んでください。
確実に避妊したい:低用量ピル+コンドーム併用やIUD/IUS
妊娠の確率を限りなくゼロに近づけたいなら、低用量ピルとコンドームを組み合わせるか、IUD/IUSを選ぶのがおすすめです。
ピルで排卵を抑えながらコンドームで精子の侵入をブロックすれば、避妊効果を大きく高められます。
また、子宮の中に小さな器具を入れるIUDやIUSなら、一度の装着で数年間効果が続き、毎日の飲み忘れによる失敗リスクもありません。
自分にとって続けやすく、かつ負担のない方法をパートナーや医師と相談して選びましょう。
生理痛も一緒に改善したい:低用量ピルやIUS
避妊と同時に生理痛の悩みも解消したいと考えているなら、低用量ピルやIUSを選ぶとよいでしょう。
低用量ピルを服用するとホルモンバランスが整い、生理の痛みが和らいだり、出血量が減って周期が安定したりする効果が期待できます。
またIUSも、黄体ホルモンの放出によって子宮内膜を薄く保ち、経血量を減らして重い生理を軽くすることが可能です。
毎月の生理がつらくて生活に支障が出ている人は、単に妊娠を防ぐだけでなく、体の負担を減らすための選択肢として検討してみてください。
性感染症も予防したい:コンドーム+ピルの併用
性感染症を防ぎながら避妊効果を高めるには、コンドームと低用量ピルを一緒に使うのがおすすめです。
ピルは正しく飲めば高い確率で妊娠を防げるものの、性感染症を防ぐ効果はありません。
そこでコンドームを使用すれば、HIV・クラミジア・梅毒など多くの性感染症の感染リスクを抑えることが可能です。
さらにコンドームのみだと破れや装着ミスで避妊に失敗する可能性がありますが、ピルと併用すれば弱点をカバーできます。
双方のメリットを組み合わせ、望まない妊娠と病気のリスクから自分の身を守りましょう。
飲み忘れが心配:IUD/IUS
毎日薬を飲む自信がない方や飲み忘れが不安な場合は、IUDやIUSを選ぶとよいでしょう。
一度クリニックで装着してしまえば、その後3年~5年ほどは何もしなくても高い避妊効果が続きます。
ピルのように毎日決まった時間に服用する必要がないため、「うっかり忘れてしまった」などのミスによる妊娠リスクを下げられるのが大きな強みです。
定期的な検診は必要になりますが、日々の手間をかけずに避妊したい人にはぴったりの方法といえます。
将来妊娠するかまだ決めていない:低用量ピルやIUD/IUS
高い避妊効果を得たいものの、将来子供を持つかどうか迷っているなら、低用量ピルやIUD/IUSを選ぶのが賢い選択肢です。
薬の服用を止めたり器具を取り出したりすれば、妊娠できる状態に戻れます。
一度行うと元に戻せない避妊手術とは違い、自分のライフプランに合わせていつでもやめられるのが大きな特徴です。
今はしっかり避妊しつつ、将来の選択肢も残しておきたいという方に適しているので、気になる方は医師に相談してみましょう。
避妊に関するよくある質問
避妊について調べていると、結局どの方法が自分に合っているのか、ネット上の噂は本当なのかなど、不安や疑問を感じることも多いでしょう。
ここでは、よく聞かれる以下の質問について解説します。
曖昧な知識のままでいると予期せぬトラブルにつながることもあるため、正しい情報をしっかりと理解しておきましょう。
避妊するのに一番いい方法は?
避妊失敗率が低い方法という観点では、IUSやIUDが国際的に避妊効果が高い方法のひとつとされています。
毎日の服薬や性行為前の準備が不要であり、飲み忘れや装着ミスが起こらないためです。
また、3年~5年という長期間にわたり避妊効果が持続する点も評価できます。
- IUSの一般使用における失敗率:0.2%
- IUDの一般使用における失敗率:0.8%前後
※参照:IUS
ただし、一番いい避妊方法は人によって異なり、将来の妊娠希望や副作用の感じ方・ライフスタイルなどによって適した選択肢は変わります。
避妊効果の高さだけで選ぶのではなく、自分の身体やライフプランに合った方法を医療機関で相談しながら決めましょう。
我慢汁(カウパー腺液)で妊娠できる確率は?
我慢汁(カウパー腺液)でも妊娠する可能性があり、統計では約22%(※)が妊娠につながったと報告されています。
※出典:WHO
我慢汁には尿道に残っていた精子が混ざることがあり、性行為の途中で分泌されるため避けるのは困難です。
膣外射精をしても完全に精子を避けることはできず、「外出しなら安全」という考え方は医学的に正しくありません。
避妊をしていない状態での性行為では妊娠リスクが常に存在するため、コンドームやピルなど確実性の高い避妊方法を使用することが重要です。
誤った知識に頼らず、正しい避妊手段を選んで自分自身とパートナーを守りましょう。
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避妊には低用量ピルや子宮内避妊具などさまざまな選択肢がありますが、大切なのは妊娠希望やライフスタイルなどを考慮して選ぶことです。
もし自己流の対策や誤った知識によって避妊すると、予期せぬ妊娠につながる可能性があります。
自分の体と将来を守るためにも、避妊方法ごとの特徴をよく理解して、パートナーと話し合いながら適した方法を見つけていきましょう。
どの方法が良いか迷うときは、自宅から気軽に相談できるオンライン診療がおすすめです。
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