挿入前や挿入直後には問題なく勃起しているのに、性行為の途中で萎えてしまう中折れを経験したことはありませんか?
「なんで途中で萎えてしまうんだろう・・」と不安を感じる方もいると思いますが、この現象は心理的要因から加齢・ストレス・生活習慣などが影響している場合があります。
本記事では、中折れの具体的な原因と改善方法を分かりやすく解説します。
【本記事で分かること】
中折れは原因を知って、正しい対策を行うことで改善が期待できます。
「自分だけかも」「どう対処すればいいのか分からない」と感じる方は、ぜひ参考にして中折れによる悩みを解消しましょう。
この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
中折れとは|性行為中に勃起状態を維持できずに萎えてしまうこと
中折れとは、性行為中に挿入前や挿入直後には勃起していても、その後勃起を維持できず、途中で萎えてしまう現象を指します。
中折れはEDの症状のひとつとして考えられており、20代〜50代などの幅広い年齢で発症。
挿入前は勃起の状態が続くため、中折れはEDでないと思い込む方も多いでしょう。
しかしEDの定義は「満足のいく性行為ができない症状」で、中折れにより性行為が満足にできない場合は、EDの原因の一つになるといえます。
日本泌尿器科学会では以下のように記述されています。
「Erectile Dysfunction(ED:勃起障害/勃起不全)とは:満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること。
引用:日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p5」
性行為をする上での弊害は、パートナーとの関係にも影響を与える可能性も考えられます。
中折れが何度も続く場合は、明確な原因と改善方法を確認しておきましょう。
中折れになる原因とは?
中折れは、以下のような要因が原因となる場合があります。
ご自身の現在の状態を確認し、中折れに起因する原因がないか確認しましょう。
年齢・加齢
年齢を重ねるごとに、中折れの症状は出やすくなります。
男性ホルモンの「テストステロン」は性欲や勃起に影響を与えるホルモンで、20代をピークとして以降減少(※)していきます。
※参照:岩本輝明「日本の男性成人における血清総テストステロンおよび無料テストステロンの参照範囲」
40代になると分泌量がさらに低下するため、中折れになる可能性が高くなるでしょう。
加齢とともに血流量も減少し、より勃起が維持しにくくなるケースが考えられます。
身体疲労・ホルモンバランス
以下のような身体疲労・ホルモンバランスの乱れも、中折れの原因となる場合があります。
- 過度な仕事や運動による身体的な疲労
- ストレスによるホルモンバランスの乱れ
- 睡眠不足
過度な労働や運動・睡眠不足による疲労が蓄積すると、ストレスホルモンのコルチゾールが増加し、性欲や勃起に必要なテストステロンの分泌が抑制され、性的興奮が低下し、勃起の維持が困難になることがあります。
このように身体的疲労・ストレスは、いずれもホルモンバランスや血流、自律神経に影響を与え、勃起機能に悪影響を与えます。
ホルモンバランスを整えるためには、十分な休息や睡眠をとり、バランスの良い食事や適度な運動を心がけることが重要です。
過度な飲酒や喫煙もホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性があるため、生活習慣を見直すことが中折れの改善につながる効果が期待できるでしょう。
精神的なストレス
精神的なストレスによる中折れは、年齢に関係なく発症しやすい原因と言えるでしょう。
性機能に関する研究では、精神的なストレスとEDの関連性が高いと示されています。
性機能障害の経験は、身体的および感情的な健康状態が悪い女性と男性の間でより起こりやすいです。さらに、性機能障害は、性的関係および全体的な幸福における否定的な経験と非常に関連しています。
結論: 結果は、性機能障害が重要な公衆衛生上の懸念であり、感情的な問題がこれらの問題の経験に寄与する可能性が高いことを示しています。
引用:E O Laumann 1「Sexual dysfunction in the United States: prevalence and predictors」
20代〜50代は仕事の忙しさから、ハードワークになりやすい人も多いでしょう。
仕事の責任感からプレッシャーや疲労感を感じ、ストレスに繋がっているかもしれません。
また10代など若い世代は慣れない行為で緊張により、中折れやEDに繋がることもあるでしょう。※
性行為中の失敗がトラウマになり「また失敗したらどうしよう…」という不安から、勃起が持続しづらい可能性もあります。
参考:Patrick Jern「Are early and current erectile problems associated with anxiety and depression in young men? A retrospective self-report study」
生活習慣
生活習慣の乱れが中折れの原因になる可能性もあり、肥満体型で、運動不足の場合は生活習慣を見直してみましょう。
実際に食事療法や運動療法は、日本泌尿器科学会のED診療ガイドラインにおいても強く推奨されている改善方法です。
CQ3 ED 患者の生活習慣への介入は勃起機能改善に有効か ?
肥満に対する食事療法,運動療法,喫煙に対する禁煙指導を勃起機能改善のために行うことを強く推奨する。
※引用:日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p60」
毎日健康に良い生活を送ることで、勃起機能改善に繋がるでしょう。
また生活習慣病として挙げられる高血圧や糖尿病は、EDの原因になる可能性もあります。※
生活習慣病からEDに繋がるのは、血管を傷つけて勃起時に必要な血流が悪くなるのが影響するのでしょう。
※参考:日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p13」
中折れした場合の女性の気持ちは?
中折れは男性だけでなくパートナーである女性にも、以下のような不安や戸惑いを感じさせてしまうことがあります。
- 自分の魅力に対する不安
- パートナーへの不信感
- 関係性への不安
- 男性への気遣い/理解
女性の中には、パートナーの中折れの原因が自分にあるのではないかと感じ、自信をなくす人もいるかもしれません。
しかし、中折れは必ずしもパートナーが原因ではなく、加齢やストレス・生活習慣などの様々な身体的・精神的な要因も関係します。
中折れが気になる場合は、まずは専門の医療機関に相談し、ED治療薬の処方を受けるのも効果的です。
ED治療薬によって中折れが改善できれば、身体的な問題が解消されるだけでなく、パートナーとの信頼関係もより深まっていくでしょう。
中折れの対策・対処法を紹介|ED治療薬も有効
以下では、中折れの対策・対処法を紹介しています。
- 食生活の改善
- 睡眠をしっかりとる
- 定期的な運動
- 精神的なストレスの解消
- 中折れ対策にはバイアグラなどのED治療薬も有効
中折れは心理的なプレッシャーや身体的な疲労が原因である可能性も考えられるので、ぜひ参考にしてください。
食生活の改善
食生活の改善のため、血流をよくする食事をとりましょう。
イタリアで行われたライフスタイルを改善するための研究では、健康的な食品を摂取することで勃起機能が改善した結果があります。
介入群では勃起機能スコアが改善しました。ベースラインでは、介入群の35人の被験者と対照群の38人の被験者が正常な勃起機能を持っていました(それぞれ34%と36%)。2年後、これらの数値は、介入群で58例、対照群で40例でした(56%と38%、P = 0.015)。成功スコアと勃起機能の回復の間には強い相関関係がありました。
引用:Katherine Esposito「Effects of intensive lifestyle changes on erectile dysfunction in men」
その他にも肥満男性を対象にした実験では、食生活を改善することで110名の男性のうち三分の一の性機能が改善。※
つまり生活習慣を整えることで、勃起機能が上がると言えます。
具体的な食生活の改善方法は以下。
- 脂っこいものを控える
- 野菜から食べる
- 深夜に食べすぎない
- 朝食を抜かない
このような食事を意識することで、血糖値が急に上がる抑制に繋がります。
また血管へのダメージを減らすことで、勃起時の血流改善が期待できるでしょう。
睡眠をしっかりとる
睡眠をしっかりとり、ホルモンバランスを整えましょう。
男性ホルモンのテストステロンは勃起機能にも影響があり、勃起不全は睡眠障害と関係があると言われています。
ホルモン、神経および内皮のメカニズムは、睡眠障害と勃起不全との関連に関係している。睡眠障害、特に持続的気道陽圧法による睡眠時無呼吸の治療は、患者の勃起機能を改善することが示されています。
※引用:Jason T Jankowski「Erectile dysfunction and sleep related disorders」
EDの改善や健康な体作りのためにも、睡眠は欠かせません。
睡眠をしっかりとるためのポイントは以下。
- 快眠で疲労回復
- 8時間にこだわらない
- 読書・音楽・香りでリラックス
- 体内時計を整える
- 睡眠障害は専門家に相談
※参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針検討会報告書」
疲労回復のためしっかり睡眠をとり、睡眠前はリラックスできるよう心がけましょう。
体内時計を整えるため、朝起きたら朝日を浴びるなどの習慣が大切です。
睡眠を十分にとれないといった睡眠障害を感じたら、専門医に相談するのも一つの手段でしょう。
定期的な運動
定期的な運動もテストステロンの増加に繋がり、中折れ改善に期待できるでしょう。
日本で行われた研究では、運動によりテストステロンの濃度が上がるとの結果があります。
これらの結果は、運動がLHおよびNAレベルを増加させることによって血清中のTSレベルを増加させることを示唆していますが、これらの傾向は冷水刺激では見られませんでした。
運動習慣がない方は簡単な散歩から始め、慣れてきたら軽いジョギングに変えるなど定期的な運動を習慣にしてみましょう。
その他に取り入れやすい運動は以下。
- ハイキング
- ストレッチ
- 水泳
- 旅行
ハイキングやストレッチなど、休みに取り入れやすいものを試してみるのも一つ。
水泳や汗をかくスポーツなども良い運動になるでしょう。
無理はせずに、始めやすい運動から生活に取り入れてみてください。
精神的なストレスの解消
精神的なストレスを解消させ、EDの改善に繋げましょう。
仕事や家庭・日常生活の悩みなど、気づかないうちにストレスが溜まっていることもあります。
ストレス解消法は以下がポイント。
- ゆっくりと深呼吸
- 家族や友達に相談
- 短めの昼寝
- 好きなことをする
※参考:厚生労働省「ストレスに気づこう」
深い呼吸はリラックスに繋がります。
また一人で解決できないことや悩みは、親しい人に相談してみるのも一つの方法です。
精神的なストレスはEDとの関係が深い※ため、できるだけストレスをためないように心がけましょう。
※参考:E O Laumann 1「Sexual dysfunction in the United States: prevalence and predictors」
中折れ対策にはバイアグラなどのED治療薬も有効
中折れ対策にはバイアグラなどのED治療薬も有効で、バイアグラの効果は以下の通りです。
- 勃起力を持続させる
- 中折れを抑える
- 満足のいく性行為をする
勃起力が持続することで、自信を持って性行為ができるようになるでしょう。
もし購入を検討している方は、医療機関で医師に相談してください。
自分で出来る中折れの改善方法【年齢別】
年齢別の自分で出来る中折れの改善方法は、以下の通りです。
個人差はありますが、年齢によって改善方法は異なる場合があります。
自身の年齢に合った改善方法を取り入れるためにも、ぜひ参考にしてください。
20~30代
20~30代は、精神的なストレスやプレッシャーなど心理的要因が中折れの原因となることが多い年代ですので、以下のような改善方法を試してみてください。
- ストレスとの上手な付き合い方を考える
- パートナーとのコミュニケーション
- 健康的な生活習慣を心がける
心身をリフレッシュさせるとコルチゾールの分泌が抑えられるため、ホルモンバランスが整い、テストステロンの分泌が増加し、性欲や勃起機能の改善が期待できます。
また20代では、性経験が少なさや過去の性行為の失敗によるトラウマが、心理的プレッシャーとなって性行為へ不安・緊張感を高める場合も。
性的な悩みをパートナーと話し合うことでプレッシャーが軽減され、お互いの理解が深まることで性行為に対する不安が和らぎ性機能が改善する可能性があります。
40~50代
40~50代は、加齢によるホルモンバランスや生活習慣病の乱れから、中折れの原因となっている場合が多いと考えられます。
- 定期的な運動と健康管理
- バランスの取れた食生活
- ストレス管理をする
- ED治療薬を服用する
高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病は血流を悪化させ、勃起機能を低下させるため、野菜や果物、良質なタンパク質などを取り入れ、塩分や糖分、飽和脂肪を抑えた食事をすることが予防に効果的です。
定期的な運動や食生活の改善だけでは中折れの解決が難しい場合、ED治療薬の使用を検討することも一つの方法です。
60代~
60代以降になると、加齢による体の変化が性機能に影響を与えやすくなり、中折れやEDのリスクが高まります。
- ED治療薬の利用
- 定期的な運動と健康管理
- バランスの取れた食生活
バイアグラ・レビトラ・シアリスなどのED治療薬は血流を改善し、60代以降の中折れ改善にも効果的です。
また加齢による血流の低下や筋力の衰えを防ぐために、ウォーキングやストレッチ、水泳など、無理のない範囲での運動を継続しましょう。
中折れの原因に関するよくある質問と回答
中折れの原因に関するよくある質問と回答は、以下の通りです。
中折れに関する疑問を事前に解消するためにも、ぜひ参考にしてください。
お酒の飲み過ぎは中折れの原因になる?
お酒の飲み過ぎは中折れの原因になるといえます。
アルコールを摂取しすぎると、中枢神経をコントロールしにくくなるのが理由の一つ。
アルコールは性的な興奮が脳から伝達されづらくなるため、中折れやEDの症状が出やすくなるでしょう。
日本で行われた2型糖尿病患者さんを対象にした研究では、飲酒頻度と勃起不全には関連が認められました。
毎日のアルコール消費量とEDの関係は、逆J字型の曲線でした。1日あたりのアルコール消費量が60 g未満であるが、60 g以上ではないことは、EDの有病率の低下と独立して関連していました。
※引用:古川真也「2型糖尿病の日本人患者におけるアルコール消費と勃起不全の有病率:Dogo研究からのベースラインデータ」
飲酒により中折れの症状が出ることもあるので、アルコールの飲みすぎは控えましょう。
お酒による勃起への影響について、この記事も参考にしてみて下さい
>>バイアグラとお酒の飲み合わせは大丈夫?飲酒の勃起への影響と正しい服用方法を解説!
うつ症状とEDに関係性はある?
うつ症状とEDの関係性は強く、精神的な不安状態がED発症に繋がることもあります。
日本の男性1,419名を対象とした研究では、うつ病との関連性が高いことが示されました。
結論: EDは、日本人男性の40代後半から50代前半(45〜55歳)でのみ、うつ病と不安状態に有意に関連していました。さらに、うつ病と不安神経症の併存症は、この関連性を強化します。私たちの結果は、EDの病因の理解を深め、ED被験者の予防の対象集団を決定するのに役立つ可能性があります。
憂鬱な気分からなんの意欲もでなくなることが要因となり、性欲減退にも繋がるでしょう。
また40代以上だけでなく、10代〜30代もうつ病や不安からEDへ繋がる可能性もあります。※1
厚生労働省の調査では、うつ病のような気分障害の総患者数は毎年増加傾向にあると言われています。※2
※1参考:Patrick Jern「Are early and current erectile problems associated with anxiety and depression in young men? A retrospective self-report study」
※2参考:厚生労働省「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめについて」
中折れ対策のトレーニング法はある?
中折れ対策のトレーニング法は、以下の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
骨盤底筋を鍛える | 骨盤底筋を強化するケーゲル運動を行うことで勃起をサポートする筋肉を鍛えられます。 |
有酸素運動 | ・ウォーキングなどの有酸素運動は、血液循環機能を高め、血流を改善する効果があります。 ・勃起には十分な血流が必要であるため、有酸素運動は中折れの予防に効果的です。 |
ストレッチ/筋トレ | ・腰や股関節周りの筋肉をストレッチすることで、血流が良くなり、性機能をサポートします。 ・筋肉の柔軟性が高まることで、体のリラクゼーションも促進され、ストレスの軽減につながります。 |
骨盤底筋は、尿を途中で止めるときに使う筋肉で、この筋肉を強化することで、勃起力や持続力が向上し、中折れのリスクを減らせます。
このように中折れ対策には、骨盤底筋を鍛えるケーゲル運動や、血流改善に効果的な有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチ、さらに精神的なリラックス法が有効です。
精力剤とバイアグラの違いは?
精力剤はコンビニや薬局でも購入可能です。
ED治療薬ではないので、医師の処方は必要ありません。
一方バイアグラはED治療薬なので、医療機関での処方が必要です。
薬の飲み合わせなどが気になる場合は、医師に相談しながら治療薬を選ぶと良いでしょう
中折れにお悩みの場合は、エミシアクリニックのオンライン診療をご検討ください
中折れの原因として、以下のような要因が考えられます。
- 年齢・加齢
- 身体疲労・ホルモンバランス
- 精神的なストレス
- 生活習慣
生活習慣を改善するため、食生活の乱れや運動不足などには気をつけることが大切です。
またストレスも中折れの原因になることから、ストレスをなるべくためないように、運動や趣味の時間を作るのも一つ。
治療薬が必要な場合は、バイアグラなどをクリニックで処方してもらうのも、改善方法といえるでしょう。
ED治療薬を処方して欲しいけど対面での診療は受けにくいという方は、以下のようなメリットがある当院(エミシアクリニック)のオンライン診療をご検討ください。
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