性的パフォーマンスの低下に不安を感じていませんか?
EDの原因は単なる加齢現象ではなくストレスや身体的問題・服用中の薬剤などさまざまな要因が複雑に絡み合って引き起こされるものです。
本記事では医学的知見に基づいて、EDの多様な原因と改善策を詳しく解説していきます。
自力で行える改善策から専門医による治療法まで、幅広い選択肢を紹介しているので対策を見つけるためのガイドとなるでしょう。
最後まで読むことでEDに関する不必要な不安や恥じらいから解放され、自信を取り戻すきっかけを見つけられるはずです。
悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
EDの定義とは?
EDとは、満足のいく性行為をするための勃起が持続しない状態を示します。
EDの定義について、日本泌尿器科学会では以下のように述べられていました。
「Erectile Dysfunction(ED:勃起障害/勃起不全)とは:満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか,または維持できない状態が持続または再発すること
気持ちは興奮しているのに勃起しない、特定の人物(妻など)にだけ勃起しないなど、症状はさまざまです。
原因も人によって異なり、いくつか複合的な要因も考えられるでしょう。
EDは幅広い世代で発症する【ED発症確率は?】
EDの発症は加齢による衰えだけでなく精神面も影響しているため、幅広い世代で発症する可能性があります。
欧米での研究結果によると、EDの発生率は1年間で4〜66/1,000人でした。※
ただし研究によりEDの基準は変化するため、一概に1,000人のうち4人以上が発症するとは限りません。
大まかな目安として確認しておきましょう。
EDが発症した際は、原因を正しく理解して対策をとることが大切です。
ED(勃起不全)の原因は4種類に分けられる
EDの原因として挙げられるのは、以下4種類です。
特徴・症状 | 治し方 (改善方法) | |
心因性ED | 精神的なストレスによりEDが起こる | カウンセリングでの相談や カップルセラピーを受ける |
器質性ED | 身体的な問題でEDが起こる | 専門泌尿器科受診、生活習慣の改善 |
薬剤性ED | 服用している薬剤の影響でEDが起こる | 服用している薬剤の見直し |
混合性ED | 心因性・気質性・薬剤性が それぞれ重なり発症するED | 自分が当てはまる原因から解決していく |
ED発症は精神的なストレスだけでなく、血管・神経などの問題や薬の服用が考えられます。
混合型EDというそれぞれの原因が複数重なって起こるケースもあり、一つに絞られない可能性も。
自分の生活や環境の中で、考えられる原因を見つけていきましょう。
【心因性EDの原因】精神的なストレス
精神的なストレスによりEDが起こることを「心因性ED(心因性勃起不全)」と呼びます。
以下のような精神的ストレスが、主な具体例です。
- 慣れない性行為で緊張
- 過去の失敗による不安
- 子作りのプレッシャー
- 幼少期からのトラウマ
- 仕事による過度の緊張
- 人間関係のストレス
性行為への不安やプレッシャーで発症する可能性もあるでしょう。
また仕事がうまくいかず、夫婦関係がストレスになることも考えられます。
精神的な症状を緩和させるために、カウンセリングでの相談やカップルセラピーなども手段の一つでしょう。
【器質性EDの原因】神経・血管の問題
器質性EDでは、神経と血管の問題からEDになることがあります。
それぞれの症状や改善方法について紹介するので、当てはまるか確認してみてください。
神経の問題で発症する器質性ED
神経系の問題からEDに繋がることがあり、身体的な問題からくる勃起不全を「器質性ED(器質性勃起不全)」といいます。
勃起現象は神経によってコントロールされているため、神経系の「中枢神経」や「末梢神経」などに障害があることでEDに繋がる可能性も。
具体的な症状と、それぞれのED発症確率は以下の通りです。
症状 | ED発症確率 |
多発性硬化症 | 50~75% |
脳卒中 | 48.3% |
てんかん | 42.5% |
パーキンソン病 | 68.4% |
多系統萎縮症 | 96% |
これらの症状がEDに繋がる可能性があるだけでなく、その治療薬として出される薬によってEDを引き起こすこともあるでしょう。
また怪我や手術による神経障害から起こるEDもあり、脊髄損傷や椎間板ヘル二アなどが挙げられます。
それぞれの症状が、EDになると言われている理由は以下の通りです。
症状 | EDに繋がる理由 |
脊髄損傷 | 勃起に関わる神経が損傷するため |
椎間板ヘル二ア | 勃起に関わる脊髄や神経を圧迫するため |
このように体の神経の問題から、勃起できない可能性も考えられます。
神経障害から起こるEDの場合、脳は興奮しているのに勃起命令が上手に伝わらない状態だと言えるでしょう。
血管の問題で起こる器質性ED
身体的な問題として、血管に関する異常も挙げられます。
本来勃起には神経伝達に加え、十分に血液が流れ込み維持されることが必要です。
この血管に問題があると、EDに繋がることがあります。
具体的な症状は、以下の通りです。
糖尿病や肥満・喫煙などは血管へ影響を与えやすい要因になります。
ED改善のためには、血流が悪化する習慣を控える必要があるでしょう。
糖尿病
糖尿病は、EDの原因の一つとして挙げられます。
海外での「糖尿病における勃起不全」という研究では、糖尿病患者の35~90%にEDが発生すると記述されていました。
糖尿病の男性の間で報告されたEDの有病率の35%から90%への大きな違いは、方法論と人口特性の違いに起因する可能性があります。加齢、糖尿病の期間、血糖コントロール不良、高血圧、高脂血症、座りがちな生活習慣、喫煙、および他の糖尿病合併症の存在は、断面研究で糖尿病性EDと関連していることが示されています。
※引用:Lasantha S Malavige 「Erectile dysfunction in diabetes mellitus」
日本の糖尿病患者は増えつつあり、血圧が高い状態が続くことで血管を傷つけることになります。※
糖尿病が悪化することで、腎臓障害や神経障害の発症リスクも。
食事療法や運動療法など生活習慣の改善・投薬など、専門泌尿器科受診の上で症状に合わせた治療法を検討しましょう。
※参照:文部科学省「生活習慣病p14」
肥満
肥満がEDの原因になることもあります。
米国の研究では、BMI※が増加するにつれEDのリスクが上昇。
肥満(1986年の理想的な体重の男性と比較した多変量相対リスク1.9、95%CI 1.6-2.2)および1986年の喫煙(RR 1.5、95%CI 1.3-1.7)は、身体活動中の勃起不全のリスク増加と関連していた。
※引用:Constance G Bacon「A prospective study of risk factors for erectile dysfunction」
肥満により男性ホルモン(テストステロン)が低下し、性機能が衰える可能性もあるでしょう。
できるだけ散歩や軽い運動を継続し、肥満体型を避けることが大切です。
※BMIとは:体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数。体重(kg)]÷[身長(m)の2乗。
高血圧
高血圧はEDの原因の一つになるでしょう。
海外の研究では、高血圧の患者がEDになる可能性を示しました。
年齢を調整した後、インポテンスの可能性が高いことは、心臓病、高血圧、糖尿病、関連する薬物療法、および怒りとうつ病の指標と直接相関し、血清デヒドロエピアンドロステロン、高密度リポタンパク質コレステロール、および優勢な人格の指標と逆相関しました。
高血圧になると血管が傷つき、十分に血液が巡りにくくなってしまうことから、EDの要素に。
この研究はマサチューセッツ州の40〜70歳を対象としたものなので、年齢を重ねる中でも健康的なライフスタイルを目指しましょう。
喫煙
喫煙は男性ホルモンを減少させ、EDに繋がる要因にもなるという見解があります。
「タバコの本数が増えると勃起不全との関係が強くなる」オーストラリアの研究も。
勃起不全は、16〜59歳のオーストラリア人男性の約10人に1人に影響を与える重大な健康上の懸念です。現在の喫煙は、オーストラリア人男性の勃起不全と有意に関連しています。喫煙するタバコの数が増えるにつれて、この関連性は強化されました。
喫煙によるEDは、若年層でも影響を受ける可能性があるので注意しましょう。
また喫煙から起こる、勃起機能への影響は以下の通り。
- 血管内皮障害
- 陰茎への血流障害
- 交感神経刺激
喫煙によるEDの症状が生じた場合は、タバコの本数を減らすなどの禁煙対策を行いましょう。
【薬剤性EDの原因】関連する薬の服用
服用している薬によりEDに繋がる可能性もあり、薬の影響によって起こる勃起不全は「薬剤性勃起不全」と呼ばれています。
具体的な薬剤は以下の通りです。
- 抗うつ薬
- 降圧薬
- 前立腺肥大症治療薬
- 髄腔内バクロフェン
- 非ステロイド性抗炎症薬
このような薬剤は、勃起機能を妨げる可能性があるとされています。
抗うつ薬の化合物間で大きなばらつきがあるものの、副作用として性機能障害が起きるという見解も。※
その他にも神経系に働きかける薬を常用している場合は、薬剤性の勃起不全の可能性が考えられるでしょう。
【混合性ED】混合型の発症によるもの
混合型はストレスや身体的な問題などが重なり、複数の理由が組み合わされて発症します。
一つの原因でEDになるのでなく、日常的な疲れや精神的なプレッシャー・不摂生などさまざまな要素が含まれるものです。
その他にもうつ症状・心血管疾患・EDの3つが共存する可能性もあるでしょう。
EDの症状が現れた場合は、自分に当てはまる原因をいくつか考え出してみるのも大切です。
ED治療におすすめの投薬
投薬によるED治療は以下の通り。
ED治療薬を使用することで血流を増加させ、勃起しやすい状態を保持します。
また治療薬は複数の種類があり、それぞれ勃起させる強度も違うのが特徴です。
満足のいく性行為を行えない悩みがある方は、投薬を行うのも一つの手段だといえます。
バイアグラ
バイアグラは世界初のED治療薬で、ED薬の中でも定番の薬剤です。
アメリカファイザー社から発売され、日本では1999年から処方されています。
硝酸薬(ニトログリセリンなど)を服用している方や重度の心臓病・肝臓病の方は使用できません。
またアルコールとの併用は、効果を弱める可能性があるため避けてください。
性行為の約1時間前に服用することで、性的な刺激を受けた際に十分な勃起力が得られるでしょう。
※参考:日経メディカル処方薬事典「バイアグラ錠50mgの基本情報」
レビトラ
レビトラは即効性が高めの薬剤の一つで、服用後約15〜20分程度で効果が現れると言われています。
ドイツのバイエル社が開発したEDで、水に溶けやすいのが特徴です。
またレビトラの効果は通常4〜5時間持続し、食事の影響を受けにくいため食事の前後に関わらず服用できるのが大きな利点。
バイアグラと同じく、レビトラは性行為の1時間前に10mg経口投与するようにしてください。
※参考:日経メディカル処方薬事典「レビトラ錠5mgの基本情報」
シアリス
シアリスはイーライリリー社により開発され、効果の持続時間が長いのが特徴です。
時間をかけてゆっくり吸収されるため、長時間の効果が期待できます。
個人差はあるものの、最大30時間程度効果が持続することもあるでしょう。
通常10mgまたは20mgの錠剤で提供され、必要に応じて用量調整が可能です。
※中等度又は重度の腎障害のある患者では、5mgから開始
シアリスの服用も性行為の1時間前に行いましょう。
※参考:日経メディカル処方薬事典「シアリス錠5mgの基本情報」
迅速に治療をしたいならすぐに薬が手元に届くオンライン診療がおすすめ
「すぐにEDの治療がしたい」「薬がほしいけれど通院は難しい」という方は、オンライン診療がおすすめです。
エミシアクリニックでは、自宅にいながら簡単に治療を受けられるオンライン診療を行っています。
全国どこでも対応でき、最短翌日に薬のお届けが可能です。
またプライバシーに配慮した梱包でお届けするため、薬の服用が周囲にバレることはありません。
ED治療は早期の対応が大切です。
勃起力の低下や持続時間の短縮にお悩みの方は、ぜひエミシアクリニックのオンライン診療をご利用ください。
投薬以外のEDの治し方4つ
投薬以外にも、EDの症状を改善する方法は主に4つあります。
適切な運動や禁煙は、健康を維持するだけでなくED改善にも効果が期待できるでしょう。
また適切な手術によっても改善が見込めるため、自身に適した方法を見つけてください。
適切な運動
適切な運動はEDの改善に繋がります。
運動をしない人に比べ、運動を行う人はEDのリスクが低下するでしょう。※1
また週に2.5時間以上のランニングで、EDのリスクが30%軽減するとも言われています。※2
多忙な日々を過ごすあまり、運動不足に悩む人も多くなりやすいです。
日常生活の中で運動量を増やし、一駅分歩くなど簡単な習慣から取り入れていきましょう。
※1Constance G Bacon「A prospective study of risk factors for erectile dysfunction」
※2日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p13」
禁煙
禁煙はED改善に繋がる方法の一つです。
勃起不全患者へ禁煙を実施した研究では、1年間の禁煙で約25%のED改善が確認されています。
フォローアップ前の年齢とED状態は、禁煙した118人の患者(元喫煙者)と喫煙を続けた163人の患者(現在の喫煙者)の間で有意差はありませんでした。1年後、EDステータスは元喫煙者の25%以上で改善しましたが、現在の喫煙者では改善しませんでした。
この研究ではより年齢が若く、EDの症状が低い人ほど改善へと繋がりました。
つまり高齢になる前に早めに禁煙を行っておくことで、よりEDの改善が期待できるでしょう。
その他にも中国人719 名が対象の研究でも、類似した結果がでています。
勃起不全患者への禁煙を行ったところ、6カ月後に勃起機能の改善が確認されました。
介入群(A1 + A2)は、自己申告(23%vs 12.8%、RR = 1.79、95%CI = 1.22、2.62)と生化学的に検証された(11.4%vs 5.5%、RR)の両方で、より高い禁欲率を達成しました。 = 2.07、95%CI = 1.13、3.77)、対照群より。
NRT順守率はグループA1とA2の間で異ならなかった(13.7%対12.7%、RR = 1.08、95%CI = 0.69、1.69)。
喫煙者でEDの症状が現れた場合は、無理のない範囲で禁煙を始めてみましょう。
生活習慣の改善
以下のような生活習慣の改善は、勃起機能の回復が期待できます。
- 有酸素運動
- バランス良い食事
- アルコール(飲酒)を控える
有酸素運動など適度な運動を取り入れることで、血液循環がよくなるでしょう。
運動不足は血液の流れを悪化させ、勃起時の血流にも影響が出る可能性も少なくありません。
そのためできる限りバランスの良い食事を意識し、肥満を回避することも大切です。
週3回・1回30分程度の有酸素運動により、優位に勃起機能が回復したとの報告もあるので、簡単な運動でも継続するのが健康に繋がると言えます。※
飲み過ぎを控えて、体の健康に繋がる習慣を作っていきましょう。
手術
手術によるED治療方法は、以下の通りです。
手術 | 内容 |
血管手術 | 勃起をするのに充分な血液を陰茎に届けるため、健康な血管同士をつなぐ |
陰茎プロステーシス移植手術 | 陰茎海綿体内に人口インプラントを移植し、性行為が可能な状態を作る |
陰茎形成術 | 性行為の障害が発生した場合に、陰茎の屈曲などを整える |
薬によるEDが改善されない場合は、手術治療が必要なことがあります。
「勃起が持続されない、生活習慣を整えても改善が見られない」など、回復の兆候が見られない場合は医師に相談してください。
また全身への影響を気にする方は、ICI治療を受けるのも良いでしょう。
ICI治療(陰茎海綿体自己注射治療)とは注射による治療方法で、男性器に勃起を促す作用があります。
ED治療薬の効果を感じない場合や、性機能に問題がある際に利用可能な療法です。
治療薬で頭痛などの副作用が発生する方にとって、利用しやすい治療方法と言えるでしょう。
ED治療には専門医の診断が大切!
EDの原因は身体的要因から心理的要因までさまざまなので、専門医による診断が重要です。
要因が複雑に絡み合っていることも多く、原因を特定せずに治療を始めると根本的な問題解決につながらない可能性もあります。
またED治療薬の服用は持病がある方にはリスクがあるほか、他の薬との相互作用にも注意が必要です。
自己判断での服用は避け、必ず医師の指示に従いましょう。
エミシアクリニックは専属医師が診察し、患者さんの現状に対応した薬の処方を行っています。
24時間LINEだけで診療OKで、全国どこにお住まいでも申し込み可能です。
EDでお悩みの方は、エミシアクリニックにご相談ください!
EDの原因は人によって変わるので、自身に合った改善法・治療法を見つけよう
EDの原因には4つの原因があるとされています。
ED(勃起不全)は生活習慣を整えて、体に良い生活を送ることでも改善される可能性があるでしょう。
そのため食生活の改善や適度な運動などを行うことで、血流を良くすることが大切です。
即効性を期待するなら、バイアグラのような投薬も一つの手段になるでしょう。
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