最近、「疲れやすくなった」「筋力が落ちた気がする」「やる気が続かない」「性欲が減ってきた」などの体調の変化を感じていませんか?
こうした変化は、加齢や生活習慣、ストレスなどさまざまな要因が関係するとされています。
しかし、そのひとつとしてテストステロン(男性ホルモン)の変化との関連が指摘されることもあります。
テストステロンは、骨格や筋肉、体毛の発達などに関与しており、主に精巣でつくられる男性ホルモンのひとつです。
本記事では、テストステロンの分泌が少なくなっている男性に見られやすい特徴を解説し、その原因、対策について詳しく解説します。
現在の体調とテストステロンの関係が気になっている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
自分はテストステロンが少ない?セルフチェック
ここでは、AMSスコア(男性更年期障害質問票)に記載されている内容を参考に、体調や気分の変化を振り返るためのセルフチェック項目を紹介します。

【男性更年期の症状チェックリスト】
▼肉体的な特徴
- 関節や筋肉が痛む、腰痛や関節痛を感じる
- 筋力の低下を感じる
- 発汗やのぼせが起こりやすい
- 疲れやすく、日中に眠気を感じる
▼精神・メンタル面の特徴
- いらいらしやすく、不機嫌になる
- 不安を感じやすくなった
- やる気が出ない、無力感が続いている
- 憂うつな気分や、燃え尽きたような感覚がある
▼性機能の特徴
- 性欲の低下を感じる
- 朝立ちの回数が減った、性的能力の衰えを感じる
※参考:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)」
なお、このチェックリストは、テストステロンの減少と関連が指摘されている症状の例を示したものであり、診断を目的としたものではありません。
気になる症状が続く場合や、実際の状態を確認したい場合は、医療機関を受診し専門医に相談しましょう。
テストステロンが少ない男性の特徴
テストステロンが少ない状態が続くと、身体・見た目や顔つき・精神・性機能など、さまざまな部分に変化が現れることがあります。
ここでは、テストステロンが少ない男性の特徴を次の観点から解説します。

ご自身の体調の変化に当てはまる部分があるか確認してみましょう。
身体にあらわれる特徴
身体にあらわれやすい特徴は次の通りです。
- 筋力が落ちた
- 疲れやすく、だるさが抜けない
- 体脂肪が増えやすく、お腹周りが太りやすい
- 体臭が変化した
- 運動後の回復が遅く、疲れが残りやすい
テストステロンは、筋肉の維持やエネルギー代謝に関わるホルモンです。
分泌量が低下すると筋肉がつきにくくなったり、基礎代謝が落ちたりすることで、体型の変化や疲労感につながることがあります。※
また、疲れやすいために運動量が減り、さらに体力や筋力が低下してしまう悪循環に陥るケースもあるでしょう。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
見た目・顔つきの特徴
見た目や顔つきにあらわれやすい特徴は次の通りです。
- 肌のツヤやハリが減った
- 髪のハリやボリュームが変わった
- シワが増えた
- 覇気がなく、元気がなさそうに見える
男性ホルモンの分泌量が、見た目・顔つきに影響を与えることは考えにくいとされています。
見た目・顔つきの変化を感じる場合、テストステロンが減少した結果気持ちが落ち込んだり、運動量が減ったりしたことによる影響が大きいでしょう。
精神面・メンタル面の特徴
精神面・メンタル面にあらわれやすい特徴は次の通りです。
- 集中力が続かない
- やる気が出ない
- 気分が落ち込みやすい
- 漠然とした不安感がある
- ストレスに弱くなった
テストステロンは、心身の活力や前向きな気分に関与するとされています。
分泌量の低下により、仕事や趣味への意欲が低下した、集中力が続かない、などの変化を感じやすくなるでしょう。※
ただし、男性更年期の症状が出やすい40代以降では、仕事や家庭の負担が重なりやすい時期でもあるため、ストレスや睡眠不足が影響している可能性も考えられます。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
性欲・性機能にあらわれる特徴
性欲・性機能にあらわれやすい特徴は次の通りです。
- 性欲が低下した
- 勃起しにくい、硬さが続かない
- 性的興奮を感じにくくなった
テストステロンは脳の性欲中枢に作用し、性欲や勃起、精子の生成などに関与するホルモンのひとつです。
そのため、分泌量の低下によって性欲・性機能に変化があらわれる可能性があります。※
性機能の変化が続くと、自信を失い気分が落ち込むケースもあるため、一人で抱え込まないことが大切です。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
性機能の悩みについて、詳しく知りたい方はこちら!
▼勃起が続かない原因と対策
勃起が持続しない原因は?硬さを維持するための10の対策を紹介
▼中折れの原因と対策
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テストステロンの減少を調べる方法
テストステロンの分泌が減っているかどうかを確認するには、医療機関での検査が必要です。
医療機関で行われる一般的なテストステロン量の検査は、次の通りです。
| 確認方法 | 内容 |
|---|---|
| 問診 | 自覚症状、生活習慣、ストレス状況などを確認 |
| 身体測定 | 体重や体脂肪率などを測定し全身状態を把握 |
| 血液検査 | フリーテストステロンを測定 |
問診では、疲れやすさや意欲低下、性機能の変化など、男性更年期症状の有無について確認します。
あわせて、睡眠や運動習慣、仕事や家庭でのストレス状況など、男性ホルモンの減少や心身の変化が出る原因についても問われやすいです。
血液検査では、「フリーテストステロン」を測定します。
フリーテストステロンとは、血液中でたんぱく質と結合していない、体内で作用しやすいテストステロンのことです。
この数値は加齢とともに低下しやすく、男性更年期症状の評価に用いられます。※
検査結果は医師の診察とあわせて総合的に判断され、必要に応じた治療方針が決定されます。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
テストステロンが減少する原因
テストステロンの分泌が低下する背景には、複数の要因が関係しています。
特に影響が大きいとされている原因は次の通りです。
原因に思い当たるところはないか、ご自身のライフスタイルを振り返ってみましょう。
加齢
テストステロンの分泌量は、一般的に20代後半から30代頃をピーク※に、その後は年齢とともに緩やかに低下していく傾向があります。
そのため、30代以降で「以前より疲れやすい」「筋力が落ちた気がする」といった変化を感じ始める方が多いでしょう。
ただし、加齢による低下の程度や体調への影響には個人差があります。
同じ年代でも、生活環境や体質によって変化の出方は異なり、年齢を重ねても大きな不調を感じにくい方もいます。
加齢そのものは避けられない要因ですが、ストレスや生活習慣の乱れなど他の要素が重なることで体調の変化として現れやすくなる点に注意が必要です。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
ストレスの影響
ストレスは、テストステロンの分泌に大きく関わる要因のひとつです。
強いストレスを受け続けると、身体は緊張状態に対応するホルモンであるコルチゾールを多く分泌します。※
この状態が続くと、ホルモン生成のバランスが崩れ、テストステロンの分泌が抑えられることがあります。
仕事での責任増加や長時間労働、家庭での役割の変化など、忙しい日々が続く30代〜40代の男性にとって、知らないうちにストレスが蓄積しているケースは少なくありません。
日頃から、軽い運動やリラックス時間を確保し、ストレスに対抗する習慣をつけることが大切です。
※参考:公益社団法人日本産婦人科医会「2.ストレスホルモン」
生活習慣の乱れ
睡眠や食事、運動といった生活習慣の乱れも、テストステロンの分泌に影響します。
特に、テストステロンは睡眠中に分泌されやすいため、慢性的な寝不足は注意が必要です。
忙しさから生活が不規則になりがちな場合でも、できるところから少しずつ改善し、生活習慣を整えていきましょう。
テストステロンの増強を助ける生活習慣
テストステロンの分泌量は、体質や年齢だけで決まるものではありません。
日々の生活習慣は、テストステロンの分泌を維持・安定させるうえで大きな影響を与えます。
ここではテストステロンの増強を助ける生活習慣について、次の4つの視点から解説します。
ご自身が取り入れやすい内容から始めていきましょう。
食事
テストステロンの分泌を支えるには、日々の食事内容が土台になります。
特に、ホルモンの材料となる栄養素が不足していると、分泌量は安定しにくくなります。
食事で意識したいポイントは、次の通りです。
- 魚・肉・卵などから、タンパク質を十分に摂る
- 亜鉛・ビタミンDを欠かさない
- 栄養バランスのよい食事を心がける
テストステロンは体内で合成されるホルモンのため、材料となる栄養素が不足すると生成が追いつきません。
特にタンパク質は、筋肉だけでなくホルモン生成にも関与しており、摂取量が少ない状態が続くと影響が出やすくなります。
また、亜鉛やビタミンDは、エネルギーの代謝をサポートし、テストステロンの合成に関わる栄養素です。
外食や簡単な食事が続いている場合、不足しているケースもあるため、意識的に摂るようにしましょう。
▼意識的に摂りたい栄養素と食材
| 栄養素 | 食品例 |
|---|---|
| タンパク質 | 肉類、魚類、卵、大豆 |
| 亜鉛 | 牡蠣、牛レバー、ナッツ類、マイワシ、卵、豚レバー |
| ビタミンD | サケ、サバ、マイワシ、イクラ、しらす干し、アンキモ、キノコ類(干しシイタケ、きくらげなど) |
食事の見直しは、男性ホルモンが生成されやすい身体づくりができるだけでなく、体調全体の底上げにもつながります。
精力のつく食べ物については、次の記事でも詳しく解説しています。
即効性に期待できる精のつく食べ物はある?勃起力アップや慢性的な疲労改善に役立つ食材を紹介
運動
テストステロンの分泌をサポートしたいとき、運動は取り組みやすい習慣のひとつです。
中でも筋力トレーニングは、男性ホルモンと関わりの深い筋肉を刺激できる点でおすすめであるといえます。
意識したいポイントは次の通りです。
- 大きな筋肉を使う運動を取り入れる
- 短時間でも継続する
- 運動しない期間を長く作らない
筋トレによって筋肉に適度な負荷がかかると、身体の回復や適応の過程でテストステロンなどのホルモンが一時的に変動することが報告されています。
スクワットや自重トレーニングなど、無理のない運動を習慣として続けることが大切です。
※参考:Journal of Strength and Conditioning Research. Hormonal responses and adaptations to resistance exercise and training
筋トレと性機能の関係については、次の記事でも詳しく解説しています。
筋トレは勃起力の改善に役立つ?効果を実感するまでにかかる期間や実際の体験談を紹介
睡眠
テストステロンは、主に睡眠中の深い眠りの間に分泌が促されると考えられています。※
睡眠時間が短い、眠りが浅いといった状態が続くと、分泌が安定しません。
良質な睡眠になるように、次のポイントを意識しましょう。
- できるだけ決まった時間に就寝・起床する
- 寝る1時間前にはスマホやパソコンを触らない
- 就寝前の4時間はアルコールを控える
- 就寝の2時間~3時間前までに食事を終える
仕事が忙しく、帰宅が遅い方は、睡眠時間を削りがちです。
睡眠不足は体力や気力を削ぐだけでなく、ホルモンバランスにも影響を及ぼします。
できるだけ睡眠時間を確保するのと同時に、睡眠の質を向上させる生活リズムを心がけましょう。
※参考:National Institutes of Health(NIH). Sleep and testosterone: Mechanisms and clinical implications
ストレス管理
ストレスをため込みすぎないことも、テストステロン低下を防ぐ重要なポイントです。
慢性的なストレス状態が続くと、テストステロンの分泌が抑えられやすくなります。
ストレスをゼロにするのは難しいため、適度にストレスを発散させる習慣を取り入れるようにしましょう。
- 仕事や家事の合間に、短時間でも身体を動かす
- 「やらなければならないこと」を抱え込みすぎない
- 仕事後に頭を切り替えられる、リラックス時間を確保する
- 睡眠時間を削るような無理をしない
ストレスによって気力が落ちると、運動や睡眠、食事の質も乱れやすくなります。
その結果、テストステロンの低下が進み、さらに不調を感じやすくなるといった悪循環に陥らないことが大切です。
医療機関で受けられるテストステロンの治療
テストステロンの減少が疑われる場合は、自己判断で対処せず、医療機関に相談することが大切です。
受診先に迷う場合は、次の診療科がある病院を選択しましょう。
- 泌尿器科
- 男性更年期専門外来
- メンズヘルス外来
これらの診療科では、問診や血液検査の結果をもとに、症状や状態に応じた治療方針が検討されます。
医療機関で行われる主な治療が、テストステロン補充療法※です。
体内で不足しているテストステロンを外部から補い、症状の改善を目指します。
主な投与方法
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 注射 | 定期的に筋肉注射を行い、体内のテストステロン濃度を補う |
| 外用薬(塗り薬) | 皮膚から吸収させる方法で、状態に応じて使用される |
投与方法や頻度は、症状の程度や体調、生活背景を考慮し、医師が判断します。
テストステロン補充療法には、次の注意点があります。
- 前立腺の病気がある場合は治療を受けられないことがある
- 治療中は血液検査などによる定期的な経過観察が必要
- 多血症、造精機能障害、睡眠時無呼吸の悪化、肝機能障害、皮膚障害などの副作用に注意する
安全に治療を進めるためにも、持病や服薬状況、不安な点は、事前に医師へ相談しましょう。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
テストステロンが少ない男性の特徴についてよくある質問
ここでは、「テストステロンが少ない男性の特徴」に関して、よく寄せられる質問をまとめて回答します。
年齢や生活習慣、セルフケアに関する疑問を整理し、正しい理解につなげていきましょう。
若年層(20代)でもテストステロンが少なくなる?
テストステロンの分泌量は、一般的に20代から30代にかけてピークを迎えますが、その後の変化は個人差が大きいとされています。※
20代など若年層であってもテストステロンの分泌が少なくなり、不調を感じるケースは起こり得るでしょう。
年齢だけで判断せず、体調の変化を振り返り、必要に応じて医療機関へ相談することが大切です。
※参考:日本メンズヘルス医学会「テストステロンとは」
オナニーをするとテストステロンは増える?
自慰行為(オナニー)によって、一時的なホルモンバランスの変動が起こる可能性は、一部の研究で指摘されています。
しかし、自慰行為によってテストステロンを継続的に増減させられるといった医学的根拠は示されていません。
テストステロンの状態が気になる場合は、睡眠・ストレス・生活習慣全体を見直すことが重要です。
テストステロンを増やすのにいいサプリはある?
テストステロンの合成などに関与する栄養素をサプリメントで補うことは可能です。
代表的な成分としては次のものがあげられます。
- 亜鉛
- マカ
- アルギニン
- シトルリン
- ビタミンD
ただし、これらのサプリの摂取により直接的にテストステロンの生成を促すわけではありません。
あくまで食事だけでは不足する栄養素を補うものと考え、活用しましょう。
活力を補う精力剤については、次の記事でも詳しく解説しています。
精力剤の効果は?種類や飲むタイミング・ED治療薬の違いも解説
テストステロンが多い男性の特徴は?
テストステロンの分泌量が保たれている場合、体力や筋力が維持されやすく、日常生活を活動的に過ごしやすいと感じることがあります。
テストステロンが多い男性には、次のような特徴があるといえます。
- 筋肉量や体力が維持されやすい
- 疲労感を感じにくい場合がある
- 性機能が年齢相応に保たれやすい
- 意欲や集中力が保たれやすい
テストステロンは脳内でも作用し、意欲や集中力などと関連があると言われています。
なお、テストステロンの分泌量には個人差があり、多ければ良いというものでもありません。
体調や生活への影響を踏まえ、必要に応じてセルフケアや医療機関への相談を検討しましょう。
テストステロンの低下が気になったら、生活習慣から見直しを
テストステロンは、体力や気力、性機能など、男性の心身の状態に関わるホルモンです。
分泌量の低下は、疲れやすさや意欲の低下、性機能の変化などとの関連がみられることがあります。
こうした不調は、加齢だけでなく睡眠・運動不足、食生活の乱れ、慢性的なストレスなど、日々の生活習慣が影響しているケースも少なくありません。
まずは生活リズムや習慣を見直すことが、体調改善への第一歩になります。
セルフケアを続けても不調が改善しない場合や、性欲や勃起力の低下が気になる場合は、医療機関に相談することも選択肢のひとつです。
ご自身の状態を正しく知り、自分に合った対策を検討していきましょう。
性機能の低下については、次の記事でも詳しく解説しています。
ペニス(ちんこ)を硬くする方法は?中折れ・勃起が持続できない原因と改善策を徹底解説



