いきなり足首に痛みを感じた場合は「痛風」の可能性があります。
痛風になると足首や足の関節に激しい痛みや腫れが起こり、時には歩行さえ困難になることも。
しかし初期段階では自覚症状が乏しいため、放置してしまうケースも少なくありません。
そもそも痛みの原因が痛風なのか分からず、病院に行くのは億劫という方も多いと思います。
そこで本記事では、痛風の症状やセルフチェックの方法をまとめました。
さらに症状が現れた際の注意点も紹介しているので、足首に違和感がある方はぜひご覧ください。
痛風のリスクをコントロールしながら、痛みが気にならない生活を取り戻しましょう。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
歩けないほどの足首の痛みは痛風?【簡単セルフチェック】

足首の痛みが痛風の疑いがある場合は、早期治療につなげるため自宅でセルフチェックを行いましょう。
- 30歳以上の男性である
- どちらかというと太っている
- 外食やコンビニ食が多い
- 運動をあまりしない
- 水ではなく甘い飲み物を飲む機会が多い
- 飲酒量が多くビールが好き
- ストレスが溜まっている
- 家族や親戚に痛風の人がいる
上記の項目が4つ以上当てはまる方は、痛風である可能性が考えられます。
アルコールやプリン体を多く含む食事・肥満は、尿酸値の上昇につながるためです。
なお女性ホルモンには尿酸の排泄を促す働きがあるため、男性に比べて女性は発症しにくいとされています。
※参照:厚生労働省
痛風を改善・予防するには、食事の見直しや適度な運動・飲酒の制限などが重要です。
痛風を疑う症状(関節の激しい痛みや腫れ)がある場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
足首の「偽痛風」との見分け方
痛風と似た症状を引き起こす疾患として「偽痛風(ぎつうふう)」があります。
関節内に「ピロリン酸カルシウム結晶」が沈着することで炎症を起こす疾患です。
痛風と症状が似ており、突然の激しい痛み・腫れ・発赤などが見られます。
痛風との違いは以下の通りです。
項目 | 痛風 | 偽痛風 |
---|---|---|
原因物質 | 尿酸(尿酸結晶) | ピロリン酸カルシウム結晶 |
好発部位 | 足の親指の付け根 | 膝関節・足首・手首など |
年齢層 | 30〜50代の男性に多い | 高齢者に多い |
発症のきっかけ | 食事・飲酒・ストレスなど | 手術後・外傷・脱水など |
自己判断は難しいため、膝や足首も痛む場合は、整形外科やリウマチ専門医を受診しましょう。
※参照:日本リウマチ学会
足首に出る痛風の初期症状と発作の前兆
痛風の初期症状と前兆として、足の親指や関節部にピリピリとした違和感や軽い痛みを感じることがあります。
この段階で症状を見逃してしまうと強烈な痛みを伴うことになるため、早期発見と対応が重要です。
初期症状に気づいたら、できるだけ早く医師への相談を推奨します。
痛風発作が起こる前兆として見られる症状を参考にしてください。

- 関節部にむくみや軽い腫れを感じる
- 関節部にピリピリとした違和感を感じる
- 発熱
- 倦怠感
- 赤く腫れている
- 患部が熱を持っている
これらの症状を感じた場合は、過度な運動やアルコール摂取を控えて身体を安静に保ちましょう。
さらに詳しく知りたい方はこちら!
痛風の初期症状は足のピリピリ?前兆や原因・対処法をわかりやすく解説
痛風が発生した足首の見た目の変化
足首の見た目の変化として、以下が現れる場合があります。
- 関節の腫れ
- 皮膚の赤み
初期段階では、痛風が発生すると関節が赤く腫れることが多く、特に足首・膝など、負荷がかかりやすい関節に症状が現れます。
また痛風発作が起こる前後で、腫れた部分が赤くなることがあり、この赤みは炎症反応が起きている証拠です。
赤くなった部分は触れると熱く感じることがあり、発熱を伴うこともあります。
この発熱感は痛風の初期症状として見逃されがちですが、発作の兆候を示しているため、注意が必要です。
上記の見た目の変化に気づいた場合、痛風の可能性を疑い、早期に医師の診察を受けることが大切です。
早期に対処すれば、痛風の進行を防ぐことができ、関節のダメージを最小限に抑えられます。
エミシアクリニックでは、痛風の症状に関する診断と適切な治療を提供していますので、気になる症状がある方はご相談ください。
痛風が原因の足首痛を放置するとどうなる?
痛風による足首の痛みを放置すると、症状が悪化し、長期的には関節や全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
放置した場合の影響 | 詳細 |
---|---|
1. 関節の破壊 | 炎症が慢性化して関節軟骨の損傷や変形が進行 |
2. 可動域の制限 | 腫れと痛みにより関節が硬直し、歩行や生活動作に支障が生じる |
3. 再発と痛風結節(トフィー) | 尿酸結晶が関節周囲に蓄積し、関節機能が損なわれる |
4. 尿路結石や腎機能の低下 | 尿酸結晶が尿路結石を形成し、腎機能低下や腎不全に繋がる可能性 |
5. 痛風発作の頻発 | 発作が頻繁に起こり、日常生活が制限され、関節の損傷と慢性化が進行 |
痛風による足首の痛みを放置すると、関節の破壊や慢性痛のリスク増加など、さまざまな深刻な影響が生じます。
痛風を早期に治療し尿酸値を適切に管理することで、これらのリスクを回避し、健康な生活を維持することが可能です。
足首の痛みや腫れを感じた場合は、早期に医師に相談し、適切な治療を受けることが重要となります。
足首以外も痛風になる?起こり得る部位と特徴
痛風は足首だけでなく、さまざまな関節に炎症を引き起こす可能性があります。
以下では、足首以外に発症しやすい代表的な部位とその特徴について詳しく解説します。
痛む場所が典型的でない場合でも、繰り返す腫れや違和感がある時は医療機関で診察しましょう。
足の親指の付け根
足の親指の付け根は、最もよく知られている発症部位であり、痛風の典型例とされています。
突然、激烈な痛みとともに腫れ・発赤・熱感が生じ、歩行はもちろん布団が触れるだけでも耐えがたい苦痛を伴います。
夜間や明け方に発症するケースが多く、尿酸値の急激な変動が引き金となることも少なくありません
足の親指の付け根に症状が出た場合、痛風の可能性は非常に高いといえるでしょう。
足の甲
足の甲での痛風は比較的珍しいものの、まれではありません。
軽い腫れから始まることが多いため、最初は見過ごされがちです。
進行すると甲全体に腫れが広がり、靴を履けなくなる・歩行が困難になるなど、生活に支障をきたす場合もあります。
靴ずれや疲労と勘違いしやすいため、注意深く確認しましょう。
かかと
かかとに痛風が起きると、足を地面につけた瞬間に鋭い痛みが走るのが特徴です。
体重が集中する部位だけに、炎症が起こると動作そのものが難しくなります。
足底筋膜炎やアキレス腱周囲炎と診断されることもありますが、腫れや熱を伴う場合は痛風の可能性も考慮する必要があります。
特に尿酸値が高めの方は警戒しましょう。
かかとに違和感がある方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
かかとの痛みは痛風が原因?症状・治療法を徹底解説
足の外側・くるぶし
くるぶし周辺の痛風は、足関節の捻挫や打撲と見間違えられることも多い部位です。
炎症が片側に偏って生じ、赤く腫れたり関節の可動域が狭くなったりします。
痛みは一定ではなく、安静時でもズキズキとした鈍痛が続く場合があるのが特徴です。
過去に足関節の外傷歴がある方は、その部位に痛風発作が出やすくなる傾向があります。
手首や肘
腕の部位に痛風の症状が出た場合、日常動作への影響が非常に大きくなります。
マウス操作や家事・スマートフォンの操作に支障が出やすく、関節炎や腱鞘炎と間違えられることも。
肘では腫れに加え、「痛風結節」という結晶のかたまりが皮膚の下にできることもあり、長期的な管理が必要です。
慢性的に繰り返す場合は、関節破壊を防ぐための早期治療が求められます。
耳
耳介(耳の上部や外縁部)も、痛風結節ができやすい場所として知られています。
耳は関節ではありませんが、尿酸結晶が低温部に沈着しやすいため、現れることがあるのです。
多くは痛みを伴わず、触るとコリコリと硬いしこりが感じられます。
慢性期に現れやすいため、すでに過去に痛風の診断を受けた方は注意しましょう。
耳に違和感がある方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
痛風は耳にも現れる?耳のしこりや痛みの原因とやるべき対策
痛風の時にやってはいけないことは?

痛風が疑われる症状が現れた場合の注意点と、やってはいけない行動は以下の通りです。
誤った対応をすることで症状が悪化する恐れがあるため、注意が必要です。
症状がひどい時は自己判断で処置せずに医療機関を受診しましょう。
患部のマッサージは避ける
痛風によって足首に激しい痛みがある場合、患部のマッサージは避けましょう。
そもそも結晶化して関節に溜まった尿酸に対して、免疫が反応することで炎症が起きています。
痛風発作が起きている時は、触れるだけでも痛みが増す恐れがあるため刺激は逆効果です。
一時的な気持ち良さを感じることはあっても、後からさらなる痛みを招く可能性もあります。
痛風発作時には下記のような応急処置をしましょう。
- 患部を冷やす
- 安静にして動かさない
冷却パッドやアイスパックをタオルに包んで患部を冷やすと、炎症や痛みが軽減しやすいです。
また足首に痛みがある場合は、できる限り安静にして動かさないようにしてください。
無理に動かして負担がかかると症状の悪化を招きかねません。
ただしこれらはあくまで一時的な応急処置であり、完治にはつながらないため必ず医療機関を受診しましょう。
自己判断で市販の鎮痛薬を服用しない
痛風の痛みがあまりにもひどい場合は、市販のロキソニン等の鎮痛薬を服用しようとする方も多いでしょう。
しかし市販の鎮痛薬には、尿酸の排出に影響を与える種類もあるため注意が必要です。
特にアスピリン系の鎮痛薬は、尿酸値の上昇と尿酸排出の抑制を促すため、服用により症状が悪化するリスクもあります。
※参照:アスピリン「ホエイ」
また腎臓や肝臓に負担をかける成分を含む市販薬の場合、尿酸の排出が不十分だと腎機能に悪影響を及ぼすこともあるので注意しましょう。
なお医師が処方する薬と市販の鎮痛薬は有効成分の含有量が異なるため、効果が期待できなかったり副作用のリスクが異なる場合があります。
痛風による足首の痛みを感じた時は自己判断で服用せず、医師の指導のもと適切な薬を使用するのがおすすめです。
状態やご家庭の事情から、医療機関へ行くのが難しい場合は、ぜひエミシアクリニックのオンライン診療をご利用ください。
足首の痛風発作を早く治す・再発を防ぐための対策
痛風による痛みの再発を防ぐためには、日常生活の中で、尿酸値を下げるための工夫が重要です。
痛風は生活習慣病の一種とも言われています。
食生活や運動習慣・アルコール摂取量に気を付けることで、発症リスクを低減しましょう。
痛風の治し方を詳しく知りたい方はこちら!
痛風の治し方ガイド!症状別の治療法や応急処置・再発防止策を解説
尿酸値を下げる方法|効果に期待できる食べ物や飲み物・運動法を解説
プリン体の多い食品や飲み物を控える
プリン体の多い食品や飲み物を控えることは、尿酸値をコントロールするうえで効果的です。
プリン体の摂取を管理すれば、尿酸の過剰生成を防ぐことができます。
プリン体が多い食品で代表的なものは下記の通りです。
- レバー
- 魚卵
- イワシ
- カツオ
- ビール
これらは頻繁に摂取するのではなく、時折の嗜好品として楽しむ程度に控えるのが理想的です。
また食事の際にはバランスを意識しましょう。
野菜や穀物・乳製品を積極的に摂取することで、体内での尿酸生成を抑える効果に期待できます。
※参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団
肥満は尿酸値の上昇に直結するため、カロリーを抑えた食事を心掛けることも重要です。
積極的に水分を摂取する
水分摂取は、体内の尿酸を効率よく排出するために欠かせません。
特に痛風患者は脱水によって尿酸濃度が上昇しやすいため、こまめな水分補給が重要です。
目安としては1日あたり2リットル以上の水分を摂ることが望ましく、利尿作用のあるコーヒーやアルコールは控えましょう。
また就寝前や起床直後など、体内が脱水状態になりやすい時間帯に水を飲む習慣をつけると、尿酸の結晶化を防ぐ効果が期待できます。
適度に有酸素運動を行う
適度な運動は肥満の解消や代謝改善により、痛風の根本的な改善につながります。
ただし、過度な運動や無酸素運動は一時的に尿酸値を上昇させるため逆効果になることも。
以下のような継続可能な有酸素運動が理想的です。
- ウォーキング
- 水中ウォーキング
- 軽いジョギング
週に3〜5回、1日30分程度の運動を目安に無理なく取り組みましょう。
足首の痛みが残っている時期は運動を控えつつ、回復を待ってから再開してください。
※参照:東京都立病院機構
ストレスと痛風発作の関係にも注意
ストレスを適切に管理し、心身の健康を維持することも、尿酸値のコントロールに欠かせません。
ストレスが蓄積すると体内のホルモンバランスが崩れ、尿酸の生成や排泄に悪影響を及ぼすことがあります。
※参照:高尿酸血症.jp
ストレス解消には、日常生活でできる工夫が効果的です。
- 趣味の時間を持つ
- リラクゼーションを取り入れる
- 十分な睡眠を確保する
また過度なプレッシャーを避けるため、仕事や家庭でのストレスを発散する方法も見つけましょう。
根本的に痛風を改善するなら医療機関を受診しましょう
足首の痛みが気になる方は、症状を悪化させないためにも、早期に適切な診断を受けることが重要です。
とはいえ、忙しい日常の中で病院に行く時間を確保するのが難しい方も多いでしょう。
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診断の流れ | ①LINEの友だち追加 ②予約・事前問診 ③ビデオ通話にて診察 ④治療薬をお届け |
お届け内容 | ・治療薬2種類 (フェブキソスタット錠・ベネシット錠) ・痛み止め2種類 (コルヒチン錠・プレドニゾロン錠) ・尿酸値検査キット ・痛風・尿酸値治療ガイド ・処方薬のご説明 ・エミシアクリニックからのお知らせ |
痛風発作を経験したことがある方はもちろん、尿酸値が高めで心配な方・食生活や生活習慣の改善方法を知りたい方にもおすすめです。
初めて痛風に関する相談をする方でも、安心して利用できるようにわかりやすく親身な診療を提供いたします。
足首の痛風に関してよくある質問
以下では、足首の痛風についてよく寄せられる疑問にお答えします。
ポカリスエットは痛風に効果があるって本当?
「ポカリスエットを飲むと痛風に良い」という話を聞くことがありますが、水分補給の効果を指していると考えられます。
痛風は脱水状態になると尿酸値が上がりやすくなるため、水分補給は重要です。
ただし、ポカリスエットは糖分がやや多めに含まれており、過剰に摂取すると逆に肥満や尿酸値の上昇を招く恐れがあります。
発作時や運動後の一時的な補給としては問題ありませんが、日常的には糖分を含まない水や麦茶などの方が安心です。
女性でも痛風になる?初期症状は?
女性も痛風になります。
発症数は男性の方が多いものの、閉経後の女性は尿酸値が上がりやすく、痛風を発症するケースもあります。
女性ホルモンに尿酸の排出を促進する働きがあり、閉経によってその効果が弱まるためです。
初期症状は男性と同様、突然の関節の腫れ・熱感・激痛が主な特徴です。
違和感が出始めた段階で内科や整形外科に相談すると、早期発見につながります。
※参照:全国健康保険協会
痛風による足首の痛みは早期対処が大事
足首の痛みが痛風の症状かもしれないと感じたら、一度医療機関を受診することがおすすめです。
痛風は治療が遅れると慢性化し、症状が重篤化する可能性もあります。
初期症状である足首の激しい痛みを放置すると、発作が頻繁に起こるようになり、生活の質が低下するリスクも。
仮に発作が起きていなくても、尿酸値が基準値(7.0mg/dL)を超えている場合は、将来的に痛風を発症する可能性があります。
尿酸値をコントロールすることでリスクは軽減できますが、完全に予防することはできません。
チェックリストに当てはまった・痛風や尿酸値に不安を感じる方は、医療機関での診療をご検討ください。
また病院が近くにない・通院時間が取れない・他人の目が気になる方には、オンライン診療がおすすめです。