痛風とは尿酸値が上がり、尿酸の結晶が関節に溜まることで発生する激しい痛みを伴う病気です。
残念ながら完治できる病気ではないため、薬で症状をコントロールして適切に処置していく必要があります。
そこで本記事では、痛風薬の種類や効果・薬の飲み分けについて詳しくご紹介します。
最後まで読めば、副作用の対策や今すぐ実践できる症状の緩和までのステップ・予防方法を理解できるでしょう。
適切に薬を服用すれば痛みをコントロールできるため、疑いのある人は早期に医療機関へ相談してください。
この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
痛風発作に作用する薬は2種類ある
痛風発作時に服用する薬は、次の2種類です。
発作を「抑制する薬」と「治療する薬」の2種類があり、使用されるタイミングが異なります。
それぞれの薬の種類と、どのように作用するのかを解説します。
痛風の治し方について詳しくはこちら!
痛風の治し方ガイド!応急処置編~再発を防ぐ対策を解説
痛風発作抑制薬
痛風発作抑制薬とは痛風発作が起きないようにする薬のことで、種類・特徴は次の通りです。
種類 | 値段 |
---|---|
コルヒチン | 1錠 100〜200円程度 |
・インドメタシン ・ナプロキセン ・イブプロフェン | NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) 1錠 10〜50円程度 |
プレドニゾロン錠 | ステロイド薬 1錠 10〜50円程度 ※コルヒチンNSAIDsが効かない、重度の痛風発作時に使用 |
これらの痛風発作抑制薬はあくまで発作を抑える薬で、尿酸値を下げる働きはありません。
発作の前兆であるムズムズ感・ちくちくする痛みがある時や、発作が起こっている時に服用します。
エミシアクリニックでも、コルヒチン錠を取り扱っておりますので、気になる人は一度ご相談ください。
痛風の初期症状について詳しくはこちら!
痛風の初期症状は足のピリピリ?前兆や原因・対処法をわかりやすく解説
痛風発作治療薬
痛風発作治療薬は発作が起きている時に使用し、発作の痛みや炎症を緩和する薬です。
種類 | 用法・用量 |
---|---|
ナプロキセン | 消炎・鎮痛・解熱効果 非ステロイド性抗炎症薬 空腹時を避ける 発作時初回 400〜600mg(本錠4〜6錠) 通常 1日量300〜600mg(3〜6錠)を1日2〜3回に分ける |
プラノプロフェン | 消炎・鎮痛・解熱効果 非ステロイド性抗炎症薬 空腹時を避ける 発作時:75mgを飲む 通常:1日量225mgを1日3回に分けて飲む |
オキサプロジン | 消炎・鎮痛効果 非ステロイド性抗炎症薬 通常:1日量400mgを1日1〜2回に分けて飲む |
痛風発作治療薬は、十分に関節の炎症を抑えて沈静化させる目的で服用します。
薬の種類により飲む回数やタイミングや発作時の用法は異なるため、医師や薬剤師の指示に従い服用しましょう。
発作中は歩き回らず安静にし、患部を冷やすと症状が和らぎやすいためお試しください。
痛風の原因となる尿酸値の上昇を抑える薬
痛風は血中の尿酸値が上昇して、尿酸塩が関節に溜まると発作を発症します。
痛みの原因である関節の炎症が治ったら、尿酸値の上昇を抑える薬を服用しましょう。
尿酸値を下げる薬には、次の3種類があります。
いずれも少量から開始して尿酸値や尿酸排泄量を測定しながら、徐々に増量し3〜6カ月かけて維持量を決定してください。
尿酸排泄促進薬
尿酸排泄促進薬(にょうさんはいせつそくしんやく)は、血中の尿酸濃度を下げる目的で服用する薬です。
尿酸の再吸収を抑えて尿への排泄を促進するため、痛風の予防効果が期待できます。
尿酸排泄促進薬には、次のような種類があります。
- ブロコーム
- プロベネシド
- べンズブロマロン
- ドチヌラド
ただ肥満やアルコール摂取量の多い人は、尿酸の排泄機能が低下して腎臓に負担がかかりやすい傾向にあるので注意しましょう。
クリニックを受診する時は、薬の服用について医師に相談してください。
尿酸生成抑制薬
尿酸生成抑制薬は、体内で尿酸がつくられるのを抑制し、痛風の症状を改善する効果が期待できます。
- アロプリノール
- フェブキソスタット
- トピロキソスタット
また尿酸生成抑制薬は、痛風改善の目的以外に次の治療にも使用されることがあります。
- 高尿酸血症
- がん化学療法に伴う高尿酸血症(フェブキソスタットのみ)
尿酸値の適切な管理は痛風の再発予防や生活の質の向上につながるため、医師に相談しながら継続的に治療を進めましょう。
酸性尿改善薬
痛風の人は尿pHが酸性に傾いている事例が多く見られ、酸性尿改善薬が処方される場合があります。
酸性尿になると尿酸が溶けにくくなり、尿路結石や腎障害の原因になるためです。
酸性尿改善薬には、次の種類があります。
- クエン酸カリウム
- クエン酸ナトリウム水和物
血中にある血清尿酸値が高く、尿中の尿酸排泄量が多いほど尿路結石になるリスクが高まるため、痛風の人は尿の酸性化にも注意する必要があります。
服用により尿をアルカリに傾けて溶けやすくし、尿酸値の上昇を防ぎましょう。
痛風の薬を服用した時に考えられる副作用
尿酸値を下げる薬は、基本的に効果と安全性が認められている薬です。
合併症の有無や服用中の薬との相性により、医師が適切な薬を選択しますが、まれに次のような副作用が出る場合もあります。
副作用 | 詳細 |
---|---|
消化器症状 | ・口内炎 ・食欲不振 ・下痢 ・胃痛 ・腹痛 ・軟便 ・腹部不快感 |
腎機能障害 | 尿酸が結晶化して尿細管を詰まらせる |
肝機能障害 | 大量の服用や体質により代謝できない |
皮膚症状 | 薬への免疫低下やアレルギー反応 ・掻痒感 ・発疹 ・皮膚炎 ・多形紅斑 |
上記のような副作用が現れた場合は、かかりつけの医師に相談してください。
エミシアクリニックでは、副作用が現れた時にも自宅にいながらオンラインでアフターフォローを受けられます。
通院のストレスや待ち時間を気にすることなく、ご相談いただけるのが魅力です。
痛風の薬を服用する際の注意点
痛風の薬を服用する際には注意点があるため、次の2つを事前に確認しておきましょう。
誤った薬の服用で症状を悪化させてしまう恐れもあるので、薬の服用には注意してください。
発作が起きてる時の服用は避ける
痛風発作が起きている時の薬の服用は避けましょう。
発作時に尿酸値を下げる薬を飲むと、急激な尿酸の減少で溜まっていた尿酸結晶が放出され、発作が悪化して炎症や痛みが増す可能性があるためです。
尿酸値を下げる薬は発作の予防を目的としたもので、発作時の痛みや炎症を抑える効果はありません。
発作が起きている時は医師の指示に従い、痛みや炎症を抑える痛風発作治療薬を使用してください。
自己判断で止めたり増やしたりしない
痛風の治療を行う上で処方された薬は、必ず医師の指示に従って正しく服用してください。
自己判断で止めたり増やしたりすると、尿酸量や尿中の尿酸排泄量のコントロールが不安定になり、治療が長引く恐れがあります。
薬の飲み方で迷うことがあれば自己判断はせずに、医療機関に相談しましょう。
痛風のお悩みには、エミシアクリニックのオンライン診療が便利です。
診療後も痛みや症状に不安がある場合は、LINEを通じていつでも医師にご相談いただけますので、ぜひご利用ください。
痛風対策・予防したい人におすすめの生活習慣
痛風の対策・予防には、生活習慣の見直しが必要不可欠です。
尿酸値のコントロール管理に取り入れたいおすすめの生活習慣をご紹介します。
- アルコール飲料の制限
- プリン体の食品を控える
- 適度な運動
- 十分な水分摂取量
- ストレスの解消
過度な飲酒は避けた上で多く摂り過ぎていた食品を見直して、プリン体の摂取量を一日400mlを越えない食事を意識しましょう。
また血中の尿酸濃度を低下させる激しい運動は避けつつ、水分を多めに摂ることも大切です。
ただ急な生活習慣の管理や制限はストレスを生む原因になるので、軽めのウォーキングやサイクリングでストレスを発散するのもいいでしょう。
痛風治療は薬で尿酸値をコントロールするのはもちろん、生活習慣を整えて継続することが重要です。
尿酸値を下げる方法について詳しくはこちら!
尿酸値を下げる方法|効果に期待できる食べ物や飲み物・運動法を解説
痛風の薬に関してよくある質問
痛風の薬に関してよくある次の3つの質問にお答えします。
薬の飲み方を誤ると痛風発作が起きやすく副作用のリスクも高まるため、服用に関する疑問は事前に解決しておきましょう。
痛風に効く薬(痛み止め)は市販でも購入できる?
痛風に効く痛み止めの薬は市販でも購入できます。
一時的な痛みを和らげるため、市販で購入できるロキソニン等の鎮痛消炎薬を服用することも可能です。
ただし、以下の点には注意してください。
- 用法・用量を守る
- 医師や薬剤師へ相談する
- あくまで応急処置であることは忘れない
痛みがひどいからと用量を超えて服用すると、副作用の悪化につながるリスクがあります。
市販薬を使用する時は医師や薬剤師へ相談してください。
しかし市販薬の薬を飲んでも根本的な治療にはなりません。
再び痛風発作を起こさないよう尿酸値を下げるには、医療機関で処方される薬が必要です。
市販薬の使用は、どうしても病院に行くのが難しい時や病院の休診日などに留め、早めに医療機関を受診しましょう。
尿酸値を下げる薬はいつまで飲み続けるの?
尿酸値を下げる薬は、3〜6カ月程かけて徐々に数値をコントロールしながら服用します。
しかし尿酸値を下げる薬を飲む期間は、一定ではありません。
薬で症状を抑えて尿酸がつくられにくい生活習慣に慣れるまでの期間には個人差があります。
薬の服用を続けながらもプリン体が多い食事を控え、水分補給や運動を習慣化するなど、生活習慣の改善が必要不可欠です。
薬は新たなライフスタイルを習慣化するまでの、痛風や腎機能低下を抑えるサポートアイテムとして捉えてみてはいかがでしょうか。
痛風の薬を飲み忘れたらどうすればいい?
痛風の薬を飲み忘れたら、次の通り服用してください。
気付いたタイミング | 飲み方 |
---|---|
次に飲む時間まで 遠い場合 | 気付いた時点ですぐに1回分を飲む |
次の飲む時間が 近い場合 | 1回飛ばして次の時間に1回分を飲む |
痛風の薬は尿酸値をゆっくり下げて段階的に量を増やすため、2回分を1度に飲んではいけません。
自己判断でやめたり量を変更するのは症状の悪化・再発の要因になるため、指示された量を守り、毎日飲み続けることが大切です。
※参照:東和薬品株式会社(痛風・高尿酸血症でフェブキソスタット錠「トーワ」を服用される方へ)
痛風のご相談ならエミシアクリニックへ
痛風のご相談ならオンライン診療を実施しているエミシアクリニックへご相談ください。
薬の服用や生活習慣の見直しで改善できるとはいえ、尿酸値の数値が改善されるまでには時間を要します。
発作が続けば症状の悪化を招くため、早めの治療が肝心です。
処置を行えば再発予防も可能になり、合併症のリスクも回避できるため、早めに医療機関を受診しましょう。
なおエミシアクリニックのオンライン診療は、24時間LINEから受付可能です。
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