低用量ピルの服用を開始したいけど、「どう飲めばいいかわからない」「副作用が心配」など、利用前に疑問を解決しておきたい方もいるのではないでしょうか。
低用量ピルの服用により避妊効果や生理痛緩和に期待できるため、正しく理解した上で利用しましょう。
本記事では低用量ピルの中でもマーベロンに視点を絞り、薬の作用や服用時の注意事項をわかりやすくご紹介します。
最後まで読めば、低用量ピル「マーベロン」の正しい服用方法がわかります。
副作用への対策方法についてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
▼マーベロンがおすすめの人
- 避妊の確率を上げたい
- 月経不順がある
- 生理痛やPMSを緩和させたい
- 予定に合わせて生理を遅らせたい
なお、エミシアクリニックでもマーベロンの取扱いがありますので、低用量ピルが気になる方はオンライン診療をご検討ください。
ピル全般の特徴について詳しくはこちら!
ピルとは?避妊・生理トラブル改善の効果や副作用・安全性について解説
この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
マーベロンは第三世代の低用量ピル
ピルに配合される黄体ホルモンは、第一世代から第四世代まで種類が異なり、マーベロンは第三世代の低用量ピルです。
第三世代のピルには下記2種類の女性ホルモンが配合されています。
- 黄体ホルモン「デソゲストレル」
- 卵胞ホルモン「エチニルエストラジオール」
「デソゲストレル」は天然の黄体ホルモンに似た性質を持っており、主に下記の目的で利用されます。
- 生理周期の調整
- ホルモンバランスの調整
- 避妊
- 月経異常の緩和
なお「エチニルエストラジオール」は、各世代に共通して配合されている薬です。
※参照:一般財団法人日本医薬情報センター
他の低用量ピルとの違い
ピルの種類を示す「世代」は開発順となっており、副作用を抑えつつ黄体ホルモンの作用を発揮できるピルが開発されてきました。
下記で、マーベロンと他の低用量ピルの特徴を比較してみましょう。
黄体ホルモン | 薬の種類 | |
---|---|---|
第一世代 | ノルエチステロン | ルナベル |
第二世代 | レボノルゲストレル | ・トリキュラー ・ラベルフィーユ |
第三世代 | デソゲストレル | ・マーベロン ・ファボワール |
第四世代 | ドロスピレノン | ヤーズ |
メリット | デメリット | |
---|---|---|
第一世代 | 出血量が減りやすく、月経困難症のコントロールがしやすい | 不正出血・肌荒れ・多毛 |
第二世代 | 不正出血が起きにくい | ・肌荒れ・体毛の増加 ・体臭が強くなる恐れ |
第三世代 | 男性ホルモンの抑制や、肌荒れ・多毛症の改善 | 血栓症のリスクあり |
第四世代 | 副作用が起こりにくい | 避妊目的では使用されない |
第三世代のマーベロンは、正しく服用すれば避妊効果に期待ができます。
さらに第二世代までの不正出血や、男性ホルモン作用による肌荒れなどのデメリットを抑えた低用量ピルです。
極力、自然に近い状態で生理周期をコントロールしたい方にはマーベロンをおすすめします。
マーベロンに期待できる効果
下記では、マーベロンに期待できる効果を解説します。
パートナーと良好な関係を築きたい・生理前後の症状に悩まされている方は、ぜひチェックしてください。
避妊効果
低用量ピルのマーベロンには避妊効果が期待できます。
月経初日から5日目までの間に服用を開始し、7日間以上飲み忘れなければ排卵が抑制される仕組みです。
避妊効果を早いタイミングで発揮したい方は、生理初日に服用しましょう。
ただしマーベロンの避妊効果は、必ずしも100%ではありません。
医薬品ガイドによると、飲み忘れを含めた一般的な使用においての失敗率は9%と報告されています。
※参照:マーベロン21、マーベロン28「患者向医薬品ガイド」
マーベロンは、飲み忘れさえしなければ、避妊効果に期待できる低用量ピルと言えるでしょう。
月経困難症(生理痛)やPMSの緩和
マーベロンの服用により、月経困難症(生理痛)やPMSなどの緩和に期待ができます。
そもそも、月経困難症(生理痛)やPMSは次のような原因で起こります。
- 月経困難症(生理痛):排卵
- PMS:ホルモンの急激な変化にともなうホルモンバランスの乱れ
低用量ピルで排卵を抑えて、ホルモン分泌の急激な変化がなくなれば、上記の影響も抑えやすいです。
※参照:日本産婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーげん配合のガイドライン」P46.49
生理のたびに辛い生理痛を痛み止めで逃したり、PMSの症状で日常生活を送りにくいと感じている方は、マーベロンを服用して過ごしやすい日常を手に入れましょう。
生理を遅らせる(ずらす)・月経不順の改善
マーベロンを飲むと、生理が遅れることで月経不順を改善できる可能性があります。
と言うのも、ピルはホルモンが含まれない偽薬を飲む期間に生理が来るよう開発されているためです。
実薬を飲む期間と偽薬を飲む期間を設けることで、生理のタイミングを意図的にズラし、周期を改善するためにも処方されます。
マーベロンは、予定に合わせて生理を遅らせる、または月経不順を調整したい方にもおすすめです。
※参照:日本産婦人科学会「低容量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合材のガイドライン」P13.14
マーベロンの正しい飲み方
マーベロンには、マーベロン21・マーベロン28の2種類があります。
期待する効果を得るためにも、下記を参考に正しく服用してください。
量 | 時間 | 飲み方 | |
マーベロン28 | 1日1錠 | 毎日一定の時刻 | 白色の錠剤:21日連続 →緑色錠(プラセボ錠)を7日間服用 |
マーベロン21 | 1日1錠 | 毎日一定の時刻 | 白色の錠剤:21日連続 →7日間の休薬期間 |
いずれも1シート合計28錠入りで、飲み終わったら次のシートの1錠目から服用を繰り返します。
正しく飲まないと目的の効果を得ることはできないため、飲み忘れのないように注意しましょう。
マーベロンを飲み忘れた時の対応
マーベロンを飲み忘れてから24時間以内に気づいた場合は、その時点ですぐに飲んでください。
またその日の服用時間にも予定通り服用し、合計2錠服用して問題ありません。
ただ、飲み忘れから24時間以上経過している時は、次の手順で服用してください。
- 服用を中止する
- 残ったシートは破棄して、次の月経開始を待つ
- 次回の月経開始からは、新しいシートの服用を開始する
次の月経開始を待つ間は、別の方法で避妊する必要があるので注意しましょう。
なお低用量ピルの服用を再開するまでは、パートナーには必ずコンドームを着用してもらう必要があります。
望まない妊娠を防ぐためには、パートナーにも協力してもらうことが大切です。
判断に迷った時は医師に相談してください。
エミシアクリニックでもLINEから無料でご相談いただけるため、お気軽にお問合せください。
マーベロン服用による副作用
マーベロンの服用により、副作用がみられる場合があります。
副作用の有無には個人差がありますが、次のような症状があります。
症状 | 服用開始から の期間 | 対処法 |
---|---|---|
頭痛 | 2〜3ヶ月 | 飲み続ける |
吐き気 | 1〜3ヶ月 | 夕食後や就寝前に服用する |
めまい | 数日〜数週間 | ・夜、寝る前に服用する ・十分に水分補給をする |
むくみ | 1〜2ヶ月 | ・適度な運動を行う ・水分補給をする ・塩分を控える |
胃のムカつき | 1〜2ヶ月 | ・夕食後に服用する ・食事量を減らしこまめに摂る |
不正出血 | 1〜3ヶ月 | ・少量の出血は対処不要 ・長引く、量が多い時は医師に相談 |
乳房痛 | 1〜2ヶ月 | ・サイズのあったブラジャーを着用する ・カフェイン摂取を控える ・塩分を控える |
血栓症 | 3〜4ヶ月以内 | ・十分に水分補給をする ・禁煙する ・適度な運動を行う |
低用量ピルの飲み始めに起きやすい副作用が気になる方は、担当医師に相談しましょう。
※参照:日本産婦人科学会「低容量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合材のガイドライン」
マーベロンを服用できない人の特徴
マーベロンを含む低用量ピルを服用できない人は、次の通りです。
- 初経がまだの人、閉経後の人
- 35歳以上で1日15本以上喫煙する人
- 体質的に合わない人
- 血管に異常のある糖尿病の人
- 診断の確定していない性器出血のある人
- 高血圧の人
- 血栓症のリスクが高いと判断された人
- 心臓、腎臓疾患のある人
- 肝障害のある人
- 併用注意、併用禁忌の薬を服用している人
- 妊婦、または妊娠の可能性がある人
- 産後、6ヶ月未満で授乳中の人
- 乳がん、または子宮体がんにかかってる人
- 閃光を伴う、片頭痛のある人
- 閃光を伴わない、片頭痛のある35歳以上の人
- 術後、安静状態が必要な人
上記に当てはまる人は、マーベロンおよび、低用量ピルの服用ができません。
薬効成分の一つであるデソゲストレルは、静脈血栓発症の危険率を増加させ、脳卒中のリスクが高まるためです。
避妊したい方は、低用量ピル以外の避妊方法を選択しましょう。
※参照:日本産婦人科学会「低容量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合材のガイドライン」
マーベロンの値段
マーベロンの値段は、1シート(1ヶ月分)で2,500円〜3,000円程度が相場です。
保険適用外のためクリニックにより、それぞれ価格が異なります。
月経困難症やPMSなど、治療を目的とした処方には保険が適用されますが、避妊のための使用は保険適用外です。
服用の目的によって値段が変わるほか、クリニックによっては薬代のほかに初診料(再診療)や必要に応じて検査費用がかかる場合もあります。
エミシアクリニックのオンライン診療では、低用量ピルを1シート3,240円から処方しており、診療代・送料0円でお届けいたします。
マーベロンを通販・個人輸入で買うのはNG
マーベロンを通販・個人輸入で買うのは絶対にやめましょう。
特に海外の通販や輸入で販売されている薬は、日本で正規に流通されていない商品の場合があります。
医療機関以外で入手したものには、偽造品が紛れているケースもあり、品質や安全性の保証ができません。
また医師の診断による処方でない場合、体質に合わない恐れもあり副作用のリスクが高まります。
マーベロンを服用する時は、必ず医療機関を受診して、医師の診断の上で服用を開始しましょう。
マーベロンに関して良くあるQ&A
マーベロン服用による副作用への疑問や飲み方など、下記では良くある4つの質問にお答えします。
マーベロンは太るって本当?
マーベロンの服用により、体重が増加して太ることはありません。
低用量経口避妊薬のガイドラインによると、低用量ピル服用と体重増加には因果関係はないとされています。
ただ低用量ピルを服用すると、ホルモンの働きにより体内に水分を溜め込みやすくなるので、一時的にむくみを感じる場合があるでしょう。
また食欲が増加することもあり、体重が増えるケースもあるようです。
マーベロンの服用が直接的な原因になることはありませんが、太りやすいと感じる場合は食事管理や適度な運動を心がけましょう。
※参照:日本産婦人科学会「低容量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合材のガイドライン」
マーベロンは保険適用になる?
マーベロンは、医師が「治療の一環として低用量ピルの服用が必要」と判断した場合のみ、保険が適用されます。
妊娠することは病気ではないので、避妊や月経を遅らせる目的で保険は適用されません。
ただ辛い生理の症状を軽減するための処方として月経困難痛やPMSの緩和を目的とした場合は、保険が適用されるため医療機関の受診を検討しましょう。
エミシアクリニックのオンライン診療サービスでも、同様の条件で低用量ピルを処方していますのでぜひご相談ください。
マーベロンを休薬しないで飲み続けるとどうなる?
マーベロンを休薬しないで飲み続けると、不正出血を起こす可能性があります。
子宮内膜が薄く不安定になり、少量の出血が起こりやすくなるためです。
通常は、低用量ピルの休薬期間に生理と同じような出血があります。
「消退出血」と呼ばれ、子宮内膜が剥がれることで起こるものです。
服用し続けてしまうと子宮内膜が安定しないため、マーベロンを飲む時は休薬期間を設けて正しく服用しましょう。
マーベロンでニキビが悪化するって本当?
マーベロンを飲み始めると、ニキビが悪化する場合があります。
低用量ピルを飲み始めた当初は、ホルモンバランスの変化で、体調や肌変化を感じる可能性があるためです。
ニキビが悪化する具体的な理由は、次の3つです。
- ピルが体質に合っていない
- 生活習慣や食事バランスが偏っている
- ピルを飲む量や飲み方を間違っている
マーベロンの服用を開始してニキビが悪化する時は、上記を見直す必要があります。
しかしピル自体が体質に合っていない場合も考えられるので、2〜3ヶ月飲み続けてニキビが改善しない場合は、飲むのを中断して医師に相談してください。
マーベロンを正しく服用し望まぬ妊娠を避けましょう
低用量ピル「マーベロン」は、正しく飲むことで望まぬ妊娠を避ける効果に期待できます。
また生理痛やPMSなどの辛い生理症状を緩和する目的でも処方される薬です。
生理中の痛みや不快症状は当たり前のもの、と思わずに早めにケアしましょう。
正しく服用すれば日常生活を送りやすくなり、パートナーと良好な関係も築きやすくなります。
マーベロンの処方は、オンライン診療サービスが利用できるエミシアクリニックにご相談ください。