「尿酸値の基準はどのくらい?」
「基準値より高いとどうなるの?」
このような方のために、今回は尿酸値の正常値と、数値が高いことのリスク について解説。
尿酸値の測定方法や、尿酸値がなぜ上がるのかについても触れていきます。
健康診断で尿酸値が「高い」と診断された方は、正常値を知って対策することが大切。
放置していると、治療が必要になったり痛風を発症したりします。
尿酸値の基準値・適正な目標値
尿酸値の適正な基準値は〈7.0mg/dL以下〉 とされています。
※参考:一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」
尿酸値7.0mg/dLまでなら正常範囲。
7.0mg/dL以上の状態は尿酸値が高い“高尿酸血症”と呼ばれます。
高尿酸血症になると、後述するように痛風などの合併症を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。
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尿酸値が高いと「痛風」などの合併症の危険あり
尿酸値7.0mg/dL以上で高尿酸血症になると、痛風だけでなく腎臓結石・尿管結石・腎臓病といった合併症を引き起こすリスクが高くなります。
尿酸値が上がるのは、尿酸の血中濃度が高いから。
尿酸は関節などに蓄積して結晶化するため、それにより痛風を引き越します。
また血中の尿酸が増えることで血管に負担がかかり、脳血管障害や心血管障害といった命にかかわる合併症のリスクもあるというわけです。
尿酸値が7.0mg/dL近くの人は早めの対策を推奨。
健康診断などで「尿酸値7.0mg/dLまたは、それ以上」と診断された方は、尿酸値を下げる対策や医師に治療の相談 をしてみてください。
尿酸値が一度高くなると痛風再発のリスクがある
一度高尿酸血症になり痛風を発症すると、再発を繰り返すようになります。
痛風は1〜2週間ほどで自然に治るため放置する方も多いでしょう。
しかし、放置しておくと半年〜1年以内に再発する可能性が高いと言われています。
くわえて、尿酸値が7.0mg/dL以上と高くなり、薬で尿酸値を急激に下げると痛風発作が起きるリスクもあります。
※参考:一般社団法人 北海道薬剤師会「尿酸値を急激に下げると痛風発作が起きる理由」
このように尿酸値が一度高くなると痛風発症を繰り返すリスクがあるため、日頃から尿酸値上昇の予防が必要 です。
https://emishia-clinic.jp/media/uricacid-level-lower/
尿酸値が低すぎるのも危険
尿酸値2.0mg/dL以下は「低尿酸血症」と呼ばれる状態。
尿酸値が低い状態で、急性腎不全になる可能性があります。
尿酸値が高いと痛風などの原因になりますが、尿酸値が低すぎてもダメというわけです。
低尿酸血症には治療法はなく、激しい運動を控えるなどの対策が必要となります。
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尿酸値8〜9以上は異常値!治療が必要
尿酸値7.0mg/dL以上は高尿酸血症ですが、尿酸値8.0mg/dL〜9.0mg/dL以上の場合は治療が必要なレベルです。
合併症の発症などを考慮して、尿酸値8.0mg/dL以上になると投薬治療を開始。
あわせて食習慣や生活習慣の改善を行い少しずつ尿酸値を正常範囲まで下げていきます。
高尿酸血症になった場合の改善目標は尿酸値6.0mg/dL以下 。
上述したように、急激に尿酸値を下げると痛風発作のリスクがあるため、投薬治療などで少しずつ尿酸値を下げていきます。
少しずつ尿酸値を下げていくため、高尿酸血症になった場合は33ヶ月もの治療期間が必要です。
※参考:株式会社三和化学研究所
高尿酸血症になると治療に時間がかかるため、尿酸値が気になり始めたら早めに対策をしましょう。
https://emishia-clinic.jp/media/uricacidlevel-lower-food/
尿酸値9以上だと痛風発症リスクは30倍以上も上昇
尿酸値ごとの痛風発症率が以下の通りです。
尿酸値 | 痛風発症率 |
---|---|
6.0mg/dL以下 | 0.5% |
6.0mg/dL〜6.9mg/dL | 0.6% |
7.0mg/dL〜7.9mg/dL | 2.0% |
8.0mg/dL〜8.9mg/dL | 4.1% |
9.0mg/dL〜9.9mg/dL | 19.8% |
10mg/dL以上 | 30.5% |
尿酸値が正常値だと痛風の発症率は1%以下 。
しかし、高尿酸血症とされる尿酸値7.0mg/dL以上になると、正常値の2倍以上まで発症率が高まります。
それだけでなく、尿酸値が9.0mg/dL以上になると痛風の発症リスクは正常値の30倍以上も上昇。
痛風以外の合併症も引き起こしやすくなっているため、早めの検査や治療が大切です。
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尿酸値の測定方法
尿酸値は血液検査 で測定することができます。
健康診断や人間ドッグで行われる血液検査の測定項目に含まれているため、健康診断を受けていれば尿酸値もわかるはずです。
健康診断などの血液検査で「尿酸値が高い」と診断された場合、さらに尿検査を行い腎臓機能をチェック。
以下のような高尿酸血症のタイプを診断して治療方法を考えていきます。
- 尿酸を作る量が多いタイプ
- 尿からの尿酸排泄が少ないタイプ
- 便からの尿酸排泄が少ないタイプ
尿酸値はなぜ上がる?尿酸値が高くなる原因
尿酸値が上がるのは、おもに以下のような原因が考えられます。
- 尿酸値が上がりやすい食生活をしている
- お酒(アルコール)の過剰摂取
- 運動不足による肥満体型
- 水分をあまり摂らない
- 女性ホルモンの分泌低下
尿酸値の原因である尿酸とは、体のエネルギー源であるプリン体が分解されたときに出る“残りカス”。
本来は尿や便といっしょに排泄されますが、上記のような原因で体内に溜まっていくと尿酸値が上がってしまいます。
〈尿酸値が高い=ビールの飲み過ぎ〉というイメージもありますが、尿酸が溜まるのはプリン体の多いビールだけではないんですね。
尿酸値が気になる方は、食習慣・生活習慣を見直していきましょう 。
https://emishia-clinic.jp/media/uricacid-level-high/
https://emishia-clinic.jp/media/uricacidlevel-high-food/
まとめ:尿酸値が基準値より高い人は早めに対策!
今回解説したように、尿酸値の基準は7.0mg/dL以下 。
尿酸値7.0mg/dL以上になると“高尿酸血症”となり、痛風をはじめとする合併症のリスクが高まるため注意してください。
そして尿酸値8.0mg/dL〜9.0mg/dL以上の場合は治療が必要なレベル。
健康診断の尿酸値の結果が正常値よりも高かった方は、早めに検査・治療を行なってください。
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