お酒と一緒に飲むと、バイアグラの効果はどうなるのでしょうか?
現時点ではバイアグラそのものに、飲酒との作用は特に認められていませんが、アルコールの影響でEDに繋がる可能性も考えられます。
今回はバイアグラの正しい服用方法と、飲酒による影響を解説します。
これからバイアグラを服用する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した医師
上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任
バイアグラの効果は?お酒と飲んでも大丈夫?
バイアグラの効果は以下です。
- 勃起不全の改善
- 勃起力の持続
- 性行為に満足できる
バイアグラを服用することで、ED改善に繋がり中折れなどの症状も改善できます。
血管を広げる作用もあるため、血流がよくなり勃起しやすくなります。
またバイアグラはお酒と一緒に飲んではいけないという、医学的根拠はありません。
バイアグラの添付文書にも、服用するときはアルコールを避けるべきなどの記載はありませんでした。※
バイアグラの主な成分である「シルデナフィル」でも、アルコールによる作用も認められていません。
バイアグラの服用時に多少の飲酒は問題ないと言えるでしょう。
しかし基本的な服用方法として、食前の空腹時にバイアグラを飲むことが推奨されています。
※参考:日経メディカル処方薬事典「バイアグラ錠50mgの基本情報」
バイアグラの効果については、以下記事でも詳しく解説しています。
>>バイアグラの効果は?特徴や飲み方・副作用についても解説!
お酒(アルコール)による勃起への影響は?
バイアグラそのものには飲酒との作用は認められていませんが、飲酒は勃起力低下に繋がる可能性があります。
大量飲酒を行った男性の性機能障害についての研究では、患者の59%が勃起不全を経験し、48%に射精能力の欠如がありました。
定期的な飲酒の開始から現在までの飲酒の量、頻度、および期間は、性機能障害に関連していた。大量飲酒中。患者の59%が勃起不全を経験し、48%が射精能力の欠如を報告し、84.4%が少なくとも1種類の性機能障害を経験しました。
引用:W Mandell「Male sexual dysfunction as related to alcohol consumption: a pilot study」
大量の飲酒を行った過半数にED(勃起不全)の症状が現れています。
飲酒は脳の中枢神経の機能を鈍くさせるため、勃起しづらくなると言われています。
また大量の飲酒は、運動機能の障害や意識混濁の可能性もあるでしょう。※
泥酔状態になると性行為ができない可能性もあるので、飲酒は適量にしておきましょう。
※参考:厚生労働省「アルコールの作用」
適量のアルコールならED緩和に
適量のアルコールはED緩和に繋がります。
厚生労働省では、多少のアルコールはリラックスに繋がると記載されています。
どのくらいの血中濃度でこれらの効果が現れるかは、個人のアルコールに対する感受性などによっても異なりますが、少量の飲酒は活発になったり不安感を減らしたり陶酔感をもたらすといった効果があるため、コミュニケーションの潤滑剤のような使われ方をされます。
※引用:厚生労働省「アルコールの作用」
そのため性行為への緊張や不安などを軽減することもあるでしょう。
また具体的な飲酒量の目安として「適度な飲酒は1日平均純アルコールで20g程度」との記載があります。
そのほかの飲酒量の目安は以下。
種類 | 飲酒目安量 |
ビール中ビン(1本) | 500ml |
日本酒(1合) | 180ml |
缶チューハイ | 350ml |
ウイスキーダブル(1杯) | 60ml |
※参考:厚生労働省「アルコールの作用」
これらの目安は、日本人や欧米人を対象とした研究から割り出された数値です。
しかし飲酒量は個人差があるため、お酒に弱い方は飲み過ぎを控えましょう。
バイアグラを服用するときは、飲酒はできるだけ少量にとどめておくことが大切です。
バイアグラの正しい服用方法
バイアグラの正しい服用方法は以下。
- 空腹時に服用する
- 性行為の1時間前に服用
- 1日1回まで
バイアグラは空腹時に服用しておくことで、吸収をスムーズにします。
また服用は性行為の1時間前に行うことで、適切な効果を得られるでしょう。
空腹時に服用する
バイアグラは空腹時に服用しましょう。
理由として空腹時より食事とバイアグラを一緒に服用すると、効果が遅れる可能性があるためです。
用法・用量(主なもの)
(用法及び用量に関連する注意)食事と共に本剤を投与すると、空腹時に投与した場合に比べ効果発現時間が遅れることがある〔16.2.1参照〕
バイアグラを服用する際は胃に食べ物が残ってる状態ではなく、食後は時間を空けてから服用をしましょう。
性行為の1時間前に服用
バイアグラは性行為の1時間前に服用しましょう。
用法・用量(主なもの)
通常、成人には1日1回シルデナフィルとして25mg〜50mgを性行為の約1時間前に経口投与する
バイアグラは飲むだけで勃起することはありません。
性的刺激を感じた時に限り、勃起作用をサポートする薬剤です。
服用した1時間後に自然と勃起する訳ではないので安心してください。
1日1回まで
バイアグラの服用は1日1回で、24時間ずつ間隔をあけて投与しましょう。
添付書類にも、投与は24時間以上経ってからという内容が記載されています。
用法・用量(主なもの)
1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。
効き目を感じられないと服用量を多くしたくなりますが、自己判断で用量を変えないようにしてください。
25mgで効果を感じない場合は、医師の判断のもと50mgまで服用を増加可能です。
またバイアグラの効果を感じられないのは、持病や併用している薬が問題の可能性もあります。
医師の診療のもと用法要領を守って薬剤を服用しましょう。
バイアグラに関するQ&A
バイアグラに関してよくある質問をご紹介します。
バイアグラの服用は医師へ相談して、医療機関で処方してもらいましょう。
バイアグラとお酒は飲み合わせていい?
バイアグラをお酒で飲むのは控え、基本は水で服用します。
また医薬品服用時には、150mLのコップ一杯程度の水をとることが大切です。※1
バイアグラ服用後であれば、少量のお酒は問題ないと言えます。
ただし大量飲酒は判断力や運動能力が低下するため、控えましょう。※2
※1参考:東和薬品医療関係者向けサイト「医薬品服用時の飲水量に関する調査」
※2参考:厚生労働省「アルコールの作用」
バイアグラは25mgとバイアグラ50mgの違いは?100mgはないの?
それぞれのバイアグラは「シルデナフィル」の含有量が違います。
年齢や服用している薬などから、適した容量を医師に選んでもらいましょう。
また現在日本ではバイアグラ25mg〜50mgのみ利用可能です。
通常、成人には1日1回シルデナフィルとして25mg~50mgを性行為の約1時間前に経口投与する。高齢者(65歳以上)、肝障害のある患者及び重度の腎障害(Ccr<30mL/min)のある患者については、本剤の血漿中濃度が増加することが認められているので、25mgを開始用量とすること。1日の投与は1回とし、投与間隔は24時間以上とすること。
バイアグラ100mgは国の認可が降りていないので、インターネット通販での購入は控えてください。
バイアグラ半分で効果はある?
もし50mgバイアグラを半分利用した場合、25mg分バイアグラを服用したことになるため効果があると言えます。
25mgのバイアグラで効果を感じられる方であれば、特に服用は問題ありません。
ただし基本の服用方法は医師の指示に従いましょう。
バイアグラを服用するなら大量飲酒は控えよう。正しい用法用量を守って服用を
バイアグラを服用するなら大量飲酒は控えましょう。
バイアグラの効果に影響はないものの、アルコールの取りすぎが勃起力の低下に繋がることがあります。
またバイアグラを効果を感じられるように、正しい用法容量で服用しましょう。
服用は1日1回まで、空腹時に服用することが大切です。