現在、薬局でバイアグラを購入することはできません。
バイアグラは医師に処方してもらう必要があります。
この記事ではバイアグラが市販されてない理由や、具体的な入手方法をご紹介。
精力剤や処方薬との違いについてもわかります。
これから購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を監修した医師
上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任
バイアグラとは?
バイアグラとはED治療薬の一種です。
アメリカのファイザー社が開発し、世界初のED治療薬になりました。
バイアグラの効果について、添付書には以下のような記載があります。
4. 効能又は効果
勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持が出来ない 患者)参考:バイアグラ添付書
バイアグラは十分な勃起と維持ができない場合に、医師の診断のもとで利用可能です。
中折れや性行為の満足度が低い状態であれば、服用してみると良いでしょう。
バイアグラは薬局で買える?市販されている?
バイアグラはマツキヨやスギ薬局などの薬局・ドラッグストアで買うことはできません。
バイアグラは「市販薬」ではなく「処方薬」であるのが理由です。
1999年に厚生労働省でバイアグラは処方薬として認可済み。
クエン酸シルデナフィル製剤(バイアグラ)の承認について
平成11年1月25日
クエン酸シルデナフィル製剤については、ファイザー製薬株式会社(本社:東京都新宿区)より薬事法に基づき製造(輸入)承認申請があった勃起不全治療薬であるが、本日、承認されるとともに、同法に基づく要指示医薬品として指定されたところです。
日本国内で正規品を手に入れるには、医師に処方してもらう必要があります。
バイアグラの添付書類に、医師の判断に従う旨が記載されているためです。※
購入を検討しているなら、医療機関で医師に相談してみましょう。
バイアグラは購入できませんが、精力剤や漢方などの市販薬は薬局での購入も可能です。
参考:バイアグラ添付書
市販薬(精力剤)と処方薬の違いは?規格品はどれ?
市販薬と処方薬はそれぞれ定義が違います。
具体的な違いと定義は以下。
定義 | 特徴 | |
市販薬 (一般用医薬品) | 一般の人が自らの判断で服用する薬 | 軽度な疾病に伴う症状の改善など |
処方薬 (医療用医薬品) | 医師の指示のもと服用する薬 | 医師等の管理が必要な疾病の治療など |
※参考:厚生労働省「医療用医薬品と一般用医薬品の比較について」
バイアグラは医師の診療が必要な処方薬(医療用医薬品)に位置付けられています。
精力剤は市販薬のため、ED治療薬とは違います。
ネット通販で販売されているものは、規格品がどうか一般人には見分けがつきません。
ED治療薬のように国内で承認されている薬剤は、医師の適切な診断のもと医療機関で服用するのが望ましいでしょう。
バイアグラの購入方法は?3つの入手方法とメリット・デメリット
バイアグラの購入方法は以下。
- 病院で直接購入
- オンライン診療
- 通販の利用
バイアグラを服用したいときは、医療機関で診療してもらうのが良いでしょう。
相談しにくいですが、自分で対処するよりも改善効果が期待できます。
人目が気になり来院しにくい場合は、オンライン診療なども一つの手段です。
通販の利用は正規品か判断できないため、購入は控えましょう。
病院で直接購入
バイアグラは病院で直接購入ができます。
具体的なメリット・デメリットは以下です。
メリット | デメリット |
・直接医師に相談できる ・飲み合わせについて確認できる ・その日に薬を入手できる | ・通院時間が必要 ・交通費がかかる ・医療機関によって料金が違う ・近くにバイアグラを処方している病院がない可能性 |
バイアグラを医療機関で直接購入することで、医師の指示のもと服用できるのが安心。
持病がある人も服用可能か直接医師に相談できるでしょう。
通院には時間と交通費が必要になるため、それらも考慮してください。
地域によっては、近くにバイアグラを処方している病院がない可能性もあります。
オンライン診療
オンライン診療でバイアグラを入手することも可能です。
メリット | デメリット |
・自宅で受診できる ・人の目を気にしなくていい ・交通費が必要ない | ・送料が必要な場合がある ・医療機関によって料金が違う |
オンライン診療は、スマホやPCがあればどこでも受診できます。
自宅での受診もできるため、忙しい人やクリニックが近くにない人も利用しやすいでしょう。
クリニックに出入りする必要がないので、周りの目が気になる方でも利用しやすいのが特徴です。
自宅から正規品のバイアグラを手に入れられる手段だと言えるでしょう。
通販の利用
バイアグラを通販で利用するメリット・デメリットは以下。
メリット | デメリット |
・安く購入できる可能性 | ・医師に相談できない ・副作用が起きた場合の対応が難しい ・偽物である可能性 |
通販の利用は医師に直接相談できません。
何か副作用がでた場合、的確な治療を行えない可能性もあるでしょう。
個人輸入によって健康被害の危険性があり、厚生労働省では個人輸入に関する注意喚起がされています。
医薬品等の個人輸入は健康被害などの危険性があります
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、体外診断用医薬品又は再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)を、海外からインターネット等を利用して取り寄せ、又は外国の旅行先で購入して持ち帰る等(いわゆる個人輸入)して、使用される方がいらっしゃいます。しかし、そうした医薬品等は、日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品等に比べて、次のような保健衛生上の危険性(リスク)があります。
使用が禁止されている人(禁忌)や同時服用できない薬(併用禁忌薬)の判断は個人では難しくなります。
リスクを避けるためにも、できる限り通販の利用は控えましょう。
バイアグラの種類
世界各国で販売されている規格のバイアグラは、以下に限られています。
製品名 | 一般的名称 | 日本で承認されている種類 | 他国で承認されている種類 |
バイアグラ錠 | シルデナフィルクエン酸塩錠 | バイアグラ錠25mg錠 | バイアグラ錠25mg錠 |
バイアグラ錠50mg錠 | バイアグラ錠50mg錠 | ||
バイアグラ錠100mg錠 |
※厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について〜ED(勃起不全)治療剤について〜」
上記は国が認めた治療薬であり、日本ではバイアグラ25mg~50mgが承認されています。
バイアグラ100gの服用には海外で個人輸入を行う必要があり、純正でないものがネット上に出回っている可能性もあるでしょう。
バイアグラの個人輸入は控えよう【リスクや偽造品について】
バイアグラの個人輸入には、健康被害などのリスクがあるため注意が必要です。
考えられるリスクは以下。
- 有効性が不明確
- 不純物の可能性
- 偽物の可能性
- 副作用や不具合の発生
- 製造環境が不明確
※参考:政府広報オンライン「健康被害などリスクにご注意! 海外からの医薬品の個人輸入」
日本で品質が確認されていない医薬品は、リスクがあると言えます。
海外で製造されたもので、品質を確認されずに販売されている可能性もあるでしょう。
そしてどんな衛生管理下で製造されたものか不明です。
有害な不純物が含まれていることも配慮して、個人輸入は控えましょう。
ネット通販で購入したED治療薬の偽造
ネット通販で購入したED治療薬の、約4割が偽造という鑑定結果も出ています。
ED治療薬をインターネットで購入すると、40%がニセモノという鑑定結果が出ました。調査会社に依頼し、インターネットサイトからED治療薬を購入。真偽を鑑定し、含有成分について化学分析行った結果、40%が偽造品でした。偽造品には、有効成分を全く含まないもの、全く違った成分が含まれているもの、不純物を含むものがみられました。不純物混入による死亡例を含む健康被害を及ぼすことが報告されています。
この鑑定はファイザー、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリーの四社合同により行われた調査です。
インターネットを通じで購入したED治療薬70商品のうち、28の商品が偽造品でした。
国内とタイで発注された商品の詳細は以下。
偽造確率 | 偽造の数/発注の数 | |
国内発注分 | 35.6% | 16/45 |
タイ発注分 | 48.0% | 12/25 |
※引用:偽造治療薬4社合同調査結果
現在ネット通販で購入できるED治療薬には、偽造品が含まれる可能性があります。
安易に個人輸入で購入せず医療機関での受診を心がけましょう。
バイアグラに関するFAQ
バイアグラに関してよくある質問をまとめました。
服用前に正しい用法容量を確認し、情報を集めておきましょう。
バイアグラは18歳でも買える??
バイアグラは18歳以上であれば、医師の判断のもと購入することができます。
しかし、持病や服用している薬によってバイアグラを使えない可能性があるため、医師に確認してください。
精力剤だとEDの症状には効果なし?
精力剤は肉体的・精神的な疲れを軽減して勃起を促すもので、ED症状の改善に直接的な効果があるとは言えません。
ただし個人差があるため、人によっては精力剤でも効果がある可能性もあります。
即効性を求めるのであればED治療薬が良いでしょう。
バイアグラが効かないことはある?
正しい用法容量でバイアグラを服用できていないと、効果が感じられない可能性があります。
大量飲酒は勃起機能に影響し、バイアグラが効かないこともあるでしょう。
またストレスによって勃起力が低下することもあります。
バイアグラは正しい知識を取り入れてから、服用するようにしましょう。
バイアグラは病院・医療機関で購入しよう
バイアグラは病院・医療機関で購入しましょう。
通販での個人輸入にはリスクがあり、製造内容や含まれる成分が不明確です。
クリニックや医療機関で直接処方してもらうか、忙しい場合はオンライン診療などの利用できます。
ED治療薬を利用する際は、自分に合った方法でバイアグラを購入しましょう。