大学生になって恋人ができると、避妊について「本当に大丈夫かな」「相手に任せていて不安」と感じる場面は少なくありません。
学校で性教育を受けていても、相手との関係性や状況によって、避妊の方法や考え方に迷いが生まれるのは自然なことです。
本記事では、大学生を対象に行った独自アンケートの結果を踏まえながら、正しい避妊方法や知識、失敗するケースをわかりやすく解説します。
さらに「避妊がうまくいかなかったかも」と不安になったときの具体的な対処法も紹介します。
避妊について正しく理解し、日々を安心して過ごすための参考にしてください。
- 実施期間:2025年11月13日~2025年11月14日
- 調査対象
┗大学(短大・専門含む)在籍中に性行為の経験がある女性100名(避妊に関する不安)
┗大学(短大・専門含む)在籍中に性行為の経験がある女性100名(妊娠の有無) - 調査方法:インターネットアンケート調査

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
避妊方法に不安がある大学生が知っておきたいこと
避妊に関する正しい情報を知ることは、大学生にとって大切なステップです。
以下では、大学生の避妊状況や望まない妊娠の実態について紹介します。
独自のアンケート結果を交えて詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
大学生カップルでゴムをつける割合は?
大学生を対象とした独自アンケートで、コンドームを「ほぼ使う」と回答した女性は72%でした。
一方で、「ほとんど使わない」と回答した女性も13%いました。

特に交際初期は相手に頼みにくく、性行為中の流れで「使わないまま進んでしまった」というケースも珍しくありません。
避妊においては、毎回コンドームを使うことが重要です。
相手任せにせず、事前に相談したり自分自身で用意しておくなどして、安心して関係を築くための工夫をしておきましょう。
大学生で「望まない妊娠」を経験した人の割合は?
独自アンケートでは、11%の女性が大学在籍中に予定外の妊娠を経験したと回答しました。

約10人に1人という数字からも、大学生の望まない妊娠は決して珍しくありません。
大学生活は、学業・将来の準備・人間関係など、これからの人生を形づくる重要な時期です。
妊娠を望まないタイミングであれば、正しい避妊方法を理解し、自分の選択肢を狭めないための備えをしておくことが大切です。
外出し・安全日なら妊娠しない?
「外出し(膣外射精)なら妊娠しない」「安全日なら大丈夫」と考える大学生もいますが、これらは確実な避妊方法ではありません。
以下に、それぞれの方法のリスクについてまとめました。
| 方法 | リスク |
|---|---|
| 外出し(膣外射精) | ・射精前に分泌されるカウパー腺液(我慢汁)に精子が混ざる可能性がある ・タイミングのコントロールが難しく、意図せず膣付近に精液がつく場合がある |
| 安全日による避妊 | ・排卵日はストレスや体調で変動するため予測が難しい ・精子は数日〜1週間ほど生存するため、妊娠の可能性が残る |
外出しや安全日の性行為は、いずれも“避妊方法”とは言えず、妊娠のリスクを下げるものではありません。
今回の独自調査でも、「妊娠の経験がある」と回答した11人のうち1人は、原因として外出しを挙げています。
確実に避妊したい場合は、コンドームの使用や必要に応じて低用量ピルの服用を検討しましょう。
膣外射精(外出し)による避妊について詳しくはこちら!
膣外射精(外出し)は避妊にならない!妊娠確率や避妊に失敗したときの対処法も解説
挿入なしで妊娠することもある?
基本的に、性器を挿入しない行為で妊娠する可能性は低いでしょう。
ただし、精液や精子を含む体液が膣周辺についた場合、妊娠のリスクを完全に否定することはできません。
たとえば、精液が手についた状態で女性器に触れた場合、膣内に精子が入り込み受精に至るケースも考えられます。
妊娠の可能性が高まる行為については、以下の記事でも解説しています。
我慢汁で妊娠するのは嘘?妊娠する確率や可能性が高まるケースを医師が解説
大学生が避妊に失敗するケース【不安な人は必見】
独自アンケートでは、予定外の妊娠をした女性のうち約3割が「コンドームが破れた・外れた」と回答しました。

つまり、「避妊したつもりでも失敗した」というケースが一定数あるということです。
大学生に多い避妊の失敗ケースは、以下の通りです。
- 外出しや安全日で「避妊できる」と誤解していた
- コンドームが途中で破れた・外れた
- 射精時だけコンドームをつけた
- 低用量ピルを飲み忘れた
上述の通り、外出しや安全日は正しい避妊法ではありません。
また、コンドームは最初から正しく装着することで効果を発揮します。
低用量ピルについても、飲み忘れのタイミングにより避妊効果が下がる場合があります。
正しく避妊するためにも、コンドームや低用量ピルは正しい方法で使用しましょう。
コンドームが破れたときの妊娠確率について詳しくはこちら!
コンドームが破れたときの妊娠確率は?対処法や避妊の失敗例を紹介します
生理が遅れているときに確認することと妊娠の判断基準
生理が来ない場合は妊娠の可能性を考え、妊娠検査薬の使用を検討しましょう。
ただし、生理の遅れは妊娠以外の要因で起こることも多く、以下のような生活・体調の変化が影響する場合があります。
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 睡眠不足
- 過度なダイエットや急激な体重変化
- 生活リズムの乱れ
- 体調不良や服薬の影響
「何日遅れているのか」「生活に変化はなかったか」を振り返りながら、生理が7日以上遅れている場合は検査薬で確認することが大切です。
生理が遅れる理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。
生理が遅れる理由は?妊娠以外に考えられる原因と周期を整える方法を解説
妊娠検査薬を使うタイミングと使い方
自分で妊娠の可能性を確認する方法のなかで、信頼性が高いのが妊娠検査薬の使用です。
一般的に、生理予定日から1週間後(=7日以上遅れた時点)に使用すると、より正確に結果が出やすいとされています。
これは、妊娠すると分泌されるホルモン「hCG」が検査薬で検出できる量に達するまで、通常約1週間かかるためです。
生理予定日直前など早すぎるタイミングで使用すると、正しく判定結果が出ない可能性があるため注意しましょう。
▼妊娠検査薬の基本的な使い方
- 容器に尿を採って浸す、またはスティックに直接尿をかける
- 指定された向きで平らな場所に置き、説明書に記載された時間(1~3分)待つ
- 指定時間が経過したら、すぐに判定窓を確認する
もし陽性が出た場合は、早めに婦人科へ相談しましょう。
検査が陰性でも、生理が来ない状態が続く場合は再検査が必要です。
大学生が「避妊に失敗したかも」と不安なときの対処法
「避妊に失敗したかもしれない」と感じた瞬間、強い不安で冷静になれないこともあります。
まずは状況を整理し、必要な対処を順番に進めていきましょう。
コンドームが破れていたなど、妊娠のリスクが明らかな場合に検討すべきは、アフターピル(緊急避妊薬)の服用です。
アフターピルは、性行為から服用までの時間が短いほど、避妊効果が期待できるため早めの判断が重要になります。
また、不安を一人で抱え込まず、相談できる環境を確保することも大切です。
最近はオンライン診療に対応しているクリニックも増えており、来院せずに医師へ相談できます。
周囲に知られたくない大学生でも利用しやすい環境が整っているため、気になることがあれば早めに相談してみましょう。
アフターピルは早めの服用が重要
避妊の失敗が明らかな場合は、アフターピル(緊急避妊薬)の服用を検討しましょう。
アフターピルは性行為後に妊娠を防ぐための薬であり、早く服用するほど期待できる避妊効果が高まるとされています。

アフターピルには主に以下の種類があります。
| 商品名 | 服用時間(目安) |
|---|---|
| エラ(ウリプリスタル酢酸エステル) | 性行為後120時間(5日)以内 |
| ノルレボ(レボノルゲストレル) | 性行為後72時間以内(国内承認薬) |
エラは120時間以内の服用で避妊が期待できますが、72~120時間での服用では成功率が約85%程度に下がるとされています。
※エミシアクリニックの基準として定めている割合です。(薬剤臨床試験結果参照)
避妊に失敗した可能性がある場合は、できる限り早く服用することが重要です。
エミシアクリニックのオンライン診療では、24時間いつでもスマホから受け付けています。
診療後にLINEから超特急便を選択することで、最短1時間(※)で受け取ることも可能です。
※関東エリア(東京・埼玉・神奈川・千葉)のみ
※別途配送料(¥1,426~)がかかります
来院する時間が取れない人や早く対処したい人は、相談先の一つとして検討してみてください。
アフターピルの正しい飲み方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
アフターピル(緊急避妊薬)の効果や避妊の仕組みは?成功の確率やサイン、正しい飲み方まで詳しく解説
アフターピルはいつまでに飲むべき?効果の期限やすぐに手に入れる方法も解説
大学生におすすめの正しい避妊方法
避妊を相手任せにしてしまう背景には、正しい避妊知識の不足が挙げられます。
まずは、学生でも取り入れやすく、かつ確実性の高い避妊の方法を知っておきましょう。
大学生におすすめの避妊方法は主に以下の2つです。

避妊は二人で取り組むものですが、自分の体を守るためにも、仕組みや正しい使い方を知っておくことが大切です。
コンドーム
コンドームは、男性が陰茎に装着して精子が体内に入るのを防ぐ避妊具です。
正しく使用した場合の失敗率は約2%(※)と避妊効果に期待でき、性感染症の予防にも役立ちます。
▼コンドームの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入手方法 | ドラッグストア、コンビニ、通販などで購入可能 |
| 価格相場 | 1個あたり数十円~数百円 |
| メリット | ・手軽に入手できる ・性感染症の予防にも有効 ・副作用がない |
- 裏表を確認する
- 先端の空気を抜き、勃起した陰茎の亀頭に密着させる
- 両手でゆっくり根元までかぶせる
- 射精後は根元を押さえながら抜く
ただし、正しく装着できなかった場合は失敗率が約18%に上昇します。
パートナー任せにせず、自分自身も正しい使い方を理解しておくと安心です。
コンドームの正しい使い方について詳しくはこちら!
コンドームの避妊率とは?避妊失敗を防ぐ正しい使い方を詳しく解説
低用量ピル
低用量ピル(経口避妊薬)は、女性が毎日1錠ずつ服用することで排卵を抑え、妊娠を防ぐ薬です。
正しく服用できれば、99.7%(※)の避妊効果が期待できます。
※参照:WHO
独自アンケートでは、大学在学中に低用量ピルを使用していた人は15%程度とやや少なめでした。

医師の処方が必要な点や、毎日の服用習慣が必要なことがハードルになりやすいと考えられます。
▼低用量ピルの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入手方法 | 婦人科・レディースクリニック・オンライン診療での処方 |
| 価格相場 | 月2,000円~3,000円程度(保険適用外) |
| メリット | 避妊効果以外に以下の効果も期待できる ・生理痛やPMS(月経前症候群)の軽減 ・肌荒れの軽減 ・生理周期の安定 |
- 毎日決まった時間に1錠服用する
- 飲み忘れた場合は気付いた時点で服用し調整する
医師の診察が必要で多少の手間はありますが、最近はオンライン診療で自宅から受診・処方が可能です。
副作用の可能性や費用負担について理解しながら、選択肢の一つとして検討しましょう。
低用量ピルの作用や服用方法について詳しくはこちら!
ピルとはどんな薬?避妊効果や飲む意味・副作用・安全性についてわかりやすく解説
大学生カップルが避妊に関する話し合いをする際のコツ
大学生カップルにとって、避妊の話を切り出すのは恥ずかしさや気まずさがあり、後回しになりがちです。
しかし、予期せぬ妊娠を避け、安心して関係を続けるため大切な話し合いでもあります。
パートナーに「責められている」と感じさせないためにも、伝え方には工夫が必要です。
▼話し合いをスムーズに進めるポイント
- 落ち着いて話せるタイミング・場所を選ぶ
- 感情的にならず冷静に会話する
- 相手の意見も尊重しながら、自分の希望を明確に伝える
切り出す際は「不安だから相談したい」「一緒に考えたい」など、率直な気持ちを添えるだけでも話しやすくなります。
もし相手が「コンドームは使いたくない」と言う場合は、理由を聞いたり、お互いが納得できる工夫を探しましょう。
どうしても協力してもらえない場合は、自分の健康や安心を優先し、関係性を見直すことも大切です。
勇気を出して話し合うことが、二人でより良い関係を築くための第一歩になります。
大学生が使いやすい避妊の不安に関する相談窓口
「避妊に失敗したかもしれない」「妊娠しているのではないか」と不安を感じたときのために、相談先を知っておくことが大切です。
大学生の場合、「親に知られたくない」「病院は行きづらい」という理由から相談をためらうことも珍しくありません。
以下の窓口は、匿名で利用できる・人と直接会わずに相談できるなど、大学生でも利用しやすい点が特徴です。

不安を抱え込まず、安心して利用できる窓口に早めに相談することが大切です。
大学の保健センター・学生相談室
大学内にある保健センターや学生相談室は、大学生にとって利用しやすい窓口です。
医師・保健師・カウンセラーといった専門職が在籍しており、次のような幅広い内容に対応しています。
- 避妊に関する基礎知識
- コンドームの使い方・避妊方法の相談
- 妊娠の可能性に関する不安
- 心理面のサポート など
多くの大学では無料で利用でき、匿名相談に対応しているケースもあります。
学内のホームページや学生手帳で、利用条件や受付時間を確認してみましょう。
無料で相談できる公的機関・NPO
学内の施設以外にも、性や妊娠に関する悩みを気軽に相談できる公的機関やNPOの窓口があります。
どれも匿名で利用しやすく、大学生にとって心強い存在です。
たとえば東京都の「妊娠相談ほっとライン」では、看護師などの専門職が対応し、「予期しない妊娠・出産の相談」を電話やメールで受け付けています。
必要に応じて医療機関へつないでくれる支援もあります。
また、思いがけない妊娠に関する悩みを、電話・メール・LINEなど複数の方法で受け付けている「全国にんしんSOS相談窓口」も全国に広がっています。
費用がかからず匿名で利用できる点は、相談に踏み出しにくい大学生にとって大きなメリットです。
クリニックのオンライン診療
「病院で知り合いに会うのが不安」「親に受診を知られたくない」という学生には、オンライン診療も選択肢の一つです。
相談窓口とは異なり、医師が直接対応する医療サービスのため、次のような専門的なサポートを受けられます。
- 緊急避妊薬(アフターピル)の処方
- 避妊方法や妊娠に関する医学的な相談
- 必要に応じた受診の案内
- 自宅での診療 → 自宅への薬の配送
対面受診のハードルが高い学生でも利用しやすく、自宅にいながら医師に相談できる点がメリットです。
オンライン診療によるアフターピルの処方について詳しくはこちら!
アフターピルのオンライン診療は怪しい?即日届く安全な購入方法を解説
避妊の不安は一人で抱えず、パートナーや医師に相談を
大学生は学業や将来のキャリアなど、これからの選択肢を広げていく大切な時期です。
望まない妊娠を避けるためにも、正しい避妊方法を理解しておきましょう。
避妊に不安を感じた場合、落ち着いて次の行動を意識してみてください。
- 避妊方法についてパートナーと話し合っておく
- コンドームを自分でも準備しておく
- 避妊に失敗した可能性があるときは早めに対処する
- 不安が続く場合は相談窓口を利用する
避妊の不安を抱えたままにせず、パートナーとの話し合いや医師への相談を早めに行うことが、望まない妊娠のリスクを減らすうえで重要です。



