毎月の生理は妊娠を準備するために重要なサイクルですが、大切なイベントや旅行と重なり、憂鬱な気分になることもあるでしょう。
そのような時に役立つのが「ピル」を使った月経移動です。
ピルを服用することで生理の日程を調整できるほか、痛み・月経前症候群(PMS)の緩和も期待できるため日々を快適に過ごすことができます。
しかし副作用やリスクも伴うため、正しい知識を持って利用することが重要です。
本記事ではピルで生理をずらす方法や、注意点について詳しく解説します。
最後まで読むことで、生理を「受け入れるもの」から「管理できるもの」に変化するでしょう。
この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
生理をずらすには「低用量ピル」がおすすめ
生理をずらすには低用量ピルがおすすめです。
以下、超低用量ピル・低用量ピル・中用量ピルの3種類があります。
超低用量 | 低用量 | 中用量 | |
エストロゲン 含有量(1錠) | 30㎍未満 | 30~49㎍ | 50㎍ |
特徴 | 副作用が少なく 効果も弱め | 効果と副作用の バランスが良い | 効果は強めだが 副作用も多め |
低用量ピルはホルモンの含有量が少なすぎず多すぎないため、体への負担が少ないことが特徴。
長期間の使用に適しており、副作用のリスクも中用量に比べると低めな点も魅力です。
また生理日をずらすだけでなく、以下のような効果にも期待できます。
- 生理痛の軽減
- 生理周期の安定化
- 月経前症候群(PMS)の症状緩和
ただしピルを服用するには必ず医師の診断・処方が必要になります。
相談した上で自分の体調や生活スタイルに合った方法を見つけましょう。
「エミシアのオンライン診療」は低用量ピル処方がスマホ1台で◎
低用量ピルで生理をずらしたい方には、エミシアクリニックのオンライン診療がおすすめです。
低用量ピルの処方がスマホ1台で簡単に完了するため、通院の手間を省きながら薬が手に入ります。
パソコンやタブレットなど、ほかのデバイスを用意する必要もありません。
自宅や職場など好きな場所から診察を受けられるほか、待合室で長時間待つ必要もなくプライバシーも守られるため心理的な負担も軽減。
月々3,240円(税込)~と継続しやすい料金体系を実現しています。
最短当日に自宅のポストに薬が届くサービスも提供しているため、急な予定変更や旅行などの際にも、生理日を調整することが可能です。
スマホ1台で完結するエミシアクリニックのオンライン診療を、ぜひ活用してみてください。
【月経移動】ピルで生理をずらす方法
以下では、ピルを使用して生理を調整する方法を「早める場合」と「遅らせる場合」に分けて解説します。
服用方法を誤ると生理日がずれずに予定とバッティングしてしまう可能性も。
場合により低用量ピルの服用方法は異なるため、該当する項目をチェックしておきましょう。
生理を早める場合
生理を早めたい時は、以下の流れで服用しましょう。
服用開始日 | 前回の月経初日から 5日目までの間に服用 |
服用中止日 | 14日以上 服用した後中止 |
生理開始日 | 服用中止日から 2~3日後 |
生理を前倒しする場合、前回の生理時期を基準に計画を立て、14日以上連続して服用しましょう。
重要な予定の期間中にピルを服用する必要がなくなるため、当日の活動に集中でき服薬管理の負担から解放されます。
ただし服用開始日が生理5日目を過ぎてしまうと、早めることが難しくなるため注意しましょう。
生理を遅らせる場合
生理を遅らせる場合、以下の流れで服用しましょう。
服用開始日 | 次回生理予定日 5~7日前 |
服用中止日 | 避けたい日が 過ぎたら中止 |
生理開始日 | 服用中止日から 2~3日後 |
生理を遅らせる時は、間を空けず新しいシート(※)のピルを続けて服用しましょう。
※ピルの種類により何個目の錠剤を飲むのかは異なります。
通常は21日間連続で服用した後に7日間の休薬期間を設け、その期間中に月経が起こります。
旅行や重要なイベントなど、生理を避けたい場合に便利です。
また生理痛やPMSが重い方にとっては、症状から一時的に解放される機会にもなります。
万が一忘れてしまうと、月経が来る可能性があるため飲み忘れに注意しましょう。
ピルで生理をずらす注意点
ピルで生理をずらす際の注意点は、以下の通りです。
旅行や重要なイベントの際、ピルを使用して生理をずらせたら便利です。
ただし健康状態によってリスクが生じる可能性もあるため、服用前に確認・理解して問題を回避しましょう。
副作用が起きる場合がある
低用量ピルで生理をずらす際は、副作用に注意が必要です。
低用量ピルは副作用が少ない傾向にありますが、服用者の20%に以下のような症状が起こり得ます。
- 吐き気や胃のむかつき
- 頭痛
- むくみ
- イライラ感
- 乳房痛
これらは体が慣れるまでの一時的な反応であり、多くの場合4~5日で改善に向かうケースが多いです。
しかし個人の体質や生活スタイルによって副作用の現れ方は異なるため、使用する際は慎重に検討しましょう。
医師との綿密な相談を通じて、自分に合った使用方法を見つけることが大切です。
また万が一副作用が出たら、自己判断に頼らずすぐ医師に相談して指示を仰ぐようにしてください。
失敗する可能性がある
ピルで生理をずらす際、以下の原因から失敗する場合もあるため注意が必要です。
- 服用タイミングのズレ
- 飲み忘れ
- 体質
生理をずらすには医師の指示に従い、服用スケジュールを守ることが不可欠です。
また失敗を避けるためにも、服用を開始する前に十分な期間を設けて体調の変化を観察しましょう。
服用開始後も定期的に医師に相談し、体調の変化や副作用の有無をチェックすることが重要です。
ピルの種類によっては効果が現れるまでに1〜3カ月ほどかかる場合もあるため、余裕を持ってスケジュールを立てることをおすすめします。
健康状態によってリスクがある
もともとの健康状態によって、リスクが生じる可能性があることも念頭に入れておきましょう。
日本産科婦人科学会では以下のような場合、服用を禁忌としているため、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。
- 薬の成分に対し過敏性素因のある女性
- エストロゲン依存性腫瘍・子宮頸がんおよびその疑いがある方
- 診断の確定していない異常性器出血のある方
- 血栓性静脈炎・肺塞栓症・脳血管障害・冠動脈疾患の方、その既往歴のある方
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 閃輝暗点・星型閃光などを伴う片頭痛の方
- 肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症の方
- 亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方
- 血管病変を伴う糖尿病方
- 血栓性素因のある女性
- 抗リン脂質抗体症候群の方
- 手術前4週以内・術後2週以内・産後4週以内および長期間安静状態の方
- 重篤な肝障害のある方
- 肝腫瘍のある方
- 脂質代謝異常のある方
※参照:「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」より
万が一禁忌に当てはまる方がピルを服用すると、血栓症のリスクが上昇したり脳卒中の危険性が増加したりと命の危険に陥る可能性も。
既往歴がある場合はリスクを考慮した上で、必ず医師に相談しましょう。
ピルで生理をずらす場合のよくある質問・回答
ピルで生理をずらす場合のよくある質問・回答を以下にまとめました。
生理周期は簡単にずれるものではなく、正しい知識と対応が必要です。
初めてピルの服用を検討している方は、懸念を払拭した上で行動に移しましょう。
ピル以外に自力で生理をずらす方法はある?
ピル以外に、生理周期をずらす自然な方法はありません。
一部では「豆乳を飲むと早まる」「チョコレートで遅らせる」という噂もありますが、医学的根拠はない情報です。
またストレス管理や運動・食事制限などが提案されることもありますが、これらの方法で生理をずらすのは難しいでしょう。
体調管理は健康的な生活を送る上で重要ですが、生理周期を意図的に変更するなら十分ではありません。
生理は女性ホルモンのバランスによって管理されているため、自力でコントロールするのは難しいです。
※参照:日本産婦人科医会
生理のタイミングをずらしたい方は、ピルの使用を検討しましょう。
ピルは市販で購入できる?
一般的に、ピルは市販で購入できません。
ピルは医療用医薬品に分類されており、購入するには医師の診察を受けて処方箋をもらう必要があります。
ピルの使用に際して健康状態を確認し、副作用や適応症を管理するためです。
ピルを購入する方法は、主に以下の二つとなります。
- 産婦人科などの医療機関
- オンライン診療の利用
特にオンライン診療は忙しい方や近くに医療機関がない方にとって、便利な選択肢となるでしょう。
エミシアクリニックは365日24時間対応しており、予約から診察までLINEで完結します。
低用量ピルで生理をずらしたい方や生理痛に悩む方は、オンライン診療による無料相談を試してみてください。
ピルを正しく服用することで生理をコントロールしましょう。
ピルで生理を調整し、快適な毎日を手に入れよう!
生理が旅行や重要なイベントと重なると憂鬱に感じることもありますが、ピルを活用すれば悩みの改善を目指せます。
また生理をずらす以外に以下のような効果も期待できるでしょう。
- 生理痛の軽減
- 生理周期の安定化
- 月経前症候群(PMS)の症状緩和
痛みや気分の変動に悩まされることなく、平穏な生活を送れる見込みがあります。
一方で副作用として吐き気・頭痛・倦怠感などが現れる可能性もあるため、医師と相談しながら使用することが大切です。
ピルを正しく活用しながら、生理に左右されない快適な毎日を手に入れましょう。