持病の治療などで薬を飲み始めてから、「勃起しにくい」「途中で萎えてしまう(中折れする)」といった悩みがある方もいるでしょう。
服用している薬がED(勃起不全)の原因になっている可能性を考え、不安を感じる方も少なくありません。
薬の副作用によって起こるEDは「薬剤性ED」と呼ばれ、実際に起こり得る症状です。しかし、適切な対処によって症状の改善を目指せる場合があります。
本記事では、薬剤性EDの原因となる可能性がある薬の種類や、勃起不全につながる仕組み、薬が原因かどうかを見分けるポイントを解説します。
薬の服用中・服用後に性機能の変化を経験した男性100名へのアンケート結果も踏まえて紹介するため、ぜひ参考にしてください。
調査概要
- 調査期間:2026年9月14日〜2026年9月20日
- 調査対象:薬の服用中・服用後に性機能の変化を経験した男性100名
- 調査方法:インターネットアンケート調査

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
薬剤性EDとは、薬の副作用が影響して起こるEDのこと
薬剤性EDとは、服用している薬の副作用で起こる勃起不全(ED)のことです。
通常、勃起は脳で感じた性的興奮が神経を通じて陰茎に伝わり、そこに十分な血液が流れ込むことで起こります。
しかし、一部の薬には以下のように勃起のメカニズムを妨げる作用を持つものがあります。
- 神経の伝達を妨げる
- 血管を収縮させて陰茎への血流を低下させる
- ホルモンのバランスを変化させる
一般的なEDは加齢に伴う血管の衰えなどが原因となることが多いですが、薬剤性EDの場合は、20代や30代といった若い世代でも発症する可能性があります。
実際に、薬の服用中・服用後に性機能の変化を経験した男性100名を対象にしたアンケートでは、「性欲が低下した」と回答した方が43名と多数を占め、次いで「勃起しにくくなった」が38名という結果になりました。(複数回答)

「薬を飲み始めた時期と、勃起しにくくなった時期が重なる」と感じている方は、薬の副作用による影響を考慮しましょう。
薬剤性EDの原因となる可能性がある薬一覧
薬剤性EDの原因となる可能性がある薬には、さまざまな種類があります。
ここでは、代表的な以下の4種類について解説します。
なお、今回のアンケートで性機能の変化を経験した方が服用していた薬は、「AGA治療薬」が26名、「高血圧の薬」が20名、「精神安定剤・抗不安薬」が13名でした。
※これらは性機能の変化を経験した方が服用していた薬を集計したものです。薬ごとのED発症率や、特定の薬がEDの原因になりやすいことを示すものではありません。
降圧剤(高血圧の薬)
高血圧の治療に用いられる降圧剤(降圧薬)は、陰茎への血流に影響し、十分な勃起が得られなくなる可能性があります。
※高血圧そのものもEDのリスク因子であり、降圧剤による影響と明確に区別できない場合があります。
降圧剤の中では、以下のような薬に勃起機能への悪影響を示唆する報告があります。
- 利尿薬
- β遮断薬
- カルシウム拮抗薬
一方、ACE阻害薬は影響が少なく、ARBは勃起機能に保護的に働く可能性が報告されています。
血圧のコントロールは命に関わるため、自己判断で薬の量を減らしたり、服用を中止したりせず主治医に相談しましょう。
ED治療薬と高血圧の関係性について詳しくはこちら!
抗うつ薬・精神安定剤などの精神神経用薬
抗うつ薬や精神安定剤などの精神神経用薬は、副作用として性機能障害が現れることがあります。
これらの薬は、セロトニンなどの神経伝達物質の働きを調整することで精神状態に作用するものです。
一方で、その影響から性欲の低下や勃起のしにくさ、射精のしにくさといった症状が現れる場合があります。
精神疾患の治療中は、ストレスや不安感からEDになること(心因性ED)もあるため、薬の副作用が原因であるかどうかは、主治医による慎重な判断が必要です。
5α還元酵素阻害薬(AGA・前立腺肥大症の治療薬)
AGA(男性型脱毛症)や前立腺肥大症の治療に用いられる「5α還元酵素阻害薬」も、副作用としてEDが現れる可能性があります。
5α還元酵素は、男性ホルモンのテストステロンを「ジヒドロテストステロン(DHT)」へ変換する酵素です。DHTは男性ホルモンの一種で、AGAや前立腺肥大症との関係が知られています。
フィナステリドやデュタステリドは、5α還元酵素の働きを抑えることでDHTの産生を抑制する薬です。
一方で、性欲減退や勃起不全、射精障害など、性機能に関する副作用も報告されています。
AGA治療などで薬を飲み始めてからEDの症状が気になり始めた場合は、処方元の医師に相談し、治療方針を確認しましょう。
※参考:日本泌尿器科学会「ED診療ガイドライン 第3版」、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「デュタステリドカプセル0.5mgAV『トーワ』添付文書」、KEGG「プロペシア錠 添付文書」
以下の記事では、AGA治療薬とED治療薬の併用可否について詳しく解説しています。
その他の薬
他にも日常的に服用される薬の中には、性機能への影響が報告されているものがあります。
たとえば、胃潰瘍などの治療に用いられるシメチジンでは、性機能への影響が報告されています。
ただし、同じ薬効群に分類される薬でも性機能への影響は一律ではありません。
どんな薬であっても、服用を開始した時期と勃起しにくくなった時期が近い場合は、薬剤性EDの可能性を考慮しましょう。
薬剤性EDかどうかを見分けるポイント
薬剤性EDかどうかを見分けるためには、まず以下のポイントを確認してみましょう。

- 薬の服用・変更時期とEDを自覚した時期が一致しているか
- 朝立ちが定期的にあるか
実際に今回のアンケートでも、性機能の変化に気づいた時期は「服用開始から1カ月以内」が55%と過半数を占め、「服用開始から3カ月以内」が18%となりました。※個人差があります
また、朝立ちの有無は薬剤性EDかどうかを直接判断するものではないものの、原因を絞り込む手がかりになります。
朝立ちが保たれている場合は、心因性の要素が考えられますが、それだけで判別することはできません。
薬の影響が気になる場合は医療機関に相談しましょう。
エミシアクリニックのEDオンライン診療では、現在の症状や服薬状況を確認したうえで、医師が適切な対処法を検討します。
LINEで問診票を記入すると、当日もしくは翌日中に医師が確認するため、スムーズに診療を受けていただけます。まずはお気軽にお問い合わせください。
薬剤性EDの対処法 | 薬の変更・中止は主治医に相談する

薬剤性EDが疑われる場合、まずは薬を処方している主治医に症状を相談しましょう。
自己判断で持病の治療薬を減らしたり、休薬・中止したりすると、持病が悪化し健康被害につながるおそれがあります。
主治医にEDの症状を伝えたうえで、影響しにくい種類の薬への変更や減量が可能かどうかを相談してみてください。
実際に、今回のアンケートで性機能の変化について医師に相談したかを尋ねたところ、「薬を処方した医師に相談した」が24%、「泌尿器科など別の医療機関に相談した」が6%でした。
一方で、「医師には相談していない」と回答した方も57%にのぼります。
デリケートな問題のため相談をためらう方も多いですが、「薬の変更・減量後に改善した」と回答した方も21%いました。※個人差があります

一人で抱え込まず、まずは持病の治療を管理している主治医に状況を共有しましょう。
薬の変更が難しい場合はED治療薬の使用を検討する
持病の治療を優先するため、薬の変更や減量が難しいと判断される場合もあります。
そのような場合でも、ED治療薬の使用によって症状に対処できるケースがあります。
ただし、ED治療薬と併用できない薬や使用時に注意が必要な薬もあります。代表的な薬は以下のとおりです。
| 区分 | 薬の種類 |
|---|---|
| 併用禁忌 | ・硝酸薬(ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど) ・リオシグアト |
| 併用注意 | ・降圧薬 ・シメチジン、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど |
※ED治療薬の種類によって、併用禁忌・併用注意となる薬や対応が異なります。
安全にED治療を行うため、現在服用している薬を医師に伝え、使用できるかどうかを確認しましょう。
エミシアクリニックのEDオンライン診療では、飲み合わせに問題がないかを医師が確認したうえで処方を行っています。
「今飲んでいる薬と一緒にED治療薬を使っても大丈夫だろうか」と不安な方も、まずはお気軽にご相談ください。
以下の記事では、ED治療薬について詳しく解説しています。
薬剤性EDの悩みはエミシアクリニックのEDオンライン診療へ
薬剤性EDかもしれないと悩んでいる場合は、エミシアクリニックのEDオンライン診療をご検討ください。
持病を診てもらっている主治医へ直接打ち明けることに、恥ずかしさや抵抗を感じる方もいるでしょう。
自宅から受診できるオンライン診療なら、人目を気にせず医師に相談できます。
当院では、症状だけでなく持病や服用中の薬も確認したうえで、ED治療薬を使用できるかどうかを判断します。
「今の薬を飲み続けながら、どうにか対処したい」と悩んでいる方も、エミシアクリニックの公式LINEからお気軽にオンライン診療をお申し込みください。
※対面での診察や検査が必要と医師が判断した場合は、対面受診をご案内する場合があります。
EDのオンライン診療について気になる方はこちら!
薬剤性EDに関するよくある質問
ここでは、薬剤性EDに関してよく寄せられる疑問にお答えします。
それぞれの薬が性機能にどのような影響を与える可能性があるのか、詳しく見ていきましょう。
睡眠薬でEDになることはある?
睡眠薬の服用によって一時的に勃起力が低下したり、EDの症状が現れたりする可能性はあります。
睡眠薬のうち、ベンゾジアゼピン系など中枢神経に作用する薬剤では、EDとの関連が報告されています。
脳の興奮を抑えて心身をリラックスさせる中枢神経への作用や、体の緊張をほぐす「筋弛緩作用」があるためです。
これらの作用により、脳で感じた性的興奮が神経に伝わりにくくなったり、筋肉が緩んで十分な勃起状態を維持しにくくなったりすることがあります。
ただし、睡眠薬は種類によって作用機序が異なり、すべての睡眠薬がEDを起こしやすいわけではありません。
※参考:PubMed Central(PMC)「不眠とベンゾジアゼピン系薬の使用はEDのリスク因子か」
風邪薬や花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)もEDに関係する?
市販の風邪薬や花粉症の薬に含まれる「抗ヒスタミン薬」のうち、第一世代など抗コリン作用を持つ薬剤では、EDが生じる可能性があります。
くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を抑える一方で、自律神経のバランスを変化させる作用があるためです。
勃起のメカニズムは自律神経の働きとも関わっているため、薬の影響で神経のバランスが崩れ、結果として勃起しにくくなるケースがあります。
一方、第二世代ではこうした作用が比較的少なく、影響の程度は薬剤によって異なります。
薬剤性EDが気になる場合は、医師に相談し適切な対処法を検討しよう
薬剤性EDが疑われる場合は、医師に相談して適切な対処法を見つけましょう。
薬剤性EDはさまざまな治療薬の副作用として起こり得るため、「自分に原因があるのでは」と責める必要はありません。
エミシアクリニックのEDオンライン診療では、一人ひとりに合ったED治療のサポートを行っています。
スマートフォンから誰にも知られずにLINEで相談できるため、まずは一度当院へお気軽にご相談ください。



