早漏に悩む男性は少なくありません。
満足のいく性生活が送れず、ストレスや不安を感じる方も多いでしょう。
実際、日本性機能学会の調査（男性6,228人対象）によると、約23.4％の男性が早漏に悩んでいることが明らかになっています。
早漏は軽視されがちですが、パートナーとの関係悪化や妊活の障害となることもあり、決して放置すべき問題ではありません。
この記事では、早漏の原因から改善におすすめのトレーニングや治療法、さらには予防方法まで詳しく解説します。
早漏による不安や悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
早漏（そうろう）とは？定義も含めて解説
早漏とは自分の意思で射精をコントロールできず、挿入後1分以内に射精してしまう状態を指します。
国際性機能学会（ISSM）では、以下の条件を満たす場合を早漏と定義しています。
- 挿入前、挿入時、または挿入後1分以内に射精が起こる
- 射精のタイミングを自分でコントロールできない
- 射精が早いために不安を感じ、パートナーとの関係が悪化している
※参照：ISSM
ただし射精までに1分以上かかっていても、不安を抱えている場合は早漏と判断されることもあります。
客観的な時間だけでなく、本人の主観的な満足度やコントロール感も診断の大切な要素です。
射精のコントロールが難しく、それによるストレスや悩みを感じているなら、早漏として対処が検討されるでしょう。
早漏に対する女性の本音は？理想の挿入時間は約10分
TENGAヘルスケアが2017年に実施した調査によると、女性が理想とする挿入時間の平均は約10分でした。
実際の挿入時間の平均は11.2分で、理想の平均は9.7分と報告されています。
※引用：TENGAヘルスケア
約7割の女性が理想の挿入時間を10分以下と回答し、30分以上を望む女性は1割以下という結果です。
つまり、多くの女性は極端に長い挿入時間を求めているわけではありません。
男性が感じる早漏の悩みと、女性の理想との間にギャップがあるケースも少なくないです。
現在早漏で悩んでいる方は、まずパートナーと話し合い、本当に改善が必要か確認しましょう。
過剰に不安になるよりも、相手の気持ちを理解しながら対処の優先度を考えてください。
早漏の原因
早漏の原因は大きく以下の3つに分けられます。
各原因がどのように早漏に影響を与えているかも含めて、自分がどのタイプに当てはまるのか見ていきましょう。
心因性早漏
心因性早漏は、ストレスや不安など心理的な原因で起こる早漏です。
仕事のプレッシャーや人間関係・性交渉に対する緊張感から、交感神経が過敏になり、射精が早まってしまいます。
不安が悪循環を生み、射精コントロールがさらに難しくなるケースも珍しくありません。
この悪循環が原因で性交渉自体がトラウマになると、パートナーとの関係にも影響が出ることがあります。
心因性早漏は、カウンセリングや精神面へのアプローチ、または治療薬を使った治療で改善を目指しましょう。
過敏性早漏
過敏性早漏とは、陰茎の感覚が過敏になっている状態のことです。
仮性包茎などにより亀頭や周辺の皮膚が刺激に慣れていないことや、勃起時の硬さが十分でないことで、刺激を強く感じやすく射精が早まります。
特に10代から20代の若い男性に多く見られ、触れただけで射精してしまう場合もあります。
過敏性早漏の場合は、早漏改善トレーニングや治療薬で改善を目指しましょう。
衰弱性早漏
衰弱性早漏は、以下のような原因で射精のコントロールが難しくなるタイプです。
- 運動不足
- 加齢による筋力低下
- 男性ホルモンの減少
40代以降の男性に多く、若い頃と比べて射精をコントロールしづらくなったと感じる場合は、衰弱性早漏の可能性があります。
特に骨盤底筋群（PC筋、BC筋）の筋力低下が要因となるため、運動不足を感じる方は日常的に筋力トレーニングを取り入れましょう。
また、ED（勃起不全）が併発している場合は、勃起時の硬さ不足が刺激を敏感にしていることもあります。
この場合は、ケーゲル体操などの筋力強化やED治療薬の服用で改善を目指しましょう。
EDの可能性も確認したい方はこちら！
ED（勃起不全）の4つの原因を徹底解説！具体的な治療法も紹介
早漏の治し方は？おすすめの改善方法
早漏を改善する方法には、以下の通りさまざまなものがあります。
まずは気軽にできるものから試し、自分に合った方法で経過を見ていきましょう。
早漏対策トレーニングを行う
刺激に慣れて射精のコントロールを高めるためには、以下のトレーニングがおすすめです。
| トレーニング名 | 内容 |
|---|---|
| スクイーズ法 | ①自慰で勃起させる ②射精しそうになったら、 亀頭を軽く押さえて我慢する ③これを4～5回繰り返す |
| セマンズ法 | ①パートナーに刺激してもらう ②射精しそうになったら、 亀頭を軽く押さえて我慢する ③これを4～5回繰り返す |
過敏性早漏の方は、刺激に慣れていないことが原因なので、この方法で少しずつ慣らしていくのがおすすめです。
パートナーがいる場合は、セマンズ法を取り入れて性交渉の雰囲気に慣れるのも良いでしょう。
ケーゲル体操を行う
骨盤底筋を鍛えて射精のコントロールを高めるためには、ケーゲル体操をおすすめします。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- 足は肩幅程度に開く
- 肛門を締めて緩める動作を10回繰り返す
- 肛門から尿道にかけて意識しながら5秒間締める
- 3～4のセットを1日3回行う
筋力低下が原因の衰弱性早漏の方には特におすすめです。
継続することが大事なため、毎日決まった時間に続けてみると良いでしょう。
早漏治療薬（ポゼット）を使う
心因性早漏の方は、治療薬のポゼットを服用するのがおすすめです。
ポゼットは世界的に使われる早漏治療薬「プリリジー」のジェネリックで、脳内のセロトニンを増やし射精を遅らせる作用に期待できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 服用方法 | 性行為の約1時間前に1錠を水で飲む |
| 注意点 | グレープフルーツやアルコールは避ける |
| 副作用 | ・頭痛 ・めまい ・吐き気 ・倦怠感 ・下痢 ・不眠※個人差あり |
| 服用できない方 | ・心疾患・脳梗塞の既往歴がある方 ・肝機能障害 ・うつ病 ・躁うつ病 ・てんかん ・高齢者 |
心因性早漏は、セロトニン不足が関与していることが多いため、ポゼットでセロトニンを補うことで射精コントロールがしやすくなります。
ただし、持病のある方は医師の診察を必ず受けてください。
ポゼットについて詳しくはこちら！
早漏の治療薬はある？薬の主な種類や副作用・早漏の改善方法も解説
ED治療薬を使う
過敏性早漏の改善には、ED治療薬の使用がおすすめです。
早漏の原因には勃起不全（ED）が関係している場合があります。
代表的なED治療薬の種類は以下の通りです。
- シルデナフィル（商品名：バイアグラ）
- タダラフィル（商品名：シアリス）
これらの薬は陰茎への血流を促進し、勃起を助けることで、射精のタイミングをコントロールしやすくします。
ただし、ED治療薬はすべての人に適しているわけではありません。
心疾患・高血圧・肝機能障害などの持病がある場合や、他の薬と併用する際には注意が必要です。
また、副作用として、頭痛やほてり・消化不良などがあらわれることもあります。
購入する際や異変を感じた場合は、速やかに医療機関に相談してください。
※参照：日本泌尿器科学会
バイアグラやシアリスについて詳しく知りたい方はこちら！
バイアグラ(シルデナフィル)の効果は？特徴や飲み方・副作用を解説
【医師監修】シアリスジェネリック（タダラフィル）の効果・副作用を解説！
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エミシアクリニックでは、早漏やEDの症状に合わせた専門的な診察と治療を行っています。
医師の丁寧なカウンセリングで一人ひとりに合った治療プランをご提案します。
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早漏を防止する具体的な対策6つ
早漏を防止するためには、以下6つの対策がおすすめです。
どれも気軽に生活に取り入れやすい方法なので、ぜひ試してみてください。
普段の体位を変える
普段の性行為が正常位中心の方は、刺激が少ない対面座位や背面側位に変えてみましょう。
刺激を抑えることで射精のタイミングを遅らせ、挿入時間を延ばせる可能性があります。
逆に騎乗位や後背位は刺激が強いため、早漏対策としては注意が必要です。
体位を変えることでマンネリ化の防止や性生活の充実にもつながるため、ぜひ試してみてください。
前戯の時間を長くする
前戯を長くすると女性の膣分泌液が増え、ペニスへの刺激が和らぎます。
また、女性を満足させたいという意識が緊張や不安の軽減につながる可能性も。
うまくいかない場合は、ローションを使って刺激を和らげるのもおすすめです。
ペニスへの刺激を減らし、パートナーの満足度もアップさせる一石二鳥の対策です。
厚手のコンドームに変える
厚手のコンドームはペニスへの刺激を和らげ、早漏防止に役立つこともあります。
市販のコンドームには極厚0.12mmタイプもあります。
まずは、現在使っているものより少し厚手のものを試し、それでも刺激が強い場合はさらに厚手タイプへ切り替えましょう。
運動を習慣化する
運動はストレス軽減や男性ホルモン（テストステロン）増加に役立ち、早漏の改善に繋がる可能性があります。
筋肉に刺激を与えるとテストステロンは増えます。筋トレだけでなく、中強度の有酸素運動をしてもテストステロンが増えることが確認されています。
引用：くすりと健康の情報局
筋トレだけでなく、以下のような中強度の有酸素運動もおすすめです。
- 早歩き
- ジョギング
- 階段の上り下り
まずはウォーキングなど軽い運動から始め、慣れてきたら徐々に強度を上げていきましょう。
理想は1日20～30分、初めは15分程度でも十分のため、継続することが重要です。
普段行っている自慰の方法を変える
自慰を短時間で終わらせている場合は、長時間ゆっくり刺激を与える方法に変えてみましょう。
例えば、以下の「スクイーズ法」を試してみてください。
- 自慰で勃起させる
- 射精しそうになったら亀頭を抑えて我慢する
- これを4～5回繰り返す
普段よりも長く勃起状態を維持することが、性行為中の早漏改善につながります。
パートナーに悩みを打ち明ける
心因性早漏の場合、パートナーに悩みを打ち明けるのもおすすめです。
不安やストレスが軽減され、早漏予防につながることがあります。
また、相談を通じて体位や前戯の工夫もしやすくなるでしょう。
改善が難しい場合は、パートナーとの関係性も踏まえて話し合いを検討してみてください。
早漏改善に関するよくある質問と回答
以下では、早漏改善に関する代表的な質問とその回答をまとめました。
手術や解消方法について回答しているので、ぜひ参考にしてください。
早漏を改善する手術はある？
早漏を改善する手術には、以下のような種類があります。
- 包皮環状切除法
- 包皮小帯切除法
- 薬物療法
これらは外科的手術で包皮を切除したり、亀頭にヒアルロン酸を注入して刺激を和らげる方法です。
ただし、外科手術には抵抗がある方も多く、効果とリスクを専門医とよく相談した上で慎重に検討する必要があります。
まずは早漏改善トレーニングや治療薬の服用から始めるのがおすすめです。
早漏防止薬やゴムはドラッグストアで販売されている？
早漏防止薬（男性ホルモン軟膏剤のトノスなど）やコンドームは、ドラッグストアでも購入可能です。
Amazonや楽天などのECショップでも取り扱われていますが、個人輸入の怪しい薬が混在していることもあるため注意しましょう。
治療薬やED治療薬は必ず病院で処方してもらうことを推奨します。
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早漏が改善しない場合や根本的な治療を望む場合は、治療薬の服用がおすすめです。
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