痛風の原因を徹底解説|発作が起こる仕組みと生活習慣の関係

痛風の原因を徹底解説|発作が起こる仕組みと生活習慣の関係

痛風の原因を徹底解説|発作が起こる仕組みと生活習慣の関係

足の親指が突然腫れ、歩けないほどの激痛があらわれた場合、痛風のサインである可能性が考えられます。

また、健康診断で尿酸値の異常を指摘され、気になっている方もいるでしょう。

痛風は、血液中の尿酸が増え、関節の激しい痛みや腎臓の機能低下を引き起こす病気です。

痛風の原因になる尿酸は、食事・アルコール・ストレス・体質などのさまざまな要因によってつくられることが指摘されています。

この記事では、痛風の主な原因についてわかりやすく解説します。

痛風になるメカニズムや主な原因についても紹介するので、発症や再発の予防にご活用ください。

痛風でクリニックを受診するタイミングについて、くわしく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。

痛風は何科を受診すべき?病院へ行くタイミングや行かないとどうなるかを医師が解説

 

エミシアクリニックのオンライン診療

痛風

痛風は、時間が経てば症状が和らぐ傾向があり、治療せずに放置してしまう方もいるでしょう。

しかし、治療に取り組まない限りは、痛風の再発リスクは高い状態に変わりありません。

進行すると関節の痛みだけではなく、腎臓に負担がかかり機能低下を引き起こす可能性があります。

できるだけ早い段階で治療に取り組むことが重要です。

クリニックに通院する時間を確保しづらい方には、エミシアクリニックのオンライン診療がおすすめです。

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過去に痛風の症状があらわれたことがある場合は、特に再発のリスクが高い状態です。

健康診断で尿酸値の異常を指摘された方は、まずは一度ご相談ください。



 

上野 一樹先生

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生

2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任

痛風とはどんな病気?

痛風は、高尿酸血症(血液中における尿酸が高まっている状態)によって、関節に尿酸の結晶がたまり炎症を引き起こしている状態です。

主に関節が赤く腫れ、激しい痛みをともなうことで自覚するケースが多いです。

※参照:厚生労働省「高尿酸血症」

症状は一般的に以下のような部位の関節にみられます。

  • 足の親指の付け根
  • 足首
  • 手指

歩けないほどの激痛が続き、数日かけて和らいでいくのが特徴です。

発作の要因としては、尿酸値の変動によって発症のリスクが変化すると言われています。

発作の前兆として、足の違和感やピリピリとした感覚などを自覚する場合もあります。

痛みは一過性で済むこともありますが、治療や生活習慣の見直しに取り組まない限り、高尿酸血症の根本的な改善は期待できません。

未治療の痛風は再発を引き起こしやすい傾向にあり、進行すると関節の変形や腎機能の低下を招くおそれがあります。

専門のクリニックを早めに受診し、原因を把握することが大切です。

痛風の初期症状について、くわしく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。

痛風の初期症状は足のピリピリ?前兆や原因・対処法をわかりやすく解説

痛風の原因は「体内の尿酸の増加」

痛風は、高尿酸血症(血液中に尿酸が増えすぎている状態)が続くことで発症します。

高尿酸血症の基準は尿酸値7.0mg/dL以上とされ、痛風発作のリスクが高まることがわかっています。

参照:厚生労働省「高尿酸血症」

尿酸は、細胞内にあるプリン体が肝臓で分解されて生じる成分です。

通常は尿や便として体外に排出されますが、尿酸の量が増えたり、排出が滞ったりすると血液中に尿酸が増えやすくなります。

血液中に尿酸が多く含まれる状態が続くと、関節に尿酸の結晶がたまり、痛風発作(炎症にともなう関節の激しい痛み)が起こる仕組みです。

なお、尿酸の約8割は体内でつくられ、食事から取り入れる分は約2割にすぎません。

尿酸値の上昇は、食生活だけでなく体質や生活習慣と深く関係していると言えるでしょう。

尿酸値の基準値について、くわしく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
尿酸値の基準は何mg/dL?正常値・異常値の目安とすぐにできる対策を解説

尿酸の生成が増える原因

体内で尿酸の産生が過剰になっているタイプの痛風は「尿酸産生過剰型」と呼ばれます。

主な原因を以下にまとめました。

原因 詳細
プリン体の多い食品の過剰摂取 モツ、干物、魚卵などのプリン体を多く含む食品を頻繁に食べることで、尿酸の産生量が増える
アルコールの摂取 ビール、日本酒などのアルコールの代謝でプリン体の合成が促され、尿酸が増える
内臓脂肪型肥満 内臓脂肪の蓄積により尿酸の産生が促される
激しい運動やストレス 代謝やホルモンバランスの変化を招き、一時的な尿酸の増加を引き起こす
体質・遺伝 尿酸を産生しやすい体質の可能性がある

食事や生活習慣、体質などは、尿酸が過剰につくられる原因となり得ます。

生活習慣を見直し、発症予防に努めましょう。

尿酸の排出が滞る原因

腎臓の機能低下によって尿酸を排出する機能が弱まり、血中の尿酸量が増えるタイプの痛風は、「尿酸排泄低下型」と呼ばれます。

主な原因を以下にまとめました。

原因 詳細
腎機能の低下 腎機能が弱まり、尿酸を十分に排出できなくなる
アルコール摂取 アルコールの代謝でつくられる物質によって、腎臓での尿酸排出が妨げられる
内臓脂肪型肥満 内臓脂肪の蓄積により過剰に分泌されるインスリンによって、腎臓での尿酸排出が妨げられる
水分不足 水分量が足りず尿量が減ることで、尿酸の排出能力が低下する
体質・遺伝 尿酸を排出しづらい体質の可能性がある

腎臓の機能低下や生活習慣、遺伝などは、尿酸を排出する能力の低下につながる可能性があります。

痛風の原因となる生活習慣

痛風は、食事や飲酒などの生活習慣と深く関係しています。

尿酸値の上昇を招き、痛風の原因となる生活習慣は以下のとおりです。

痛風の原因となる生活習慣

上記の生活習慣に心当たりがある方は、改善を検討してみましょう。

プリン体や糖質を多く含む食事が多い

プリン体や糖質を多く含む食事は、尿酸値の上昇を招く要因の一つです。

プリン体は分解されると尿酸になり、果糖(糖質の一種)は体内で尿酸の生成を促します

プリン体や糖質を多く含む代表的な食品は以下のとおりです。

▼プリン体を多く含む食品

  • レバーなどモツ類
  • 青魚(サンマ、カツオ、マイワシなど)
  • エビ類(大正エビ、クルマエビなど)
  • 魚介加工品(魚の干物、明太子、タラコ、あん肝など)

▼果糖を多く含む食品

  • 甘いジュースや清涼飲料水
  • ハチミツや砂糖を多く使うお菓子

参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団「食品・飲料中のプリン体含有量」

果糖を多く含む甘いジュースや清涼飲料水のとりすぎは、尿酸値が上がりやすくなると言われています。

また、糖質のとりすぎは肥満を招き、結果として尿酸がたまりやすくなるため注意が必要です。

痛風のときに気を付けたい食べ物・飲み物についてくわしくはこちら!
▼痛風になったときに食べてはいけない食材
痛風で食べてはいけない食べ物一覧表!原因や食事以外の予防対策も解説
▼尿酸値とコーヒーの関係性
尿酸値が高いとコーヒーはNG?飲むときのポイントや今からできる生活習慣を解説

アルコールの摂取量が多い

アルコールの飲みすぎは、尿酸値を高める要因の一つです。

主な理由は次の2つです。

  • アルコールの摂取によって、体内におけるプリン体が増加し、尿酸がつくられやすくなる
  • アルコールを分解する過程でつくられる物質によって、腎臓での尿酸排出が妨げられる

なかでも、ビールはプリン体が多く含まれるため、飲みすぎは控えましょう。

焼酎やウイスキーなどは、比較的プリン体が少ないとされていますが、過度な摂取は尿酸値を高める原因になり得ます。

普段アルコールを飲む機会が多い方は、適度な飲酒にとどめることが大切です。

水分摂取量が少ない

水分の摂取が足りないと、尿酸の排出が滞り、痛風のリスクを高める可能性があります。

特に汗を多くかく季節や運動したあとは、脱水に注意が必要です。

尿酸値が気になる場合は、こまめな水分補給を心がけましょう。

ストレスの蓄積

ストレスがかかった状態も、尿酸値の上昇につながる場合があります。

心理的なストレスが続くと交感神経が優位になり、腎臓からの尿酸の排泄が低下することで、血清尿酸値が上がりやすくなると考えられています。

ストレスを抱えすぎないようにすることは、痛風の予防に役立つでしょう。

体質や疾患も痛風の原因になる

痛風は生活習慣だけでなく、体質や病気が関係していることもあります。

特に尿酸をつくりやすかったり、排出しにくかったりする体質の方は、同様の生活習慣でも尿酸値が高くなりやすい傾向があります。

痛風を引き起こす身体的な要因を以下にまとめました。

体質や疾患も痛風の原因になる

上記に当てはまる方や、家族に痛風をわずらっている方がいる場合は、予防に取り組むことが大切です。

腎機能の低下

腎臓の働きが弱まると尿酸の排泄が進まず、血液中にたまりやすくなります。

腎臓は血液中の老廃物を体外に排出する役割をもち、体内で作られた尿酸は尿として体外に排泄されるためです。

尿酸が腎臓内に沈着すると、さらなる腎臓の機能低下を招く可能性もあるため、早い段階で治療に取り組みましょう。

なお、慢性的な腎疾患がある方は尿酸値が上昇しやすく、痛風を発症するリスクも高まると言われています。

肥満や内臓脂肪

肥満(特に内臓脂肪型肥満)は、痛風のリスクを高める要因の一つです。

内臓脂肪が増えると、血糖を調整するインスリン(※)が効きづらくなり、さらなるインスリンの過剰分泌を招く可能性があります。

※膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種

インスリンは、腎臓での尿酸の再吸収を促す作用をもつため、注意が必要です。

尿酸を排出しにくくなることで、血液中における尿酸値の上昇を招き、痛風を発症するリスクが高まります。

※参照:一般社団法人 日本肥満症予防協会「肥満症予防コラム「肥満と11の関連疾患」

糖尿病

糖尿病や血糖値が高い状態は、痛風の一因です。

初期の糖尿病では、血糖を下げるために多くのインスリンが分泌されます。

インスリンは尿酸の再吸収を促す作用があるため、尿酸が体外へ排出されにくくなり、尿酸値が上がりやすくなるのです。

さらに、糖尿病が進行するとプリン体の分解にも影響を与え、尿酸がつくられやすくなる可能性があります。

糖尿病と痛風はいずれも生活習慣に関係するため、血糖値と尿酸値のコントロールに取り組むことが再発予防につながります。

高血圧

高血圧は、痛風の発症リスクを高める要因の一つです。

血圧の高い状態が続くと腎臓に負荷がかかり、尿酸を体外へ排出する働きが弱まる可能性があります。

高血圧は生活習慣と深く関係しており、運動不足・ストレス・アルコールのとりすぎなどは悪化の要因になり得ます。

症状を悪化させないためにも、日常生活を見直すことが大切です。

服薬の影響

薬剤の一部には、使用によって尿酸値の上昇を引き起こす場合があります。

なかでも、高血圧やむくみの治療で用いられる利尿薬(サイアザイド系・ループ系)は、腎臓からの尿酸の排出を減らし、尿酸値を上げやすいとされています。

すでに利尿薬を服薬している方は、自己判断で薬を中断せず、かかりつけの医師に相談することが望ましいです。

※参照:日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版[2022年追補版]」

痛風発作を予防するには?

痛風の再発を防ぐには、生活習慣を見直して尿酸値を安定させることが大切です。

代表的な痛風の予防方法を以下にまとめました。

  • 食事
    プリン体や糖質、アルコールのとりすぎを控える
  • 運動
    ウォーキングなどの適度な有酸素運動を習慣化する
  • 水分摂取
    水やお茶などでこまめに水分をとる
  • 体重管理
    肥満を防ぎ、内臓脂肪を減らす
  • ストレスと睡眠
    適度なストレス解消と十分な休息を心がける
  • 定期的な受診
    尿酸値を定期的に確認し、医師の指示を守る

日々の生活習慣が発作の予防につながるため、上記の予防方法を意識的に取り組むことが大切です。

尿酸値を下げる方法について、くわしくはこちらをチェックしてみてください。
尿酸値を下げる方法|効果に期待できる食べ物や飲み物・運動法を解説

痛風発作が起きた時にやってはいけないことや対策

痛風発作が起きると、炎症が起きている部位の腫れや強い痛みによって動けなくなるケースもあります。

焦って自己判断で対処すると、かえって症状の悪化につながる可能性もあります。

症状があらわれた場合は、以下のようなポイントを意識することが大切です。

▼避けたほうがよい行動

  • 痛む関節を動かしたり、マッサージしたりする
  • アルコールや甘い飲み物を摂取する
  • 入浴などで身体や患部を温める

▼痛みをやわらげるためにできること

  • 痛む部分を動かさず、安静にする
  • 腫れた部分をよく冷やす
  • 水やお茶などで十分な水分をとる
  • 足を心臓より少し高い位置にして休む

参照:公益財団法人 痛風・尿酸財団「痛風発作の応急処置はどうするか?」

痛風発作があらわれた際、痛みを和らげるためにロキソニンをはじめとした非ステロイド性の鎮痛薬の使用は、有効とされています。

ただし、治療薬の種類や持病がある場合は自己判断で使用せず、主治医に相談したうえで使用を検討しましょう。

発症してから数日間は激しい痛みが続くとされていますが、1週間ほどかけて少しずつ和らいでいきます。

しかし高尿酸血症が解消されない限りは、症状が再発するリスクがあります。

再発や症状の悪化を防ぐためにも、早めに医師へ相談することが大切です。



痛風のための市販薬について、くわしく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
痛風に効く市販薬はある?治療薬の種類一覧!副作用や注意点も解説

痛風の原因に関するよくある質問

ここからは、痛風の原因に関するよくある質問に回答します。

一つずつ確認していきましょう。

痛風は自然に回復する?

痛風の痛みは、時間が経つにつれ自然とおさまりますが、治ったわけではありません。

尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続いている限り、再び発作を起こす可能性があるためです。

治療をせずに放置するとおよそ1〜2年以内に再発するケースが多いとされています。

さらに、発作を繰り返すと症状が再発する期間は短くなり、関節や腎機能にさらなる悪化をきたすおそれもあります。

放置せず、生活習慣の見直しと治療薬の使用によって改善に取り組むことが重要です。

痛風発作の前兆はある?

痛風発作では、以下のような前兆が現れる場合があります。

  • ピリピリとした刺激
  • チクチクする痛み
  • 足のむずむずとした感覚、違和感
  • 患部の軽い熱感や張り

上記の自覚症状がみられると、数時間から1日以内に激しい痛みがあらわれる可能性があります。

前兆の段階で、コルヒチンなどの医師の処方薬を服用すると、発作の悪化を防げることもあります。

前兆を感じた場合は自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

痛風が一日で治ったという話を聞くけど本当?

「痛風が一日で治った」という事例を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは症状が軽い場合に限られています。

一般的には強い痛みが2〜3日続くケースが多く、1週間ほどかけて次第に痛みが治まっていきます。

再発を防ぐためにも、痛みがない時期も含めて、生活習慣の改善や医師の指示にしたがって治療を継続することが大切です。

痛風が一日で治ったという噂について、くわしく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
痛風は歩くと治る?一日で治ったという噂の真相や正しい対処方法を調査

痛風の原因を理解して早めに受診しよう

痛風は、血液中の尿酸が過剰にたまることで引き起こされる状態です。

尿酸の異常には、食生活・飲酒・運動不足をはじめとした生活習慣や体質、持病が関与している場合があります。

痛みの症状が治まっても、尿酸値が高い状態が続いていると、再び激しい痛みが生じる可能性があります。

痛風の予防には、治療薬の使用や生活習慣の見直しが必要です。

気になる症状がある方や未治療の痛風をわずらっている方は、早めに専門の医師に相談してみてください。

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エミシアクリニックでは、スマホひとつで自宅から受診できるオンライン診療を行っています。

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尿酸値のコントロールや発作の再発予防には、早めの治療と生活習慣の見直しが大切です。

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痛風の治し方ガイド!症状別の治療法や応急処置・再発防止策を解説

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