痛風の激しい痛みに悩まされており、「歩くと治る」という情報を目にして、実際のところはどうなのか知りたいという方もいるでしょう。
発症直後は安静にすることが大切ですが、痛みが落ち着いてきた頃に行う適度な歩行は痛風改善に効果的です。
本記事では痛風の基本知識や正しい対処法、生活習慣の改善方法まで詳しく解説します。
痛風は一日で治る病気ではありませんが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を和らげることが可能です。
痛風発作時にやってはいけないことや、病院にかかるタイミングなども紹介するので、痛風にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
痛風とは?一日で治る?
痛風は、尿酸の結晶が関節に蓄積することで激しい痛みや腫れが生じる病気です。
尿酸値の値が高いか、関節が腫れているかなどを総合的に判断して痛風だと診断されます。
足の親指の付け根に現れることが多く、痛みが強すぎて歩けなくなるケースも少なくありません。
痛風に初期症状や予兆はなく、突然発症して24~36時間後に痛みのピークを迎えます。
症状が治まるまでに1〜2週間程度かかるのが一般的で、残念ながら一日で治ることはありません。
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痛風は歩くと治るって本当?
適度な歩行は、痛風の改善に効果があるといわれています。
歩くと血行が促進され、体内に蓄積された尿酸の排出が活発になるためです。
ただし、激しい運動や長時間の歩行は、逆効果となる可能性があるため注意しましょう。
体内の酸素不足により一時的に血清尿酸値が上昇するほか、関節への負担も大きくなります。
足に強い衝撃が加わるスポーツは症状を悪化させるリスクがあるため、マラソンやサッカーなどは控えましょう。
痛風の改善には、ウォーキングといった無理のない範囲でできる軽い運動がおすすめです。
痛風の時にやってはいけないことと正しい対処法
痛風になったら、激しい痛みを引き起こす可能性があるため、患部をマッサージしたり温めたりするのは避けましょう。
痛風発作時の正しい対処法として、以下ポイントが重要です。

- 腫れを軽減させるために、患部を心臓より高くする
- タオルに包んだ保冷剤などで患部を冷やし、炎症を抑える
- 一度に冷やすのは15分以内にとどめ、数時間の間隔をあける
痛みが強いときは鎮痛剤の使用も有効ですが、症状が悪化する可能性があるアスピリン(※)を含む薬は避けてください。
※アスピリンとは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)の一つで、主に痛みや発熱を和らげるために使用する薬。
薬選びに不安がある方は、医師に相談して適した薬を処方してもらいましょう。
※参考:公益財団法人 痛風・尿酸財団「痛風発作の応急処置はどうするか?」
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痛風発作を早く治すための生活習慣
痛風の症状を緩和させるには、下記4つの生活習慣の改善が効果的です。

上記の生活習慣を実践すれば、痛風の症状緩和と再発予防が期待できます。
痛風が治まるまでの期間だけ行うのではなく、継続的に実践していきましょう。
カロリーや食事内容を見直す
過度なカロリー摂取や偏った食事は、尿酸値の上昇を引き起こす原因となります。
特に早食いの習慣がある方や脂質の多い食事が多い方は、痛風のリスクが高まるため注意しましょう。
プリン体を多く含む食品は痛風の原因となるため、内臓肉や魚卵などは頻繁に食べないようにしてください。
1日に必要なカロリーは下記を目安とし、これを超えないよう意識的に管理することが大切です。
性別 | 1日に必要なカロリー |
---|---|
男性 | 身体活動量が低い:2,200±200kcal 身体活動量がふつう以上:2,400~3,000kcal |
女性 | 身体活動量が低い:1400~2000kcal 身体活動量がふつう以上:2,200±200kcal |
また、尿酸値を下げるために乳製品・野菜・海藻を取り入れ、バランスの良い食事を心がけましょう。
特に乳製品に含まれるカルシウムには、尿酸の体外排出を促進する効果があるとされています。
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アルコールの摂取量を減らす
アルコールの過剰摂取は痛風発作のリスクを高めるため、摂取量を減らすことが不可欠です。
すでに発作が起こっている場合は、症状が治まるまで飲酒を控えた方が良いでしょう。
症状が治まった後も、適度な飲酒量を守ることが大切です。
【尿酸値への影響を最低限にする摂取量の目安】
- ビール:350~500ml
- 日本酒:180ml
- 焼酎(25%):: 90ml
- ウイスキー:60ml
- ワイン:200ml
※参照:公益財団法人日本医療機能評価機構「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版」
中でもビールは痛風になりやすいとされているため、日常的に飲酒する習慣がある方は飲み過ぎないようにしましょう。
1日2Lを目安に水分を摂る
尿量を増やして体内の尿酸排出を促進するために、1日2Lを目安に水分を補給しましょう。
特に夏季や運動後は発汗量が増えて水分不足になりやすいので、積極的な補給が欠かせません。
また、アルコールの利尿作用によって水分が排出されやすい飲酒時も、意識的に水を飲む必要があります。
なお、水分補給の際は飲み物の種類に注意が必要です。
ポカリスエットなどのスポーツドリンクや、果糖を含む清涼飲料水は、尿酸値を上昇させる可能性があります。
水分補給する際は、水や緑茶・麦茶・乳製品といったものを選びましょう。
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日々のストレスを発散させる
ストレスの適切な管理も、痛風を早く治すために重要な要素です。
不規則な生活リズムや過度に活動的なライフスタイルを送る人は、痛風になるリスクが高まる傾向にあります。
特にストレス解消を飲酒や過食に求める方は、痛風を悪化させる可能性があるため注意しましょう。
健康的なストレス発散法として、下記のような方法がおすすめです。
- 軽いウォーキングや散歩で体を動かす
- 十分な睡眠時間を確保する
- 入浴時は湯船につかってリラックスする
- 読書や音楽鑑賞など、趣味の時間を持つ
自分に合ったストレス解消法を見つけ、継続的に実践して心身の健康を保ちましょう。
痛風で病院に行くべきタイミング
激しい痛みで歩行が難しい場合や腫れや赤みが治まらないときは、早めに病院を受診しましょう。
病院では問診などを通じて痛風の診断が行われ、症状の程度に応じた治療計画が立てられます。
適切な治療を受ければ、早めに症状が落ち着いて生活への影響も最小限に抑えられるでしょう。
昨今はオンライン診療が普及しているため、忙しい方でも自宅から受診可能です。
移動の負担なく医師のアドバイスを受けることができ、継続的な治療が受けやすくなっています。
痛風は再発しやすい病気であるため、医師の指導のもとで生活習慣の改善や薬物治療を継続することが大切です。
痛風を治療するならエミシアクリニックへ
エミシアクリニックでは尿酸値を下げる治療薬を処方しており、最短当日に治療薬が受け取れます。
自宅からスマートフォンを通じて診察が受けられるのも魅力です。
尿酸値コントロールには長期的な取り組みが必要となりますが、忙しい方でも治療を継続しやすいでしょう。
また診察料や薬の送料は無料で、かかる費用は治療薬の代金のみとなっており、経済的な負担も考慮されています。
予約はLINEから24時間いつでも受け付けているので、痛風治療が受けたい方はぜひご相談ください。
痛風や歩行に関するよくある質問
痛風や歩行に関する下記の質問と回答をまとめました。
疑問や不安を解消し、痛風治療に役立ててください。
痛風は歩くと悪化するって本当?
ウォーキングといった適度な運動は痛風改善に効果的ですが、発症直後に無理やり歩くと痛みが増すことがあります。
発症後は無理して歩こうとせず、痛みや腫れが引くのを待ちましょう。
一方で、症状が落ち着いてきてから行う歩行は、血行を促進して尿酸の排出を助ける効果が期待できます。
激しい痛みがある時は安静を保ち、症状が和らいできたら痛みを伴わない範囲で運動量を増やしていきましょう。
手首が痛風になることはある?
一般的に痛風は足の親指の付け根に発症するケースが多いですが、手首も痛風の影響を受ける可能性がある関節の一つです。
体内の尿酸結晶は、下記のような関節に沈着する可能性があります。
【痛風の症状が現れる場所】
- 足の親指の付け根
- 足の甲
- 足首
- ひざ
- 手首
- ひじ
痛風は一度に1ヶ所の関節でのみ現れるのが特徴で、複数の関節に同時に痛みを感じることはほとんどありません。
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痛風が1ヶ月以上痛い!腫れが引かないのはなぜ?
痛風はおよそ1~2週間で症状が落ち着くとされていますが、痛みや炎症が1ヶ月以上続いている場合は、下記の要因が考えられます。
- 治療方法が適切でない
- 処方された治療薬の服用方法が守られていない
- 関節内に尿酸結晶が蓄積し、慢性的な炎症を引き起こしている
- 痛風ではない別の関節疾患である
関節の痛みや腫れが長期間続く場合は、早めに病院を受診することが大切です。
医師による適切な診断と治療計画の見直しにより、症状の改善が期待できるでしょう。
痛風で歩くと痛いときは、オンライン診療を受診しよう
痛風になると歩行時に痛みが走り、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
しかし、痛風は一日で治るものではなく、適切な治療と生活習慣の改善が必要です。
発症直後は安静にする必要がありますが、症状が落ち着いてきたら血行促進・尿酸排出のためにウォーキングしましょう。
また、尿酸値を下げる治療薬を服用し、症状の改善・再発防止に努めるのも重要です。
エミシアクリニックでは、自宅にいながら痛風の診察や治療薬の処方を受けられるサービスを提供しています。
移動の負担がないため、激痛で歩くのが困難な方でも、すぐに医師の診察を受けられるのが利点です。
LINEから24時間予約を受け付けているので、痛風がつらい方はぜひオンライン診療をご利用ください。