ニキビができやすい悩みがあり、自分に合った対策を模索している方も多いのではないでしょうか?
見た目が気になるのはもちろん、炎症を起こすと痛みや不快な違和感を感じることもあります。
今回は「ピルを服用するとニキビが改善する」という話を耳にして、実態が気になる方に向け、ピルがニキビに影響を及ぼすメカニズムを詳しく解説します。
ニキビを抑えやすいピルの種類や変化を感じるまでの期間も紹介しているため、ニキビとピルの関係が気になる方はぜひご覧ください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
ピルはニキビに効果がある?メカニズムを解説

ピルにはニキビを抑える可能性があり、その主な理由として以下が関係しています。
- 皮脂分泌
- ホルモンバランス
そもそもニキビの発生は、皮脂の分泌が増加して毛穴がつまり、アクネ菌が増殖することが要因です。
※参照:日本皮膚科学会
皮脂の分泌が増える原因の一つに、女性の体内にもある男性ホルモン(テストステロン)の増加があります。
ピルには女性ホルモンの安定及び男性ホルモンの分泌を抑える働きがあるため、ニキビの原因となる皮脂の過剰分泌を抑える効果に期待できる仕組みです。
ピルでニキビが悪化する場合も
ピルを服用することでニキビが減る場合もありますが、以下の理由で逆に悪化するケースもあります。
- 飲み始めは一時的にホルモンバランスが不安定になる
- プロゲステロンが男性ホルモンに作用して活性化させる
- ピルと体の相性が合わない
飲み始めはホルモンバランスが不安定になるため、ニキビが悪化したり増える可能性があります。
またピルに含まれる「プロゲステロン」が、男性ホルモンの「アンドロゲン」に反応し、ニキビが悪化する場合も。
しかし多くの場合は、3カ月ほど飲み続ければホルモンの安定とともにニキビの症状も落ち着いてくるでしょう。
ただピルと体質が合わずに肌荒れが起きている可能性もあるので、ピルを飲み始めてニキビが悪化した際は医療機関へ相談してください。
ニキビを抑える効果に期待できるピルの種類
ピルにはいくつか種類がありますが、以下ではニキビを抑える効果に期待できるものをまとめました。

ニキビ改善に向けてピルを服用する際は、上記の種類を検討しましょう。
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マーベロン
マーベロンは、男性ホルモンの分泌が増える男性化作用が起こりにくいとされているピルです。
マーベロンに含まれている「デソゲストレル」という黄体ホルモンの一種には、男性ホルモンを抑制する働きがあります。
※参照:神奈川県薬剤師会
ニキビの改善を期待してピルを服用する際は、マーベロンの服用がおすすめです。
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トリキュラー
トリキュラーは、含まれるホルモンの量が3段階に変化する3相性タイプのピルです。
体内の「エストロゲン」と、黄体ホルモンを人工的に合成した「プロゲスチン」のバランスを安定させることで、ニキビを抑える効果に期待できます。
ただし飲み始めの頃は、ホルモンバランスが一時的に不安定になるため、ニキビが増えるなどの反応が出ることも。
トリキュラーでニキビ改善の効果を期待するなら、1〜3カ月ほど飲み続けることが重要です。
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ヤーズ
ヤーズは、抗ミネラルコルチコイド作用がある第4世代の超低用量ピルです。
抗ミネラルコルチコイド作用とは、アルドステロンの働きを阻害する働きを指し、血圧を下げてむくみを解消する効果に期待できます。
含まれるホルモンの量が超低用量のため、副作用が出にくい特徴を持ち、服用初期のニキビも比較的起こりにくいです。
服用し続けることでホルモンバランスが整うので、気になる方はぜひ服用してみてください。
ピルにより変化を感じるまでの期間は約3~6カ月
ニキビ対策として、ピルを服用してから変化を感じるまでの期間は約3~6カ月である場合が多いです。
ニキビを改善するには女性ホルモンのバランスを整える必要があります。
ただし症状の軽重などそれぞれの症状や体質・肌質にもよるため、期間には個人差があるでしょう。
ピルを飲めばすぐに効果があるというわけではなく、多くの場合、数カ月の期間が必要であることは念頭に入れておいてください。
ニキビの抑制以外でピルに期待できる効果
ニキビの抑制以外でピルに期待できる効果には、以下のものがあります。
- 生理不順の改善
- 生理痛が軽くなる
- 生理周期を調整できる
- 卵巣がん・子宮体がんのリスクを減らす
- 腹痛・腰痛・倦怠感の改善
- PMSを軽くする
- 望まない妊娠を回避する
ピルには生理周期を整える働きがあり、服用した次回の生理から周期が安定する場合が多いです。
排卵が抑制されることで、子宮内膜の増殖が抑えられて厚くなりにくく、子宮の収縮運動が抑えられて生理痛が軽減することも。
また旅行などの際に生理が被らないよう、タイミングを調整したい場合にも有効と言えます。
エミシアクリニックでは、予約不要で今からでもラインからオンライン診療を受けていただけます。
3分で完了でき、診察料や送料も無料なので、ピルが気になる方はぜひお試しください。
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ピルの服用がおすすめな人の特徴

以下では、ニキビ治療を目的としたピルの服用がおすすめな人の特徴をまとめました。
- ニキビが繰り返し発生してしまう人
- 塗り薬でもニキビが治りづらい人
- 皮脂の分泌量が多くニキビが出やすい人
- 生理に伴う不調でニキビや肌荒れが起こりやすい人
元から皮脂の分泌量が多い人も、ピルの服用で皮脂の量を調整できれば、肌の状態が改善する場合があります。
生理の際に不調になりやすく、ニキビや肌荒れが起こりやすい人も、ピルを服用してホルモンバランスを整えましょう。
ピルの服用により考えられる副作用

ピルを服用する際に考えられる副作用には、以下のものがあります。
- 吐き気
- めまい
- むくみ
- 体重増加
- 不正出血
- 乳房のはり
- 血栓症などが起こる
一般的に低用量ピルは副作用が少ないですが、軽い吐き気やめまい・むくみなどは起こりやすい症状です。
ただ、ピルを飲み続けることで改善する場合がほとんどのため、心配しすぎる必要はありません。
またピルを服用すると、非服用者の約3~5倍、血栓症が起こるリスクが増加すると言われています。
※出典:日本産婦人科学会
血栓症が心配な方は、水分補給をこまめに行い、適度な運動を心がけましょう。
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ピルとニキビに関してよくある質問
以下では、ピルとニキビに関してよく抱かれる疑問と回答をまとめました。
ニキビの治療をしたい・ニキビ跡の治療法を探している方は、ぜひ確認してください。
ピルの服用をやめたらニキビは再発する?
低用量ピルの服用をやめると、ニキビが再発するケースはあり得ます。
ピルの作用でホルモンバランスが整っている間は出にくいですが、やめた後にホルモンバランスが乱れれば再発する可能性は否めません。
ピルをやめてもニキビができないようにするには、肌を清潔に保ったり、食事改善などで過剰な皮脂をコントロールしましょう。
ピル以外のニキビ治療法と併用は可能?
結論、併用は可能なため、以下のような治療法も行うことを推奨します。
- イソトレチノイン
- 抗生物質
- フォト治療
- レーザー治療
- ダーマペン
- ケミカルピーリング
効果に期待はできるものの、ピルは元々ニキビ用の薬ではないため、併用することでより変化を感じやすいでしょう。
ただし治療法や併用のルールは、ニキビの状態や体質により異なるので、事前に医療機関で相談してみてください。
ピルはニキビ跡にも効く?
低用量ピルに、ニキビ跡改善の効果は期待できません。
ニキビ跡は、炎症によりメラニンが生成されて色素沈着を起こしている状態です。
ニキビ跡にアプローチしたい場合は、以下のような治療方法を検討しましょう。
- 専用の内服薬の服用
- 外用薬の使用
- ピーリング
- イオン導入
- レーザー治療
ピルによりニキビが起こりにくくすることで、ニキビ跡の発生を事前に抑えることは可能です。
ピルはあくまでホルモンバランスを整える薬
ピルは、あくまでホルモンバランスを整える薬ですが、副効用を利用してニキビ対策に使われることもあります。
ホルモンバランスを調整することで、皮脂が過剰に分泌されるのを防ぎ、ニキビの予防につながる仕組みです。
ただしピルを服用してから変化を感じるまでには、数カ月~半年以上の時間が必要なため、長期的な治療法と捉えてください。
エミシアクリニックでは、オンラインによる無料診察でピルの処方を行っているので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。