「アフターピル服用後、お酒はいつから飲めるの?」
「お酒を飲んでしまったけど、アフターピルの効果に影響はない?」
お酒の影響でアフターピルの効果が得られないのでは、と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。
アフターピル服用前後の飲酒が直接的に避妊効果へ影響することはありません。
しかし、飲酒自体に影響がなくても、判断力の低下で正しく服用できないリスクや副作用への影響を避けるため、控えた方がいいでしょう。
この記事では、お酒がアフターピルに与える影響や、すでに飲んでしまったときの対処法について解説します。
服用後、お酒を飲んでもいいタイミングや、アフターピルの効果・服用に関する注意点にも触れているため、お酒を飲む人は参考にしてください。

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
お酒がアフターピルの効果に与える影響とは?
アフターピルは正しく服用することで避妊効果が期待できる薬ですが、飲酒との併用には注意が必要です。
アルコールを摂取していると吐き気や嘔吐が起こりやすくなり、服用後2時間以内に吐いてしまうと十分な効果が得られないリスクが生じます。

避妊の確実性を高めるためにも、アフターピルの服用前後は飲酒を避けた方がいいでしょう。
アフターピルを飲む前にお酒を飲んだ場合
飲酒によるアフターピルへの影響はないとされていますが、副作用への影響や飲み忘れには注意が必要です。
アルコールもアフターピルも同じ肝臓で分解・吸収されます。
飲酒によって肝臓の機能に負担をかけている状態でアフターピルを服用すると、「吐き気・めまい」といった副作用が強く現れる可能性があります。
特に酔いが強い場合は、飲み忘れや服用後の嘔吐に注意が必要です。
服用後2時間以内に嘔吐してしまうと、薬が吸収されないまま排出され、避妊効果が得られないリスクが高まります。
アルコールによる嘔吐や副作用への影響を抑えるためにも、服用前の飲酒は避けましょう。
アフターピルを飲んだ後にお酒を飲んだ場合
アフターピル服用前と同様に、服用後の飲酒も避けるべきです。
服用から24時間以内は体がホルモン変化に敏感なため、副作用の症状を強める可能性があります。
特にアフターピルは薬の分解・吸収に2時間は必要です。
この間に副作用やアルコールによる体調悪化で吐き戻してしまうと、再度もう1錠服用する必要があります。
飲酒や副作用による嘔吐を避けるため、アフターピル服用後は少なくとも1日は飲酒を控えてください。
アフターピル服用前後にお酒を飲んでしまった時の対処法
それ以上追加でお酒を飲むことはせず、静かな環境で安静に過ごすことが重要です。
アルコールの影響で嘔吐してしまうと、薬の効果が不十分になる可能性があります。
吐き戻しを防ぐため、次の対策が有効です。

- 水分をこまめに摂る
- 横になり体調を整える
- 深呼吸してリラックスする
アルコールの影響で極端に効果が下がることは考えにくいですが、薬が吸収されるまでの服用後2時間は安静に過ごすことが大切です。
もし嘔吐してしまった場合は、速やかに医師に相談して再服用の必要があるか確認してください。
アフターピル服用後はいつから飲酒できる?
アフターピルを服用した後は、最低でも24時間は飲酒を控えることをおすすめします。
アルコールは肝臓で代謝されますが、アフターピルの成分も同じく肝臓で分解されるため、薬の吸収を待つ間は飲酒を避けた方が安心です。
また、飲酒によってアルコール分解のため肝臓に負担がかかると、吐き気・頭痛・めまいなどの副作用が強まるリスクも否定できません。
服用後2時間以上経過していれば効果が完全に失われるわけではありませんが、体調を守るためにも服用当日は控えるのが安全です。
飲酒以外でアフターピルを飲んだ後にしちゃいけないこと
ここでは、アフターピル服用後にしてしまうと効果に影響することや、してはいけないことについて紹介します。
アフターピルは、最低限のルールを守らなければ避妊効果が期待できない可能性がある薬です。
また、持病のある人は併用できない薬もあるため、必ず確認してください。
2時間以内の嘔吐
アフターピルは、性行為後72時間以内に服用しなければ効果を期待できないタイムリミットのある薬です。
たとえ72時間以内に服用できたとしても、まだ薬が吸収・分解できていない2時間以内に吐いてしまうと避妊効果が得られない可能性があります。
もし嘔吐が起きた場合には、再度アフターピルを服用する必要があるため、自己判断せず必ず医師に相談することが重要です。
2時間を過ぎてからの嘔吐であれば、薬の吸収は完了していると考えられるため再服用の必要はありません。
服用時の嘔吐が心配な場合は、事前に医師へ相談し吐き気止めを服用するなどの対策が有効です。
性行為の再開
再開の目安は次の生理の確認か妊娠検査薬で陰性が確認できたタイミングです。
生理がこない場合、避妊に失敗し妊娠している可能性があります。
アフターピルは「服用前の性行為」に対して妊娠を防ぐ薬であり、服用後の性行為には避妊効果はありません。
妊娠を望まない場合、アフターピル服用後すぐの性行為は避け、必ず避妊成功の確認をすることが重要です。
性行為を再開する際には、コンドームだけでなく低用量ピルなど他の方法を組み合わせて避妊の確実性を高めましょう。
アフターピルの避妊成功の確認方法に関して詳しくはこちら!
アフターピル服用後に避妊に成功したか確認する方法|副作用や失敗の原因を解説
併用禁忌薬の併用
アフターピルには併用してはいけない薬があり、一緒に服用すると重大な副作用や避妊効果が得られない恐れがあります。
以下は服用禁忌の薬剤です。
| 薬の種類 | 代表的な薬名(販売名) |
|---|---|
| 抗けいれん薬 | ・フェニトイン(ダイランチン) ・カルバマゼピン(テグレトール) |
| HIV治療薬 | ・リトナビル(ノービア) ・ロピナビル/リトナビル(カレトラ) |
| 抗生物質 | リファンピシン(リファジン) |
| 抗真菌薬 | ・ケトコナゾール(ニゾラール) ・イトラコナゾール(イトリゾール) |
| ハーブ | セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート) |
※参考:ノルレボ錠
特に代謝を促進する薬剤やハーブは注意が必要です。
服用中の薬がある場合は、必ず問診票へ記入し医師に伝え、医師の管理のもと十分にリスクを理解した上で服用してください。
アフターピルの飲み合わせに関して詳しくはこちら!
アフターピルと飲み合わせが悪いのは?風邪薬や抗生物質・サプリとの併用について解説
アフターピルに期待できる効果と服用時の注意点
アフターピルは避妊の最後の手段として、妊娠を防ぐ効果が期待できる薬です。
主成分であるレボノルゲストレルなどのホルモンによって、排卵の抑制や受精卵の着床を妨げる働きをします。
避妊に失敗したときや望まない性行為で妊娠を防ぎたい場合に、医師の処方のもと服用します。
ただし以下の点を十分に理解した上で服用することが重要です。
アフターピルは「緊急避妊」の手段であり、常用ではなく一時的に使用する薬であることを踏まえ、正しい知識を持って利用することが重要です。
アフターピルの効果に関して詳しくはこちら!
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できるだけ早く服用する
アフターピルは、服用が遅れると避妊効果を得られない恐れがあります。
以下は、薬の種類ごとの服用のタイムリミットです。
- レボノルゲストレル錠(ノルレボなど):性交後72時間以内
- エラ(ウリプリスタール酢酸エステル):性交後120時間以内
アフターピルの効果は時間が経つごとに低下します。
性交後72時間を過ぎるとレボノルゲストレル錠の効果は大きく落ちますが、5日以内であればエラで効果が期待できる場合もあります。
遅れるほど妊娠の可能性が高まるため、迷わず服用することが大切です。
エミシアクリニックのオンライン診療なら、24時間LINEで受け付けています。
医師の診察後は自宅まで薬をお届け可能ですので、ぜひご相談ください。
アフターピルの服用タイミングに関して詳しくはこちら!
アフターピルは飲むタイミングが肝心!遅れて後悔しない飲み方を解説
アフターピルはいつまでに飲むべき?効果の期限やすぐに手に入れる方法も解説
副作用が起こる可能性がある
アフターピルの服用で一時的な副作用が現れる可能性があり、以下は代表的な副作用と特徴です。
| 副作用の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 吐き気・嘔吐 | ・服用後数時間以内に出やすい ・嘔吐による効果の減弱に注意 |
| 頭痛・めまい | 一時的なふらつき、頭痛を感じる場合がある |
| 倦怠感・眠気 | ホルモン作用により強い眠気や疲労感が出ることもある |
| 不正出血 | ・生理以外の出血が起こることがある ・数日で治まることが多い |
| 下痢 | ホルモン変化によって腸の働きが乱れる場合がある |
副作用が出るかは個人差があり、全く感じない人もいます。
多くは数日以内に軽快しますが、症状が重い場合や不安がある場合は必ず医師へ相談してください。
当院ではアフターピルの処方時に嘔吐を予防するための吐き気止めを無料で処方しています。
服用に関する疑問にもオンライン診療で直接医師からアドバイスするため、お気軽にご相談ください。
アフターピルの副作用に関して詳しくはこちら!
アフターピルの服用に関してよくある質問
ここでは、アフターピルの服用に関してよくある4つの質問について詳しく解説します。
お酒の種類によって効果への影響は変わる?
お酒の種類によってアフターピルへの効果が変わることはありません。
ビールやワイン、日本酒、焼酎、ウイスキーなどいずれのアルコールも直接薬効を下げることはないとされています。
注意すべき点は飲酒による嘔吐です。
特に度数の高いお酒や一度に大量に飲む場合、アルコールの酔いで吐き気が強まります。
服用後2時間以内に嘔吐してしまうと、薬が吸収されず避妊効果が得られない可能性があります。
アフターピルを服用する場合は、嘔吐しないよう飲酒を避け、安静にして過ごしてください。
アフターピル服用後に食べてはいけないものはある?
基本的に、アフターピル服用後の食事制限はありません。
しかし注意したいのが「セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)」を含むハーブ製品やサプリメントです。
薬の代謝を促進するとされ、避妊効果を弱める可能性があるため控えてください。
普段の食事は問題ありませんが、ハーブティーや自然派サプリを常用している人は成分表示を確認しましょう。
常用しているサプリメントがあり、判断に迷う場合は自己判断せず、医師や薬剤師に相談してから服用してください。
アフターピル服用中にタバコを吸ってもいい?
アフターピルは一時的な服用であり、短期間の使用ではタバコとの併用も原則可能です。
ホルモン製剤であることによる血栓症のリスクは、毎日飲む必要がある低用量ピルとは異なり、一時的な服用になるアフターピルでは考えにくいとされています。
しかし、タバコの煙にはニコチンをはじめとする有害化学物質が含まれており、喫煙者は動脈効果や血栓を引き起こす可能性が高い状態です。
特に35歳以上で喫煙習慣がある人はリスクが増大するため注意してください。
アフターピルの喫煙によるリスクは低いとされていますが、できるだけ服用中にタバコを吸うのは控えることをおすすめします。
ピルを飲んでいたら酒に弱くなるって本当?
低用量ピルやアフターピルを服用しているからといって、体質的にお酒に弱くなることはありません
また、反対にお酒がピルの作用を強めることもありません。
ただし飲み過ぎによって嘔吐や下痢が起こると、薬の成分が十分に吸収されず、効果が得られない可能性があります。
また低用量ピルは一定の時間に毎日服用する必要があり、飲酒によって服薬を忘れることもリスクの一因です。
薬の影響でお酒に弱くなることはありませんが、「飲酒に伴う体調変化や飲み忘れ」には十分注意してください。
アフターピル服用前後の飲酒は控えるのがおすすめ
アフターピルの服用前後は飲酒をできるだけ控えてください。
アルコール自体が避妊効果を下げることはありませんが、アルコールの影響で嘔吐や服薬忘れ・副作用を強めるリスクがあるためです。
アフターピルは性交後72時間以内の服用が求められ、性交後できるだけ早い服用で避妊効果が期待できる緊急避妊薬です。
特に服用後2時間以内に嘔吐すると薬が吸収されず、再度の処方で服用が遅れると避妊効果が低下する可能性があります。
緊急時こそ落ち着いて服薬し、飲酒は避け、安静にして過ごしましょう。
不安が残る場合や体調に影響が出た場合は、一人で抱え込まず医療機関へ相談してください。



