「40代になってED気味だけど、原因はなんだろう。」
上記のような悩みを抱えている男性も多いのではないでしょうか。
「ED=勃起不全」は多くの男性が抱える問題で、40代では5人に約1人は症状に悩まされている状態です。(※1)
※1参照:浜松第一クリニック「ED実態調査」
今回は40代の男性がなるEDの原因は何があるのか、治療法や予防法を含めて解説します。
EDで悩んでいる40代の男性は、ぜひ最後まで読んでみてください。
40代の男性がなるEDの原因は何がある?
40代の男性が悩みの一つとして抱えるEDの原因は、下記の4つです。
各原因について解説するので、ED疑惑がある人はチェックしてみましょう。
肥満・メタボリックシンドローム
肥満・メタボリックシンドロームが、EDの原因を招いている可能性も高いです。
スタート時点の BMI が 23 kg/m2 以下であった群を対照にすると,BMI が増加するにつれ ED のリスクは上昇し,肥満の最も重度の群(30 kg/m2 以上)の相対リスクは 1.7 で有意であった。
引用:日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p19」
勃起力は、男性器となる陰茎海綿体に血液を送る量が大きく関係します。
しかしメタボリックシンドロームの症状の一つ「高血圧」にかかると血管が収縮するため、血液を送られる量が制限される状態です。
厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」よる調査では、40歳~49歳でメタボリックシンドロームの疑いがある人・予備軍は40%を超えています。(※2)
肥満・メタボリックシンドロームはEDを原因になる可能性があるため、太ってきたと思う方は適度な運動や食生活の改善を試みましょう。
運動不足
40代のメタボリックシンドロームやEDの原因では、運動不足も該当する可能性があります。
(2.7 METs 注)/週未満しか運動しない群を対照とすると,2.7< <16.5 群では相対リスクは 0.9(95% CI 0.8–1.0),16.6< <32.6 群では 0.8注) 安静時における単位時間当たり体重 1 kg 当たりの酸素摂取量を1 MET(Metabolic Equivalent)とし,身体活動の強さを,安静時の何倍に相当するかで表す運動強度の単位(p.83 CQ14参照)。ED 診療ガイドライン[第 3 版] 134●ED のリスクファクター(0.7–0.9),32.6 以上群では 0.7(0.7–0.8)と,運動強度の増加に伴って ED のリスクは低下していた。
~中略~
20~80 歳を対象とした前向き研究では,運動不足は ED の発生に関与していた。
引用:日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p19」
運動不足は血管機能や自室神経の低下を招きやすく、EDだけでなくさまざまな原因につながりやすいです。
厚生労働省が発表している「健康づくりのための運動所要量」は「1週間の合計運動時間が160分・目標心拍数120(拍/分)」が目安になります。(※3)
※3参照:厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準 2013」
1週間あたり2時間半以上の運動時間が確保できていない人は、まずは短い時間からでも継続した運動を心がけてみてください。
生活習慣病
生活習慣病の症状は、EDの原因にもつながるため改善が必要です。
【中等度以上のED患者】
40歳~59歳 | 60歳~79歳 | 正常値の人と比較した値 | |
---|---|---|---|
糖尿病の人 | 33.0% | 54.5% | 15.5~18.3pt |
高血圧の人 | 22.8% | 50.4% | 7.2~10.8pt |
脂質異常症の人 | 18.6% | 44.7% | 3.3~4.7pt |
尿酸値が高い人 | 22.1% | 47.6% | 5.5~6.6pt |
※4参照:浜松第一クリニック「ED実態調査」
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病を患っている人は、EDになりやすい調査結果も出ています。
中でも高血圧や糖尿病の人は正常値の人と比較した際のEDになる数値が高いため、EDの原因としても考えられるでしょう。
生活習慣病の症状・診断結果がある人は、EDの原因にもなるので改善するようにしてください。
疲労やストレス
疲労やストレスが溜まっている状態も、EDを招く可能性が高いです。
続発性EDでは,性的能力に関する不安,ストレス,または抑うつが原因に関連している可能性がある。
引用:MSD マニュアルプロフェッショナル版
不安やストレスを抱えている状態は、自律神経・ホルモンの乱れを招きやすくします。(※5)
※5参照:MSD マニュアル家庭版
特にホルモンバランスの乱れは男性ホルモンの「テストステロン値」を下げやすいです。
テストステロンの低下を性欲減退させる可能性があるストレスや疲労は、溜めないようにしましょう。
40代男性がEDを発症する確率
40代の男性が中等度以上のEDを発症する確率は、約10%~13%です。
40歳~44歳 | 45歳~49歳 | |
---|---|---|
軽度ED(勃起維持9/10回) | 11.7% | 13.4% |
軽度~中等度ED (勃起維持7~8/10回) | 8.0% | 10.2% |
中等度ED(勃起維持4~6/10回) | 5.2% | 7.3% |
重度ED(勃起維持1~3/10回) | 2.0% | 3.3% |
完全ED(勃起維持0/10回) | 3.0% | 2.8% |
中等度ED以上の割合 | 10.2% | 13.4% |
上記の比較表を見てもお分かりいただけるように、40代の男性は約5人に1人がEDを発症して悩みを抱えています。
年齢の増加とともに、EDの原因でもある生活習慣病やメタボリックシンドローム・運動不足になりやすいです。
EDの症状で悩まないためにも、生活習慣や仕事の環境などを改善していきましょう。
40代のEDの治療法
40代のEDを治療する方法は、下記の4つです。
各治療法の内容について解説するので、EDで悩んでいる人は確認してみてください。
生活習慣の改善
EDを改善するためにも、睡眠時間の確保や食生活・日々の運動量を見直しましょう。
生活習慣の改善は、ED以外のさまざまな病気を防ぐ役割もあります。
たとえばアルコールを飲む機会が多い場合は、摂取量を減らしてみてください。
アルコールの飲み過ぎは自律神経の乱れを招きやすく、男性ホルモンの分泌を低下させやすいです。
寝不足や暴飲暴食を避けて、適度な運動を心がけると生活習慣を改善できるでしょう。
ストレス解消やワークスタイルの見直し
ストレスを溜めている人は、ストレス解消やワークスタイルを見直してください。
年代 | 1日の平均時間 | 1日10時間以上働く人の割合 |
20代 | 8.89時間 | 31.0% |
30代 | 9.13時間 | 38.0% |
40代 | 9.62時間 | 48.0% |
50代 | 8.84時間 | 25.0% |
参照:江崎グリコ株式会社「次世代ビジネスパーソンに必要なのは”戦略的休憩力”20代に“戦略的休憩”の兆し!?」2018年
江崎グリコ株式会社による全国800人を対象にした調査では、20代男性よりも40代男性が仕事時間最長という結果でした。
40代では、約2人に1人が1日に10時間以上働いている計算になります。
オーバーワークは疲労やストレスを溜めやすいため、EDにならないためにもワークスタイルの見直しをしましょう。
精神・心理療法
EDの治療方法では、精神・心理療法もおすすめです。
EDは心因性EDも存在し、精神的またはパートナーとの関係からEDが起きている場合もあります。(※6)
※6参照:日本泌尿器科学会「ED 診療ガイドライン p19」
たとえば経済的にうまくいっていない場合や責任のある仕事を任されると、ストレスを感じやすいためEDを発症しやすいです。
精神科や泌尿器科・ED専門外来に足を運び、精神的不安・ストレスを改善しましょう。
ED治療薬の服用
EDを治療したい場合は、バイアグラやレビトラなどのED治療薬を服用しましょう。
ED治療薬はバイアグラが有名ですが、他にもレビトラやシアリスなど効果が持続しやすい・副作用が出にくい薬が開発されています。
性交数時間前に服用すると、血管拡張による勃起改善効果が期待できるでしょう。
EDで悩んでいる人は、かかりつけ医やED専門外来でED治療薬を処方してもらってください。
40代でEDにならないための予防法
40代でEDにならないための予防法は、下記の4つになります。
それぞれの予防法について解説するので、EDに対する不安を抱えている人は必見です。
男性ホルモン剤の活用
EDを予防する方法として、塗り薬などの「男性ホルモン剤」を活用してみてください。
男性ホルモン剤は性ホルモンの分泌不足を補充して、分泌不足にともなう諸症状の改善を期待できる医薬品です。
勃起力を高めるためには、男性ホルモン「テストステロン」の分泌が欠かせません。
男性ホルモンクリーム剤などもあるので、予防法の一つとして試してみましょう。
習慣的な運動
EDを予防する方法として、1週間の生活の中に約3時間運動する時間を作りましょう。
運動別では,週に 2.5 時間以上のランニングは ED の相対リ スクを対照群に比較して 30% 低下させた。
引用:
1週間で2.5時間以上のランニングを続けた場合、EDのリスクを30%低下させた結果もあります。
さらに習慣的な運動を作ることで、ED予防ができるだけでなく生活習慣病・メタボリックシンドロームも回避しやすいです。
多くのメリットがあるため、ED予防や生活習慣病予防をするためにも習慣的な運動を生活サイクルに組みましょう。
十分な睡眠の確保
ED予防の中には、睡眠時間を確保して良質な睡眠を取るようにしましょう。
テストステロンレベルに対する睡眠不足の影響は、わずか 1 週間の短い睡眠で明らかでした。5時間の睡眠では、テストステロンレベルが10パーセントから15パーセント減少しました。
引用:UchicagoMedicine
短い睡眠時間の場合は、テストステロンが低下するという調査結果も出ています。
男性ホルモン「テストステロン」はEDと深い結びつきがあり、勃起力を左右しやすいでしょう。
ED予防としてテストステロンの分泌を促すためにも、十分な睡眠時間は確保してください。
禁煙する
タバコを吸っている40代の男性でEDの予防をしたい場合は、禁煙をしましょう。
喫煙への介入については,中国人 719 名への禁煙に関するランダム化比較試験で は,介入を行い禁煙ができた群では 6 カ月後の勃起機能が 53.8% で改善し,禁煙 ができなかった群では 28.1% であった14)。
引用:
実際に禁煙を実施した人の調査結果では、6ヶ月後に勃起機能が53%改善された結果があります。
タバコに含まれているニコチンは血管を収縮させるため、勃起をするために必要な血液を送る量を減らす悪影響が出やすいです。
ED予防だけでなく勃起力・維持力を高めるためにも、禁煙はできるだけ目指してください。
40代の男性が服用できるED治療薬の種類
40代の男性が服用できるおすすめのED治療薬は、下記の3つです。
バイアグラ | バルデナフィル | シアリス | |
---|---|---|---|
服用時間 | 性交1~3時間前 | 性交1時間前 | 性交1~36時間前 |
持続時間 | 約4時間 | 約5時間 | 約36時間 |
効果の強さ | 強い | 強い | 緩やかな勃起力 |
副作用 | 出やすい | 少ない | 出にくい |
食事の影響 | 普通食や高脂肪食で効果低下 | 受けにくい | 受けにくい |
アルコールの影響 | 適量なら問題なし | 適量なら問題なし | 適量なら問題なし |
各ED治療薬ごとの特徴について解説するので、服用を検討している人は参考にしてみてください。
バイアグラ
製造販売元 | ファイザー株式会社 |
錠剤の形 | 青色:ひし形 |
特徴 | 世界初のED治療薬 |
効果の強さ | 約4時間 |
服用時間 | 性交1~3時間前 |
持続時間 | 約4時間 |
食事の影響 | 普通食や高脂肪食で効果低下 |
アルコールの影響 | 適量なら問題なし |
副作用 | ・顔のほてり ・目の充血 ・頭痛 ・動悸など |
購入方法 | 泌尿器科・ED専門外来 |
バイアグラは、世界で初めて開発されたED治療薬です。
有効成分「シルデナフィルクエン酸塩」が含まれていて、性行為1時間~3時間前を目安に服用します。
食事による影響を受けやすく、食後であれば1~2時間後を目安に服用してください。
副作用に該当する症状が現れた場合は、服用を中止してかかりつけ医に相談しましょう。
バルデナフィル
製造販売元 | ・沢井製薬株式会社 ・東和薬品株式会社 ・富士化学工業株式会社 |
錠剤の形 | オレンジ色:丸形・楕円 |
特徴 | 即効性が高い |
効果の強さ | 強い |
服用時間 | 性交1時間前 |
持続時間 | 約5時間 |
食事の影響 | 受けにくい |
アルコールの影響 | 適量なら問題なし |
副作用 | ・顔のほてり ・目の充血 ・頭痛 ・動悸など |
購入方法 | 泌尿器科・ED専門外来 |
バルデナフィルは、ED治療薬「レビトラ」の正規ジェネリック薬品です。
食事の影響を受けにくいだけでなく、水に溶けやすい性質があるため即効性が高い治療薬になります。
性行為1時間前の服用が好ましいですが、空腹時であれば20分ほどで効果が期待できる人も多いです。
ただしグレープフルーツ果汁と併用すると、予期せぬ副作用を発言する可能性があるため注意してください。
シアリス
製造販売元 | 日本新薬株式会社 |
錠剤の形 | 黄色:涙形 |
特徴 | 持続力が長い |
効果の強さ | 緩やかな勃起力 |
服用時間 | 性交1~36時間前 |
持続時間 | 約36時間 |
食事の影響 | 受けにくい |
アルコールの影響 | 適量なら問題なし |
副作用 | ・顔のほてり ・目の充血 ・頭痛 ・動悸など |
購入方法 | 通販・泌尿器科・ED専門外来 |
シアリスは、ED治療薬の中でも約36時間と持続時間が長い点が特徴です。
さらに食事の影響だけでなく副作用がでにくい傾向があるため、安心して服用できるでしょう。
効果の強さは「バイアグラ」や「バルデナフィル」と比べると劣るものの、自然な勃起力が期待できます。
シアリスを服用してみたい場合は、泌尿器科やED専門外来に相談してみてください。
40代のEDに関するよくある質問
40代のEDに関するよくある質問は、下記の4つです。
それぞれの質問に関して回答しているので、気になる疑問がある人は参考にしてみてください。
ED治療薬を処方してもらいたい場合はどうすればいいですか?
ED治療薬の処方を望む場合は、泌尿器科やED専門外来に相談しましょう。
泌尿器科やED専門外来では、内服薬を処方してくれるだけでなく診療対応もしてくれます。
近年では処方している内服薬の記載を公式HPでしているクリニックが多いため、ED治療薬の取扱いが医療機関が望ましいです。
ED治療薬を活用したい場合は、最寄りの泌尿器科やED専門外来を調べてみてください。
ED治療薬を飲んだものの性交しませんでした。大丈夫ですか?
ED治療薬を服用した場合に、性行為をしなくても問題ありません。
ED治療薬でもある「バイアグラ」は元々狭心症の治療薬として研究・開発されたもので、血管を拡張する作用があります。(※7)
※7参照:浜松第一クリニック「バイアグラは心臓に悪いのか」
血管拡張は血圧を下げるだけでなく心臓への負担を軽減させてくれるため、体に悪いものではありません。
性行為をしないと体に影響が出る薬ではないので、安心してください。
ED治療薬は依存症になりますか?
ED治療薬を何度も服用しても、依存症になる心配はありません。
依存を招く「睡眠薬」や「ニコチン」は脳に影響を与えるためです。
ED治療薬は血管拡張作用から血流の流れを良くし、ED改善・勃起力上昇の役割を持ちます。
厚生労働省に認可されている医療用医薬品になるため、安心して服用できるでしょう。
海外のED治療薬を個人輸入しても大丈夫ですか?
ED治療薬を個人輸入するのは、おすすめできません。
健康食品や医薬品などの個人輸入は健康被害の危険性があり、厚生労働省でも警告が出されています。
物によっては不衛生な場所や方法で製造されている可能性があるうえに、保証されている治療薬ではありません。
ED治療薬がほしいと考えている場合は、泌尿器科やED専門外来に相談するようにしましょう。
40代でEDになる原因を知って治療法・予防法で自信を取り戻そう
40代になると、さまざまな原因からED症状が出てしまう男性も多いです。
ED症状は、男性としての自信もなくしやすいでしょう。
生活習慣の改善やワークスタイルの見直しをすると、ED症状の治療が期待できます。
EDで悩んでいる人は、ED治療薬の服用も含めて治療法や予防法を参考にしながら生活習慣を改善していきましょう。
【40代のED治療法】