高校生にとって低用量ピルは避妊薬のイメージが強く、生理痛や生理不順の症状を抑えられることはあまり知られてません。
また「未成年だけで低用量ピルは買えるの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
今回は高校生でもピルの利用は可能なのか、一人でも処方してもらえるのかについてご紹介。
さらに一ヶ月あたりの値段の相場や、低用量ピルの詳しい効果も解説しています。
10代から低用量ピルを服用しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
エミシアクリニックは、18歳以上の方に低用量ピルを処方しております。
この記事を監修した医師
上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任
高校生でも生理でピルの利用はできる?
結論からいうと、高校生でも生理がきていれば低用量ピルの利用は可能です。
1 OC /LEP は初経発来後から開始できるが,骨成長への影響を考慮する必要がある。(B)WHOMEC によれば、OC は初経から閉経まで処方できることが基本になっている 1)。 日本の添付文書上では「骨成長が終了していない可能性がある患者」に対して OC は禁忌とされている。月経周期が確立すれば OC 投与を可とするのが、本委員会の見解である。
未成年であっても、生理がきていたらクリニックで処方してもらえるでしょう。
※エミシアクリニックでは18歳以上の方に処方しております
骨の成長に影響を与える可能性があるとも言われているので、まずは医師に相談しましょう。
生理痛が重くて朝に起き上がれないなど、日常生活に支障を感じていれば十分低用量ピルを服用する理由になります。
低用量ピルの貰い方【高校生だけで処方してもらえる?】
低用量ピルを貰う場合は、同意書や親の立ち会いが必要になることもあります。
しかし高校生だけでも貰えることもあり、それぞれのクリニックにより対応が異なるようです。
確実に受診できるように、事前に問い合わせておくか、ホームページを確認してみましょう。
クリニックによってはオンラインでの診療も対応しています。※
予定が立て込んでいて忙しい方や、通院が面倒な方にとって利用しやすいでしょう。
※エミシアクリニックのオンライン診療は18歳以上の方が対象となります。
ピルの処方で値段はどれくらいかかる?
低用量ピルの値段は、一ヶ月あたり2,000円〜3,000円程度が相場です。※
ピルの種類はいくつかあり、どの薬剤を選ぶかによって多少値段は前後します。
自由検診や保険適用でも、相場はそれほど変わらないことも特徴です。
自由検診であればまとめて処方してもらえるので、忙しくて何度も通院できないときは利用しやすいでしょう。
※引用:NPO法人ピルコン「避妊」
低用量ピルの役割は避妊だけじゃない【生理痛の改善】
低用量ピルには避妊の役割だけでなく、生理痛の改善にも繋がります。
低用量ピルは、生理痛の原因になる「プロスタグランディン」という痛み成分を抑制してくれるので、学業にも専念しやすくなるでしょう。
1. OC/LEP は機能性月経困難症における月経痛を軽減する。(B)
2. OC/LEP は器質性月経困難症における月経痛を軽減する。(B)
薬理学的には OC が子宮内膜の増殖を抑制することや子宮内膜からのプロスタグラン
ディンの産生を抑制することが月経困難症の軽減につながると考えられる。
避妊のイメージが強いピルですが、上手に活用することで生理に関する悩みを解決してくれます。
低用量ピルの効果は?【生理不順やニキビにも効くの?】
低用量ピルの効果は以下。
- 生理痛の軽減
- ニキビの減少
※参考:産婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン 」
月経期間が安定しない方は、生理不順の改善にも繋がるでしょう。
OC服用時、月経は一定の周期になります。月経周期は、生理の始まった日から次の生理が始まる前の日までのことで、一般的に25日~38日間ぐらいです。OC服用時は、休薬期間(お薬の服用をお休みする期間・プラセボを服用している期間)ごとに月経*が起こるようになるため、月経周期は一定(28錠タイプであれば28日周期)になります。
※引用: 避妊のススメ「OCによる避妊」
その他にもニキビが軽減するというデータ※もあります。
避妊のイメージが強いですが、生理不順やニキビ治療にも使用されている薬です。
※参考:産婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン 」p11
低用量ピルを服用したときの副作用は?
はじめての低用量ピルの服用では、以下の副作用が起きる可能性もあります。
- 悪心
- 嘔吐
- 頭痛
- 不正性器出血
※参考:産婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン」
副作用の症状は3ヶ月ほどで治まるケースがほとんどで、様子をみながら服用を継続することが推奨されています。※
そのほかにも重篤な副作用として、血栓症などが挙げられます。
もし違和感や異常を感じた場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。
※参考:産婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン」p66
日本のピルの普及率はどれくらい?
日本でのピル普及率は1~3%というのが現状です。
低用量ピルが承認されて以降、低用量ピルの利用意向がある女性は20%前後いる一方で、実際にピルを利用している女性は1~3%と極めて少数です。さらに「使いたくない」と回答した女性は70%強と多数を占めており、日本における低用量ピルの普及率は依然として低いのが現状です。
欧米よりも普及率は低く、不妊や妊娠しづらくなるといったイメージが強いのも要因です。
しかし低用量ピルを服用しても、将来の妊娠に影響はありません。
ピルについての正しい知識をもつことで、服用するときの不安を減らせるでしょう。
未成年でも低用量ピルの服用は可能。正しい知識を知ることで安心できる
高校生など未成年であっても、低用量ピルの服用は可能です。
正しい知識を身に付けることで安心して服用できるでしょう。
服用には親の同伴や同意書が必要なクリニックもあるので、あらかじめ確認しておくとスムーズです。
生理痛や生理不順などの悩みは、一人で抱え込まず医師に相談してみてくださいね。
この記事を監修した医師
上野 一樹
UENO KAZUKI
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 エミシアクリニック 院長就任