避妊に失敗したとき、「アフターピルはどこの薬局で買えるの?」と、できるだけ早く入手できる方法を探す人は多いでしょう。
しかし、アフターピルは医師の診察のもと処方される薬のため、ドラッグストアの店頭では購入できません。
例外として、国が実施する研究試験に参加する場合に限り、一部の薬局で処方箋なしで入手できるケースがあります。(2025年11月時点)
ただし、申し込みや手続きに時間がかかることもあるため、すぐに欲しい場合はオンライン診療の利用が現実的です。
この記事では、処方箋なしでアフターピルを買える薬局や、研究試験に参加できる人の条件を詳しく解説します。
薬局以外でバレずに購入する方法も紹介しているため、自分に合った手段を選べるようになるはずです。
アフターピルの効果と仕組みに関して詳しくはこちら!

この記事の監修者
エミシアクリニック院長
上野 一樹先生
2020年 医師免許取得
2020年 倉敷中央病院 初期研修医
2022年 神戸市立医療センター中央市民病院 救急科
2023年 9月 エミシアクリニック 院長就任
アフターピルを処方箋なしで買える薬局はどこ?
アフターピルを処方箋なしで販売することは、日本で認められていません。
ただし、厚生労働省が行う調査研究の一環として一部の薬局で実施されている研究試験に参加する場合のみ、処方箋なしで購入できます。
この制度では研修を受けた薬剤師が常駐し、服薬指導やプライバシーへの配慮など、一定の条件を満たした薬局だけが対象です。
研究目的で実施されているため、すべての薬局で利用できるわけではありません。

2025年11月現在、対象店舗は全国で332件程度にとどまり、希望する地域で入手できるとは限らないのが現状です。
近くに対象薬局がない場合や、すぐにアフターピルを入手したい場合は、来院不要のオンライン診療を利用するのが現実的な選択肢となります。
医師の診察を受けた上で自宅配送にも対応しているため、時間的にも安心して利用できます。
※参照:厚生労働省
マツキヨやスギ薬局など大手ドラックストアでの販売状況
マツモトキヨシやスギ薬局などの大手ドラッグストアでは、アフターピルを処方箋なしで購入することはできません。
2025年11月現時点では、日本ではアフターピルが市販薬として認められていないためです。
ただし、調剤薬局を併設している店舗であれば、処方箋を提出することで購入可能な場合があります。
厚生労働省は、処方箋調剤(対面診療・オンライン診療)に対応している薬局・薬剤師の一覧を公開しています。
希望する地域で受け取れる薬局を事前に確認することが可能です。
以下は、大手ドラッグストアでのアフターピル取り扱い状況です。
| 薬局名 | 処方箋 | 詳細 |
|---|---|---|
| マツキヨココカラファイン薬局 | 必要 | 一部店舗 |
| スギ薬局 | 必要 | 一部店舗 |
| ツルハドラッグ | 必要 | 全調剤店舗(一部店舗を除く) |
| ウェルパークウェルシア | 必要 | 一部店舗 |
| アイン薬局 | 必要 | 一部店舗 |
| セイムス | 必要 | 一部店舗 |
| なの花薬局 | 必要 | 全保険薬局にて取り扱い |
| イオン薬局 | 必要 | 一部店舗 |
処方箋による薬の購入時は、本人確認書類の提示や薬剤師による服薬指導が行われます。
ドラッグストアでアフターピルを入手したい場合は、処方箋の発行のため事前に医療機関で診察を受ける必要があります。
急ぎの場合は、オンライン診療で処方箋を受け取り、近くの調剤薬局で受け取る方法も検討するとよいでしょう。
※参照:厚生労働省
処方箋なしのアフターピル試験販売薬局はどこ?
厚生労働省の試験研究に参加する薬局は2025年11月現在で全国332店舗にのぼり、日本薬剤師会の「緊急避妊薬試験販売」から一覧を確認できます。
全国すべての薬局が対応しているわけではないため、自分の地域で取り扱いがあるかを調べる際は、この一覧ページを活用するのが確実です。
試験販売に参加する場合は、プライバシーを確保できる環境で、専門研修を修了した薬剤師が対応します。
性暴力や性被害を受けた人のために、ワンストップ支援センターの連絡先の紹介や、近隣の産婦人科医との連携体制も構築しています。
試験研究に参加する場合は、以下の問い合わせが必要です。
- 対応可能な薬剤師の勤務
- 時間外対応の有無
対応時間帯や薬剤師の勤務体制により販売ができないケースもあるため、事前に必ず電話で薬局へ連絡をしてください。
※参照:厚生労働省
アフターピルの試験販売に参加できる人の特徴
アフターピルの薬局での試験販売は研究目的で実施されており、安全に服用できる環境を整えるために参加条件が定められています。
試験販売に参加できるのは、以下の条件を満たす人です。
- 16歳以上の女性
- 購入、服用を希望する本人
- 研究参加に同意できる人
- 保護者の同意、同伴のある16〜17歳の人
- 公的身分証明書が提示できる人
- 薬剤師の面前で薬を服用できる人
- 薬剤師と日本語でやり取りができる人
- 薬と妊娠検査薬の費用が払える人
尚、16歳以上の未成年に同伴する保護者にも身分証明証の提示が必要です。
- 公的身分証明書(保険証・マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
- アフターピル代(7,000〜9,000円程度)
- 妊娠検査薬代(1,000円〜1,500円程度)
- スマートフォン、メールアドレス
- お薬手帳(お持ちの場合)
研究参加の同意はメールアドレスの登録を含むオンラインで行うため、薬局に行くときはスマートフォンを忘れずに持参してください。
また、性行為から72時間以上経過している人は、試験には参加できません。
本人以外の人の薬の購入や、妊娠の可能性が高い場合、重い肝障害などで服用が難しい人も対象外です。
購入を希望する場合は、条件を満たしているか確認し、早めに行動しましょう。
アフターピルを薬局以外で購入する方法
薬局での試験販売は実施店舗が限られているため、入手できない場合は医療機関を通じた方法が現実的です。
いますぐ必要な人は、以下の方法があります。

受診には薬代の他、診察費がかかる場合もあります。
とはいえ医師の診察を受けることで、服用時期や副作用のリスクについても丁寧な説明を受けられる点が安心です。
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産婦人科・クリニックでの対面処方
対面診療では、医師に直接相談しながらアフターピルを処方してもらえるため、性行為後の時間経過や体調に不安がある人でも安心です。
診察後すぐに薬を受け取れることが多く、早めに服用できる点も利点です。
一方で、診療時間や予約枠の都合からすぐに受診できないケースもあるため、受診前に問い合わせしておくことをおすすめします。
特に夜間や休日、休診日は対応していない医療機関も多いため、事前に取り扱いの有無や受付時間を確認しておくことが重要です。
信頼できる医師のもとで正確な情報を得ながら服用できることが、対面処方の大きなメリットと言えるでしょう。
クリニックのオンライン診療
オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを使って自宅から医師の診察を受けられます。
通院なく受診できるため、時間が限られている人や人目を避けたい人にとって利用しやすい方法です。
多くのクリニックが24時間の受付対応や即日発送に対応しているため、できるだけ早くアフターピルを入手したいときにも便利です。
ただし、診察時間による発送のタイミングや住んでいる地域により、手元に届くまでに時間がかかる場合もあります。
必要なときに確実に服用できるよう、配送方法や対応時間を確認した上で利用することが大切です。
エミシアクリニックのオンライン診療は24時間LINEで受付が可能です。
年末年始を除き年中無休のため、土日や祝日などで近くの病院が利用できない場合にも、ぜひご利用ください。
オンライン診療に関して詳しくはこちら!
アフターピルの個人輸入・通販サイトでの購入リスク
アフターピルは、個人輸入サイトや海外通販で販売されているケースも見られます。
しかし、個人輸入や通販サイトでの購入は取り返しのつかないリスクを被る可能性があるため、利用しないでください。
以下は、個人輸入・通販サイトでの購入リスクです。
- 日本未承認の成分や容量で起こる副作用
- 不衛生な環境での製造による粗悪品
- 正規のメーカーを装った偽薬
- 薬が届かず服用時間に間に合わない
- 注文後の返金に応じていない
さらに、購入した薬の成分が不明な場合、万一体調に異常が起きても医療機関で適切な処置を受けにくくなります。
個人輸入で入手した薬で重篤な副作用や後遺症、死亡事故が起きても「医薬品副作用被害救済制度」の対象にはなりません。
法的なトラブルに発展した場合でも、業者が責任を問われることはなく、購入者本人の責任になるケースがほとんどです。
安全に服用するためには、必ず医師の診察を受け、正規のルートで処方を受けることが重要です。
アフターピルの通販購入リスクに関して詳しくはこちら!
アフターピルの市販化はいつから?最新情報と今後の展望
2025年8月、厚生労働省の専門部会でアフターピルの市販化(スイッチOTC化)が了承されました。
2025年10月20日には、あすか製薬が同社の「ノルレボ®」に対して薬局での販売承認を取得したと発表していますが、現時点で販売開始日は公表されていません。
2016年から議論が続いており、2023年には一部薬局で試験販売が始まりましたが、購入条件が厳しく一般化には至っていませんでした。
市販化が承認されたことで、販売する際の条件には、以下が検討されています。
- 研修を修了した薬剤師が対面販売する
- 薬剤師の面前で服用する
- 使用年齢に制限は設けない
- 親の同意は不要とする
- 購入者全員の年齢確認を行う
- 年齢に応じて相談・情報提供、支援機関への誘導を行う
薬剤師の面前服用に関して検討を行い、一定期間後に見直しについて議論するとされています。
流通体制や薬剤師研修が整い次第、全国の薬局で取り扱いが始まると想定されます。
医療アクセスが向上し、避妊の失敗や性被害を受けた人など、必要な人がより早くアフターピルを入手できる体制の実現が期待されています。
※参考:厚生労働省
アフターピルの利用に関してよくある質問
ここではアフターピルの利用に関してよくある質問3つを解説します。
アフターピルは高額なため、事前に費用の確認や効果・作用について十分に理解しておくことが大切です。
アフターピルの価格相場は?
アフターピルの価格相場は、おおよそ8,000円〜20,000円程度です。
自由診療のアフターピルは保険が適用されないため全額自己負担となり、薬の種類や購入場所により価格が異なります。
以下は、アフターピルの相場と服用方法です。
| 販売名 | 値段相場 | 服用可能時間 (服用方法) |
|---|---|---|
| ノルレボ | 約9,000〜15,000円 | 性交後72時間以内 (1回1錠を服用) |
| レボノルゲストレル錠 | 約8,000〜11,000円 | 性交後72時間以内 (1回1錠を服用) |
| エラ(エラワン) | 約9,000〜20,000円 | 性交後120時間以内 (1回1錠を服用) |
上記の薬代の他、初診料が数千円かかる場合があります。
先発品のノルレボは国内承認薬です。後発品(ジェネリック)のレボノルゲストレルは価格を抑えて入手できます。
クリニックにより服用可能時間が性交後120時間と長いエラを取り扱うクリニックもありますが、やや高額です。
服用までの時間が避妊効果に影響するため、できるだけ早く服用することが推奨されています。
購入の際は薬剤師や医師の説明を受けて、正しい方法で服用しましょう。
アフターピルの値段に関して詳しくはこちら!
アフターピル服用後に考えられる副作用は?
アフターピルを服用した後に体調の変化を感じる場合もあり、主な症状として以下が報告されています。
| 頻度 | 症状 |
|---|---|
| 5%以上 | 消退出血、不正出血、頭痛、眠気、吐き気、倦怠感 |
| 0.1〜5%未満 | めまい、不安、月経過多、腹部違和感、下痢、貧血、熱感、口の渇き、疲労、むくみ |
| 頻度不明 | 月経遅延、嘔吐、胸の圧迫感 |
これらは女性ホルモンの急激な変化によるものであり、薬が体に合わないというわけではありません。
多くの場合、症状は軽度で24時間以内に自然とおさまります。
不正出血や胸の張りを感じることもありますが、一時的なホルモン反応によるもので、長引くケースはまれです。
注意しなければならないのが服用後、2時間以内(エラは3時間以内)の嘔吐です。
吐き戻してしまうと薬が吸収されていない可能性があるため、再度服用する必要があります。
アフターピル服用後の強い症状や症状が長引く場合は、早めに医療機関へ相談してください。
※参照:JAPIC
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アフターピルをすぐに飲めば妊娠しない?
アフターピルは、服用が早いほど妊娠を防ぐことが期待できますが、どんな場合でも100%避妊できるわけではありません。
薬の種類によって以下の通り、効果は異なります。
| 有効成分(薬剤名) | 服用可能時間 | 作用 |
| レボノルゲストレル(ノルレボ錠) | 性交後72時間以内 | 排卵抑制、受精阻害、受精卵着床阻害 |
| ウリプリスタル酢酸エステル(エラ) | 性交後120時間以内 | 排卵抑制 |
服用後、ホルモンの働きによって排卵を一時的に遅らせたり抑えたりすることで受精を防ぎます。
しかし、すでに排卵や受精が起こっていた場合は効果が十分に得られない可能性もあります。
性行為から72時間以内(エラは120時間以内)に服用することが推奨されていますが、できるだけ早い服用が重要です。
服用後の体調変化にも注意し、次の生理が来て妊娠していないことを確認するまで安心はできません。
避妊成功を確認できたら、同時に今後の避妊方法について医師に相談するとよいでしょう。
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避妊に失敗したら焦らず冷静にアフターピルを購入しよう
避妊に失敗してしまったときは、まず落ち着いて行動してください。
焦って自己判断で入手先を探すよりも、信頼できる方法で確実に購入することが重要です。
現在は、一部の薬局で試験的に販売されていますが、薬剤師との面談や本人確認を求められます。
人目が気になり薬局での購入が難しい場合や、夜間や休日で病院での診察が難しいときは、オンライン診療が便利です。
冷静に行動し、72時間以内にできるだけ早く服用して妊娠を防ぎましょう。
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