低用量ピルの種類別一覧表｜目的別におすすめの種類や選び方を紹介

低用量ピルは、避妊だけでなく月経トラブルの改善や肌質の向上など、さまざまな目的で多くの女性に利用されています。

しかし、低用量ピルといっても種類が豊富で、それぞれに特徴や効果が異なるため、どれを選べばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、低用量ピルの基本的な仕組みから、中用量ピルや超低用量ピルとの違いまでわかりやすく解説。

さらに、目的別におすすめの種類や選び方のポイントを詳しくご紹介します。

自分に合った低用量ピル選びの参考にしてみてください。

低用量ピルとは？中用量ピルなど他の種類との違い

低用量ピルとは、女性ホルモンを適量配合した経口避妊薬のことを指します。

避妊効果はもちろん、月経痛の軽減や生理周期の安定、肌トラブルの改善など、さまざまな効果にも期待できる薬です。

一方で、ホルモンの含有量や配合比率が異なる中用量ピルや超低用量ピルも存在します。

ピルの種類	エストロゲン含有量	主な用途
高用量ピル	51μg以上	不正出血や過多月経の改善月経困難症や月経周期異常の改善
中用量ピル	50μg	月経移動や月経のリセット
低用量ピル	50μg未満	月経困難症や過多月経の改善避妊目的
超低用量ピル	30μg未満	月経困難症や子宮内膜症の治療
ミニピル	含まれない	避妊目的(エストロゲンによる副作用を避けたい方向け)

しかし、エストロゲンを多く含むピルほど、吐き気や頭痛などの副作用が出やすくなります。

また肥満の方や喫煙者・高齢の方のピル服用は、エストロゲンの影響により静脈血栓塞栓症の発症リスクが高まるケースも。

そのため、中用量ピルや高用量ピルは現在ほとんど使われていません。

また、超低用量ピルはホルモン量が少なく、体への負担を抑えたい方やホルモン過敏症の方に選ばれますが、避妊効果や症状改善効果に差が出ることもあります。

目的や体質に合わせて適切なピルを選ぶことが重要ですが、一般的に使われることが多いのは低用量ピルです。

緊急避妊薬として「アフターピル」も存在しますが、用途や服用のタイミングが異なるため、上記で挙げたピルとは異なる位置づけといえるでしょう。

低用量ピルと超低用量ピルどっちがいい？

効果を重視するなら低用量ピル・副作用のリスクを抑えたいなら超低用量ピルがおすすめです。

低用量ピルは避妊効果の期待値が大きく、月経痛の軽減や生理周期の安定、ニキビ改善などの効果にも期待できます。

副作用として軽い吐き気や頭痛・体重増加などを感じる方もいますが、多くの場合は慣れていくケースが多いです。

一方で超低用量ピルはホルモン量がさらに少なく、体への負担が軽いのがメリットです。

初めてピルを使う方に向いていますが、ホルモン量が少ない分、効果は低用量ピルに比べてやや劣る可能性があります。

まずは医師に相談した上で、自分の体質や目的に合った種類を選びましょう。

低用量ピルの種類は相性で分類できる

低用量ピルの種類は、相性（そうせい）で分類できます。

配合される黄体ホルモンと卵胞ホルモンの量の変動パターンを表すものです。

シート上の錠剤1つあたりのホルモン配合量の変動パターンにより、以下のように分類されます。

相性	ホルモン配合量	代表例
1相性	変動しない	・マーベロン ・ファボワール ・ルナベル ・フリウェル ・ジェミーナ ・ヤーズ ・ヤーズフレックス
2相性	2段階に変動	日本では未承認
3相性	3段階に変動	・シンフェーズ ・トリキュラー ・アンジュ ・ラベルフィーユ

※エミシアクリニックでは取り扱っていない薬剤です。

1相性の低用量ピルはホルモン配合パターンが一定であるため、決まった順番で服用する必要はありません。

2相性と3相性についてはどちらも変動があり、飲む順番がしっかり定められています。

2相性の低用量ピルは国内では未承認のため、日本で処方される低用量ピルは1相性か3相性かのどちらかになるでしょう。

ラベルフィーユとトリキュラーのどっちがいい？

ラベルフィーユとトリキュラーはどちらも低用量ピルとして広く使われていますが、それぞれ特徴やおすすめの使い方が少し異なります。

項目	ラベルフィーユ	トリキュラー
主な効果	月経困難症の改善 ホルモンバランス調整	避妊効果
ホルモンの特徴	副作用が比較的少ない	安定したホルモン配合で効果が安定
副作用	軽度	吐き気や頭痛を感じることがある
おすすめの人	生理痛がひどい方、生理不順の方	避妊を最優先したい方

どちらのピルが良いかは、目的や体調によって変わるため、自分に合ったピルを選ぶのが最善です。

避妊効果重視ならトリキュラー・月経困難症や体質改善を優先するならラベルフィーユを選びましょう。

もし迷った時は、無料のオンライン相談やクリニックの医師に相談してみてください。

低用量ピルの種類を選ぶ方法【目的別】

低用量ピルはそれぞれ特徴が異なるため、以下では目的ごとにおすすめの種類をまとめました。

目的	ピルの世代	ピルの種類	価格目安
避妊効果	第2世代 第3世代	トリキュラー マーベロン	約2,000～3,000円
月経困難症の改善	第3世代 第4世代	ヤーズ ラベルフィーユ	約2,500～3,500円
肌質・ニキビ改善	第3世代	マーベロンファボワール	約3,000～4,000円

第1世代ピルにも効果はあるものの、ホルモン量が多く副作用リスクが比較的高いため、現在はあまり使われていません。

用途によって最適なピルは異なるため、ご自身の目的に合わせて選びましょう。

避妊効果を重視したい

避妊を第一に考えるなら、効果の信頼性が高いピルを選びましょう。

低用量ピルは、正しく服用することで99.9%の避妊効果が期待できます。

※参照：日本産婦人科学会

なかでも、第2世代のトリキュラーはホルモンバランスを段階的に調整するため、体への負担が少ないと感じる方が多いです。

また、第3世代のマーベロンも、ホルモン量が一定なのでシンプルな服用スケジュールを好む方に向いています。

医師との相談を経て、自分の体調やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

【トリキュラーとマーベロンだとどっちがいい？】

トリキュラーは体調の変動を和らげやすい点がメリットですが、服用スケジュールが少し複雑なため、毎日の管理に慣れが必要です。

対するマーベロンは、ホルモン量が一定なので服用がシンプルで、初めての方でも続けやすいという利点があります。

副作用の出方は個人差が大きいため、実際に試してみて体調の変化を確認するのが理想です。

月経困難症を改善したい

月経痛や生理不順に悩む方は、症状の改善を目的とした低用量ピルの選択がおすすめです。

特に「ノルエチステロン」や「レボノルゲストレル」を含むピルは、月経困難症の緩和に効果的とされています。

ホルモンバランスを整えることで、月経時の痛みや出血量を減らす効果が期待できるでしょう。

月経困難症には以下のような症状があり、人によっては日常生活や仕事に支障をきたすことも。

• 腹痛や腰痛、頭痛
• 食欲増進・減退
• 不安感やイライラ
• だるさや疲れやすさ
• 下痢や嘔吐
• 肌トラブル

しかし、ピルを服用することで排卵が抑えられ、生理の時に分泌されるプロスタグランジンの量が減少します。

「プロスタグランジン」はホルモンに似た生理活性物質で、子宮を収縮させ、血流を減らし、神経を痛みに敏感にさせる作用があります。※引用：日本新薬株式会社

これにより、腹痛などの生理痛の症状が緩和される仕組みです。

まずは医師に相談して自分の症状に合った種類を選びましょう。

肌質・ニキビなどの改善を目指したい

ニキビや肌荒れの改善を目的に低用量ピルを使う場合、ホルモンの種類とバランスが鍵です。

なかでも第3世代のマーベロンやファボワールは、ホルモンバランスを整えることで、以下のような効果に期待できます。

• ニキビの減少
  ↳皮脂の過剰分泌が抑制される
• 肌のきめの改善
  ↳ホルモンレベルが安定する
• 毛穴の引き締め
  ↳皮脂分泌の抑制により引き締まる
• 肌のうるおい
  ↳エストロゲンにより、肌の保湿機能が向上する

_{※参照：日本産婦人科学会}

ニキビ治療として医療機関で処方されることもあるため、肌トラブルに悩む方は選択肢として検討するとよいでしょう。

ただし、副作用や効果には個人差があるため、医師と相談しながら進めることをおすすめします。

低用量ピルの種類一覧【世代別】

低用量ピルはホルモンの種類や配合量によって、主に4つの世代に分類されます。

種類	黄体ホルモン	代表例
第一世代	ノルエチステロン	・シンフェーズ ・フリウェル ・ルナベル
第二世代	レボノルゲストレル	・トリキュラー ・ラベルフィーユ ・アンジュ ・ジェミーナ
第三世代	デソゲストレル	・マーベロン ・ファボワール
第四世代	ドロスピレノン	・ヤーズ ・ヤーズフレックス

※エミシアクリニックでは取り扱っていない薬剤です。

基本的な効果は共通ですが、世代によって一部の作用が特に強くなっているケースも。

たとえば、ノルエチステロンを含む第1世代は、子宮内膜症の治療効果に優れています。

子宮内膜症患者を 対象にノルエチステロン 1mg/EE35μg 配合薬を用いた RCT では，LEP 投与群はプラセボ群と比較して径 3cm 以上の卵巣子宮内膜症性嚢胞の大きさを有意に縮小させた 1)． 

_{引用：日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン（案）」}

対して、ドロスピレノンを含む第4世代の低用量ピルは、男性ホルモン（アンドロゲン）の働きを抑える作用が強くニキビや多毛症の改善が期待できるとされています。

さらに，OC/LEP に含有される P にはドロスピレノン（DRSP）のようにアンドロゲン 受容体で拮抗して抗アンドロゲン作用を強く持つものもあり，尋常性痤瘡や多毛症 4)などアンド ロゲンに関連した疾患の改善に働く．

_{引用：日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン（案）」}

後発の世代ほど優れているというわけではなく、それぞれの薬剤は症状や体質にあわせて処方されるものです。

それぞれ副作用のリスクも異なるため、目的や体質に合わせて選びましょう。

エミシアクリニックではお悩みに合った低用量ピルをご提案するので、適切な種類が分からない方はぜひオンライン診療にてご相談ください。

ノルエチステロン（第1世代ピル）

第1世代ピルはノルエチステロンというホルモンを主成分とし、初期の低用量ピルとして開発されました。

• シンフェーズ
• フリウェル
• ルナベル

ただし、ホルモン量が比較的高く、副作用が出やすい傾向があります。

避妊効果には期待できますが、月経困難症や肌質改善にはあまり向かないため、現在ではあまり使われていません。

※参照：一般財団法人日本医薬情報センター

レボノルゲストレル（第2世代ピル）

副作用を抑えつつ、避妊効果を高めるために改良された第2世代ピルは、レボノルゲストレルを主成分としています。

• トリキュラー
• ラベルフィーユ
• アンジュ
• ジェミーナ

吐き気やむくみなどの副作用が比較的少なく、多くの人が使いやすいピルです。

避妊だけでなく、月経不順の改善にも期待できます。

※参照：一般財団法人日本医薬情報センター

デソゲストレル（第3世代ピル）

第3世代ピルはホルモンの種類を変え、より女性の体に優しい設計となっています。

デソゲストレルが主成分で、ホルモンバランスを整えやすく、肌質改善やニキビの改善に効果が期待できます。

• マーベロン
• ファボワール

ただし、血栓症のリスクが若干高いと言われているため、医師との相談が重要です。

※参照：一般財団法人日本医薬情報センター

ドロスピレノン（第4世代ピル）

第4世代ピルは最新のホルモン配合で、副作用を最小限に抑えつつ効果を発揮します。

ドロスピレノンを主成分としており、月経困難症の改善や肌のトラブル解消に優れているのが特徴です。

• ヤーズ
• ヤーズフレックス

副作用のリスクも抑えられていますが、体質によっては注意が必要です。

低用量ピルの値段相場

低用量ピルの価格は、種類や購入先によって異なります。

一般的には1シートあたりおよそ2,000円から3,000円前後が相場ですが、各世代の値段相場は以下の通りです。

種類	代表例	値段相場
第1世代	シンフェーズ フリウェル ルナベル	1,500～3,000円
第2世代	トリキュラー ラベルフィール アンジュ ジェミーナ	2,000～3,000円
第3世代	マーベロン ファボワール	2,000～3,000円
第4世代	ヤーズ ヤーズフレックス	2,000～3,000円

クリニックによっては、初診料や処方料が別途かかる場合もあるため、トータルコストを確認することが大切です。

低用量ピルは継続することで効果が期待できるので、使用の目的と無理のない値段のものを選びましょう。

継続して服用する方に向けて、まとめ買いや定期便プランなどを提供しているクリニックもあります。

エミシアクリニックでも低用量ピルの定期配送が可能なため、サービスを利用することで、費用を抑えましょう。

※参照：日本産科婦人科学会

エミシアクリニックで扱っているピルの種類と値段

エミシアクリニックでは、オンライン診療サービスを提供しており、3,240円（税込）から以下の低用量ピルを処方しています。

• マーシロン
• ヤスミン
• ドロセティル
• フリウエル配合錠ULD
• トリキュラー錠28
• マーベロン28

診察料・送料はかからないため、手間なくお得にご利用いただくことが可能です。

【エミシアクリニックの特徴】

• LINEからオンライン診療を受けられる
• 専属医師が監修し処方
• かんたん問診で最短当日に発送が可能
• 診察前に無料カウンセリングを実施
• 診察後にアフターフォローを実施
• 全国どこでも発送可能

生理痛の緩和や、卵巣がんや子宮体がんのリスク軽減・肌荒れ改善などの効果が期待できるピルを取り扱っています。

ご自身の身体の悩みに合うピルが分からない方も、ぜひお気軽にオンライン診断にてご相談ください。

【エミシアクリニックの低用量ピルがおすすめの方】

• 密かに避妊を行いたい方
• 極力費用は抑えてピルを購入したい方
• 医師の診療を受けてピルを服用したい方
• オンライン診察で、生理痛やPMSを軽くしたい方

低用量ピルの種類に関してよくある質問

以下では、低用量ピルの種類に関してよくある質問をまとめました。

• ミニピルと超低用量ピルの違いは？
• 服用中に低用量ピルの種類を変更しても問題ない？
• 低用量ピルでも避妊効果がないものはある？
• 低用量ピルとアフターピルは併用して大丈夫？

ミニピルと超低用量ピルの違いは？

ミニピルは黄体ホルモンのみを含むピルで、授乳中の方やエストロゲンを含むピルを服用できない方に適しています。

一方の超低用量ピルは、低用量ピルよりもさらにエストロゲンの量が少なく、副作用を抑えたい方におすすめです。

どちらも避妊効果は期待できますが、使用条件や体質に応じて選ぶことが重要です。

服用中に低用量ピルの種類を変更しても問題ない？

服用中に他のピルへ種類を変更しても問題はありません。

異なる用量のピルへの変更も、同じ用量の違うピルへの変更も同様です。

特に副作用が重い場合は薬剤が身体に合っていない可能性があるので、早めに婦人科に相談しましょう。

ピルの種類を変更するタイミングは、服用中のピルを1シート飲み終わってからです。

ただし1シート飲み終えてから切り替えるタイミングは薬剤により異なるため、1シート飲み終える前に婦人科へ相談するようにしましょう。

低用量ピルでも避妊効果がないものはある？

薬剤の種類の違いによる避妊率の大きな違いはないため、正しく服用を継続することや身体に合った薬剤を選ぶことが大切です。

低用量ピルの避妊率は、正しく服用を継続した場合99.7％です。

飲み忘れを含む一般的な服用においても、92％の避妊率となっています。

低用量 OC については, 理想的に使用した場合のパール指数は 0.3, 飲み忘れるリスクなども考慮した一般的な 服用の場合は 8 と報告されており, 他の避妊法に比較して低い 3) .

_{引用：日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン（案）」}

ただし、以下のような場合は、避妊に失敗する可能性もあるので要注意です。

• 7日間連続服用する前の性行為
• 飲み始めが3日以上遅れている間に避妊を行わなかった
• 服用後に下痢や嘔吐が24時間続いた

服用の状況次第で避妊率は変わるので、正しく服用を続けることが重要です。

低用量ピルとアフターピルは併用して大丈夫？

低用量ピルを正しく服用出来ていればアフターピルは不要ですが、飲み忘れなどで避妊に失敗した場合は緊急避妊法として併用できます。

アフターピル服用後に低用量ピルの服用を再開するタイミングは、次の生理が始まってからというのが一般的です。

ただし緊急避妊としてアフターピルを併用した場合、12時間以内に低用量ピルの服用再開を推奨される場合もあります。

例えば、“OC の飲み忘れ”のために LNG-ECPを処方した場合には、LNG-ECP 服用後 12 時間以内にホルモン避妊法を再開するように勧める 14)。その際には、消退出血が遅れることを十分に説明する。

_{引用：日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針」}

飲み忘れ等で避妊に失敗した可能性があれば、速やかにアフターピルを服用するなどして緊急避妊を行うようにしましょう。

低用量ピルの種類を選ぶときは無料のオンライン相談がおすすめ

低用量ピルは種類ごとに特性が異なるため、どのピルが合っているのかを見極めることが大切です。

もし服用中の低用量ピルで体調を崩してしまったら、ピルが身体に合っていない可能性があります。

ピルの種類を変更することもできるので、医師に相談するようにしましょう。

エミシアクリニックなら来院することなく、どこからでも受診いただけます。

相談・診察・処方が全てLINEで完結するため、低用量ピルが気になる方はぜひ一度お問い合わせください。